総合面
エネ庁 2050年在り方研究会 ガス事業 脱炭素への道示せるか
独自シナリオ、コストに難
ガス事業
脱炭素への道示せるか
エネ庁 2050年在り方研究会
独自シナリオ、コストに難
資源エネルギー庁は6日、2050年に向けたガス事業の在り方研究会(座長=山内弘隆・一橋大学大学院特任教授)の第2回会合を開き、ガス業界の低炭素化・脱炭素化を主題に議論した。事業者から東京ガスと大阪ガスが参加し自社の取り組みを報告したなか、委員からは「脱炭素化の具体的な話が示されていない」との指摘と、「ガス業界が独自に具体的なシナリオを示すのは難しい」との擁護の声が出た。世界的目標であるCO排出ゼロ実現の困難さが改めて表面化した。
- 次世代スマートメーターWG、統一ルール構築や停電時のガス保安に課題も
全L協が郡山事故受け防止策
業務用厨房のメーター連動遮断徹底へ
業務用厨房
メーター連動遮断徹底へ
全L協 郡山事故受け防止策
全国LPガス協会(秋元耕一郎会長)は9月24日、都道府県LPガス協会と直接会員に対し「業務用厨房施設に関するガス警報器の設置およびガスメーターとの連動遮断の徹底」について文書で要請した。7月末に発生した郡山市の飲食店での爆発事故について、事故原因は調査中としながらも現時点でのLPガス業界としての再発防止対策をまとめた。
<平成、そして新時代へ>T&Dリース・岸信之社長
業界を全力サポート
治のざっくばらんに
T&Dリース 岸 信之社長
岸信之社長は2018年4月に親会社の太陽生命保険常務から、T&Dリースの社長に就任した。30年以上にわたる生命保険会社での経験を振り返りながら、令和の時代におけるガスエネルギー業界専門リース会社のビジョンを話してもらった。
首都圏版
- KHK、緊急遮断バルブをFRP容器で評価 新たな保安構築も示唆
- 全L協、コロナ感染対策で周知用素材を地方協会に配布
- サイサン、ウェブ活用し各地のグループ結び入社式
- ストライク、M&Aセミナーを強化 3倍増の毎月開催に
地方版
北海道=コロナ落ち着き火育復活
道南と網走支部で出前教室
㊤火起こしに取り組む児童(2日・道南支部の出前教室)㊦エネルギーの種類を学んだ(9月28日網走支部の出前教室)
コロナ落ち着き火育復活
道協 道南と網走支部で出前教室
北海道LPガス協会道南、網走支部が今年度初めての火育活動を実施した。2日、北斗市で道南支部が、9月28日には網走支部が網走市で開催し、久しぶりに児童の歓声がこだました。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き始めたのもあり、各地での活動が活発になりつつある。
- 北海道=<北の現場から>ミライフ・杉山静花さん、ミニコミで絆深める
- 北海道=空知で集金詐欺未遂 道協が会員に注意呼びかけ
- 東北=秋田県協、中核充填所訓練で自衛隊員が容器運搬 災害時の連携構築へ
- 東北=ヤマリョー(山形市)、紙上展示会でイチ押し商品を紹介
- 中部=中部懇談会、料金やコロナ対応など情報共有化が焦点に
- 中部=上野ガス名張営業所、ドライブスルー方式で記念品配布など顧客と交流
- 近畿・四国=中村ホームガス、保安徹底の質量販売で需要開発に貢献
近畿・四国=徳島県、コロナ対応の学校空調モデル創出事業を実施
事業の対象になる県立徳島視覚支援学校と同聴覚支援学校
コロナ対応の学校空調
徳島県 モデル創出事業
徳島県教育委員会は2020年度6月補正予算1億3500万円を組み「『新しい生活様式』に対応した学校空調モデル創出事業」を実施する。新型コロナとの共生時代を迎え新生活様式を取り入れた教育展開が求められると同時に、大規模災害時には避難者を受け入れる必要を伴う学校現場。県は「平時・有事を問わない教育環境」構築に向け、モデルに徳島県立徳島視覚支援学校・同聴覚支援学校(徳島市)の体育館と特別教室7室を選定し感染症に強い空調環境を創出する。大空間への空調に適し、分散型で災害対応力が高いLPガスGHP採用に期待が高まる。
- 中国=MGSC会中国エリア、11月から来年1月まで紙上展示会を展開
- 中国=山口県協、コロナ対策と地域共生テーマに需要開発セミナー
九州=台風襲来も老健施設の停電回避
岩谷産業長崎が設置の発電機が貢献
写真㊤ 敷地内に設置した非常用発電機。大型の台風9、10号襲来時に稼働し底力を発揮した写真㊦ 18人が入居する諫早市の「グループホーム静豊庵」
老健施設
台風襲来も停電回避
岩谷長崎設置の発電機活躍
岩谷産業エネルギー長崎支店(伊藤真一支店長)が設置したLPガス非常用発電機が、9月に九州を襲った台風9、10号による老健施設の停電被害を最小限に抑えた。3月に、諫早市の五葉会が運営する「グループホーム静豊庵」に設置していた。
住設・新技術
日商エレクトロニクス、「AI最適配車サービス」発売
AIが容器配送ルート最適化
容器配送ルート最適化
ベテランの技 AIが自動構築
日商エレクトロニクス
日商エレクトロニクス(本社・東京、寺西清一社長)は9月30日、AIとIoTを活用してLPガス容器の最適な配送ルートを構築する「AI最適配車サービス」を発売した。独自技術で複数車両による多数の供給先への配送計画を自動構築する。遠隔検針用LPWA(省電力広域)無線端末の有無にかかわらず導入でき、約1カ月あれば高精度な配送計画が立てられる。配送員の負担を平準化できるとともに、ベテラン配送員の蓄積したノウハウを共有化して属人的でない高い配送品質を実現する。
- ASIOT(東京)、OCR式LPWA自動検針サービスを月500円から提供へ
特集<全L協特集>
- 新たな生活様式演出
複合災害へ備え強化 需要開発余念なく 環境の変化に積極対応
秋元体制2期目 需要開発余念なく
全国LPガス協会(秋元耕一郎会長)は9月10日、ウェブ会議システムで2020年度通常総会を開いた。新型コロナウイルス感染予防のため、初のウェブ方式での総会となった。コロナ禍による激動の時代を迎えるなか、秋元体制2期目が正式にスタートした。
事業計画では、最終年度となる「LPガス快適生活向上運動」を推進する。昨年度から事故防止重点事項として「業務用ガス警報器とガスメーターとの連動の促進」と「業務用換気警報器の設置推進」に取り組んでいる。今年度は都道府県協会独自の事故防止策を軸に、他工事による事故防止など具体的推奨事項の推進・徹底を図る。
需要開発推進運動は「究極のライフラインLPガス(災害に強いLPガスの普及拡大)」「進化するLPガス(LPガス高効率機器の販売強化)」「人を育むLPガス(子供達への火育・食育の推進)」の3本の矢を継続実施する。具体的にはガス機器買い替え促進活動「全国LPガスワンランクアップキャンペーン」の継続展開、公共(避難)施設へのLPガス常設常用提案などを行う。
- 「全L協需要開発推進運動」進捗レポート
・常設常用 防災需要掘り起こし
・高効率機器、より多くの家庭に
・炎を身近に火育・食育
・機器販売、空調伸長も厨房減速
全国LPガス協会は「より多くのお客様により多くのLPガスをお届けする」を基本方針に掲げ、需要開発推進運動を展開している。①究極のライフラインLPガス=「災害に強いLPガス」の普及拡大②進化するLPガス=LPガス高効率機器の販売強化③人を育むLPガス=子供たちへの火育・食育の推進―の「三本の矢」を推進し、LPガス需要の拡大を図る。コロナ禍の影響により昨年度までと大きく状況は変わったが、今年度も高効率機器の販売強化、キャンペーンの展開、LPガス常設提案などを継続する。
- 燃焼器具交換・安全機器普及状況
・安全機器普及で事故撲滅 保安高度化進捗状況
- 地方協会の事業と展望
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け今年の総会シーズンは例年とは様相が違った。感染防止に向けた緊急事態宣言が地域ごとに段階的に解除されたものの、地方協会の総会日程に直撃し各協会は対応に大わらわとなった。出席者を制限したり、書面決議にしたり、今までにない対応を迫られた。今後の見通しも不透明な状況が続いている。顧客との直接の接点が制限されるなか、LPガスの存在感をどう高めていくか。新たな仕組みづくりが求められている。秋田、埼玉、滋賀、高知、沖縄で新会長が誕生した。