石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

中央化学・・・食品包装容器、埼玉2工場の統合検討

拠点集約で合理化

センコーグループホールディングス傘下で食品包装容器事業を手掛ける中央化学は、埼玉県加須市に有する関東工場と騎西工場を統合する検討に入った。生産体制を合理化するのが狙い。25年までに詳細を詰め28年までに統合を完了する計画だ。
24年度から始動した5カ年中期経営計画での合理化策の一つとして、保有8工場のうち東日本と西日本のそれぞれに「主要拠点」を設定し工場の効率運用を目指す。

住友化学・・・ラービグ再建へ 持ち分15%に責任果たす

アラムコ主導で「本来の強みを」

ペトロ・ラービグの石化プラント。デボトル増強が実施される

住友化学とサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは、両社合弁による石油精製・石油化学会社のペトロ・ラービグ(ラービグ)の再建に向けて、総額約30億㌦(1㌦145円換算で4350億円)の財務改善プランをまとめた。まずは累積損失や借入金の大幅削減で業績悪化を止血。そのうえで、アラムコ主導による短中長期の収益強化策で本来の強みを発揮する体制を整備していく。住友化学のラービグ持分比率は37・5%から15%に低下するが、「資金拠出以外で今後も再建に協力していく」(住友化学の岩田圭一社長)方針で、国家的プロジェクトであるラービグの立て直しに責任を果たす。

  • 三菱ケミカルグループ・・・研究開発体制を刷新 要員の8割を事業部へ移管
  • KHネオケム・・・24年計画達成にメド 冷凍機油原料 増設効果を発揮へ
  • 出光興産・・・SAFが基本設計へ 併産バイオナフサは活用
  • 三井化学・・・上期利益予想据え置き 大阪トラブル影響で
  • 日本化薬・・・マレイミド、市場拡大へ戦列拡充 固形、低Df品を投入

<特集>社会と産業の進 化に貢献する化 学企業のR&D〈上〉(2~3面)

化学各社は業績を緩やかに回復させるなか、研究開発の取り組みを一段と強化している。近年は研究拠点のリニューアルの動きが活発化しており、自らの技術力の深化にとどまらず、外部からの知恵を盛り込み、社会課題の解決で共創を図るオープンイノベーション型の研究センターが相次いで立ち上がっている。テーマは化学の高機能・高付加価値化に他ならないが、特に環境負荷低減技術の開発では炭素資源循環の実現を目指し、新たな化学の世界を切り開こうとしている。主要化学各社の研究開発トップにR&D戦略の現在地と将来を聞いた。

ダイセル
専務執行役員研究開発本部長・塩飽俊雄氏

  • 循環型社会へ バイオマスを最大活用
  • 4領域で課題解決 医療機器、安全装置を

クラレ
研究開発本部長・須郷望氏

  • 新事業 サステナビリティーに力
  • 全社で情報共有 INCと緊密連携

日本ゼオン
執行役員研究開発本部長・赤坂昌男氏

  • 社外連携 26年に共創施設開設
  • 重点4分野とCNにも注力

丸善石油化学
取締役常務執行役員・舟橋克之氏

  • レジスト材料 生産体制強化緩めず
  • 材料開発 MI活用で効率化

DIC
常務執行役員技術・R&D担当・有賀利郎氏

  • 有機材・無機材・バイオ材、3本柱で技術革新
  • ITも最大活用 社内外と連携強化

クレハ
執行役員研究開発本部長・佐藤浩幸氏

  • 東京研究所 コラボ促進へ今秋開設
  • PVDF技術PJを発足

日本化薬
取締役専務執行役員テクノロジー統括管掌・井上佳美氏(6月26日任期満了)

  • 4分野で新事業創出
  • データサイエンス応用に力

ポリプラスチックス
常務執行役員研究開発本部長・松島三典氏

  • エンプラ機能追求 世界で存在感アップ
  • GHG排出削減 新系列に新技術

タキロンシーアイ
専務執行役員研究開発本部長・三宅貴久氏

 

  • 重要開発テーマに集中
  • 売上高に貢献する新製品を

THE PETROCHEMICAL PRESS

本州化学工業・・・新ベンチ設備完成 長期ビジョン実現へ

新製品創出を加速

本州化学工業はファインケミカル専業メーカーとして持続的成長を実現するため、製品の創出を加速させる。開発テーマの選択と集中を進めるため中心的組織である経営企画部の事業開発室を今期増員。和歌山工場では7月、新製品の試作と市場開発を促進するための新ベンチプラントを完成させた。蓄積したフェノール誘導化技術を駆使し、現在のコアである電子材料、ビフェノール、クレゾール誘導品に続く製品群を継続的に創出できる企業を目指す。

  • 帝人・内川哲茂社長・・・事業譲渡収入の配分「即効性ある投資に」
  • 第一工業製薬・・・LIB用 新電解質材料を開発 安全性と長寿命両立
  • 化学実験ショーに4000人 子供たち 不思議 驚き 笑顔

夏休みの科学技術館に子供たちの驚きと笑顔が戻ってきた。日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会の化学4団体で構成する「夢・化学―21」委員会が主催する「夏休み子ども化学実験ショー2024」が3~4日の2日間、東京・千代田区北の丸公園の科学技術館で開かれた。

聴いて見て触って実験を楽しむ児童

今回は5年ぶりに参加者を制限せず自由入場で行い、2日間で延べ4千人規模の来場者があった。新型コロナパンデミックへの配慮から20~22年は開催を中止、23年は4年ぶりの開催も入場制限をかけたため来場者は約1500人にとどまった。今回は連日、猛暑の中での開催となったが初日の午前中から小学生とその保護者らが多数詰め掛け、当日予約の定員をオーバーする実験ブースがあるなど大盛況だった。【写真】化学マンと決めポーズをする日化協の進藤秀夫専務理事
同委員会は22年7月から化学実験教室の動画「子ども化学チャンネル」をオンライン配信している。既に13本の企画が作成されている。3日午後からの新番組にはオリジナルキャラクター「ケミカルエンターテイナー!化学マン」が初登場。人気キャラになるかは未知数だが、同チャンネルを盛り上げ、化学の楽しさや社会での有用性などを未来のケミストたる子供たちに伝える重要な役割を担う。

  • 東レなど4者・・・小規模P2G実証スタート
    東レ、大成建設、東京電力エナジーパートナー、山梨県の4者は大成建設の子会社、大成ユーレックの川越工場(埼玉県)で、太陽光発電由来の電力を使い水の電気分解からグリーン水素を製造する小規模パッケージ「ワンパック固体高分子( PEM ) 型パワー・ツー・ガス(P2G)システム」=写真=の実証運転を6日、開始した。同システムの普及を進め、東レはその基幹部材、炭化水素系電解質膜の拡販につなげたい考え。

 

  • 日本触媒・・・インドネシアでSAP5万㌧増設
  • 長瀬産業・・・蘭PLA大手と販売代理店契約
  • ベンゼン8月ACP・・・45㌦安の1020㌦
  • 日本ソーダ工業会・・・2024年6月のカセイソーダ出荷内訳
  • 日本プラスチック板協会・・・6月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、6月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、6月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・メタクリル酸メチル(MMA)とメタクリル酸(MAA)を9月1日出荷分から1㌔㌘30円値上げ
    ・東ソー・・・クロロプレンゴム(CR)を9月16日出荷分から1㌔㌘60円以上値上げ
    ・DICグラフィックス・・・オフセット用印刷インキを10月1日出荷分から10%以上値上げする。対象は商業オフ輪インキ、油性枚葉インキ、UVインキ、新聞インキ。金銀インキなど一部特殊品は改定率が異なる

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