総合面
資源エネルギー庁、22年度LPガス概算要求
災害対応強化で19億8千万円 今年度比1.6倍を計上
スマメ導入支援は中小限定
資源エネルギー庁石油流通課は1日、LPガス関連の2022年度概算要求を発表した。災害対応能力の強化に関する要求額を19・8億円とし、今年度予算12・2億円の1・6倍超を計上。豪雨災害の激甚化を背景に、次年度も引き続き災害対応バルクなどの導入でLPガス備蓄を推進する方向性を固めた。販売事業者へのスマートメーター導入支援には低炭素化支援と併せて、今年度比0・2億円増の5・8億円を要求。遠隔検針普及の底上げのため補助対象を中小企業に限る。
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首都圏版
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- 再エネ電力コストがコージェネ利用で30年3兆円削減に(コージェネ財団試算)
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- 電力需給ひっ迫予防へ発電用LNGの国内在庫を監視継続(エネ調小委)
地方版
北海道=ホクタン(稚内市)、3000世帯超が来場
安全最優先でファミリー市開く
中居利文社長
ホクタン(本社・稚内市、中居利文社長)は8月28~30日に本社でホクタン・秋のファミリー市を開いた。開催期間中は好天に恵まれ、開場直後から多くの顧客が詰めかけた。北海道業界でコロナ禍以前のように大勢を招く展示会は、昨年に続きホクタンのファミリー市が今年も唯一となった。
3日間で動員目標の3千世帯、売り上げ2千万円をクリアした。当初は開催前日の8月27日に道内で緊急事態宣言が発出されるため、直前まで実施を懸念する声が社内から上がった。しかし宣言が出る前週の稚内市の感染者はわずかに6人で、クラスターもなく、2回のワクチン接種を終えた市民が大半を占める点を根拠に実施を決めた。
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中部=マルエイ、廃プラスチック燃料のRPFボイラー稼働
秋田屋フーズに貸与
国内で初めて稼働した小型回転型燃焼炉RPFボイラー。秋田屋本店グループのSDGs活動に貢献する
マルエイ(本社・岐阜市、澤田栄一社長)は、開発を進めてきた廃プラスチックを燃料とする小型回転型燃焼炉RPFボイラーシステムを稼働した。設置先は、はちみつやローヤルゼリーを製造販売する秋田屋本店(同、中村源次郎社長)の子会社、秋田屋フーズの洞戸工場(関市)で、8月24日に竣工した。ボイラーシステムを秋田屋フーズに貸与するかたちでマルエイが稼働させる。
同工場の新エネルギー棟は建物面積約3500平方㍍で、設置工事などに約4億円をかけた。マルエイがRPF製造業者のエコムカワムラ(本社・岐阜県輪之内町、川村一男社長)から燃料のRPFを購入・燃焼し、ボイラーで発生した蒸気を秋田屋フーズに販売する地産地消のエネルギー供給事業スキームとなる。
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中国=遠藤燃料(出雲市)、創業70年で新社屋竣工
紙上展示会で接点紡ぐ
㊤7月7日に完成した新社屋㊦1階には庭付きのテラスと一体感のあるダイニングキッチンを設置。「トーヨーキッチンスタイル」を採用した。㊨遠藤寛社長
創業70周年を迎えた遠藤燃料工業(本社・出雲市、遠藤寛社長)は7月7日、新社屋を竣工した。併せて70周年を記念し、9月30日まで「暮らしと共に地元のガス屋さん」とうたい紙上展示会を展開している。
同社は出雲市平田町で薪の販売からスタートした。「祖父が自宅で店を始めた後、こたつに使う炭団などの固形燃料を扱うようになり、近くに製造工場を作った。LPガスは昭和
30年代に入ってから」と語る遠藤社長。
平田は古くからの市場町で、江戸時代は木綿の集積地として栄えた。宍道湖から運ばれる荷物や物資の輸送に使われた船川沿いの「木綿街道」には歴史の面影を色濃く残す家屋が軒を連ねる。
九州=ダイプロ青炎会が研修
カーボンニュートラル見据え知見磨く
ダイプロ(本社・大分市、小野日出明社長)の販売代理店の若手組織、ダイプロ青炎会(小野智一会長)は8月20日、大分市のダイプロ本社会議室で研修会を開いた。12人が2050年カーボンニュートラル(CN)を念頭に政策や業界動向を学んだ。講師は尾畑正治・ENEOSグローブ執行役員九州支店長。
- 九州=九酸・直方ガス企業グループがオンラインで防災教室 有事対応を手ほどき
住設・新技術
リンナイ、ガス炊飯器「直火匠」を一新
新米が一層おいしく炊ける機能追加
リンナイ(本社・名古屋市、内藤弘康社長)は10月21日、電子ジャー付きガス炊飯器「直火匠(じかびのたくみ)」の新モデルを発売する。マット調のカラーを採用、新米がよりおいしく炊ける機能も追加した。
I・T・Oなど4社が供給機器に関するオンライン研修
新人に分かりやすく
I・T・O(本社・東大阪市、内海二郎社長)は8月26~27日、LPガス供給機器に関する新入社員向けオンラインセミナーを開いた。全国から700人が視聴した。愛知時計電機、光陽産業、理研計器の協力を得て供給機器に関する基礎情報を網羅し、現場で即実践できる応用知識も盛り込み、経験の浅い社員の地力強化につなげた。
<特集記事>T&Dリース設立55周年
成長下支え環境変化に積極対応
災害対策、補助金併用で充実
バルクやGHP新規獲得の有効策
T&Dリース(本社・東京、佐野敏雄社長)が9月で設立55周年を迎えた。LPガスメーターリースを主軸に、ガス漏れ警報器などの供給機器、省エネ型の高効率ガス機器、バルク貯槽や分散電源システムなど多様な商材を取り扱ってきた同社。足元ではガス機器の販売促進に役立つ「個人向けリース」にも注力し、LPガス販売事業者の経営力向上を下支えしている。昨年9月には持続可能な社会の実現を目指し、SDGs経営の推進を宣言。事業を通じた安全・安心なまちづくりへの貢献などを経営方針に盛り込んだ。防災減災や合理化による事業継続力強化、さらには2050年のカーボンニュートラル対応など、複雑化する経営課題を背景にファイナンスの重要度は一層高まる。LPガス業界とともに歩んできた同社のサービスメニューは、社会環境の変化をとらえて裾野を広げている。
LPWAリース急伸
容器向け 物流安定化に寄与
佐野敏雄社長
佐野敏雄社長に聞く
LPガス関連一手に
業界特化で長期型を前面に
広がる商機、メニュー整え事業後押し
エネルギー政策が「カーボンニュートラル」に大きく舵を切ろうとしている。LPガス産業の持続的成長という課題にT&Dリースはどう向き合っていくのか。6月から再登板している佐野敏雄社長に事業方針などを聞いた。
―T&Dリース55年の歩みについてお聞かせください。
T&Dリースは1966年、日本エルピーガスメーターリースとして発足した。LPガス事業者によるメーター購入の費用負担を賃貸制度により軽減させるのが目的だ。以来、LPガス事業者に寄り添い、ともに業界を盛り上げてきた。
設立当初はLPガスメーターリースに特化していたが、時代の移り変わりとともにGHP、エネファーム、バルク、さらにPCや車両など多様な製品を取り扱うようになった。現在は全国4千社を超えるLPガス事業者の皆さまに自社の設備投資、エンドユーザーへの機器販売にサービスを活用していただいている。