石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東ソー・・・臭素系難燃剤、環境配慮の高分子型開発

26年メド発売 規制リスクを低減

東ソーは、高い難燃性と安全性を両立させた高分子型臭素系難燃剤「フレームカット210HR」を開発した。環境や生体への影響が少ないのが特徴だ。環境に配慮した規制リスクの低い臭素系難燃剤として提案し、26年の発売を目指す。スペシャリティ事業の一つである臭素・難燃剤事業の拡大につなげる。
低誘電特性も兼備
210HRはビスフェノール骨格と、極性の低い連結基を構成ユニットとするオリゴマー。外観は白色粉末、水分は0・4%以下、臭素含有率は54%。耐熱温度(5%重量減少温度)は345度C以上に及ぶ。幅広い熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂と配合できる。高い耐熱温度により、高温で成形されるエンプラへの適用も可能だ。

大倉工業・・・次期中計、成長ステージへ移行 積極投資継続

情電、モビリティなど拡大 越で接着剤 25 年稼働

コスト削減効果が評価され採用が進む薄膜マルチフィルム「省之助」

神田進社長

大倉工業は25年から始動する3年間の次期中期経営計画で積極投資を継続する。神田進社長は「22年に始動した現中計は、経営ビジョン『Next10(2030)』の実現に向けた成長基盤の土台作りの時期と位置づけ、構造改革と積極的な成長投資を進めてきた。次期中計ではこれらの成果を反映させ、さらに新たな投資と新製品の拡充を進めることで成長のステージへ移行したい」と強調する。「次期中計3年間の設備投資額は現中計の実績(22~24年見込み227億円)より増やし、別枠でM&Aも検討する」考えだ。

  • 経済産業省・・・GX支援事業、構造転換に重点補助 決断と相互信頼後押し
  • 東レ・・・コーヒーフィルター、PLA繊維で進出 紙製に比べうまみ
  • 東レ・・・PPS、新系列は25年稼働 コンパウンドも増強

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旭化成・・・メタロセンHDPE 主用途周辺の開拓加速

深掘りで販売拡大

旭化成はポリエチレン(PE)事業の特殊品の柱の一つであるメタロセン触媒高密度ポリエチレン(HDPE)「クレオレックス」の用途開拓を加速させる。主用途であるフラットパネルディスプレイ(FPD)用保護フィルム、ろ過膜フィルターの周辺領域を深掘りすることで販売量の拡大につなげる考えだ。

製造現場のDX促す NBKマーケティング

防爆IoTカメラ 普及を本格化

代表取締役 岡本英一郎氏

「製造現場の単純労働を減らしたい。ただ、大掛かりなDX(デジタルトランスフォーメーション)は手間が掛かるし、コストも膨大。その点、LiLzGauge(リルズゲージ)は既存設備に簡単に取り付けるだけの『レトロフィット』。言わばマイナーリニューアルでアナログ計器類の読み取りとデータ収集を自動化し、ルーチンの目視点検作業を大幅に削減できる。人手不足が深刻化する一方で、経年化で点検需要が増えている今日の社会課題を解決するビジネスと捉え、市場開拓を加速している」
「リルズゲージ」はIoTカメラとクラウド上にセットしたAIを連携させたソリューションで、沖縄県宜野湾市のIoTベンチャーが開発。NBKマーケティングは複数ある販売代理店のメーンを担い、20年から市場開拓に取り組んでいる。今年7月時点で全国400の事業所で累計5300台の導入実績を持つ。9月にはゾーン2の防爆認定を取得した新製品「LC―EX10」を上市したことで、石油精製や石油化学、化学などプロセス系プラント向けのマーケティングに拍車をかける体制が整った。

  • ユニチカ・・・高強度中空ガラスビーズ 樹脂フィラー向け開発
  • 東レリサーチセンター・・・触媒反応生成物の分析サービス開始
  • 旭化成・・・3D印刷用樹脂材、イタリア社と協業 CNFと化学再生PA6混合  25年、日欧米に供給
  • 旭化成・・・新規DDS基材でがん免疫治療研究
  • 積水樹脂・・・豊田市の交差点にLED表示板提供 実証に参画
  • 三井化学など3社・・・再生OPP軟包材 量産化や物性確認
  • 三菱ガス化学・・・食物アレルギーの治療で米社と提携
  • 積水化学工業・・・導電性微粒子を多賀工場で増設
  • 三菱ケミカルグループ・・・ISCCプラス、4事業所で認証

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  • 液晶ポリマー(LCP)世界需要・・・需給ギャップ拡大 新増設進展 市況回復鈍く
  • 汎用PC・・・値差500㌦前後続く 付加価値品の価格に影響
  • 東レ・・・ボトルから繊維再生 施設内で資源循環

東レは東京・有明地区で12日に全面開業した複合型スポーツレジャー施設「有明アーバンスポーツパーク」で回収PETボトルをポリエステル繊維「& +( アンドプラス)」にリサイクルするプログラムを開始した。
施設内5カ所の飲料自動販売機の横にPETボトルの回収ボックス=写真=を設置。ボックスはボトル本体、ラベル、キャップ、飲み残しを分別できるように設計され、来場者自身に分別を行ってもらうことでリサイクルプログラムへの参加と理解を深めてもらい、サステナブルな社会への実現を目指す。

  • 米国プラスチック貿易統計・・・プラ輸出8%増 1~6月 ブラジル向け急伸
  • 東洋紡エムシー・・・PETエラストマー、環境対応型の新製品
  • 旭化成エレクトロニクス・・・DC/DC昇圧器 電池レス検知器に
  • TOPPAN・・・液体詰め替えパウチフィルムの全面PE化を開発
  • 島津製作所・・・産総研つくばに連携研究ラボ
  • 日本ABS樹脂工業会・・・9月国内出荷
  • カーボンブラック協会・・・8月需給実績
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・水添スチレン系エラストマーとブロック化エラストマーを15日出荷分から世界で1㌔㌘22㌣値上げ

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ポリプラスチックス・・・PEK、超耐熱の機構部品に

来期から複数用途へ 金属代替市場を開拓

ポリプラスチックスは新規投入したポリエーテルケトン(PEK)「サーペック」が持つ樹脂として最高水準の物性を生かし、金属代替の新規市場を開拓する。世界的なエンプラ大手としての実績やコンパウンド技術、品質保証体制を背景に、従来は困難とされた過酷な使用環境での樹脂化に取り組む。熱源に近い機構部品用途など車両関連を含む複数の案件で評価が進み、25年度早々にも複数用途での採用が見込まれる。

  • 三菱ガス化学など・・・船舶用メタノール燃料、バンカリング模擬実証

横浜港でコンテナ船にメタノール輸送船を接舷した

三菱ガス化学は海運大手マースク(デンマーク)などと横浜港で、船を使ってコンテナ船に燃料のメタノールを供給するシップ・ツー・シップ方式によるバンカリング(燃料供給)のシミュレーションを9月に実施した。メタノールの船舶燃料用途拡大につなげる。
マースクが運航するメタノール燃料コンテナ船「Alette Maersk」に三菱ガス化学グループの海運会社、国華産業が保有するメタノール輸送内航船「英華丸」が横浜港南本牧ふ頭で接舷。燃料メタノールのバンカリングに必要なオペレーションを確認した。今回の取り組みは「日本国内でメタノールの定常的なバンカリング体制を構築するための大きな一歩になった」としている。

三洋化成工業・・・機能性人工 タンパク質を市場投入

創傷治療材 国内販売権 科研製薬に供与

樋口章憲・三洋化成社長(左)と堀内裕之・科研製薬社長

三洋化成工業は09年から開発を進めてきた機能性人工タンパク質「シルクエラスチン」を再生医療材料として市場投入する。科研製薬と日本国内の創傷治癒分野に関して独占的販売権に関するライセンス契約を締結。申請中の製造販売承認が下り次第、創傷用シート(一部スポンジ)として販売を開始する。技術導入から14年を経てマネタイズを実現。30年に営業利益60億円の目標達成に向け着実に歩を進める。

  • トクヤマ・・・ソーダ灰製造、CO吸収率改善 28年度商業運転
  • サンペーク・・・フェノール樹脂原料一部バイオ化
  • UBE・・・生産性向上へ工場DX推進
  • 三菱ケミカルグループと東大・・・COネットゼロへ化学産業の道筋提示
  • 日本材料技研と出光興産・・・ポリアニリン新用途展開へ
  • 東洋エンジニアリング・・・プラント運営ボリビアで支援
  • カーボンフライ・・・真空装置のVP連結子会社化

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