石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

旭化成・・・モビリティ材開発に拍車

中国の「ガレージ」でEV材共創

深圳にも展開 現地とPoC実施
旭化成は中国でモビリティ関連材料の開発に拍車をかける。上海に「ガレージ」と称する開発拠点を設置し、実際の電気自動車(EV)を分解・調査し材料を検証。顧客にも開かれた共創拠点として活発な議論を行っており、現地ニーズの捕捉と自社材料の提案力強化につなげる。深圳にも同様の拠点を展開した。日本と現地拠点をリモートでつなぎ、PoC(概念実証)を行うことで独自の進化を遂げる中国を発信地とするモビリティ材料の新たなビジネスモデルを構築する構えだ。

新社長インタビュー・・・PSジャパン 顕谷一平氏

PS新品種で需要喚起 サステナビリティーを追求

「追い求めたいのは、持続可能な社会づくりへの貢献と、持続的な企業価値の向上。さまざまな環境変化に対応し、当社自らが変化し続けながらこれら二つのサステナビリティー(持続可能性)を追求したい」
こう抱負を口にするのは国内最大のポリスチレン(PS)メーカー、PSジャパンの社長に6月23日付で就任した顕谷一平さん。
持続可能な社会づくりへの貢献については「プラスチックが環境面で悪者扱いされるなかで、当社のような化学メーカーは実際に解決策を考えて実践する責務がある」と強調する。
具体策として「回収した使用済みPSを粉砕して再使用するメカニカルリサイクルに既に取り組んでおり、今後は使用済みPS製品を解重合で原料のスチレンモノマー(SM)に戻すケミカルリサイクルと、再生可能なバイオマス由来原料の活用を進める」考えだ。

  • デンカ・・・低誘電有機絶縁材料、5G基板用来期上市へ 次世代グレードも開発
  • 東ソー・・・LIB正極材、LMO系の寿命改善 自社マンガンで新技術
  • 日本触媒・・・バイオマス化に拍車 AA、SAP原料実証へ
  • 日本化薬・・・高周波基板用樹脂、採用件数が増加 マレイミド系など
  • 三菱ガス化学とAGC・・・環境メタノール 鹿島で事業化検討

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住友化学・・・GaN基板 DXで歩留まり向上

品質評価も顧客と共創

住友化学は22~24年度中期経営計画の基本方針の一つにデジタル革新(DX)による生産性向上と事業強化を掲げ、実際に情報電子化学品の製造に寄与し始めている。最も顕著な成果を上げているのがサイオクス事業におけるパワー半導体用大口径窒化ガリウム(GaN)基板の生産。最新の分析装置とデータ解析システムの導入により生産の歩留まり向上を実現したほか、品質評価でも顧客との共創が加速している。

ダイセル・・・仮想高分子生成モデルを開発

情報・シス テム研究機構の統計数理研究所と

高分子合成、新材料開発を効率化 オープンソースソフト公開
ダイセルと情報・システム研究機構の統計数理研究所(東京都)は、高分子合成で用いられる重合反応のルールを網羅的に実装した仮想高分子生成モデル「SMiPoly」を開発し、オープンソースソフトウェアを公開した。市販化合物を入力することで原理的に合成可能な高分子を生成でき、さらに機械学習・人工知能の技術と融合することでマテリアルズインフォマティクス(MI)による新材料探索の壁だった合成実験のデザインに要する時間と労力を大幅に削減できる。

  • 日本プラスチック工業・・・有害物漏洩対策で拡販 塩ビ製二重管
  • SABIC・・・特殊PC、コポリマーで新製品 高い耐薬品性と耐久性
  • DIC、PSジャパンなど 8社・・・神戸市と乳酸菌飲料容器再資源化で連携
  • 住友化学・・・超微粒アルミナ、量産技術開発に成功 愛媛工場で製造へ
  • 作新工業・・・超高分子量PEが大型望遠鏡に採用
  • ENEOSと大阪ガス・・・グリーン水素でe―メタン検討
  • 三菱ケミカルグループ・・・飛沫防止板をアートに再利用
  • クラレ・・・ゴルフシャフトにLCP繊維が採用

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  • 日本化薬・・・クリーナー事業、中国で地産地消対応 複数の供給拠点も
  • 日本製紙・・・CNF強化樹脂、水上バイク部材に
  • 財務省貿易統計・・・2023年7月石化品輸出実績、2023年7月石化品輸入実績
  • 石油化学工業協会・・・7月の汎用4樹脂の出荷実績、エチレン換算輸出入6月の実績
  • カーボンブラック協会・・・2023年カーボンブラック需要年央見通し
  • 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・7月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・7月のOPP・CPP出荷実績
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2023年7月のPSP出荷実績
  • 日本スチレン工業会・・・2023年7月受払表
  • 日本化学繊維協会・・・7月の合成繊維生産・在庫量
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の7月国内出荷
  • 日本銀行・国内企業物価指数・・・石化基礎製品横ばい
  • 化学製品値上げ
    ・日本ポリエチレン・・・PEを20円以上
    ・日本ポリプロ・・・PPを20円以上

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  • ポリプラスチックス・・・POM需要を喚起、摺動性見直し用途拡大
  • ADEKA・・・動物用抗寄生虫剤30年に第1弾上市
  • デンカ・・・営業利益、新事業で100億円超 30年度、全体の1割に
  • クラレ・・・PVA付加価値化 販売量減も収益拡大
  • 東レ・・・ソーラーカーに炭素繊維 東海大をサポート

23年大会に参戦する東海大のソーラーカー

東レは10月21~29日に豪州で開かれる世界最大級のソーラーカーレース「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」に参戦する東海大学を支援する。車体やタイヤホイールの素材に炭素繊維などを提供し、自動車向け炭素繊維複合材料(CFRP)部品を手がける子会社の東レ・カーボンマジックは車体の設計・製作支援を行った。同レースは87年に初開催され、今年で16回目。豪州北部のダーウィンから南部のアデレードまで全長約3千㌔㍍の砂漠地帯を約5日間かけて走破するレースで、隔年ごとに行われる(コロナ禍で21年大会は中止)。東海大は、最も早くゴールすることを全32チームで競う「チャレンジャークラス」に参戦。11年大会以来となる3度目の優勝を目指す。

  • 日本ゼオン・・・エラストマー製造マイクロ波を適用 27年度実装へ
  • 三井化学など4社・・・大阪で水素・アンモニア供給網構築へ検討
  • 日本ペイントホールディングス・・・インド市場に再参入
  • 大陽日酸・・・工業炉用バーナー水素燃焼を安定化
  • 日立ハイテクサイエンス・・・動的粘弾性を測定 熱分析装置新製品

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