石油化学新聞

石油化学新聞 5361号

THE PETROCHEMICAL PRESS

デンカ・・・有機系低誘電材料　５Ｇ向け量産化検討

ＬＣＰフィルムと絶縁材

デンカは、二つの次世代通信向け有機系低誘電材料の生産設備を新設する検討に入った。液晶ポリマー（ＬＣＰ）フィルムは25年度、低誘電有機絶縁材料（ＬＤＭ）「ＳＮＥＣＴＯＮ（スネクトン）」は26年度に自社工場で量産化する計画だ。５Ｇなど次世代通信の普及に伴い拡大する需要を取り込み、これら２材料を中心とする有機系低誘電材料で30年度に売上高１００億～１５０億円を目指す。

石化業界の構造改革、不況受け議論が前進

収益改善とＣＮ両睨み　まずは安全安定操業維持を

需給、収益、ライフ、ＣＮの各観点で構造改革を考える千葉地区石化コンビナート

需要停滞が長期化する国内石化業界で収益改善を主眼とする構造改革の議論が活発化している。ナフサクラッカーの統合・閉鎖が不況脱却のカギとなるとは言い切れないが、カーボンニュートラル（ＣＮ）時代における新しい石化産業のあり方という中期的テーマと両睨みで、議論は実行へと一気に前進する様相を呈してきた。ただ、足元の業績悪化の要因の一つに相次ぐプラントトラブルがある。安全・安定操業の継続が事業競争力の根幹にあることを忘れてはならない。

  • セーレン・・・自動車向け合成皮革シート、メキシコとタイ増産
  • レゾナック・・・構造改革 ＨＤ、自動車材でメド　収益改善へ総仕上げ
  • ポリプラスチックス・・・ダイセル式革新導入へ　４工場で生産最適化
  • 日本化薬・・・車両安全部品 ＩＦ中心に拡販　海外３拠点で増強
  • 旭化成・・・ＬＩＢ用湿式セパレーターが回復へ

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • デンカ・・・半導体装置用、24年度下期に1.5倍へ　渋川でエミッター増産
  • ＤＩＣ・・・内装建材塗料を譲渡　25年末までに
  • ダイセル・・・電流遮断器、産業用を拡大強化　太陽光発電向け増加
  • リコー・・・資源循環促進へ拡販　樹脂判別センサー　幅広い企業で採用図る

リコーは、プラスチックの種類を簡単操作で判別できる樹脂判別ハンディーセンサーを商材に新規市場を開拓する。開発当初は産廃事業者の分別用途をターゲットとしていたが、３月の発売後は工場での排出プラスチックの分別に使用されるなどさまざまな用途で注目を集めている。まだ先例の少ない携帯型判別機を、プラスチック製品に関連する幅広い企業に導入してもらうことで新規市場を開拓するとともに、マテリアルリサイクル（ＭＲ）の促進につなげる。同センサーは幅50㍉、奥行き１５４㍉、高さ76㍉、質量は２８５㌘と軽量で、片手で操作できる。

  • 三洋化成工業・・・匂いセンサーを発売　サブスクや受託分析も
  • ＰＳジャパン・・・バイオマスＰＳを国内会社初の出荷
  • リコー・・・ＰＬＡ発砲シート、食品容器で実証へ　イトーヨーカドーが初採用

リコーのポリ乳酸（ＰＬＡ）発泡シート「ＰＬＡｉＲ（プレアー）」を成形加工した食品容器がイトーヨーカ堂で採用された。16日からイトーヨーカドー横浜別所店（横浜市）の店頭で販売の実証実験を行う。採用されたのはかつ丼用の容器＝写真＝で、プレアーを使用した容器が店頭に並ぶのは今回が初めて。
プレアーの成型加工シートの開発と食品容器への加工、供給に当たっては、イトーヨーカドー、リコーのほか、バイオプラスチックを活用した食品容器の開発・製造を得意とするリスパック、小売業界向けの容器や食材などの原材料供給に強みを持つベンダーサービスなどの共創パートナーとともに検討を進めてきた。

  • ランクセス・・・ＰＦＡＳ除去イオン交換樹脂を発売
  • 信越ポリマー・・・塩ビラップ、バイオマス品を発売　環境対応を訴求
  • 積水化学工業・・・金属強化ＰＥ用継手　大口径サイズを発売
  • 東京都・・・ＰＰ衣装ケースでリサイクル実証へ

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  • ポリカーボネート樹脂（ＰＣ）・・・付加価値化が急務　汎用品、値差改善の兆しなく
  • ＥＮＥＯＳホールディングス・・・ＥＮＥＯＳ機能材事業、２組織を統合来年４月発足
  • デンカ・・・ＣＲスチレン、生産体制を最適化　業績改善へ全力
  • ＵＢＥ・・・ＰＩ・分離膜・窒化ケイ素、機能品が収益牽引　増産対応も推進　
  • 東洋紡エムシー・・・不織布検査工程　ＡＩで効率改善
  • 長瀬産業・・・共同物流マッチング　化学品特化サービス
  • 積水化学工業・・・オランダＦＦＵ工場稼働

積水化学工業がオランダで建設を進めていた鉄道枕木向け合成木材（ＦＦＵ）工場＝写真＝が稼働した。ＦＦＵ製の枕木はほぼ全量を滋賀県の栗東工場で生産してきたが、新工場（敷地面積４４００平方㍍）の稼働で生産能力を１・８倍に増強した。欧州を中心とした需要拡大に応える。

  • コスモ石油・・・坂出拠点に廃食用油収集網構築　中四国でレボと協業
  • ＢＯＰＳ４社・・・新団体を発足　製品再資源化を促進
  • 長瀬産業・・・事業創出ＣＶＣに５年で20億円計画
  • 東京ガス・・・合成メタン普及へ　ベルギー社と連携
  • 日本ソーダ工業会・・・９月のカセイソーダ出荷内訳
  • カーボンブラック協会・・・９月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・ＰＶＯＨを２０円
    ・三菱ケミカルグループ・・・ＶＡＭとＰＶＯＨ
    ・積水化学工業・・・ＰＥ管と継手

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ＥＮＥＯＳ液晶・・・ＬＣＰ、高周波領域を拡大

成形や接着性も向上

ＥＮＥＯＳの１００％出資会社ＥＮＥＯＳ液晶は、急成長が見込まれる高周波対応領域で液晶ポリマー（ＬＣＰ）「ザイダー」の展開を強化する。本来の物性を保持しながら誘電正接（Ｄｆ）を低減したレジンをベースに低Ｄｆ化、低誘電率（低Ｄｋ）化を追求したコンパウンドをそれぞれ開発し拡販する。既に業界最高水準の低Ｄｆ（０・０００７）を実現したグレードなどが採用を広げている。成形性や強度を兼備するグレード開発や銅箔との接着性、密着性の改善にも注力し、採用促進につなげる。

  • 帝人・・・課題３事業、収益改善達成に自信　車向け複合成形材料、北米にリソース集中
  • 住友精化・・・ＳＡＰ増設、強気の決定　シンガポールで７万㌧　パール状樹脂、アジアで好評
  • 日本触媒・・・ＬＩＢ電解質、欧合弁見合わせ　市場立ち遅れ一因
  • ダイセル・・・中期戦略を加速　資源配分、成長に向け最適化
  • 日本化薬・・・医薬事業、高崎に品質保証棟　安定供給を促進
  • 三菱ケミカルグループ・・・米ＭＭＡ新設最終決定急ぐ
  • ＪＳＲ・・・ＥＵＶ用レジスト　下期も拡大見込む
  • クレハ・・・ＰＶＤＦ増強工事を千代田化工ＪＶに発注
  • 東ソー・・・設備停止で機会損失　利益20億円押し下げ

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