総合面
経産省、LPガス法改正省令公布 過大な営業など禁止へ
7月2日から不透明料金請求を是正
経済産業省は2日、賃貸集合住宅の設備貸与などLPガス商慣行の見直しに向け、LPガス法改正省令を公布した。「過大な営業行為の制限」「三部料金制の徹底」「料金情報の提供」を三本柱として、ガス供給とは直接関係のない設備費用の上乗せなど不透明な料金請求の是正を求めるもので、一部の努力義務を除いて違反すれば罰則を伴う。施行日は「過大な営業行為の制限」「料金情報の提供」が3カ月後の7月2日、「三部料金制の徹底」が1年後の2025年4月2日となる。
全L協、改正制度順守に向け行動指針案
参考ポイントを明記
全国LPガス協会(山田耕司会長)は3月28日に開いた2023年度第3回理事会で、LPガス販売事業者自らが改正制度順守に向けて行う「自主取り組み宣言」を促すべく作成した「取引の適正化・料金の透明化に向けた行動指針(案)」を承認した。行動指針(案)では取り組み宣言をするに当たり参考になるポイントを記した。(2面に関連記事)
- 岩谷産業、根岸充填所が完成 首都圏・関東の供給大幅強化
- 4月CP,プロパン15ドル安の615ドル 暖冬で需要弱く
- 東邦液化ガス、古山義洋常務が新社長に昇格
東邦液化ガス(本社・名古屋市)は1日の取締役会で、古山義洋常務の社長昇格を決定した。石原克典前社長は会長に就任した。
古山義洋(ふるやま・よしひろ)氏1985年3月早稲田大学法学部卒業、4月東邦ガス入社。2011年北部支社長、14年営業計画部長、15年広報部長、17年執行役員名古屋支社長、20年同水島ガス社長、21年常務執行役員水島ガス社長を経て、23年4月に同東邦液化ガス常務に就いていた。1961年6月30日生まれ、62歳。愛知県出身。
- 関東、東北、九州3事業会社で新社長 エネサンスホールディングス(本社・東京、岡田卓也社長)は、事業会社のうち3社の新社長を発表した。
・エネサンス関東新社長に関根徳幸氏
関根徳幸(せきね・のりゆき)氏1992年住商液化ガス入社。2006年神奈川事業所長、13年エネサンスホールディングス人事部副部長、15年エネサンス東北取締役管理部長兼企画室長、22年同代表取締役副社長兼企画本部長兼営業本部長、23年社長兼営業本部長を経て、24年3月から現職
・エネサンス東北新社長に星野潔氏
星野潔(ほしの・きよし)氏 1988年住商液化ガス入社。2007年住商エルピーガス・ホールディングス営業部東京営業グループ長、14年エネサンスホールディングス営業部部長兼東京営業チーム長、15年ジクシス営業本部関東支店長、22年エネサンス新潟執行役員管理部部長兼管理課課長、23年エネサンス九州取締役管理本部本部長を経て24年3月から現職
・エネサンス九州新社長に川浪建二氏
川浪建二(かわなみ・けんじ)氏 1987年住商液化ガス入社。2008年エネサンスホールディングスインターナルコントロール室室長代理、20年同執行役員内部統制推進部部長、22年エネサンス九州常務管理部門保安部門担当兼保安部部長を経て24年4月から社長兼管理本部本部長兼管理部部長
首都圏版
全L協、保安充実 需要を拡大
24年度、制度改正へ準備
全国LPガス協会(山田耕司会長)は3月28日にウェブ会議システムで2023年度第3回理事会を開き、24年度事業計画と収支予算を承認した。24年度は保安の充実や需要拡大、取引適正化・料金透明化、LPスタンド関係施策などに取り組む。取引適正化・料金透明化は省令改正が行われることから①事業者への制度改正の順守について周知徹底②ワーキンググループの対応(制度改正後の事業者の対応状況についてのフォローアップ、関係省庁と連携した取り組み)―などに取り組む。
アストモスと丸高ライフエナジー、CNLPガス
館山市の「道の駅」に
アストモスエネルギー(本社・東京、山中光社長)と丸高ライフエナジー(同・館山市、髙橋幸丸社長)は、2月16日に開業した館山市施設「道の駅グリーンファーム館山」にカーボンニュートラル(CN)LPガスの供給を開始した=既報。3月13日には同市役所でCNLPガス証明書の贈呈式を行った。
左から丸高ライフエナジーの重田義算マネージャー、森正一市長、髙橋幸丸社長、アストモスエネルギーの井上望氏
丸高ライフエナジーは市のゼロカーボンシティ宣言を踏まえ、施設のCN化に向け給湯やGHPにCNLPガスを供給。年間約66㌧のCO2排出削減に貢献する。同社は2023年4月からCNLPガスの取り扱いを始め、自社とグループ会社各事業所の給湯やGHPなどに採用、併せてアストモスエネルギーと共同で千葉県房総エリアでの普及とPR活動を推進している。今後も両社で協力し地域の持続可能な経済活動と環境負荷低減、50年CN社会の実現に向け努めていく構えだ。
地方面
北海道=アストモス北海道支店、Jクレジット認証取得
店会挙げ燃転促進へ
アストモスエネルギー北海道支店(野村泰弘支店長)が3月12日付でJクレジット認証を取得した。2月にLPガスへの燃転活動を通じJクレジットを創出するプロジェクトで申請、認証委員会が要件に適合すると確認した。特約店組織アストモス親和会(堀畑秀樹会長)を挙げた燃転活動に拍車を掛ける。
- 北海道=帯ガス燃料、洗濯物の悩み解決へ衣類乾燥機の貸し出し企画
東北=東北中核充填所連絡協議会、能登半島地震の被災地情報を共有
訓練結果報告も
東北地域中核充填所等連絡協議会(黒田隆一会長)は3月15日、仙台市のホテルJALシティ仙台で2023年度第2回幹事事業者会を行った。訓練内容や能登半島地震に関して情報共有した。6県から17人が出席した。
- 東北=<新社長登場>山形酸素・島津康氏=課題解決型の営業徹底
昨年12月に代表取締役専務から社長に昇格した。日本電気に勤務し中央官庁のシステムの営業をしていたが、当時社長だった大場正仁氏に誘われ「一緒に仕事をしたい」と思うようになり、山形酸素への入社を決断した。 他業種で11年間仕事をしてきた立場からLPガス事業はどう見えるだろうか。「LPガスは重要なインフラで生活に欠かせないものだ。止めてはならないという責任の重さがある。前職の仕事も可用性の高さが求められ、システムを絶対に止めてはならないという責任が重く、LPガス事業と相通ずるものがある」
中部=エネアーク中部会、全国キャンペーンで1位獲得など躍進
独自キャンペ 東海ガスが3冠
エネアーク中部会(花井弘光会長)は3月15日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルでキャンペーン表彰式を開催した。同会は昨年、全国キャンペーン「King of Treee」で前年3位の雪辱を果たして1位を獲得するなど躍進した。
近畿・四国=兵庫県立猪名川高校体育館にLPガス仕様GHP
県内52校に導入着々
兵庫県立猪名川高等学校(猪名川町)は体育館にLPガス仕様のGHPを導入した。兵庫県(齋藤元彦知事)は2023~25年度、災害時避難所に指定した県立52校にLPガスGHPを導入する(一部既報)。普通教室は都市ガスGHPを使うが、災害対応力や供給体制の観点からLPガス熱源を採用した。
室外機連結タイプの「にこマルチ」を採用した猪名川高校体育館
県は学校体育館への空調設置に関する要望などがあったことを受け高校43校、特別支援学校9校の体育館にGHPの導入を決定。猪名川高校は23年度に整備した17校のうちの1校である。LPガスは72時間の稼働を想定し50㌔㌘容器16本×2系統の計32本で供給するが、2系統に分けて設置したので片側のみの稼働も可能だ。室外機連結タイプ「にこマルチ」の室外機(80馬力、ヤンマーエネルギーシステム製)も2系統に分けており、状況に応じて稼働範囲を調整し運転時間を長くできる。
室内機はギャラリー下部に片側7台ずつ計14台を設置した
LPガスは50㌔㌘容器16本×2系統で供給する
- 近畿・四国=伊丹産業グループ入社式に新入社員82人 社業と地域発展の原動力に
中国=岡山県協、無償貸与・貸付配管など設備契約で研修会
弁護士招き質疑応答も
岡山県LPガス協会(山眞司会長)と岡山支部(同支部長)は3月8日、岡山市の岡山商工会議所に弁護士で松山・野尻法律事務所所長の松山正一氏を招き「LPガス販売事業者のための設備契約に関する研修会」を開いた。質疑応答で対応を学んだ。会員ら100人が出席した.
九州=アストモス九州・沖縄LP会が接点強化講習会
水回り需要をチラシ活用し獲得
アストモスエネルギー九州支店(武田倫治支店長)の特約店会、九州・沖縄LP会(髙良真会長)は3月14日、福岡市のアストモスエネルギー九州支店で「第4回定例会」を開いた。住宅リフォーム事業支援会(本部・福岡県新宮町)の坂本悠一代表の講演などがあった。
住設・新技術
パロマ、「フェイシスシリーズ」をモデルチェンジ
機能・安全性さらに向上
フェイシス
パロマ(本社・名古屋市、小林弘明会長兼社長)は、ビルトインこんろ「FACEIS」(フェイシス)シリーズをモデルチェンジ、FACEIS GRAND(フェイシスグランド)シリーズとして22日に発売する。新シリーズは新たにグリル使用時の煙と臭いをカットする「スモークカットグリル」を搭載し、天板の清掃性を向上させるため「ひろびろ×すっきりトップ」を採用。共働き世帯の増加や高齢化社会による家事負担の軽減や安全・安心に対するニーズの増加に対し、「感動すっきり」「驚きクッキングテク」「さらに安心」の三つをコンセプトとした。
NTTテレコン、「配送モバイルアプリ」の提供開始
配送業務をDX化
NTTテレコン(本社・東京、深澤充社長)はこのほど、ガス事業者の配送業務のさらなる業務効率化に向け、テレコンビジネスプラットフォーム(TBP)「配送モバイルアプリ」の提供を開始した。配送員はスマートフォンなどモバイル端末での業務が可能になり、LPガス事業の核である配送業務のDXに貢献する。配送現場では、紙の配送伝票による配送管理や、配送後の指針値や点検結果などを報告するために帰社するなど、非効率な業務が存在している。配送ルートの作成は配送員の経験や練度に基づくことも多く、新人配送員が自立するまでに時間がかかるという課題もある。
ガス檢、「涼霧システム」酷暑緩和を提案
ミストで現場環境改善
富岳物産の充填所に導入された「涼霧システム」
高圧ガス製造施設保安検査事業者のガス檢(本社・朝霞市、村本晃一社長)は、〝プラントドクター〟として検査方法の効率化や時代に即した検査の開発を進めてきたが、新たに製造施設の環境改善にも取り組む。特にここ数年、夏場の酷暑緩和が製造施設でも課題になっていることから、産業用空調加湿システムなどフォグエンジニアで〝霧のいけうち〟と評判のいけうち(本社・大阪市、中井志郎取締役執行役員社長) 製「涼霧システム」について、プラントエンジニアとして提案・導入を積極的に展開、導入実績を積み始めている。
- 大阪ガス、食のサブスク拡販へ「FitDish」新CM発表会