総合面
岩谷産業、存在価値高める活動推進
少子化・脱炭素の環境下も存在価値訴求
間島寬社長
岩谷産業(本社・大阪、東京、間島寬社長)は13日、東京・港区の東京本社で業界専門紙誌を対象に25年3月期第2四半期決算の説明会を開いた。間島社長、田博清取締役副社長執行役員、髙山健志同専務執行役員らが出席し、傘下に入れることを決めたアイエスジー(船橋市)を含めたグループ経営戦略を説明した。
6日付で公表したアイエスジーの全株取得は、株式譲渡を年内に完了する予定とした。直売件数などは精査中で、のれんなどは今後協議を始める。同社が保有する3カ所の充填所、17カ所の営業拠点など千葉・茨城を主要エリアとする製造・物流業務は「早期に統合を進め、サービスもシナジー効果を期待している」(髙山専務) とした。当面、業態は維持する方針。両社は15年にアイエスジーがマルヰ会に加入したことで取引が始まり、故・石井誠一会長とは事業に対する考え方や政策で意見が一致、物流の共同化などの検討を進めていたが、石井氏が今年4月に急逝したことを受け、株式譲渡に至った。
次期エネルギー基本計画、年末に取りまとめ
LPガスの強み再確認
経済産業省は13日、総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会(分科会長=小堀秀毅・旭化成取締役会長)の第43回会合を東京・千代田区の本省でオンラインを併用して開いた。
議論を踏まえ、年末に次期のエネ基本計画と地球温暖化対策計画、GXビジョン2040を取りまとめる。LPガスについては、レジリエンス力や供給安定性などの強みを再確認した。事務局の経産省は、LPガスの重要性を説明。LPガスの国内供給に占める輸入割合は約8割だが、輸入先は米国、カナダ、豪州で9割を超え、海上輸送が安定している。国内需要の90日分に相当する備蓄体制が整備されており、エネルギーセキュリティーにも寄与するとした。
- バルクの20年検査対応1万9822基 今年度予定は1万4746基(全L協調査)
- WLPGF、ケープタウンで盛大に 18~24日の日程で本紙調査団を派遣
首都圏版
TOKAI東京本社、38会場で感謝祭
成約目標9億5800円
TOKAI(本社・静岡市、浜崎貢社長)の東京本社は10月11~12日の仙台支店を皮切りに12月21~22日の湘南支店まで関東、東北、岡山、九州の全国38会場で秋の大感謝祭を展開している。今年は〝ひろげよう!笑顔があふれるエコライフ TOKAIフェスタ2024〟をサブキャッチに、事前予約と当日来場を含め前年比10%(1100組)増の1万500組、当日・フォロー成約を含む売り上げは同20%増の9億5800万円と、コロナ禍前を上回る目標を掲げた。特にフォロー成約高は、12月に開催予定のクリスマスフェアを視野に同65%増と設定した。
- 伊藤忠エネクスホームライフ、「交換できるくん」と住設ECサイト開発へ
- サイサン、電話対応コンテストで伊藤舞さん(ほくねん)に栄冠
オザワ燃料(伊那市)、手検針の機会生かす
遠隔検針進めつつ接点強化
オザワ燃料(本社・伊那市、小澤陽一社長)は、遠隔の供給先や集合住宅を中心に自動検針を進めつつ、手検針の残る供給先では訪問する機会を活用して接点強化や需要開拓につなげている。
昨年と今年はLPガス振興センターの配送合理化補助金を利用し、LPWAの導入を進めた。今年の分の設置が完了することで、自動検針の比率は7割近くまで高まる見込みだが、「大変でも現場へ行くことは大事で、(検針業務も)残したい」と小澤社長。検針業務のために訪問することで、顧客や顧客宅の様子を感じられるメリットや、独自のチラシの配布や案内などで需要を取り込むことを重視する。 自作するチラシの内容はさまざまだ。今年は8月から年末までガスこんろ取り替えキャンペーンと銘打ったオリジナルのチラシを配布。県LPガス協会のエコライフキャンペーン、メーンのガスソースであるサンリンのエコエコキャンペーンと並行展開し、相乗効果も狙っている。
地方面
北海道=登別ガス協組、総合防災訓練で巡回や電源復旧
災害に備え対応確認
登別ガス協同組合(登別市、稲原篤仁理事長)は7日、同市内の事務所を舞台に今年度の総合防災訓練を実施した。40人超が参加し、組合のBCP計画に基づき特定製造所の巡回や電源復旧作業に当たった。
稲原理事長は「元日から能登半島で地震が発生したように災害はいつ起きるか分からない。常に備えておく必要がある」と訓示。そのうえで訓練を通じ「LPガスの真価を示す絶好の機会だ」と奮起を促した。
東北=7月豪雨で容器流出皆無 防止措置が奏功
山形県協が講習で報告
山形県LPガス協会(金山知裕会長)が10月に県内4会場で開いた保安講習会で、佐藤友彦専務理事が7月に発生した大雨の被害状況を報告した。浸水高が2~3㍍の地区もあり、消費先供給設備の浸水被害は100件に上ったが、容器の流出は6月末期限の防止措置により発生しなかったと説明した。
佐藤専務理事は庄内地域の6事業者、最上地域の10事業者から103件の被害報告があったとした。うち3件が事業者側の被害で、事務所浸水が2 件、配送車冠水が1件。残り100件は消費先の被害で、メーターや調整器などの供給設備が浸水した。2~3㍍の浸水のあった戸沢村蔵岡地区の写真を紹介。チェーンの二重掛けで流出が食い止められた50㌔㌘容器や、プロテクターを通したチェーンにより流出を免れた20㌔㌘容器の写真を画面に映し「防止措置が奏功し、容器流出はなかった」と説明した。
中部=中村燃料店、高岡ドームでふれあいフェア
飲食にCNLPG初使用
今年も多くの来場客で盛況だった
中村燃料商店(本社・高岡市、中村長治社長)は10月26~27日、販売店やメーカーなど取引事業者と組織するマルナカ会の主催による「2024秋のふれあいフェア」を高岡市の高岡テクノドームで開いた。毎年恒例のイベントで、午前10時の開場と同時に多くの顧客が来場した。今年は、共催のアストモスエネルギー北陸支店を通じてカーボンニュートラルLPガス(CNLPG)をキッチンカーなど飲食店舗で使用する初めての機会となった。
8㌔㌘容器のCNLPGを使って調
理した
- 中部=質量販売は重要な役割 名古屋プロパン瓦斯、質量販売緊急時対応講習を実施
近畿・四国=ダイネン、不動産チーム編成し空き家対策事業化
設備センター業拡大で
ダイネン(本社・姫路市、定信良典社長)は社内外の管工事などを担う設備センターの業容を拡大する。地域的には福岡県でも展開、地元・播州では不動産事業を開始し空き家問題に貢献する。
姫路市内に兵庫設備センターを設立したのは2020年。LPWA集中監視の導入で生まれたマンパワーを投入し自社工事を内製化するとともに、販売店や同業者の工事を受注した。案件は当初バルク交換が多かったが、最近はハウスビルダーの新築集合住宅が増加、年間250室程度を担当している。
人材不足と職人の高齢化に悩む業界に重宝され、播州地域の工事の受け皿に成長した。売上高は2億円強、所属社員は人。来年度は高卒の新入社員を迎える計画だ。昨年から福岡県内にも設備センターを設け同様の取り組みを始めた。
- 近畿・四国=藤本産業、秋まつりで親子向け企画展開 目標超え1519人来場
- 中国=秋のガス展真っ盛り リアル展に意欲新た・一押し商品アピール・家事川柳秀作に景品
九州=熊本で国内最大の防災イベント
業界各社がLPガスの災害優位性をアピール
10月19~20日に熊本で国内最大級の防災イベント「第9回ぼうさいこくたい・防災推進国民大会2024in熊本」(主催・内閣府)が開かれた。業界事業者も出展し、自治体や病院、学校、企業などに向けてLPガスの災害優位性をアピールした。(12面に関連記事)
2016年から毎年開かれており、九州では初開催となる同イベントには全国から400を超える企業、団体がブースを出展。熊本地震や東日本大震災を教訓に、研究発表や展示、ワークショップを通して災害への備えを訴えた。
- 九州=トスプロ(鳥栖市)、「即湯サービス」開始 展示会で周知展開
住設・新技術
- I・T・O、非常用の生活用水浄化装置「ウォーターリリーフ」を発売
- レイパワー、熊本防災国体にLPガス発電機を出展 非常時の強み訴求
- ミドリ安全、防爆空調服を拡販 検知器連動新製品も
ミドリ安全(本社・東京、松村乾作社長)は2025年度、防爆電動ファン付き作業服「クールファンEP」の生産数を24年度に比べ倍増させる。需要が高いLPガスなど各業界からの要望に応える。さらに、携帯型ガス検知器と従来型の空調作業服を無線で連動させ、防爆エリア外でのガス漏れ時の安全性を高める新製品を近日発売する。
空調ファン付き作業服は従来、防爆エリアに対応する製品が存在しなかった。同社は昨年4月にEPを販売開始し、夏場の酷暑に悩むLPガス業界に朗報をもたらした。鬼塚達治営業統括本部ユニフォーム統括部商品企画部部長は「発売開始後、LPガス事業者からも問い合わせが相次ぎ、ブルゾンとセットで試験導入する企業もあった。
特集記事<消費者保安推進大会>
経済産業省とLPガス安全委員会は10月24日、東京・千代田区の如水会館で2024年度LPガス消費者保安推進大会を開いた。湯本啓市・経産省技術総括・保安審議官、近藤賢二・高圧ガス保安協会(KHK)会長、田中惠次・LPガス安全委員会会長がLPガスの自主保安活動の推進で顕著な功績を上げた販売事業者など84者を表彰した。湯本審議官は「国民に安全・安心を届ける強い信念と行動力が評価された」と受賞者を祝福。審議官表彰を受けたダイプロ日田(本社・日田市)の小野日出明社長が代表謝辞を述べ「LPガスが選ばれるエネルギーとなるためにも業界全体で襟を正していかねばならない。受賞の栄誉を励みに感謝を忘れず、業界の模範となって一層の精進を重ね消費者保安のさらなる充実を図る」と決意を新たにした。
- 安心担保へ一層精進 公績84者が表彰の栄
- LPガス安全委員会会長・田中恵次氏=需要家の意識を啓発
- 経産省技術統括保安審議官・湯本啓市氏=他工事事故を未然に
(代表者謝辞)
小野日出明・ダイプロ日田社長=選ばれるエネに
(体験発表)
中川智夫・石川県LPガス協会専務理事=被災店復興へ全力
- 信頼獲得へ奮励努力/受賞販売店ルポ
・帯ガス燃料(帯広市)=十勝業界の保安牽引 さらなる理想形追求
・菊地金物店(龍ヶ崎市)=設備保全に余念なく「生活発見館」地域に浸透
・斉藤商店(栃木県益子町)=有事対応バネに成長「顧客あっての会社」肝に
高圧ガス保安協会会長表彰
経済産業省技術総括・保安審議官表彰
LPガス安全委員会会長表彰・特別顕彰・特別表彰
ガス警報器工業会リメイク運動表彰
<第30回GHP販売事例論文コンテスト特集>
直近の冷凍年度(2023年10月~24年9月)のGHP販売は、前年同期比をやや下回る2万6268台と低位にとどまる。ただし、LPガス仕様機は、台数で同6・9%増の5781台、馬力で同7・4%増の10万6627馬力と数字を伸ばした。学校体育館の空調整備需要で新設台数が増えていることが要因。次年度はさらに上積みが期待される。GHP市場の中長期的成長には、更新機の着実な取り込みと新規需要獲得が欠かせない。第30回GHP・マイクロコージェネ販売事例論文コンテストでは、更新需要獲得のための工夫とともに、新分野の需要創造に取り組んだ先進事例も数多く寄せられた。コンテストの総括をGHPコンソーシアム技術顧問の安孫子徹氏にお願いした。