石油化学新聞

【おことわり】4月29日付は連休のため休刊します。ご了承ください。

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ケミカルグループ 筑本学社長に聞く グリーンスペシャリティ企業へ

石化事業 西日本連携「すぐにでも」

三菱ケミカルグループは、地球規模で抱える社会課題を解決するグリーンスペシャリティマテリアル企業として収益改善を急ぐ。1日に就任した筑本学社長は「現在の産業ガスと医薬事業におんぶに抱っこの状態は続けられない。本業の化学で収益を上げ成長を実現する」と強調する。今後の成長戦略などを聞いた。
―新社長としての抱負をお聞かせください。
企業は成長させないといけない。成長することで従業員も喜ぶし、ワクワクを実感する。新しいことをやらなければ面白くない。しっかり投資しトップラインを伸ばしたい。私がこれからやることは株主の皆さんに受けが悪いと思うが、中長期的には本業の化学で必ず儲かる会社にしたい。コストだけ削減すれば利益は上がると言うけれど、コスト削減はそんなに長く続かず、その過程で組織が疲弊する。私も昔、きつい事業を担ったのでそれは身にしみて分かる。
―スペシャリティマテリアルズは昨年10月の事業説明会で、コア市場に位置づける「EV・モビリティ」「デジタル」「メディカル」「食品」の4分野に経営資源を集中投下する半面、25年度までに売上収益約2200億円規模のノンコア事業からの撤退を進める方針を表明しました。
やはり得意な事業に経営資源を集中する。例えば半導体材料で当社はフォトレジストはやっておらずティア1ではない。

京葉コンビナート 出光主導の石精協業加速

GXで富士石油とシナジー

京葉コンビナートで出光興産が主導する石油精製の協業が加速する。富士石油を持分法適用会社としたうえで、製油所の競争力強化とカーボンニュートラル(CN)実現に向けた具体的な施策を推進する。近隣の石化メーカーを含む企業間連携の輪を通じて京葉地区全体のグリーントランスフォーメーション(GX)をリードする。
出光興産は公正取引委員会から承認を得ることを条件にJERAが保有する富士石油の全株式683万9920株(発行済み総数の8・75%)を市場外で取得する。取得価額は24億6200万円。出光は3月末にも住友化学から富士石油の株式を取得しており、今回のJERAからの買い取りで1703万5520株(同21・79%)を保有することになり、富士石油を持ち分法適用会社とする。

  • 住化カラーと日本ピグメント・・・事業拠点を相互活用 中国、東南ア拡販
  • ユウホウ・・・炭素繊維不織布、リサイクル品を拡販 電磁波遮蔽品開発
  • 住化カラー・・・PLA耐衝撃品を川下企業と事業化へ

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リスパック・・・万能食品容器を提案

輸送や陳列効率に重点

よろず箱の陳列例。隙間なく陳列でき、品出しの負担も減らせる

リスパックは、シンプルな形状であらゆるメニューに対応可能なプラスチック製万能食品容器「バイオよろず箱」を提案する。同容量の従来品より搬送容器に多く収納できる、搬送や品出し、陳列の効率化に対応できるのが特徴だ。
よろず箱はバイオPET製で、これまで漬物などで使用されていた薄型の長方形容器を深型にした。内外嵌合で液体の多い内容物にも対応でき、薄型の容器では収納できなかった大きい具材も収まり、鮮魚、日配、精肉、総菜などを中心に多用途に使用できる。スーパーマーケットなどから内容量を増やしてほしいという要望があったのも開発経緯の一つだ。

  • SABIC・・・PC系アロイ 車両外装部品に力 無塗装で美観、耐久性
  • 島津製作所・・・米子会社 3ヵ所にR&Dセンター 北米売上高700億円超へ
  • 三菱ケミカルグループ・・・新設計概念の樹脂部材 月面探索車に採用
    三菱ケミカルグループが「コンプライアントメカニズム」=写真=と呼ぶ新設計概念を適用して設計した樹脂部材が、月面小型探査車YAOKIに採用された。YAOKIは宇宙開発ベンチャーのダイモンが開発中の月面探査車で、24年中に民間企業としては世界初となる月面探査に使用される予定だ。コンプライアントメカニズムは、弾性を持つ素材で製品を一体的に成形することで、力や運動をしなやかに伝達し、機能を発現させる設計概念。
  • 積水樹脂プラメタル・・・アルミ樹脂複合板 環境対応品を発売
  • カネカとJALUX・・・食品容器 生分解性樹脂で開発 JAL機内食に採用

    JAL国際線で採用された機内食容器(グリーン・プラネット製の副菜容器は上の3点)

    カネカと日本航空(JAL)グループ商社のJALUXは、カネカの生分解性バイオポリマー「グリーン・プラネット」製で初となるリユース可能な食品容器を共同開発した。この食品容器はJAL国際線で提供される機内食の副菜容器に6月から採用される。
    JALグループは環境負荷の低減に向けた取り組みとして、機内やラウンジで提供する使い捨てプラスチック用品での新規石油由来品を25年度までに全廃する計画であり、今回のグリーン・プラネット製食品容器の採用はその一環となる。
    JALグループは環境負荷の低減に向けた取り組みとして、機内やラウンジで提供する使い捨てプラスチック用品での新規石油由来品を25年度までに全廃する計画であり、今回のグリーン・プラネット製食品容器の採用はその一環となる。

石油化学新聞社 70周年パーティー

業界とともに発展誓う

LPガスと石油化学の両業界約700人が出席した

石油化学新聞社は創立70周年を迎え12日、東京石油化学新聞社 70周年パーティー業界とともに発展誓う都千代田区の帝国ホテル東京で記念パーティーを開いた=写真。取引先など石油化学、LPガス業界から関係者ら約700人が出席した。
当社は1954年4月4日に成冨治社長の父・健一郎が創業し、「プロパン・ブタンニュース」、続いて「石油化学新聞」を発刊した。両紙はともにLPガス、石油化学の分野では国内初の業界専門紙だった。
成冨社長は冒頭「プロパン・ブタンニュースと石油化学新聞は現在、関連業界の各方面で幅広く購読されている。このことは新聞発行者として誇りに思うと同時に、強く責任を感じている」とあいさつした。 特にカーボンニュートラル(CN)実現に向けた報道も強化していくことを掲げ「創業以来継続してきた業界の発展のためという編集方針を堅持し、紙媒体だけではなく電子媒体も使って多様な情報発信を展開する」と述べた。
来賓祝辞では日本化学工業協会の福田信夫会長(三菱ケミカルグループ取締役)が「化学産業はCN、グリーントランスフォーメーションなどについても、他産業を巻き込み幅広く貢献することができる産業。業界各社も社会に貢献するさまざまな取り組みを率先して推進するので、それらの取り組みが社会や関係先へ届くよう、これからも信頼性ある情報を発信し続け、日本の化学産業の一層の発展に貢献するよう心より期待する」とエールを贈った。

  • クラレファスニング・・・面ファスナーに再生タイプ追加
  • 日揮など4社・・・リゾート廃食用油SAFに再資源化
  • 住友化学・・・再生PMMAを宝飾品向け提供
  • 東ソー・・・山口県で再造林促進の「苗木基金」

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  • 液状エポキシ・・・日本に輸入圧力 中国は新増設相次ぎ余剰
  • 基本液状エポキシ・・・需給ギャップ拡大 アジア価格低水準
  • UBE・・・4月 CPL75㌦安
  • オルソキシレン・・・定修年 国内需給タイトに拍車、国際市況も強含み
  • 石油化学工業協会・・・3月の汎用4樹脂の出荷実績 3月の石化製品生産実績 
  • 石油化学工業協会・・・汎用4樹脂(LDPE、HDPE、PP、PS)の3月出荷実績
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の3月国内出荷
  • 日本スチレン工業会・・・ポリスチレン(PS)の3月内需
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2024年3月のPSP出荷実績
  • カーボンブラック協会・・・2月のカーボンブラック実績
  • 日本プラスチック工業連盟・・・2月のプラスチック原材料の在庫月数
  • 化学製品値上げ
    ・KHネオケム・・・オキソ系製品など
    ・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル・・・無水フタル酸を30円
    ・プライムポリマー・・・PEとPP15円以上
    ・綜研化学・・・粘着剤と樹脂

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横河電機・・・電力取引導入を支援

コンサルと運用サービス 欧エネITと提携

横河電機は製造業の電力取引を支援する新規ビジネスに参入する。アイルランドのエネルギーITソリューションカンパニー、グリッドビヨンドと資本業務提携し、顧客である日本の製造業などが電力取引を導入する際のコンサルティングと運用サービスを提供する。プラントの省エネとエネルギーコストの低減にとどまらず、売電による新たな収入の確保までを視野に入れて提案活動を推進する。

エフピコ・・・自動化機械と容器PR 

食品業界の省力化に貢献

機械に関する説明を熱心に聞く来場者

エフピコは10~12日、東京・江東区の東京ビッグサイトで毎年恒例のプラスチック食品容器に関する商談会「エフピコフェア2 0 2 4」を開いた。食品業界の省力化・自動化に貢献する自動化機械と、機械に対応した自社製容器を展示した。機械を大々的に展示するのは初の試み。3日間で前回開催より25%増の約1万5千人が来場した。商談会は毎春開かれ、会期中には小売り企業や外食企業の仕入れ担当(バイヤー)らが訪れる。
今年のメーンテーマは「『人手不足』の本番はこれから 現場の変化支える容器」。エフピコに協力する機械メーカー17社の機械24台を容器とともに展示し、実演も随所で行った。人手不足の深刻化に伴い、スーパーマーケットでは従来バックヤードで行っていた作業をプロセスセンターやセントラルキッチンに集約している。こうした施設には作業工程の自動化を促進するための機械が導入される。バックヤードに残された作業も省人化が進み、盛り付けやラベル張りなどの機械導入が進む。エフピコはそうした食品容器に対するニーズ変化を取り込むとともに、機械メーカーと共同で容器の強度やラベルを貼りやすい形状に変更するなどの開発に取り組んでいる。

  • 三洋化成工業・・・COポリオール英新興と事業化へ
  • 三菱商事・・・DAC商業化へ 米国PJに参画
  • 長瀬産業・・・でんぷん系SAPに 海洋生分解性を確認
  • 住友化学・・・FPD関連2社中国企業に譲渡
  • デンカ・・・アセチレンガス3社 高圧ガス工業に売却
  • 東洋紡エムシー・・・ろ布製造会社 ニッケに譲渡

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