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(2004/11/15プロパン・ブタンニュース)

福岡県LPガス協会会長
寺ア和典氏
オール電化阻止する世論を形成

 福岡県LPガス協会の寺ア和典会長は、九州・沖縄8県のLPガス協会のブロック長でもある。寺アさんは九州電力が標榜する「オール電化」の流れをせき止めるには、土石流の中に棒杭を立てても止められるものではない。流れを止める砂防ダムは、世論形成に如くはない。それには川上での宣伝と同時に川下の消費者に真実を知らせることである。とくに女性客(主婦)に電磁環境(50〜60ヘルツ)のリスクに予防原則を説くことだと強調する。
 寺アさんは有言実行の人である。電磁波問題に取り組んで4年、国民生活センターにも顔を出し、その広報紙「くらしの危険」に電磁調理器が取り上げられた。そして国がする周知のお手伝いをしているのだと言う。福岡県協会は環境セミナーへの積極的参加、LPガス展示車の稼働、電磁波測定運動の展開、県協会主催のガス機器販促キャンペーンなど、これらはオール電化の流れを止める「砂防ダム」構築作業に他ならない。
 (表はガスこんろとIH調理器の年度別全国出荷統計、図は九州電力によるオール電化住宅累計戸数と年度別増加戸数を示す)
暮らしと環境セミナー
 先月12日、電磁波問題を考える九州の会が福岡県自治会館で「暮らしと環境セミナー」を開いた。受講者はLPガス、都市ガス関係者が約300人。講師の地球環境問題評論家・船瀬俊介氏は「電磁波は成長細胞に悪影響を及ぼすため子供への影響が懸念される。理性を司る脳ホルモンのセロトニンや若さに作用するメラトニンは電磁波で激減することが証明されている。がん細胞の増殖スピードが24倍になるとの報告もある」と指摘し、「電磁波の安全基準は1_ガウス。この数値はテレビから約1bで計測される。電磁波の影響は強さと時間に比例するので予防策は距離をとること」などと述べた。
 今後、環境セミナーは北九州、福岡市内、福岡近郊でそれぞれ1回行われるが、県協会は積極的に参加して聴講する。
LPガス展示車の稼働
 日産自動車のバネット(1d車)に各種ガス器具を搭載、ガラストップのガス厨房器と電磁調理器の比較実演もできる展示車を協会が所有して協会支部や会員会社のガス展などに貸し出す事業が今年6月から始まった。使用料は、1事業当たり1万円(ガソリン代込み)、車両移動に2日(現場までと返却にそれぞれ1日)、実演2日で計4日が標準。11月の貸し出しスケジュールが既に14カ所も決まって中々の繁盛である。
電磁波測定運動
 協会はすべての販売店が電磁波測定器を購入してお客の目の前で電磁波を測定して見せるように勧めている。協会青年部長の馬場宏さん(大牟田市、馬場米屋)が10支部の青年部に呼びかけて測定運動を促進している。その結果、特に電気カーペットは電磁波が多いことが分かった。
 また、オールメタル対応の測定器は電磁波が強いので米国製のものがベターだと大阪のフルモト商事経由で米国製のものを購入している。
協会主催のガス機器販促キャンペーン
 福岡県協会は10月から来年1月まで「LPガスプラスワンキャンペーン」と銘打って機器販促キャンペーンを開始した。ガラストップ、浴室乾燥、ファンヒーター、潜熱回収型高効率給湯器などの高額ガス器具を客が購入し易いリース制度を採用して付加価値の高いガス機器の販売コンテストを行うものである。かくて対電力との闘いに臨もうというのである。
 寺アさんは、福岡支部長の泉博文さん(中外瓦斯住設社長)がやっているリース制度によるファンヒーター販売の成功例を挙げた。一戸々々客を訪問して暖房の費用対効果を話し合うことができる。そして冬場に向かって何台のファンヒーターが成約できたか、目標を定めることもできる。全県下のLPガス業者が泉さんのような行動をしたら何と素晴らしいことか。オール電化に変わった処も訪問したらよい。有言実行の寺ア会長は、オール電化にした人がカセットこんろを100%持っているという。テレビ西日本の解説委員・中村良三さんは、好評16倍、不評64倍、これは法則だと言っている。電磁波の不評は、64倍のスピードで伝わると対談を結んだ。

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