石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

ADEKA・・・PLA用で可塑剤拡大

PVC向けバイオ由来品も

ADEKAは、環境対応型樹脂添加剤「アデカシクロエイド」シリーズの製品ラインアップを拡充する。代表的なバイオマスプラスチックであるポリ乳酸(PLA)用の可塑剤を開発した。塩化ビニル樹脂(PVC)向けのバイオマス原料由来エポキシ系可塑剤も発売した。世界第2位のシェアを誇る樹脂添加剤事業の拡大につなげる。

エム・エーライフマテリアルズ始動 梁瀬浩一社長に聞く

不織布の可能性を探る 

高機能化で収益改善
30年度ROIC10%後半へ

「皆が明るく前向きに仕事が出来る会社にする。市場環境は厳しく顧客との交渉もハードだが、今やっていることが将来、ここにつながったんだと実感できるように一枚岩で取り組む」
10月2日、三井化学と旭化成の不織布事業統合会社であるエム・エーライフマテリアルズ(MAL)がスタートした。日本とタイに製造設備を保有し、トータルの供給能力は年産14万2千㌧。アジア第2位の不織布メーカーの誕生である。初代社長に就任した梁瀬さんは笑みを絶やさず新会社の未来を展望し、「不織布のポテンシャルを探っていく」と意欲を示す。

  • 日本ポリプロ・・・再生PP材料を開発 MR原料使用 車内装材など狙う
  • 住友化学・・・LCP新設備が稼働 年産1万3000㌧に
  • コスモ石油、丸善石油化学・・・プラットフォーム刷新 高稼働・高効率化へ
三菱ケミカルグループとホンダ・・・PMMA、車体材料を共同開発

リサイクル性に優れる

三菱ケミカルグループとホンダは、自動車ボディー部品用アクリル樹脂(PMMA)材料を共同開発する。一般に鋼板が使用されているドア、ボンネット、フェンダーなどに適用できるようなPMMA材料の量産車での実用化を目指す。
PMMA材料はPMMAにゴム粒子をコンパウンドすることで、自動車ボディーに求められる耐衝撃性の向上を図る。PMMAは透明性が高く、さまざまな色に調色できるため、着色剤を配合するだけで光沢のある表面を作ることが可能。塗装工程が不要となり、その工程で発生するCO2排出量削減に貢献する。使用後には加熱により高収率で原料のメチルメタクリレート(MMA)に分解し、リサイクル性に優れる利点もある。
ホンダは25日に公開した次世代電気自動車のコンセプトモデル「SUSTAINA―C Concept」=写真=のドアなどボディー部品にPMMA材料を採用した。

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プライム ポリマー・・・車部品向け来期量産

ガラス中繊維強化品開発

プライムポリマー(三井化学65%、出光興産35%出資)は、ガラス中繊維強化ポリプロピレンを開発した。コストを抑えながら従来のガラス長繊維強化PPに匹敵する機械的特性を実現した。用途は自動車のエンジン周り部品やブラケット部品などを想定し、エンジニアリングプラスチックからの代替を狙う。24年度上期に姉崎工場(千葉県市原市)で量産体制を整え25年度の発売を目指す。

  • ソルベイ・・・EV熱暴走対策へ 新難燃複合材を上市
  • 三菱ケミカルグループ・・・バイオエンプラ、透明吸音パネルに採用
  • 旭化成・・・非石油由来レザー、米スタートアップに出資 セージと連携し車内装材へ
  • 東洋紡エムシー・・・網目繊維クッション材 再生原料使用の新製品
  • 住友化学・・・チャットGPT開発 全従業員で運用 生成AIを活用
  • リンテック・・・洗浄で剥がれるラベルを開発
  • AGC・・・ディスプレイ一体型ミラーを発売
  • 三井化学・・・ISCCPLUSメラミンが認証
  • サンディック・・・OPSでISCCPLUS認証取得

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PPSコンパウンド・・・今年の需要 13 万㌧弱

前年から 微増予測 車両用は回復傾向

ポリフェニレンサルファイド(PPS)コンパウンドの世界需要は主力の車両用途が緩やかに回復してきたものの、他の用途が依然として低調。年末までの車両用途を中心とした需要増を見越しても今年の需要は前年比微増にとどまる見通し。市場規模は13万㌧弱と推定され、過去最高だった21年(約13万㌧)に近い水準となるもよう。同製品は車両用途の中でも特に電動車向けの比率が高い。来年以降は世界的な電気自動車(EV)化を追い風に勢いを取り戻すとみられる。

JSP 鹿沼工場 発泡樹脂成長の牽引役

ライン自動化 製品再利用を促進

ピーブロックなどを生産する鹿沼第2工場

JSPは国内に11工場を構え、うち4工場が栃木県鹿沼市の鹿沼工業団地内で稼働する。鹿沼の拠点は世界最大のシェアを誇る発泡ポリプロピレン(EPP)や発泡ポリスチレン(EPS)を扱う同社にとって、関東エリアの重要拠点となっている。発泡事業の成長とともに工場の拡大を続け、近年は省人化を積極的に推進する。リサイクルしやすい発泡製品の特性を活用した環境貢献にも力を入れている。
鹿沼工業団地は東北自動車道鹿沼インターチェンジに隣接し、東京から100㌔圏内と好立地にある。JSPはここに第1、第2、第3、押出法EPS断熱材「ミラフォーム」の4工場に加え物流センター、再資源センター、研究所、開発センターを設置している。
1971年の工業団地の開業と同時に第1工場を開設、事業拡大に合わせて近接地を取得し新工場を稼働させてきた。団地内でJSPの工場群が占める面積は24万3791平方㍍。グループ合わせて635人、協力会社を含めると約800人が従事する。

  • ENEOS・・・合成燃料製造へ事業性評価 東芝グループと
  • 東レ・・・PPS、コンパウンド増強 ポリマー増産に対応
  • 東京ガス・・・炭酸塩で洗剤や肥料CO資源化サービス
  • INPEXと大阪ガス・・・都市ガスCN化へ試験プラント着工
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・9月のOPP・CPP出荷実績
  • 日本化学繊維協会・・・9月の合成繊維生産・在庫量
  • 日本プラスチック工業連盟・・・8月のプラスチック原材料の在庫月数
  • 化学製品値上げ
    ・日本ポリエチレン・・・PEを15円以上
    ・日本ポリプロ・・・PPを15円以上
    ・帝人フロンティア・・・ポリエス繊維10%

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ユニチカ・・・樹脂事業の成長加速 添加剤やアロイに力

他樹脂に付加価値付与

ユニチカは樹脂事業の成長加速へポリマーアロイ向けや添加剤向けなど他樹脂に機能を付与する用途を拡大する。独自開発のポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)10T、ポリイミド(PI)で各樹脂の特徴を生かした高付加価値市場を拡大しながら、PARはポリカーボネート(PC)向け、超耐熱PARやPIは基板周りの樹脂向けに展開し、PA10TはPA6やPA66とのアロイによる拡販を進める。用途を広げ一層の事業基盤強化につなげる。

三菱ケミカルグループ・・・コア4分野に資源集中 撤退事業 2200億円規模に拡大

機能商品 ポートフォリオ変革

三菱ケミカルグループのジョンマーク・ギルソン社長は投資家向け事業説明会で「スペシャリティマテリアルズ(機能商品)事業は当社の変革を牽引する中心的な役割を担う」と述べ、同事業のポートフォリオ変革を通じ全社的な成長を実現する考えを示した。機能商品事業を所管するランディ・クイーン執行役エグゼクティブバイスプレジデントは、同事業でコア市場に位置づける「EV(電気自動車)・モビリティ」「デジタル」「メディカル」「食品」の4分野に積極的な設備投資やM&Aなどで経営資源を集中投下する半面、汎用化した事業またはノンコア事業からの撤退を進める方針を表明した。

  • 住友化学・・・LCP、食品接触向け拡大 新規用途の一つに
  • 住友化学・・・エタノール原料にプロピレンと水素 試験設備着工
  • ENEOS・・・住友電工とMCH直接製造電解槽を共同開発 大型化へ研究加速
  • 横河電機グループ・・・ポーランドのごみ焼却発電所、安定操業で効率化
  • ENEOS・・・労災撲滅へ DXシステム開発 AIが運転員に示唆
  • 出光興産・・・ビスフェノールA来秋メド事業撤退
  • ランクセス日本法人、新社長に米津氏

ランクセス日本法人の新社長に15日付で米津潤一アドバンスト工業化学品ビジネスユニット日本統括マネジャーが就任した。米津氏は同職を兼務する。ジャック・ペレズ前社長は日本法人の代表取締役を継続する。
米津潤一(よねづ・じゅんいち)氏 96年東京学芸大学教育学部卒、湧永製薬入社。99年ショット日本入社、03年同社米国法人、10年東レ・ダウコーニング(現ダウ・東レ)を経て21年ランクセス入社、アドバンスト工業化学品ビジネスユニット日本統括マネジャー。米国出身、51歳。

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