プロパン・ブタンニュース

総合面

日協まとめ 4~6月期の国内販売量

4.9%増の300万6751トン コロナ禍影響から回復

日本LPガス協会(小笠原剛会長)によると、4~6月の元売国内販売量は300万6751㌧で前年同期比4・9%増となった。都市ガス用を除き全用途で増加した。昨年度は新型コロナウイルス感染防止に向けた行動制限による影響が目立っていた自動車用も8万6841㌧の6・6%増と回復傾向を示した。
在宅時間の増加に伴いガス使用量が増えているとみられる家庭用と、営業時間の短縮などを余儀なくされる飲食店向けなどの業務用を合わせた家庭業務用は163万1396㌧で同1・2%増と
なった。

  • 22年度経産政策、LPガス関連は強靭化やスマート保安促進を盛り込む
  • ジクシス、LPガス燃料の新造VLGCは定期傭船契約で合意
  • 三ツ輪グループ、地域電力サービスを新たに徳島と福島で 提携先11グループに
  • 東京ガス、都内6562戸で供給支障 本管に水と土砂流入
<トップインタビュー> 山形県LPガス協会・金山知裕会長

法令以上の保安追及 消費者に安心安全を

ヤマリョー社長の金山知裕氏は5月28日に開かれた山形県LPガス協会通常総会で新会長に選任された。LPガス業界の課題や山形県業界の置かれている現状や課題、協会の取り組みの方向性などを聞いた。
◇   ◇
―LPガス業界の課題をどう捉えていますか。
LPガス販売事業で最も大切なことは保安だ。それは以前から変わらないことだが、今の消費者からは安全であることだけでなく安心であることも求められている。消費者に安心を与えるには、法令をクリアするだけでなく、それ以上の対応が求められる。それに応えられる事業者でいられるかどうか、応えられる業界でいられるかどうかが事業継続に関わってくる。

<次代の信念>共栄瓦斯(静岡市) 森美文専務

将来見据えた事業で明るく元気に前へ

コインランドリー事業、さらにコロナ禍ながら飲食店経営と新たな挑戦を続けているのは、共栄瓦斯の森美文専務。「コインランドリー事業を立ち上げ、丸2年が経つが、この事業をフックに気付きが多々あった。家庭用での衣類乾燥機『乾太くん』への取り組み、社員の意識高揚にもつながった」と話す。
一昨年6月に防災対応型のコインランドリー『FUWARU』を静岡市内に開業、試行錯誤を経験しながら、事業の盛り立てに奔走してきた。

話題と焦点 社員のワクチン接種マーク

表示は慎重に判断を

新型コロナワクチンの接種を済ませた社員を対象に、「安全マーク表示」を実施する企業が現れている。接客などの際、顧客に少しでも安心感を持ってもらいたいという経営判断によるものだ。一方、こうした取り組みがワクチン接種の強制や差別の助長につながると懸念する声も出始めている。社員の自由意志にも配慮した、慎重な判断が求められている。
ワクチン接種を巡っては、飲食店など接客を伴う業種などで経営者が従業員に積極的なワクチン接種を求めたり、義務付けをしたりするケースが散見される。だが厚生労働省では、「接種は強制ではなく本人の判断で」と繰り返しアナウンスしている。

首都圏版

  • 料金透明化へ「強制力有る対応を」南関東懇談会で消費者団体から意見
  • 静岡ガスエネルギー、集金・来店払いを終了 振替や電子決済に
  • 千葉県協、LPガスでの災害対策を自治体に向けWeb説明会

地方版

北海道=帯ガス燃料、LINEアカウント開設

非対面ツールを充実

㊤ホームページを刷新するなど情報発信に注力する帯ガス燃料㊦LINEの利用登録をすればガス使用量の前年比較などが可能になる

帯ガス燃料(本社・帯広市、内木敬典社長)が今月、十勝地方のLPガス販売事業者として初めて無料通信アプリLINEのアカウントを開設した。顧客は利用登録すれば毎月の使用量や料金を閲覧できるほか、イベントの告知などの情報を得られるようになる。開設を記念し登録キャンペーンを実施中だ。
5日にホームページを 全面刷新したのに伴いLINEのアカウントを開設した。計画を牽引したのは鈴木圭介常務営業部長。新型コロナウイルスの影響で従来の対面型接客が制限されることから非対面でも情報発信が可能なLINEに目を付け導入を決定した。アカウントの開設に当たってはクラブネッツ(本社・東京)の協力を得た。

  • 東北=LPガスの炎をパラ聖火に 岩手で集火・出立式
  • 東北=新築にハイブリッド給湯機を 八戸液化が工務店向け研修
中部=松井産業(田原市)、3事業でシナジー発揮

LPガス軸に防災・車電線

フードトラックは移動販売車(左)とイベント専用車の2台を保有。訪問先でガス調理器具や発電機を稼働しLPガスの魅力を発信する 松井利光社長

松井産業(本社・田原市、松井利光社長)は1915年に創業、水あめやせんべいの製造から通信機械まで100年を超える歩みは変化に富んでいる。4代目の松井社長は「危機感を持って先代の事業を引き継いだ。過去のノウハウを生かしながら少しずつ変えてきた」。固定観念に縛られない柔軟な発想が強みだ。LPガスを軸に防災、ワイヤーハーネスを加えた3事業のシナジーを発揮する。
LPガス事業への参入は約40年前。せんべい製造に使うLPガスボイラーの10㌧貯槽を有効活用しようと発想したのが起点だ。地元・田原市に充填所を作り委託充填を専業にした。ほぼ同時期にトヨタ車のワイヤーハーネス(自動車用組電線)を受注生産していた矢崎総業の下請けも手がける。松井社長は「コストを極限まで抑えるトヨタ方式で鍛えられた」と振り返る。2000年代、LPガス小売参入後はコスト削減を徹底し価格に反映、20年前から料金公開も実践してきた。

近畿・四国=三和商事(豊岡市)、リフォーム事業が成長 

独自ブランドで収益の柱に

三和商事(本社・豊岡市、三輪直亮社長)はコロナ下でもリフォーム事業が好調に推移している。昨年は10万円の給付金やステイホームによる住まい見直しの影響もあった。ショールーム開設から14年が経過し認知度が向上、「TDYリモデルスマイル作品コンテスト」に入賞するなど実力も上がっている。LPガスやSSなど既存事業とともに収益の柱に成長した。
同社は2007年、本社前にリフォームショップ「e―life(イーライフ)」を開業。特定のフランチャイズには加盟せず、自由度が高い自社ブランドで挑戦した。伸び悩んだ時期もあったが、宣伝を継続し認知度が向上、スタッフが経験を積み提案力が増すとともに業績が伸びた。三輪正彦会長は「当社のスタッフは売り手の都合を押し付けるのではなく、お客さまの要望をよく聞いて表現するよう努力を重ねている」と評価する。 隔月の折り込みチラシを根気強く継続、コロナ下で大きなイベントができず現場見学会やイーライフでのリフォーム相談会を行っている。見込み客を福知山や大阪、鳥取のメーカーショールームに案内することもある。

  • 近畿・四国=<なにわ短信>アフガンの涙
中国=保安講習を企業単位で綿密に 広島ガスプロパングループ

ビジョン達成へ安心・安全を追求

広島ガスプロパン(本社・広島県海田町、泉博之社長)とグループ販売店組織の広ガス会(泉博之会長)は今年度、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年と同様に保安環境室で作成した「LPガス保安に関する講習会テキスト」を販売店に配布し、企業単位で講習を実施した。例年6~7月には業務主任者と保安業務従事者、ガス小売事業者を対象に広島、岡山、島根県の各会場でLPガス保安講習会を実施していた。
今年度は▽LPガス安全高度化計画2030と広島ガスプロパングループの保安指導方針▽事故の状況▽法令等改正と改正動向▽LPガス法における道府県から指定都市への権限移譲についての検討▽新型コロナウイルス感染症を契機とした対策▽自然災害対策▽福島県郡山市での爆発事故▽LPガス配送時の事故防止▽全国LPガス協会の次期自主保安運動▽20年度立ち入り検査の実施状況と21年度立ち入り検査の重点―などを研修した。

  • 九州=日通商事福岡、容器格納型発電機を導入し監視センターを強靭化
  • 九州=熊本県LPガス協会青年委員会、献血に関係者68人 業界イメージ向上へ

住設・新技術

  • パナソニック、エネファームをLINEで遠隔操作できるサービスを提供開始
  • エネファームの累計販売が40万台突破 都市ガスが35万台超

<防災特集>命をつなぐ最後の砦 高まるLPガスの役割

  • 今年も9月1日「防災の日」を迎える。近年は豪雨災害が頻発化・激甚化する傾向が高まり、長期停電でも自立稼働が可能な分散型エネルギーとしてLPガスが病院や福祉施設、指定避難所などで「命をつなぐ」生命線の役割を果たしてきた。LPガス業界各社は、中核充填所の整備、災害対応バルクの設置、公共施設への常設提案などを通じて、地域防災に一層貢献していくことが求められる。脱炭素化の潮流にあっても、国から託された災害時エネルギー供給の「最後の砦」の期待は揺るぎないものとしたい。機能強化が進むLPガス業界の防災対策などにスポットを当てた。
    ・ホラグチ(名取市)と岩谷産業エネルギー仙台=防災付加した提案でGHPを更新
    ・ガスパル(東京)=大東建託グループの事務所など全国で防災拠点化を推進
    ・群馬県明和町=避難所に発電機設置推進 LPガスで地域強靭化
    ・新日本ガス(岐阜市)=水害の教訓生かし安定供給体制万全に
    ・上野ガス(伊賀市)=防災訓練はあらゆる事態想定し徹底 災対提案も強化
    ・中村ホームガス(滋賀県日野町)=容器庫拡充でBCP 災害支援の教訓生かす
    ・岡田商店(大和郡山市)=事故・災害に先手打つ 期限管理・保安機器で安心を
    ・イワタニ島根(大田市)=GHP等3点セットでメリット分かり易く常設提案
    ・南九州マルヰ(熊本市)=豪雨災害踏まえBCP対策に最適プランを提案
  • フォトレポート「災害列島2021夏」
    ・7月3日、熱海伊豆山土石流
    ・8月中旬、西日本・中部豪雨
  • さらなる高度化/安全機器普及状況
  • 有事に備えを~メーカーイチ押し防災機器
    ・I・T・O=災害時対応ユニット 後付け自在、汎用性高く
    ・新コスモス電機=業務用厨房を安全に 警報器は中国語音声の選択可
    ・矢崎エナジーシステム=LPガス低圧発電機 軒先備蓄のエネ活用
    ・桂精機製作所=「グラピタ」シリーズ 業界標準目指す
    ・富士工器=熱電供給バルクユニット 災害対策の最適解
  • 在宅避難の拡大で集合住宅需要に注目
  • 放出防止型の標準化で2次被害防止

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