石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

リケンテクノス・・・塩ビラップ小巻品で攻勢

業務・家庭用 増産対応も推進

リケンテクノスは、塩化ビニル樹脂製食品ラップ事業で小巻ラップの拡販に乗り出す。外食店やホテルといった業務用、家庭用の双方で拡大する需要を取り込む。現在主力の業務用太巻ラップに比べ手薄だった小巻ラップのシェアを拡大し、塩ビラップ事業の底上げを図る。国内工場で既存設備の改造などにより小巻ラップの増産対応も進める。

  • 東レ・・・サウジ子会社、RO成膜装置を新設 海淡需要取り込み
  • 日本ポリプロ・・・メタロセンPP、増産へ生産2拠点化 今期中にも決定
  • 稲畑産業・・・樹脂コンパウンド、メキシコで増産決定 新中計で実行へ
  • 旭有機材・・・吹き付け硬質ウレタン、断熱性高め新市場創出 24%向上の新製品
  • 日本化薬・・・設備投資、医薬関連を中心に今期は前期比3倍超
  • 旭化成・工藤幸四郎社長・・・北欧製薬買収で 企業価値向上へ自信
  • 大日精化工業・・・3ヵ年中計を始動、26年度営業益78億円に
  • 東京応化工業・・・高純度薬品、熊本に新工場完成 半導体増産に対応

「APIC20 24」韓国ソウ ル大会

サステナブルな時代の先駆者は誰だ 新たな石化産業の成長モデルを探せ
アジア最大の石油化学業界の国際会議である「アジア・ペトロケミカル・インダストリー・カンファレンス(APIC)2024」が、去る5月30、31日の2日間、韓国ソウル市のグランド・インターコンチネンタル・ソウル・パルナスで開催され、全プログラムが滞りなく終了した。ホスト国の韓国の石化業界首脳を筆頭に日本、台湾、マレーシア、タイ、シンガポール、インドのAPICメンバー7カ国・地域の業界関係者が一堂に集い、情報交換を行った。1979年に日韓台の3カ国・地域による会合からスタートしたAPICは、もはや伝統を誇る成熟した国際会議へと発展。その存在意義を問う向きもなくはないが、メンバー間の友情と協調を育む場として今後も一定の役割を担うのだろう。次回開催はタイのバンコクと決まり、メンバーは再会を誓った。

全体会議で壇上に立つ各国協会会長

  • 協調し変革をリード 供給過剰と持続可能性に焦点
  • アジア需給、回復遅れで戦略変化も GXに対する意識まだ低く
  • アジア改善、求められる交流と規律 フィリピン新加盟の公算
  • 試される改革の本気度 26年にアジア回復はあるか
  • 共同コミュニケ

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DIC・・・水性エポキシ、中国拡大へ製版強化 

全土で塗料の水性化支援

DICは環境調和型のエポキシ樹脂として、工業塗料分野の水性化を背景に需要増が見込まれる水性エポキシ樹脂の拡販を加速させる。中国市場を中心に1液・2液タイプを展開し、江蘇省と広東省に生産拠点を確保したほか、3月には上海市にある応用技術センターを拡張し営業と技術が一体となった拡販体制を整備した。これを機に、工業塗料分野を中心に中国全土へ広がる水性樹脂の需要を取り込んでいく。
同社は特殊エポキシ樹脂大手として、従来から独自技術による高機能な環境調和型の製品に注力している。エポキシ樹脂は電気・電子用と塗料用を主力とし、塗料用は環境調和型の製品に力を入れてきた。その一つが水性エポキシ。

  • 日本化薬・・・エポキシ、CFRP用に力 航空機向け重点
  • 日本ゼオン・・・SDGs貢献製品認定制度スタート
  • 大倉工業・・・0.012㍉薄膜マルチフィルム リーズナブルに環境貢献

「省之助」の展張例

大倉工業は従来の農業用マルチフィルムより40%薄膜化したポリエチレン製マルチフィルム「省之助」を発売した。「省之助」の展張例厚みが0・02~0・03㍉㍍なのに対し、新製品は0・012㍉㍍という薄さを実現した。重量も面積当たりで25%ほど軽量化され、作業性向上と廃棄時のコスト削減に寄与する。薄くなっても強度や水分保持性は従来品と遜色ないとユーザーに評価されており、マルチャー機を使った展張も問題ない。 薄膜化により長尺化が可能となり、従来品で最長の800㍍を上回る1千㍍巻きを可能にしたことで、マルチャー機への付け替え作業も軽減した。製品はHDPE製とLDPE製の2種類をラインアップした。

  • 積水化学工業・・・再生材取引マッチング 日立と25年度事業化へ
  • 東洋紡・・・PET重合触媒がリサイクル性認証
  • アーケム・・・ウレタンスポンジ ヤシ由来の新製品
  • 東洋インキ・・・包装フィルム脱墨へ
  • イノアック・・・架橋発泡PE長尺品 年内に国内生産終了
  • 日本バイオプラスチック協会(JBPA)・・・秋にも社団法人化
  • 日本ソーダ工業会・・・会長に髙村氏

髙村美己志会長

日本ソーダ工業会は任期満了に伴う役員改選で新会長に東亞合成の村美己志社長を、副会長にトクヤマの西原浩孝常務執行役員を選出した。 髙村新会長はソーダ製品の需要について「東アジアではGDP成長率が停滞している国もある。カセイソーダの出荷量がコロナ禍前に戻るには、まだ時間がかかる」と私見を述べた。
ソーダ工業会として取り組む重点課題に①保安と安全活動②環境エネルギー問題への適切な対応③海外活動を通じた環境・安全活動④積極的な広報活動―を掲げた。前会長時代からの基本路線を踏襲し、万全の態勢で挑むと表明した。

 

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  • 日本ソーダ工業会・・・2024年4月カセイソーダ出荷内訳 2024年4月のソーダ工業薬品需給状況
  • 化学製品値上げ
    ・ユニチカ・・・成形用樹脂21日から 産業資材用合繊
    ・PSジャパン・・・PSを19円以上
    ・信越化学工業・・・PVCを15円以上
    ・三菱ケミカルグループ・・・OPSを15円以上
    ・東ソー・・・PPSを40円以上
    ・大洋塩ビ・・・PVCを17円以上

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三菱ケミカルグループ・・・エポキシ、パワー半導体用に力

低塩素・高Tg追求

三菱ケミカルグループはエポキシ樹脂の低塩素化やガラス転移温度(Tg)向上を進め、車載用を中心に拡大するパワー半導体周辺の需要を取り込む。電気信頼性の要求が高まるなか、エポキシ本来の機能を保持しながら、全塩素含有量を大幅に抑えたタイプが市場を広げており、全塩素含有量ゼロに向けた取り組みも推進する。炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を用いた次世代のパワー半導体向けを見据え、一層の高Tg化、放熱化も追求する。

  • ADEKA・・・新中計 稼ぐ力さらに 半導体向け積極投資
  • 大手5社石化部門・・・需要と値差拡大期待 今期損益改善見込む
  • ダウ・・・PG タイ、年産25万㌧に拡大 アジア最大
  • 三菱ケミカルグループ・・・水添エポキシ、応用分野が拡大 透明性など 国内外で評価
  • ENEOS・・・中央技術研に新棟 次世代エネなど力
  • 帝人・・・自動運転車両 島根大病院に

 帝人の一人乗り自動運転モビリティー=写真=を使用した「WHILL(ウィル)自動運転サービス」が島根大学医学部附属病院(出雲市)に採用された。同サービスが中四国地方の医療機関で採用されるのは初めて。これを契機に同サービスを多くの医療機関に広げる考えだ。
同サービスは自動運転機能などを搭載した一人乗りモビリティーを活用し、広い施設内の特定の目的地まで自動走行で移動できるサービス。島根大病院は整形外科病棟からリハビリテーション室間(100~150㍍)の患者の往復移動に同サービスの運用を開始した。

  • 徳山積水工業・・・機能性微粒子を増強
  • アウロステクノロジーズ・・・CFRTP接着シート工法開発
  • 旭化成・・・プラスミドCDMO 米国進出へ拠点新設
  • クラレ・・・PVA素材、マイクロキャリア 海外でも年内投入
  • 大洋塩ビ・・・社長に東ソー安達氏

大洋塩ビは新社長に東ソーの安達徹代表取締役常務執行役員が19日付で就任する役員人事を決定した。堤晋吾社長は退任する。
安達徹(あだち・とおる)氏 1985年3月東京大学経済学部卒、同年12月東洋曹達工業(現東ソー)入社。2016年6月執行役員、19年6月上席執行役員、20年6月取締役常務執行役員を経て23年6月から現職。63歳。

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