石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日清紡ケミカル・・・ガラス状炭素を増設

半導体製造装置向け好調で

日清紡ケミカルは、旭事業所(千葉県旭市)でガラス状(アモルファス)カーボンの生産設備を増設する。22年中にも完成させる。主力用途である半導体製造装置の治具向けの需要増に対応する。成長に向けた設備投資を積極的に行い、検討中の燃料電池(FC)用セパレーターの大規模な増産投資も22年中に意思決定する考えだ。
FCセパレーターも年内決定

2022 化学品動向 この人に聞く

クロロプレンゴム デンカ エラストマー部長 大塚淳司氏

デンカ エラストマー部長 大塚淳司氏

需給 在庫回復もタイト感
需要 手袋用牽引し安定成長
―昨年はどうでしたか。
コロナからの回復という20年後半からの流れを引き継ぎ、一年間を通じて需要は強かった。クロロプレンゴムの用途は自動車、一般産業、接着剤、医療用など多岐に渡るが、まんべんなく回復傾向を示した。手袋用途に至っては、コロナをきっかけとした医療用手袋のニーズ拡大を背景に急激に需要が増えた。
供給サイドでは、欧米で2工場が操業を停止する事態が発生した。一つは当社の米子会社デンカパフォーマンスエラストマー(DPE)。2月の凍害に続き、8月にハリケーン「アイダ」の直撃で上流サプライチェーンに混乱が生じ、ルイジアナ州にあるポンチャートレイン工場は生産停止を余儀なくされた。停止していた設備の立ち上げが予定より遅れ、減産による機会損失が発生したが、現在はフル生産に移行している。
もう一つはアランセオのドイツにある工場。夏場、工場団地内にある産業廃棄物処理施設の爆発事故の影響で操業停止に追い込まれた。

  • 積水化学工業・・・半導体基板層間絶縁材 次期収益源の柱に
  • トクヤマ・・・新体制でCN戦略加速 電解・バイオマスサーマル素材企画〜開発を一体化
  • 日本ゼオン・・・絶縁材料 基材生かし用途拡大 次世代パッケージなど
  • 帝人・・・リサイクル炭素繊維 富士加飾と業務提携 商業化向け協業
  • ダイセル・・・半導体周辺先端材料 洗浄剤やレンズなど 新商標で展開強化
  • 東亞合成・・・22年度設備投資35%増の336億円

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<特集>環境・安全確保がすべての原点 化学各社の RC活動

化学各社は地球環境への負荷を極小化する取り組みを継続的に進めている。環境・安全に関するレスポンシブルケア(RC)活動は今や、化学業界における基本行動のレベルにまで定着している。カーボンニュートラル実現に向け新たに取り組むべき課題は多い。しかし、生産活動における安全・安定を確保が原点と捉え、安全活動を一段と活発化させている。特にプラント操業の安定・高効率化を実現するDXはこれまで以上に重要な役割を担っており、各社は工場のスマート化に向けた取り組みに拍車をかける。主要化学メーカーのRC活動の現状をリポートする。

三菱ケミカル

  • 安全組織文化構築に力
  • 国内GHG30年度に43%削減

住友化学

  • 環境・安全 安全組織文化構築に力
  • GHG削減BATにも貢献

東亞合成

  • GHG 30年に半減の新目標
  • サステナビリティ推進部 技術生産本部に編入

丸善石油化学

  • 千葉工場 24年度スーパー認定へ
  • 安全の高度な仕組み構築

昭和電工

  • 法人格統合 RC活動体制を再編
  • バックキャストで整備へ

三井化学

  • 教育・研修 RC文化の醸成推進
  • 独自e―ラーニングなど社員の理解深化へ

トクヤマ

  • CDP評価 気候変動でAマイナス
  • 労働安全衛生 意識高め健康維持

日本化薬

  • GHG排出量 30年度に32・5%削減
  • MFCAを最大限に活用

JNC

  • 教育強化 安全意識を再構築
  • スマート保安 22年度のメーンに

帝人

  • CO排出 削減目標を上方修正
  • 欧で技術開発 新事業創出の力に

三菱ガス化学

  • 保安防災 全社横断活動を強化
  • デジタル技術も積極活用

クレハ

  • CO排出削減 全社プロジェクト始動
  • 具体策立案、目標再設定へ

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 三井化学・・・COC、新規市場開拓進む 架橋型25年メド投入
  • 大倉工業・・・車向けフィルム 海外生産を検討 輸出含め販路拡大
  • DIC・・・長期経営計画 30年に営業益1200億円 戦略投資4年で2300億円
  • ADEKA・・・先端ロジック半導体材料 台湾に新プラント
  • 帝人・・・強度安定 低コスト CF織物の新製品
  • 住友化学とマイクロ波化学・・・ターコイズ水素製造技術開発をスタート
  • 中央化学・・・環境と食安全に寄与 展示商談会で訴求
  • KBセーレン・・・生分解性PET繊維24年度に5億円販売
  • 三菱ケミカル・・・アクリル複合材会社緑川化成に全株譲渡
  • 宇部興産・・・2月CPL 50㌦高の2120㌦
  • 日本化学繊維協会炭素繊維協会委員会・・・複合材で脱炭素貢献 セミナーをオンライン方式で
  • 合成ゴム価格が上昇 国内 2~4月分も一斉に
  • 化学製品値上げ
    ・旭化成・・・MMA25円以上など。 硝酸を13円以上。 ナイロン66繊維
    ・デンカ・・・PVAを60円
    ・昭和電工・・・不飽和ポリエスなど
    ・ユニチカ・・・産業資材用合繊。 フィルム4月から。 スパンボンド不織布
    ・三菱ケミカル・・・PETボトル

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