石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

光電融合実用化 素材各社が関連技術開発

東レ・・・高速実装プロセス  日東紡・・・低CTEガラス

次世代通信インフラの課題を解決する技術として注目される光電融合技術の実用化を後押しするため、化学系の素材メーカーが関連技術・素材の開発に乗り出した。東レは光電融合デバイスパッケージ用高速実装プロセスと、半導体チップ間をつなぐ光導波路に使う樹脂製光ファイバーの開発を進める。日東紡はパッケージ基板の反りを抑制する次世代低CTE(線熱膨張係数)ガラスクロスの製品化を目指す。

新事業開発を加速するJSP

フォームコア、敷板が建設現場に採用

建設現場で採用されたフォームコア敷板「ミラロード」

射出成形 発泡と複合し優位性
JSPは24年度から3年間の中期経営計画「Change for Growth 2026」で4つの成長エンジンとして自動車部品に使う発泡ポリプロピレン「ARPRO(アープロ)」、建築住宅断熱材、フラットパネルディスプレイ表面保護材、新事業を挙げ、これらに経営資源を集中し拡大を図っている。
そのうち新事業の開発を担う新事業開発本部は事業推進部と開発センター(栃木県鹿沼市)からなる。事業推進部は4月に従来の事業戦略室から改称し、傘下に「事業戦略グループ」と「市場開発グループ」を新設して機能を強化した。グローバル市場にアンテナを張りながら開発テーマ選定、市場調査、実行可能性調査、投資計画、M&A案件精査などを進めている。

  • クラレ・・・工業用洗浄剤向け水溶性溶剤を2種開発
  • 東レ・・・半導体産業に対応、電子情報材 台湾に研究拠点開設
  • 帝人・・・絶縁放熱シート、5Gスマホ向けなど ブランド展開開始
  • クラレ・・・PVOHフィルム、CFRP成形用へ提案 副資材削減に寄与
  • 日本化薬・・・火工品技術で新領域へ 安全性向上を支援
  • エボニック・・・独で硬質発泡体の全電力を再エネ

<特集>高機能プラで社会課題を解決 積水化学工業・水無瀬 イノベーションセンター

MICの外観

積水化学工業高機能プラスチックスカンパニーの研究開発拠点である水無瀬イノベーションセンター(MIC)が、コロナ禍の停滞期を経て活動を活発化させている。開所から4年の間に社内融合が格段に加速し、今年からは新たな開発成果を続々と市場に投入していく。研究陣の熱い思いをかたちにしたユニークでコンセプチュアルな研究拠点は、今後、外部からの知も積極的に取り込み、数々のイノベーションを早期に創出していく。
開発進捗象徴 各階にコンセプト名 活動に弾み、成果加速
丘陵から霧が棚引く風光明媚な大阪・水無瀬(大阪府三島郡島本町)の地に積水化学は61年、中央研究所を開設した。現在の高機能プラスチックスカンパニーの開発研究所である。淀川支流の水無瀬川、山が湛える良水を求めて、近隣にはサントリー山崎蒸留所をはじめ、水にまつわる工場や研究所が点在する。 積水化学はプラスチックのパイオニアとして47年の操業以来、「社会課題の解決にプラスチック製品で答えを出す」ことを会社のDNAとして刻み込んできた。その発展形として現在は住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスの三つのカンパニーを擁し、さらにサステナブルやヘルスケア領域へとビジネスの輪を拡大させようとしている。

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  • IPA国内市況堅調・・・電子工業用復調 アジア1200㌦前後維持
  • 石油化学工業協会・・・保安推進会議 3社の事例、他山の石に

    工藤幸四郎会長(前列右から3人目)、荻野耕一保安・衛生委員長(左隣)と保安表彰受賞者

    石油化学工業協会は24日、会員会社の保安・安全に関する意見交換を目的とした第42回保安推進会議を東京・平河町の都市センターホテルで開いた。オンライン配信の視聴者約90人を含め約230人が参加した。 保安・衛生委員会の荻野耕一委員長(住友化学常務執行役員)があいさつで「近年は石化業界で保安事故、労働災害の数ともに下げ止まりの状況が続いている。今回の保安推進会議を含めトータルの保安・衛生活動が会員各社の相互研鑽の機会となり、その結果、少しずつでも保安事故、労働災害が減少し続けることを祈念する」と述べた。

  • 日本化学工業協会・岩田圭一会長(住友化学社長)・・・「GXが最大テーマ」 日化協岩田会長 政策と整合図る
  • 日本化学工業協会・・・リサイクル率確認 来春にも本格運用
  • 東北大学と理化学研究所、東京大学・・・単層CNT、純度95%超を実現 半導体デバイス革新期待
  • デュポン・MCC・・・再生人工大理石新シリーズ4色
  • レゾナック・・・SiC貼合基板、仏社と開発推進
  • ヘンケル・・・ドイツ本社に車載電池の試験施設
  • レゾナック・・・再生医療事業会社をファンドに譲渡
  • 東洋紡・・・シミュレーションセンターが国の科学研究費助成事業(科研費)指定の研究機関に
  • 大日本印刷・・・アルミ箔不使用遮光パッケージ
  • 日本グリーン電力開発・・・SAFの原料に非食ココナッツ
  • 日本スチレン工業会・・・2024年8月受払表
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・8月のOPP・CPP出荷実績
  • 化学製品値上げ
    ・ 三菱ケミカルグループ・・・2軸延伸ポリスチレンシート(OPS)を11月1日納品分から1㌔㌘5円以上値上げ

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三菱ガス化学・・・耐熱透明ポリエステル 超エンプラを代替

特殊品 食品・医療向け重点

三菱ガス化学は独自開発した耐熱透明ポリエステル樹脂「アルテスタ」の新規特殊グレード「SH」「SC」2タイプを突破口に、食品・医療関連用途を重点とした世界展開を加速させる。機能向上に加え、欧州を中心とした非ビスフェノール化に伴うサルホン系スーパーエンプラやポリカーボネート(PC)の代替ニーズも追い風とする。既にSHは市場を広げ、評価中のSCも近く本格投入する計画だ。

  • 日本化薬・・・ポラテクノ事業、偏光板やX線用部材 独自性で市場開拓
トクヤマ・・・半導体前工程材料 アジア市場基盤固め

多結晶シリコン、2年内 6500 ㌧フル製販 

不況を脱し高稼働に移行した徳山製造所の多結晶シリコンプラント

高純度IPA 韓国で来年量産
トクヤマは半導体前工程用の電子材料でアジア市場での基盤固めに全力を注ぐ。多結晶シリコンはマレーシアでの半製品製造に関する合弁事業が26年をメドに生産を開始する予定で、ベトナムでの後工程事業と併せて新体制を整備。その間に徳山製造所で最先端半導体用途向けの安定供給で年間6500㌧のフル生産・フル販売を目指す。高純度IPAは台湾に続き韓国合弁が品質評価を経て25年から量産出荷に移行する。日台韓の3拠点の早期フル稼働化と世界初となるプロセスリターンの技術確立を急ぐ。

  • 上野製薬・・・LCP、車載用含め拡大 耐ブリスター向上
  • 米ナノグラフ・・・EVシリコン負極材ミシガンで年産2500 ㌧
  • ダイセル・・・新規合成技術実装へ北大発新興と研究
  • 旭化成・・・デトロイト近郊に北米統括本社移転
    旭化成は北米地域統括会社、旭化成アメリカ(AKA)の本社を11月1日にニューヨーク市からミシガン州ノバイ市に移転する。北米のグループ各社に提供する経営計画、財務、経理、人事、知財などの機能とマーケティング機能をノバイ事務所=写真=に集約し、管理支援業務を高度化・効率化させる。ニューヨーク事務所は閉鎖する。
  • 出光興産・・・次世代技術研に3.3㍋㍗ソーラー
  • 積水化学工業・・・災害時の水道復旧 前橋市と協力協定
  • 旭化成アドバンス・・・耐炎化繊維素材EV向け10月発売

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