総合面
- ENEOSグローブ、7年で燃転2万㌧達成 LPガス化 CO2削減効果7200㌧
ENEOSグローブ(本社・東京、岩井清祐社長)は、2014年度から本格展開を始めた産業用部門でのLPガス燃料転換量が20年度末で2万㌧に達した。A重油換算で2万5千㌔㍑、CO2削減効果は7200㌧となった。最近では災害時の石油製品漏洩対策からガス化を検討する需要家も出始めている。温暖化防止と災害対応の観点から今期も特約店とともに推進する。
同社は特約店や卸先販売店の現地提案サポートや研修のかたちで実績を重ねている。19年度は51件5500㌧あったが、20年度はコロナ禍による景気の不透明感で需要家が設備投資を先送りしたり、対面営業ができなかったりするケースが続出。それでも、提案ストック先の中には投資に積極的な需要家や昨秋の政府2050年カーボンニュートラル(CN)表明に反応した企業からの申し出などで燃転計画が進み、20年度は33件3400㌧の実績を確保した。
- 梅雨活発化、全国で土砂災害や寸水が多発 LPガスも被害報告
- 非化石取引市場をFITと非FITの2市場に分割へ
- ミツウロコグリーンエネルギー、特高・高圧向けデマンドレスポンスサービス提供
<トップインタビュー>兵庫県LPガス協会・北嶋太郎会長
強み生かし勝ち残る
北嶋太郎氏は6月1日、兵庫県LPガス協会の会長に就いた。北嶋氏は1978年生まれの43歳で、近畿地区の現役協会長としては最年少。少子高齢化の進展やエネルギー間競争の激化、カーボンニュートラル(CN)への取り組みなど、LPガス業界を取り巻く環境は刻々と変化している。北嶋氏は県協会長に加えて、近畿LPガス連合会の会長にも就任した。若きリーダーに方向性を聞いた。
―兵庫県LPガス業界の現況についてどう思われますか。
兵庫県のLPガス業界は大手から中小事業者まで、さまざまな規模の事業者で構成されている。また、兵庫県の面積は非常に広く、地域により抱える問題はさまざまである。
都市部では都市ガスや電力会社との競争が激化している。地方では業務の担い手の高齢化が進む一方、労働者や後継者が不足。過疎化による需要減少など深刻な問題となっている。
エア・ウォーター 「安曇野バイオマスエネルギーセンター」稼働
排熱とCO2利用 営農用トリジェネ稼働
エア・ウォーター(本社・大阪市、豊田喜久夫会長)は1日、安曇野市の「安曇野バイオマスエネルギーセンター」で国内初のガス化発電方式によるトリジェネレーション事業を始めた。未利用材によるバイオマス発電の排熱とCO2を農園のトマト栽培に利用し、コスト削減と持続可能な農業事業を促進する。農園は3棟のガラスハウスで合計4・8㌶、年間2千㌧のトマトを収穫し約7億円を売り上げている。従来はLPガス温水ボイラーから配管で温水を巡らし、液化炭酸ガスでCO2濃度を高め光合成を促進していた。
首都圏版
青木酸素商店(南房総市)、市に「デリステ」7台寄贈
市の防災強化につなげる
2日の贈呈式で石井裕市長(左)に目録を手渡す青木秀夫社長
青木酸素商店(本社・南房総市、青木秀夫社長)は創立60周年記念事業の一環で、南房総市に岩谷産業製炊き出しセット「デリバリーステーション」を7台寄贈した。2019年の房総半島台風で被災した市の防災機能強化につなげる。2日に市役所で開いた贈呈式で青木社長が石井裕市長に目録を手渡した。県協支部とシナジー
デリステが発売された17年以降、一企業が一自治体に7台も贈る事例は全国でも珍しい。南房総市は06年に富浦町、富山町、三芳村、白浜町、千倉町、丸山町、和田町の7町村が合併して誕生した。青木社長は旧町村単位で1台ずつ広範に配置できるように配慮した。
- 神奈川県協川崎北と北部ガス協組、自民市議団にLPガス常設拡大を要望
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熱海土石流 復旧へ全力
LPガス2次災害ゼロ
海岸そばの国道135号線まで流れ込んだ土砂の撤去作業が続く(熱海市伊豆山、7日午後2時56分)
- 伊豆山地区130棟が被害 交通遮断で訪問不能
- 都市ガス供給停止 LPガス2次被害ゼロ
梅雨による大雨が続くなか3日午前、熱海市伊豆山付近で土石流が発生し死者9人(9日現在)を出す痛ましい災害となった。現地では今も安否不明者の捜索・救助活動と土砂処理など復旧活動が進められている。
物的被害があった建物は約130棟に及び、9日現在で572人が避難所やホテルで避難生活を続けている。ライフラインにも大きな影響が出ており、市内約1万5千件に都市ガスを供給する熱海ガス(本社・熱海市、溝口寛社長)は事故を受け2次被害防止のため伊豆山地区計521件への都市ガス供給を停止。復旧作業を進めているが、土砂の影響もあり8日午後4時現在で全壊・半壊した建物を除き167件が閉栓している。
LPガスに関連する被害は静岡県LPガス協会によると、6日午後現在エネジンとサーラエナジーの2社からバルク貯槽の浸水が報告されている。この2社の50㌔㌘容器2本が海上まで流されたが、海上保安庁により回収された。
地方版
北海道=大丸商事(留萌市)、コインランドリー好調
2号店を札幌市内にオープン
櫛井陽介社長 2店舗目となったカラフル札幌本通21丁目店。ゆとりある広さが売りだ。
大丸商事(本社・留萌市、櫛井陽介社長)のコインランドリー事業が好調だ。昨年7月に本社併設の1号店を増床し、この5月には札幌市内に2号店をオープンした。人口減などからLPガスの消費量が年々減少していくなか、コインランドリー事業で年間6㌧のLPガス需要創出を見込む。
- 東北=常盤共同ガス(いわき市)、密避け展示会を2カ所で1週間開催
- 東北=福島県県協青年委員長に就任の佐藤和彦氏、高齢経営者を積極支援
- 中部=三ノ宮燃料(氷見市)、地域とつながる場にショールームを一新
中部=アイシン、IoT活用しエネファーム普及へ
豊田市と実証開始
アイシン(本社・刈谷市、伊勢清貴社長)は6月下旬から豊田市(太田稔彦市長)とIoT技術を活用したエネファームの普及に向けた実証を始めた。豊田市のつながる社会実証推進協議会の取り組みとして、当面の間行っていく。同市の補助制度を活用し家庭に設置したエネファームに、IoT技術で測定したCO削減量を国が認証する「J―クレジット制度」でクレジット化し、市内企業へ販売することで、市内で環境と経済を好循環させる地域循環モデルの構築を目指す。
- 近畿・四国=伊丹産業、神戸ガスエンジン発電所を15メガワットに倍増設へ
- 近畿・四国=<新風見参>京都府LPガス協会青年部会長・森下卓男氏
- 中国=島根県協、衣類乾燥機とエネファームの2機器で拡販キャンペーン
中国=日の丸産業鳥取支店が保育園のGHPを清掃
設置先サービスで
日ノ丸産業鳥取支店(中尾博史支店長)は6月11日、GHPの設置先である鳥取市の企業主導型保育園「鳥取・森の幼稚園・風りんりんbase」を訪ね、室外機・室内機の無償点検と室内機の清掃を行った。
同支店では、GHPの設置先を対象に1年ごとに室外機・室内機の点検を無償で行っている。フィルターの汚れなどがあれば清掃も行う。「設置先のお客さまに大変喜んでいただいている」と中尾支店長は話す
。 園は「鳥取県の豊かな自然を生かし、自然環境を中心として野外での保育を行う」ことを目的に、2019年12月に開園した。空調にGHPエグゼアⅡT2シリーズ(パナソニック製・30馬力)を採用している。
室内機は11機。1年点検を実施したところフィルターの汚れがひどかったことからボランティアで清掃することにした。当日は支店のスタッフ4人が園を訪ね、フィルターを取り外して清掃作業を行った。
九州=チョープロ、LINE活用し接点強化
「乾太くん」モニター企画にも活用
モニター企画でガス衣類乾燥機の需要を開拓する 荒木健治社長
チョープロ(本社・長崎県長与町、荒木健治社長)は、メッセージアプリのLINEを活用して顧客接点強化に取り組んでいる。6月にガス衣類乾燥機「乾太くん」のモニター企画に活用したほか、リフォーム後のアフターフォローにも役立て、コロナ下での接点構築に向け活用を進めている。
モニター企画は、長崎県LPガス協会のガス衣類乾燥機機器拡販キャンペーンをきっかけに一昨年から開始し、今年はLINEを活用してモニターを募集した。参加方法は、チョープロ公式アカウントを「友だち登録」した後、「乾太くん」と入力して送信することで受付完了する。モニター募集は5月25日~6月8日に実施し、参加者には最大2週間機器を貸し出した。
住設・新技術
メーターボックス内に設置可能なハイブリッド給湯暖房機
ノーリツ 9月発売へ
ノーリツ(本社・神戸市、腹巻知社長)は9月1日、3ピース構成でメーターボックス内に設置できるハイブリッド給湯・暖房システムを発売する。同システムは地球温暖化係数が低い自然冷媒のため、ハイブリッド給湯・暖房システムでは初めて、ヒートポンプユニットを含むメーターボックス全体の面積が容積率緩和の適用範囲に該当する。省エネ性と温水床暖房の快適性を両立し、ZEH―M(マンション)の普及に貢献する。製品化にあたり同社と同じエコ・ファースト企業の熊谷組の技術協力を得た。
従来の2ピースからヒートポンプ、貯湯ユニット、給湯器の3ピースに変更した。集合住宅のメーターボックスや狭小戸建て住宅に対応する。既築戸建て住宅でも既設温水機器からの取り替えが容易になり、新築からリフォームまで現場状況に合わせて設置できる。
- ループ社がリンナイ「エコワン」を分譲団地のエネマネに採用
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