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(2005/5/16プロパン・ブタンニュース)

Misumi 代表取締役専務
三角征四郎氏
Misumi南九州の布陣

株式会社Misumi代表取締役専務・三角征四郎さんは、Misumiの歴史と現況から話し始めた。明治40年に日本石油(現新日本石油)と特約販売契約を結び、今年で98年になる。石油の販売量では新日石の全国特約店で常に13位くらいにいる。九州では1位である。特に最近は新しい大型スタンドやセルフスタンドを積極的に展開したことが販売量を増大する結果を招来した。LPガスも昭和34年に日本石油瓦斯(現新日本石油ガス)と特約販売契約を結び石油と共に太いパイプで繋がっている。今度、新日石は石油もLPガスも一つの会社になるから一層相談しやすくなる。
 Misumiは昭和51年、ケンタッキー・フライド・チキンとフランチャイズ契約を締結、九州だけで店舗数50店舗を持ちフランチャイジーではわが国で第1位である。平成11年にはピエトロ・バルコーネともフランチャイズ契約をして外食産業に事業の新しい柱をうち建てた。この他にミスミ建設のハウジング事業、フォード南九州、南九州トーヨータイヤなどのカーライフ事業、さらにカルチャー事業に書籍、CD/DVD/ビデオ/パソコン関連商品の販売、そして平成10年に姶良郡蒲生町に高牧の森の水製造工場を設置してミネラルウォーターの製造販売を開始、同14年に高森の水大型新鋭工場を建設して最近では月々2,000万円の売上高を得るようになった。
韓国L・GグループからLPガスを輸入
 このようにMisumiの事業は、車社会の到来、食文化、住環境の変化、情報の高度化に対応して多様化してきた。Misumiのトップ経営陣は、長兄の三角桂二郎会長は目下、病気療養中で、次兄の三角皓三郎社長が経営全般を見て、三角征四郎専務が営業を管掌している。
 三角征四郎専務は、Misumiが時代の変化に素早く対応して地域社会に貢献してきたかを話した。
 MisumiのLPガス年間販売量は6万1,300d、うち家庭業務用4万8,514d、一般工業用2,331d、自動車用1万454d、直売消費者数4万2,643軒うち簡易ガス4,054軒である。(データは石油化学新聞社刊2005年版LPガス資料年報により、平成15年度実績である)。16年度の直売消費者数は4万8,000軒である。LPガスの主要仕入先は新日石ガスである。LPガスの総仕入れ量の20%程度、年間1万〜1・5万dを新日石ガスの諒解のもとに韓国L・G(ラッキーゴールドグループ)から輸入している。
 輸入に踏み切ったのは次の二つの理由による。@輸入業務の勉強のためA韓国は地震が無く地下岩盤がしっかりしていて冷凍貯蔵ではなく加圧貯蔵ができオペレーションコストが安く、人件費も安い――である。かつ、韓国と鹿児島の距離も遠くない。そしてMisumiには海上受け入れ基地が整備して好条件である。
4つの海上受入二次基地
 昭和50年に鹿児島市に海上基地(800d、500d、350d各1基)を設けた。同59年に種子島海上基地(30d3基)を設置、平成元年に熊本県八代市に八代海上基地(200d2基、300d1基)を設置、平成8年に宮崎市大淀川河口に宮崎基地(プロパン用300d、250d各1基、ブタン用200d、オートガス用7d各1基、総貯蔵能力757d)を完成した。
 これによってMisumiの南九州における二次基地は磐石の布陣となった。
バルク貯槽1,571基、バルクローリー17台
 早くから工業用、業務用に1dの貯槽でバルク供給をしていたが、新バルクになってからさらに積極的に取り組んで配送の合理化に役立っている。バルク貯槽のポテンション付液面計から監視センターに送られてくる残量確認データで配送センターに配送指示が送られる仕組みである。この配送ソフトは自社開発である。系列販売店にもバルク貯槽を貸与して合理化を推進している。鹿児島、宮崎、熊本3県でのバルク貯槽設置基数は1,571基、バルクローリー配置台数は合計17台である=表参照=。
新エネルギー商品販売チームを創設
 昨年、「新エネルギー商品販売チーム」を創設した。コージェネ市場の開拓を狙うもので、LPガス部や石油部門、子会社ミスミ建設の設備課などがサポートする体制である。ガスエンジンコージェネ、GHP、家庭用コージェネ「エコウィル」、マイクロガスタービン、燃料電池等を戦列に加えている。やがて燃料電池が普及し易い販売価額が実現するだろう。それまでのつなぎの商品がGHPであり、ガスエンジンコージェネである。よってこのチームには大学で機械、電気を専攻したものを配置したと、三角征四郎専務は対談を結んだ。


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