プロパン・ブタンニュース

総合面

政府の新資本主義計画案にグリーンLPガスも 

「GX2040ビジョン」年度内に策定へ

政府は経済政策の軸に掲げる「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の2024年改訂版の内容を固めた。計画には、脱炭素化や産業政策の長期目標を盛り込んだ国家戦略「GX2040ビジョン」を今年度中に策定する方針を明記。カーボンリサイクル燃料には、eメタンや合成燃料、持続可能な航空燃料(SAF)とともに初めてグリーンLPガスが書き込まれ、これらの研究開発や設備投資を促進する方針を示す。

エネ白書、「最後の砦」継続明記

LPガスの能登地震対応を評価 

政府は4日、2024年度のエネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)を閣議決定した。LPガスは、元日に発生した能登半島地震での対応を評価し、災害時のエネルギー供給の「最後の砦」と引き続き明記した。 白書は、同地震で石川県七尾市の七尾ガスターミナルが被災し、部分的な出荷制限が生じたものの▽元売事業者間で情報共有し、基地間で連携して代替出荷を実施▽道路や港湾などを担当する行政機関も協力し、3月1日には通常の出荷体制へと移行▽ 輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の3充填所のうち、使用停止となった2カ所で在庫となっていた充填済み容器を出荷したほか、石川県内の別の充填所で充填したLPガスを現地に配送し、不足なく対応▽ 政府、地方公共団体、業界団体が連携し被災地域のLPガス供給体制を把握しつつ、避難所などへの「プッシュ型」供給支援を実施▽業界団体や販売事業者が流出容器の全数回収、需要家宅のLPガス設備の安全点検を早期に実施したことで、2月中旬にはLPガスの使用に支障ない状況になった―と評価した。

  • クボタ、メタン発酵設備が稼働 グリーンLPガス原料に
  • ENEOSグローブ、容器運搬用電動台車を開発 配送時の負担軽減に
    ENEOSグローブ(本社・東京、江澤和彦社長)は7日、運搬機器開発ベンチャーのCuboRex(キューボレックス)と共同で、LPガス容器運搬用電動台車を開発したと発表した。「らくらくエネキャリー」=写真=の商品名で8月以降、特約店向けのモニター販売を行う。

 

 

 

  • <トップインタビュー>NX商事執行役員LPガス部担当兼LPガス部長・上原雄一郎氏
    NX商事の上原雄一郎LPガス部長が1月1日付で執行役員LPガス部担当に就任した。脱炭素・DX時代のLPガス需要を切り開くうえで、グループ販社6社と販売店約700社のネットワークをフルに生かしながら、部門の枠を超えたより広範な視野と柔軟な対応力も求められる。役員就任の抱負と併せて事業課題や展望を聞いた。
    ◇   ◇
    ―就任の抱負と併せて、LPガス業界の現状に対する課題認識をお聞かせください。
    1990年に当社の前身である日通商事に入社して以来、東北や関東、中部地区を渡り歩いたが、かつての上司からは、転勤などで職場を去る際に「『これは自分がやった』と思えるものを最低一つでも職場に残すように」と教えられた。以来この言葉を肝に銘じて仕事に向き合っている。脱炭素時代の到来でLPガス業界に逆風が吹くなか、少しでも自分の爪痕を残せれば幸いだ。
  • キャノンマーケティング・佐藤英明氏、サイバー対策盤石に 経営者の意識改革急務
    全社挙げ防衛体制構築を
    関彰商事(本社・つくば市、関正樹社長)が昨年12月と今年2月に茨城県内でキヤノンマーケティングジャパン(同・東京、足立正親社長)と共催したサイバーセキュリティー対策セミナーには企業経営者やシステム担当者が詰め掛け、関心の高さを示した。同社はサイバーセキュリティーソリューションを提供するとともに全国で対策セミナーを開き、啓発に努めている。セミナーで講師の1人として登壇した佐藤英明ソリューション事業推進本部ITS事業推進部ITS営業統括課チーフにサイバー攻撃の実態と対策を聞いた。

首都圏版

  • 関液協総会、高度化計画や改正省令対応など有益情報を提供へ
東京都LPガス協会、商慣行是正へ制度改正説明会 エネ庁・目黒満雄氏が講演

消費者に選ばれよう

東京都LPガス協会(尾崎義美会長)は7日、東京都新宿区の都民ホールで「商慣行是正にけた制度改正説明会」を開き、会員ら250人余りが聴講した。
無償配管の実態について尾崎会長は「西部の一部を除き都市ガス導管が埋設され都市ガスに変わってしまうと危惧し、オーナーに無償配管を提供した」と経緯を説明。「だが配管から、給湯器、インターネットとエスカレートした。この商慣行を是正せねばならない。LPガスを消費者に選択してもらうことが重要だ」と述べた。

  • 森峯雄氏が逝去 元静岡県協会長 共栄瓦斯会長 地域防災に貢献
    森峯雄氏(もり・みねお、元静岡県LPガス協会会長、共栄瓦斯会長)3日、死去。80歳。通夜は9日、葬儀は10日に静岡市のあいネットホール千代田で共栄瓦斯・森家の合同葬として執り行われた。喪主は妻で同社取締役の稔子(としこ)さん。施主は社長の美文(みふみ)さん。森氏は1944年9月11日静岡県生まれ。63年3月静岡市立高校卒業後、同4月に東海瓦斯(現TOKAI)入社。72年9月に共栄瓦斯商会(現共栄瓦斯)を設立。2016年には静岡県LPガス協会会長に就任し、東海・東南海地震で甚大な被害が想定される静岡県で、同協静岡支部長時代から熱心に取り組んでいたLPガスの常時利用を根底とする地域防災体制の確立に尽力。発災事後に物資を供給する事後協定ではなく、平常時から利用する事前協定の確立を目指した。会長就任初年度となる17年1月に県と全市町を包括する「災害援助に必要なLPガスの供給等に関する協定」を締結し、県下全35市町にLPガス非常用発電機と炊き出しセットを寄贈する「地域防災応援プロジェクト」をスタート。22年に会長を退任し名誉会長に就任したが、志は次代に引き継がれ、応援プロジェクトは完遂。現在は各市町と、より実効性ある具体的な覚書締結への活動が続けられている。同年には次女である美文氏に社長を承継。芯がありながらも温和な人柄で、誰からも好かれた。その功績が認められ16年秋の叙勲で旭日双光章に輝いた。

地方版

北海道=北海道LPガス協会、沼田体制スタート 

取引適正化に全力

北海道LPガス協会は7日、札幌市の札幌パークホテルで定時総会を開いた。役員改選を行い、昨年度まで石狩支部長だった沼田常好氏(北海道ニッツウサービス)の会長就任を決めた。このほか副会長に庄子賢一(エア・ウォーター・ライフソリューション)、尾関豪(北海道エナジティック)、福島和秀(北部ガスセンター)、鴻巣直樹(三光)の4氏を選任。理事に久保彰(岩谷産業)、田中明(北海道エナジティック)、竹森直義(食創)、阿部利幸(阿寒共同燃料)の4氏を新任した。

  • 中部=ミツウロコ会中部、顧客目線を徹底 コト消費掘り起こし
中部=高岡グループ社長が当主の菅野家住宅が重要文化財に追加指定へ 

「町衆文化の発信さらに」

菅野克志・高岡ガスグループ社長が10代目当主を務める高岡市木舟町の菅野家の住宅が重要文化財(重文)に追加指定される見通しとなった。菅野社長は「高岡の土蔵造り建造物の代表として価値が認められ光栄。これを機に高岡町衆文化の一層の発信に努めたい」と話している。

菅野家住宅の離れ(右)などが重要文化財に追加答申された(高岡市教育委提供)

市中心部にある山町筋(やまちょうすじ)は、加賀前田家2代当主の前田利長が旧北陸道沿いに造った商人町。江戸から明治にかけ高岡の経済を牽引した。土蔵造りの町屋が並び、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。 国の文化審議会は5月17日、江戸時代から続く商家で国の重文である菅野家住宅の離れや土蔵など計3棟を新たに重文に追加指定するよう盛山正仁文部科学相に答申した。近く答申通り追加指定される見込みで、富山県の民家建築の重文指定は94年以来30年ぶりとなる。

近畿・四国=高知県協、県防災訓練で香川に応援要請を想定

広域連携をPR 

救護所への応急仮設訓練。香川県の中核充填所事業者、高橋石油が派遣した2人(左) の応援を受けた

高知県LPガス協会(公文秀明会長)は5月26日、香南市の高知職業能力開発短期大学校で行われた高知県総合防災訓練・地域防災フェスティバルに参加した。救護所への応急仮設訓練では、香川県LPガス協会(赤松幸雄会長)に支援を要請したと想定し、県域を越えてLPガスの防災性をPRした。
1976年に始まる県最大の防災訓練で、今年は89機関約900人が参加。香南市のメーン会場のほか南国市など7市町村、23会場で実施した。 メーン会場で行った損壊家屋訓練は、強い地震で消費先家屋が倒壊しLPガス設備が損傷、50 ㌔㌘容器が転倒し供給管の継手が緩みガス漏れが発生したと想定。高知県協の災害対策班が応急点検を行い、容器を回収した。

地域防災フェスティバル会場にブースを設営。濵田省司知事をはじめ30組が訪れた

  • 近畿・四国=フジタグループ(美馬市)、献血キャンペーンに80人 社員や顧客が協力
  • 中国=鳥取県協新会長に谷口俊二・トンボプロパンガス社長、暮らし支え安定供給
九州=九州JGE会の7社がCNLPガスを共同購入 

自家消費や外販展開へ

九州JGE会(吉村和弘会長)に所属する7社は、ジャパンガスエナジー(本社・東京、大浜健社長)からカーボンニュートラル(CN)LPガスを共同購入した。5月21日に名護市のカヌチャベイホテル&ヴィラズで開いた九州JGE会の春季総会で大浜社長が7社に供給証明書を贈呈した。7社は吉村アクティブ産業(本社・福岡市、吉村和弘社長)、小平(同・日置市、小平勘太社長)、エコア(同・福岡市、近藤茂社長)、白石(同・那覇市、白石武之社長)、井上商工(同・鹿児島市、山王浩展社長)、共栄(同・鹿児島市、栫浩多郎社長)、太陽ガス(同・日置市、小平昇平社長)。

ジャパンガスエナジーの大浜健社長(前列左端)が7社に供給証明書を贈呈した

  • 九州=産栄(福岡市)、5年ぶりに感謝祭 イベントで接点強化し商材をPR

住設・新技術

ノーリツ、室内全体を除菌する浴室暖房乾燥機の新商品「シャーン」を発表

掃除の負担を軽減

ノーリツ(本社・神戸市、腹巻知社長)は6日、東京・港区の六本木ヒルズ大屋根プラザで、浴室の壁や床、排水溝などを自動で除菌する浴室暖房乾燥機の新商品「シャーン」を記者発表し、腹巻社長らが開発背景や新機能などを説明した。タレントの藤本美貴さんと安めぐみさんをゲストにトークショーも行った。併せて同日から8日までの3日間、同じ会場で風呂掃除の負担を軽減する商品と技術を紹介するイベント「おふろまるごとそうじ展」も開催した。

  • パロマ、ビルトインこんろ「ブリリオ」を一新 デザイン変更し効能追加 
  • パナソニックオートモーティブ、配送効率化へAIでルート作成のサービス提供
  • 冬の省エネ意識調査、節電、節ガスが最多(東京ガス都市生活研究所)

<東北業界特集2024>

有力事業者の方針
各社とも、低炭素化実現に向けた取り組みとして、また需要拡大のため、一般消費者や工業用・業務用の燃転を営業課題の筆頭にあげた。電気料金高騰を背景に、電化からガスへの燃転を強化するところも多い。省令改正以後の営業活動をどうするか、皆図りかねている。大きな変化を前に廃業が増えると見込んで販売店買収の準備をする事業者もある。気温上昇は昨年だけの異常気象ではなく今後も続くと見て構造的な需要減少リスクと捉える向きも多い。市場の縮小に備え、新規事業開発や業態転換を急ぐ事業者も目立つ。東北の有力事業者20人に2024年度方針を聞いた。

  • カメイ(仙台市)=電化住宅へ反転攻勢
  • ミツウロコヴェッセル東北(仙台市)=人材育成が重点課題
  • 東邦アセチレン(多賀城市)=追い風生かし需要創出
  • 岩谷産業東北支社(仙台市)=低炭素貢献設備に力
  • NX商事仙台支店(仙台市)=提案力向上へDX推進
  • マルハ産業/橋本産業(仙台市)=各拠点に販促リーダー
  • ENEOSグローブエナジー北日本支社(青森市)=CN推進へ燃転加速
  • アストモスリテイリング東北カンパニー(仙台市)=原点回帰し満足度向上
  • 伊藤忠エネクスホームライフ東北(仙台市)=選ばれるための変革を
  • ENEOSグローブエナジー南東北支社(仙台市)=投資に頼らない営業を
  • 山形酸素(山形市)=ウェブサービス開始
  • 八戸液化ガス(八戸市)=接点強化を一番に
  • タプロス(秋田市)=補助金提案で新需要
  • 若松ガス(会津若松市)=産業用燃転に最重点
  • ヤマリョー(山形市)=積極的にガス住宅提案
  • 山二(秋田市)=連携強化し生産性向上
  • 泉金物産(盛岡市)=電解水普及に取り組み
  • 盛岡ガス燃料(盛岡市)=拡販へメリット訴求
  • 根本石油(郡山市)=ショールームを軸に販路拡大
  • 常磐共同ガス(いわき市)=リフォーム事業を強化
  • LPガス業者大相撲番付2024年仙台場所
  • 東北市場流通実態/現勢と有力事業者動向

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