総合面
総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(分科会長=白石隆・熊本県立大学理事長)
リスクヘッジ依然重視 再生エネ極度拡大 安定供給を懸念
次期エネ基本計画議論
脱炭素化社会への動きが加速するなか、今夏策定予定の次期エネルギー基本計画に注目が集まっているが、原子力発電の位置付けが定まらず、基本計画の原案発表が遅れている。次期基本計画の策定に向け議論を行っている総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(分科会長=白石隆・熊本県立大学理事長)は6月30日の第44回会合で6団体からヒアリングを行った。一部の団体が再生可能エネルギーのシェアの極度の拡大を提唱するのに対し、依然として委員らは安定供給への懸念を示しており、リスクヘッジの観点からバランスの取れた目標を支持している。
岩谷産業が環境新事業を検討
バイオマス発電とグリーン水素の具体化へ意欲
岩谷産業( 本社・大阪、東京、間島寬社長)は6月30日、5万㌔㍗のバイオマス発電事業とグリーン液化水素製造の事業化に向けた検討を開始したと発表した。同事業では、PKS(パーム椰子種殻)と木質ペレットなどのバイオマスを原料とするバイオマス発電設備と、これらのバイオマスから水素を製造し、マイナス253度Cまで冷却して液化すバイオマス発電グリーン水素 具体化へ意欲環境新事業を検討岩谷産業る設備を併設する。水素の製造・液化に要する電力は再生可能エネルギーであるバイオマス発電設備から給電することで、グリーンな液化水素の製造・供給が可能になる。
- FCV規制で高圧ガス保安法を適用除外 LPG車は検討見送り
- 7月CP、プロパン・ブタンとも620ドルに上昇 アジア需給もタイトに
- 日協「グリーン化報告書」、グリーンLPガスは課題山積も前進を
首都圏版
トモプロ、コインランドリー差別化へ
クリーニング師資格の社員が活躍 情緒価値を向上
クリーニング師の高戸まゆみ氏(左)と高木裕之氏
トモプロ(熊本直喜社長)が横浜市の本部に併設する24時間営業のコインランドリー店「新らくらく生活」で、クリーニング師資格を持つ社員2人が活躍している。顧客対応や店舗美化を担い、製品やサービスの機能・性能に対する「機能的価値」とともに、サービスから受ける印象に対する「情緒的価値」の向上に努めている。コインランドリーは一般的にセルフサービスの業態だが、専門知識を持つスタッフの配置でさらなる競合差別化を図る考えだ。
資格を取得したのは横浜営業所の高木裕之氏と本部経理課の高戸まゆみ氏。ともに神奈川県が実施する2020年度クリーニング師試験に合格し今年4月に免許交付を受けた。店舗では衣類の適切な洗濯方法やお手入れ方法などをアドバイスしている。ランドリーを使い慣れていない顧客のサポートや店舗美化にも磨きをかけ、サービス利用時の心理的な満足度を指すカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の向上につなげている。
次代の信念
髙見商店(千葉県栄町) 見陽二ガス・住設事業 部長兼SS事業部長
LPガス、SS、住設事業を手掛ける髙見商店(髙見德彦社長)の髙見陽二ガス・住設事業部長兼SS事業部長は、リフォーム収益の拡大を通じた経営基盤強化を念頭に置く。
日々各戸を回るなか現場で痛感するのは、住まいの困り事を業者に電話で連絡しない人の多さ。修繕が必要な部分があっても依頼をためらいがちで、例えば小さな水漏れのような問題だと住人は我慢を続けてしまう。「息子が次に帰省した時にでも直してもらおう」と考える高齢者も多数いるという。
しかし、同社が検針業務で家を訪ねたときに、ふとそんな事情を知れば、すぐに修理につなげられる。2千~3千円程度の安価な仕事を通じ、生活上のストレスを払拭してあげられる。
- アイ・エス・ガステムが「アイエスジー」に社名変更 地域と共生発展へ
- ガチャで親近感高く サイサンが「大宮ガチャ」に参加し第2弾発売
- 第27回GHP・マイクロコージェネ販売事例論文コンテスト
募 集 要 項
地方版
- 北海道=道協総会、課題解決へ一致団結 コロナ禍超え需要開拓
東北=秋田県協、容器盗難発生で地域での警戒呼びかけ
県北地域中心に3年で件発生 7月は予防強化月間
秋田県LPガス協会(高橋弘隆会長)は、消費者先に設置されているLPガス容器が盗まれるケースが県北エリアを中心に2018年7月から今年2月までに
13件発生していることから、7月を「LPガス容器盗難予防強化月間」と定め、広く県民に注意を呼びかけている。
東北=ガス料金で地域貢献プランが増える
地元応援を付加価値に
ガス料金に「地域貢献」や「社会貢献」などの付加価値を付けるケースが目立っている。
釜石市に移住してきた人向けの割引料金を、釜石ガスが昨年11月から、同じ釜石市の岩崎商店は今年2月から提供開始した。人口減少や過疎に悩む地域を応援しようというものだ。
中部=マルエイ会連合会、真に選ばれる店へ
未来価値創造「ふれあいコンテスト21」実施
マルエイ(本社・岐阜市、澤田栄一社長)の取引販売店で組織するマルエイ会連合会(森嶋稔朗会長)は、今年も6月から「ふれあいコンテスト2021」を実施している。マルエイの販促キャンペーンと併せ実施し、①こんろ販売②給湯器販売③燃料転換④暖房⑤リフォーム・太陽光・エネファーム・蓄電池―の各部門で会員販売店同士が機器販売を競い合う。
- 中部=名張近鉄ガス、困りごとに対応した生活支援の新サービス始める
- 近畿・四国=情報発信力アップ! 高知青年連絡協が「LPマン」ジャンパー作成
近畿・四国=上原成商事、21年度方針に営業・物流の連携強化
LPガス事業21年度方針 先進技術で効率化
上原成商事(本社・京都市、上原晋作社長)は今年度のLPガス事業において、営業と物流の連携を強化し効率的な運営を図る。営業面では卸と子会社が受け持つ直売の双方で顧客とのつながりを生かしたフェース・ツー・フェースの関係構築に尽力しながら、SNS活用などデジタルマーケティングも模索する。物流面ではLPWA集中監視の普及で配送を効率化する。
日ノ丸産業(本社・鳥取市、森下明男社長)は、地元の相撲の強豪校として知られる鳥取市の鳥取城北高校相撲部にリンナイのガス衣類乾燥機「乾太くん」(業務用8㌔㌘)を1台寄贈した。
鳥取城北高校は学校法人鳥取学園(石浦外喜義理事長)が運営する私立高校。
クラブ活動が盛んで、中でも理事長・校長で総監督を務める石浦氏が指導する相撲部は、今年の大相撲夏場所(5月場所)で2場所連続4回目の優勝を果たした大関照ノ富士をはじめ、関取の逸ノ城、石浦など多くの優秀な力士を輩出している。
中国=日の丸産業、「乾太くん」で相撲部を応援
鳥取城北高に業務用寄贈
目録を手にする谷本コーチ(左)と中尾支店長
日ノ丸産業(本社・鳥取市、森下明男社長)は、地元の相撲の強豪校として知られる鳥取市の鳥取城北高校相撲部にリンナイのガス衣類乾燥機「乾太くん」(業務用8㌔㌘)を1台寄贈した。
鳥取城北高校は学校法人鳥取学園(石浦外喜義理事長)が運営する私立高校。
クラブ活動が盛んで、中でも理事長・校長で総監督を務める石浦氏が指導する相撲部は、今年の大相撲夏場所(5月場所)で2場所連続4回目の優勝を果たした大関照ノ富士をはじめ、関取の逸ノ城、石浦など多くの優秀な力士を輩出している。
- 九州=三愛オブリガス三神、コロナ禍での接点構築でチラシや各拠点で小展示会
住設・新技術
- NTTテレコンが営業体制強化 DXソリューション加速へ
- 新コスモス電機、携帯吸引式ガス検知器を堅牢性高め刷新
- LPWAで変位測定しがけ崩れの危険予知 逗子市が実証に協力
<全L協特集>
選ばれるエネ提供事業者に「安心サポート推進運動」展開
LPガス機器普及 炭素低減に貢献
全国LPガス協会(秋元耕一郎会長)は6月17日、新型コロナウイルス感染予防のため昨年に続きウェブ会議システムで2021年度通常総会を開いた。昨年来のコロナ禍による働き方や生活様式の変化、昨年10月の菅義偉首相による50 年カーボンニュートラル(CN)宣言など、世の中は激動の時代を迎えた。4年目に突入した秋元全L協は、LPガス事業者が消費者に選ばれるエネルギーの提供者となるべく業界の発展に向け基盤強化に全力を挙げる。
秋元耕一郎会長=「最後の砦」地位強固に
CN対応へ 検討会発足 自主保安体制を拡充
秋元耕一郎会長
昨年9月開催の総会で会長に再任され、早いもので就任から3年が経った。この間、自然災害への防災・減災対策や国土強靭化に向けたLPガスGHPなどの需要拡大に中心的に取り組んできた。
頻発する自然災害を受け、国の防災・減災などに寄与するため策定された国土強靭化基本計画でのLPガスの位置付けについて、関係省庁など各方面へのロビー活動と会員の尽力で数多くの自治体でLPガスGHPを採用する小中学校が増え、LPガスは国民の生活を守るエネルギーの「最後の砦」という地位を確立してきている。
- 需要開発推進運動ルポ
全国LPガス協会は2017年度から展開してきた「全国LPガスワンランクアップキャンペーン」を昨年度で終了し、今年度からはヒートショック撲滅と家事楽提案を推進しエコジョーズと浴室暖房乾燥機、ガス衣類乾燥機の普及に全力を挙げる。カーボンニュートラル対応としてエネファームやエコジョーズ、ハイブリッド給湯器、GHPなどCO2削減可能な機器を推奨。既に先行して衣類乾燥機などの販促を展開している都道府県協会もあるなか、機器拡販に成功しているLPガス販売事業者のモデル事例を取り上げる。
・東京ガス山梨(甲府市)=住環境を便利・快適に 4つのキャンペーン展開
・板井林業(臼杵市)衣類乾燥機を定額制で導入手軽に
・松江ガス供給(松江市)=困り事に即応 改修など大型案件も
- 「LPガス安全高度化計画」概要
4月に「LPガス安全高度化計画2030」
が施行された。従来の「保安対策指針」に代わる機軸で、今後10年間を見据えた総合的な保安対策となる。30時点の目標として年平均の死亡事故0~1件未満、人身事故25件未満を掲げる。目標達成に向け、具体的な対策項目をアクションプランとして策定し①消費者起因事故対策②販売事業者起因事故対策③自然災害対策④保安基盤―の4項目で構成している。
- 2020年のLPガス事故分析
200件割るもA級1件 CO中毒ゼロ 原因別は他工事最多
2020年のLPガス一般消費者事故件数は前年比10件減の192件だった。件数は2年連続の減少で、3年ぶりに200件を下回った。うちB級以上の事故が1件(A級)。死亡者は1人で2年ぶりに発生したが、負傷者は過去最少だった前年の32人を更新して29人を記録。CO中毒事故は2年連続のゼロを達成した。原因者別では、他工事業者によるものが最も高い割合を占めた。
- 地方協会の事業と展望
昨年来続くコロナ禍のため、各地方協会は感染者を出さぬよう総会の形式を人数限定の会場決議、書面決議、オンライン併用など、さまざまな工夫を凝らして実施した。コロナ下の開催は2度目で、昨年と比べ落ち着いた対応となった。新型コロナワクチンの接種が始まる一方、2050年までにカーボンニュートラル実現という大きな課題が出てきた。地域に根ざした分散型エネルギーとして、LPガスの存在意義をしっかりと示していくことが求められる。山形、栃木、和歌山、兵庫、岡山で新会長が誕生した。