THE PETROCHEMICAL PRESS
東レ・・・PPSコンパウンド、中国に続き日欧で増設
レジンで架橋型で検討
東レは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂「トレリナ」の世界展開に向けて、コンパウンドの供給能力をグローバルに増強する。まず22年度半ばに中国・蘇州で1ラインを増設し、さらに22年度後半から23年度初めにかけて日本(名古屋事業場)とハンガリーにも各1ラインを増設する計画だ。コンパウンドの増強、拡販に対応し、既に東海工場(愛知県)と韓国グループ企業(TAK)の既存設備がフル稼働状態にあるニートレジンの増設も具体化を急ぐ。22年にはTAKでの増設を意思決定し、早ければ24年度中には稼働させる考え。
帝人のマテリアル事業
環境再生貢献を前面に
部材、顧客にCO2排出量開示
帝人のマテリアル事業統轄に4月就任した内川哲茂帝人グループ取締役常務執行役員がオンライン会見し、事業の目指す方向性として「CO2排出削減といった義務を達成するだけでなく、既に排出されてしまったCO2を有効活用して減らし、地球環境のリジェネレーション(再生)に貢献する」と強調した。具体的な施策として、製品の全過程で発生する環境負荷を計算するライフサイクルアセスメント(LCA)に取り組み、自動車や航空機メーカーに供給する部材の製造から廃棄までの過程で発生するCO2排出量を開示することなどを明らかにした。
CO2 排出量開示の対象部材は、自動車の外板や構造材に使用するガラス繊維や炭素繊維を使った複合成形材料、航空機向け炭素繊維複合材料など。これらは低燃費化に貢献する軽量化部材として展開しているが、「これだけでは価値を認めてもらえなくなると考え、ケミカルを知っている当社だからこそできるLCAで顧客に製品の環境負荷インデックスを示してエコデザインも提案し、エコデザインを実現する仕事を獲得する」考えだ。
- 旭化成・・・発砲PA、耐衝撃性向上の新品種 車部材向け市場開拓
- 住友化学・・・LCP、食品接触用に採用 新グレードが奏功
- ダウ・・・炭素排出、ネットゼロの工場建設
- ユニチカ・・・PAR、新立地で増設検討 岡崎を有力候補に
- 帝人・・・ライセンス事業進展 LIBセパレーター、上海エナジーが順調
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三菱ガス化学・・・耐熱透明ポリエステル、新グレード2品目開発
付加価値領域拡大へ
三菱ガス化学は、独自開発の耐熱透明ポリエステル樹脂「アルテスタ」で、耐熱非晶性の既存製品に続く新グレードとして、透明性を保持したまま耐熱性、耐衝撃性を向上した非晶性の「SH」グレードと、延伸後の物性向上を目的とした結晶性の「SC」グレードを開発した。より高付加価値な分野への展開を実現するための商材であり、それぞれの持つ特徴を生かして新規市場の開拓を強化していく。
- 三井化学・・・圧電センサー、自動車分野に展開 自動運転向け期待
- ポリプラスチックス・・・LCPコンパウンド、低誘電品の第2弾 インフラ向けで拡販
- 日本化薬・・・ドローン用安全装置有効性検証へ実証
- 東ソー・・・PPSコンパウンド、再生配合品投入へ 来期採用目指す
- ダイセル・・・ウロチリン、検査キットを開発 名大初ベンチャーと
- DMSエンジニアリングマテリアルズ・・・GHG排出削減を強化
- 日本触媒・・・耐水性兼備した抗ウイルス膜開発
- 積水化学工業・・・自然に学ぶ研究助成対象に14件
- デンカ・・・農作物活性化の新製品を発売
- 三菱ガス化学・・・ホルマリン生産、四日市を停止へ
- デンカなど3社・・・CO2削減コンクリート技術を共同研究へ
- ユニチカ・・・PTT使用紡績糸環境新品種を追加
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メチルエチルケトン(MEK)生産・・・2年前水準を回復
今年 輸出主導、稼働率95%
メチルエチルケトン(MEK)の今年の生産量は、コロナ禍前の非定修年だった19年並みに回復する見通しだ。今年は国内メーカー3社ともマイナートラブルを除き稼働率95%と実質フル稼働状態にある。国際市況の高止まりで輸出環境も良好なことから、各社は来年予定する定修まではフル操業を続けるとみられる。
大手MEKメーカーの試算によると、今年のMEK生産量は27万5千㌧規模に達する見込み。20年の生産量は年前半のコロナ禍による需要減退と隔年の定修年だったため23万4千㌧程度にとどまったが、これらの影響がなかった19年は27万5600㌧で、今年はこの実績にまで回復する見通しだ。
- ポリカーボネート(PC)のアジア市況・・・高値圏維持も値差縮小 中国で生産調整広がる
- 次亜ソーに移行・・・浄水場向け塩素薬剤 関東圏は完了メド
- 日本ABS樹脂工業会・・・出荷横ばい
- 日本プラスチック工業連盟・・・プラスチック資源循環促進法「パブコメに意見を」
- 日銀物価指数8月・・・プラ原材料0.6ポイント上昇
- 化学製品値上げ
・クラレ・・・PVAを世界で
・デンカ・・・PVAを45円、球状シリカ10~15%
・東ソー・・・PEを16円以上
・旭化成・・・PEを21円以上
・JNC・・・オキソ誘導品
・日本触媒・・・アクリル酸エステル、BHEAなど
・信越化学工業・・・カセイソーダを20円
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コベストロ・・・環境対応PC
自動車分野で市場開拓
CO2排出実質ゼロに
コベストロは、生産時のCO2排出量が実質ゼロの環境対応型ポリカーボネート(PC)「マクロロンRE」の市場開拓に乗り出した。近く日本でもサンプル提供を始める。脱炭素に舵を切る自動車産業の流れをくみ、照明用グレードなど各種自動車部品向けPCにREを取り揃えた。ベルギー、ドイツ、中国・上海に続き年内には米国とタイでも第三者認証機関の監査が完了し、5拠点で供給体制が整う。
- 三井化学・・・フィルムに密着性発現 新コート剤開発
- ダウ・ケミカル・・・シリコーン合成皮革、車内装向け本格展開 中国製EVに初採用
- 出光興産・・・車載用SPS拡販 電装・電動化追い風に
- 東レ・・・軟包装水なし印刷版材 CO2排出減を訴求
- デンカ・・・球状フィラー増産 大牟田で高機能品 5Gや電動車向け
- 東亞合成・・・カセイカリ増産 名古屋工場、来春メド
- テトラドローン・・・産業用ドローン 世界ランク2位
- ENEOS・・・再エネ事業者JRE 来年1月に孫会社
- デンカ・・・5G向け低誘電正接シリカフィラー投入
- デンカ・・・上海の現地法人中国統括会社に