プロパン・ブタンニュース

総合面

TOKAIホールディングス、顧客にニーズを先取り

「TLC」から「LDG」へ進化

鴇田勝彦・TOKAホールディングス社長

鴇田勝彦・TOKAIホールディングス社長は1日、広島市内で開かれたTOKAI販売店会総会で、顧客属性を多面的な手法で収集し、TLC(トータルライフコンシェルジュ)構想を顧客ニーズに先んじるLDG(Life Design Group)へと進化させることで「既存事業でのエリア拡大と増客を目指すとともに、サステナブルな時代でなお成長していく事業展開を推進する」と強調した。(2面に関連記事)

岩谷産業 「エネライフ」が始動

東京ガスエネルギーの株式譲受

岩谷産業( 本社・東京、大阪、間島寬社長)は2日、1日に東京ガスエネルギーの株式譲渡を完了し、社名をエネライフに、同社グループの東京ガスLPGターミナルを、根岸液化ガスターミナルに変更したと発表した。今回の株式譲渡完了に伴い、エネライフの関係会社であるエネライフ・キャリアー、東京オートガス、根岸液化ガスターミナルの3社も同時に岩谷産業グループ傘下となった。
社名の「エネライフ」は、エネルギーとライフを組み合わせた同社のLPガスブランドで、「エネルギーを中心にお客さまのライフスタイルに合った提案をさせていただく」という意味が込められている。

  • ジャパンエナジック、事故ゼロと競争力強化へ業務改革を加速
  • <トップインタビュー>三愛オブリ・執行役員ガス事業部長・石井浩一郎氏

三愛オブリ石井浩一郎執行役員ガス事業部長

新たな事業領域へ挑戦する姿勢を示すため、4月に商号変更し発足した三愛オブリ( 本社・東京、塚原由紀夫社長)。経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」と、コーポレートブランド「Obbli(オブリ)」の下、ガス事業部門ではどのような成長戦略を描くのか。新たに執行役員ガス事業部長に就いた石井浩一郎氏に話を聞いた。
―これまでの歩みを教えて下さい。
1991年入社で、ほぼ一貫してガスの営業畑を歩んできた。最初に配属されたのは群馬で充填配送業務に従事。その後、千葉、静岡、愛知、岡山で卸のセールス、静岡と佐賀で関連会社社長を務めるなどし、2年前から本社でガス販売部長に就いた。

首都圏版

  • ミライフ、需要創造コンテスト表彰式 生活関連21店に栄誉 今期は「次世代エネ」新設
  • 全国マルヰ会第65回総会、総合生活サービス事業者へ進化図る
  • OPECプラスで減産縮小幅を日量64.8万バレルに拡大も油価上昇止まらず
サイサン、「エネワンでんき」設立 

電気小売りを一本化

新社設立を祝いだるまに目入れをする(右から)川本知彦・サイサン副社長、川本武彦同社長、吉澤正人・エネワンでんき社長、鈴木秀和・中部電力ミライズリビング営業第1部長

サイサン(本社・さいたま市、川本武彦社長)は1日、自社の小売電気事業を分割し完全子会社「株式会社エネワンでんき」(同・東京、吉澤正人社長)を設立した。Gas Oneグループの格安電力(大阪市)と坊ちゃん電力(松山市)はエネワンでんきの完全子会社となり、グループの電気小売事業を新社に集中させる。
今後は8月1日に、いちたかガスワン(同・札幌市、佐藤勝治社長)が自らの小売電気事業をエネワンでんきに承継。同日、中部電力ミライズが新社の株式34%、いちたかガスワンが新社の株式5%をサイサンから取得する。全量サイサンが卸供給するかたちで、同日から愛知・三重・岐阜エリアで中部顧客を対象にLPガス販売も展開する予定。

地方版

  • 北海道=ホクタン、3年ぶりの春の展示会で集客・販売目標をクリア
東北=宮城保安センター、点検調査料を値上げへ

来期から 設立来初

宮城県LPガス保安センター協同組合(本部・仙台市、上西博志理事長)は5月26日、仙台市のホテル白萩で通常総会を開いた。2001年の設立時から変えずにきた点検調査料を、来年度から値上げすることを決めた。昨年度決算は、調査員が退職した影響で計画通りに点検調査件数をこなせず損失が出た。

  • 東北=アストモスアカデミー東北のマナー研修をノーリツショップ11人が受講
中部=エネチタ、地域顧客の心つかむ

地元知多半島エリアベースに多角化・専門店化で躍進 

㊧後藤社長が執筆した『ここまでやるか!地域密着のスゴい会社』(あさ出版刊)㊨後藤社長とマスコットのエネチーター

エネチタ(本社・愛知県阿久比町、後藤康之社長)は、地元知多半島の商圏エリアをベースにコロナ禍でも着実に売り上げを伸ばしている。1935年に大和石炭として創業、今年で88年目を迎える。63年に石油販売を開始、85年にはLPガスセンター知多を開所した。2011年、後藤社長の就任を機に現社名へ変更、リフォーム、フードサービス、不動産販売・仲介など新事業を次々に開始。地域密着で多角化と専門店化を両輪にしたビジネスモデルで躍進を続けている。

近畿・四国=日本プロパン、感謝の「きずな大抽選会」実施へ

抽選はがき3万枚を顧客に配布

日本プロパンガス(本社・丸亀市、竹中努社長)はLPガス顧客への謝恩の意味を込めて「きずな大抽選会」を実施する。1日から抽選用はがきを検針票とともに各戸にポスティングで配布している。7月25日、本社事務所が入る丸亀フロントビルにある展示場で公開形式の抽選会を行う。
同社はコロナ禍前に毎年11月、ステージイベントや屋台出店、ガス機器展示などを行うイベント「日プロきずな祭り」を実施していたが、感染症拡大の影響を考慮し今年も中止を決定した。これを受け、謝意を示す場として大抽選会を行うことにした。はがきの配布数は約3万枚。
抽選はがきを手にした顧客は、Aコース「ホテルレオマの森ランチバイキング+レオマワイドハッピーパス( ペア50組)」、Bコース「すきやき用オリーブ牛1万円相当(50人)」、C コース「ガス料金割引券1万円(50人)」のうち、希望のコースを選択したうえで、同社にはがきを返送する。

  • 中国=マルヰ会山陰、今年のスローガン「社会環境に対応した事業者へ進化」に
  • 九州=九州ブロックLPガス協議会、新会長に長崎県協会長・荒木健治氏が就任

住設・新技術

  • 2021年度の主要ガス機器の生産1割減 納期遅れ尾を引く
  • パロマ、ビルトインこんろ2シリーズを一新
  • 環境省、LD—Tech品にアイシンFC・ヤンマーコージェネ・リンナイのハイブリッド給湯器を認定

<元売・卸販促特集>

低炭素化時代をチャンスに 2022元売・卸グループ戦略
温暖化対応をより強く意識する事業環境になってきたが、CO排出量が少ないガス体エネルギーとしては石油製品からの燃転チャンスでもある。低炭素化の現実的な解であるLPガスの一段の活用を目的に、環境価値の取引手法を用いたLPガスの調達と活用も業界で本格的化してきた。国の補助金を活用したいくつかの研究開発事業がスタートしたLPガスのカーボンフリー化も、その登場が待たれる。しかし、一般消費者とのつながりを持つ販売事業者は、需要家家庭のCO削減に加えて、豊かな暮らしをエスコートしていく役割もあり、活躍の余地は多く残されている。事業環境変化に即した主要元売、卸売各社の販売サポート策を紹介する。
・アストモスエネルギー=変化踏まえ販促充実 DXと効率化支援も
・ENEOSグローブ=研修やキャンぺーン一新 新時代の特約店をサポート
・ジクシス=消費者保安研修を追加 3本柱で販促プログラム
・ジャパンガスエナジー=クルーズ22でCO削減へ具体策 JGEクレジットキャンぺも
・岩谷産業=脱炭素をオールイワタニで推進 デジタル化も加速
・伊藤忠エネクス=持てる基盤を新たな価値に つながり磨き成長へ
・ミツウロコヴェッセル=CNLPガスを会員店へも提案 GX実現へサポート

<福岡支局開設65周年>

地域とともにその先へ 激変の時代を勝ち抜く
石油化学新聞社福岡支局は今年、開設65周年を迎えた。業界草創期からプロパン・ブタンニュースを通じて九州地区業界とともに歩み、市場の変遷を報道し続けてきた。カーボンニュートラルの時代に突入し従来の化石燃料は大幅な削減を余儀なくされる見通しだが、LPガスが担う重要な役割は少しも変わらない。地域とともに育ってきた事業者が、激変する環境下をどう勝ち抜いていくのか。現場の取り組みを伝え、業界の明日を探る。

・ダイプロ=「すまいるDネット」、集中監視基盤に普及 双方向通信を自在に
・エコア=九州の食おいしく天神にシェアキッチン LPガスの魅力訴求
・リボンガス=顧客第一へ横軸強化 接点担う女性チームが牽引
・福岡酸素=人材育成機能を久留米に集約 防災提案へ切磋琢磨
・天草エネルギー=災対ランドリーを3店舗展開 本業とシナジー
・九酸・直方ガス企業グループ=多機能ショウ-ルーム開設 地域住民が集う場に

有力事業者「わが社の戦略」
支持されるエネに 社会の要請に積極対応 ファン拡大へ努力継続
長期化するコロナ禍に加え、ウクライナ危機の長期化による原材料価格上昇、円安基調の継続など先の見通せない日々が続く。支持され続けるエネルギーとしてLPガスの存在感を維持するためにも、省エネ機器拡販や燃転で需要を守りながらカーボンニュートラルやSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む姿勢が求められる。製品遅滞で営業活動がままならない状況下で工夫し奮闘する有力事業者のトップに経営方針と戦略を聞いた。
・エネサンス九州(福岡市)=本社移転で機動力発揮 拠点整え商圏を拡大
・三愛オブリガス九州(福岡市)=LPWAでCN加速 年度内にゴールド認定
・髙岡(福岡市)=給湯器貸し出し燃転 現状品薄も中古品で対応
・和泉プロパン(久留米市)=リフォーム事業成長 チラシ・カタログ好反響
・三愛オブリガス三神(神埼市)=紙とウェブで情報発信 ミニ展示会を定番化
・田島(佐賀市)=総合サービス提供へ改称 地域貢献活動に拍車
・佐伯富士甚(佐伯市)=LPガスで住宅強靭化 増改築に加え新築も
・飯干商事(延岡市)=暮らし楽しく快適に 7つの理念実現へ全力
・チョープロ(長崎県長与町)=太陽光屋根貸し開始 リーズナブルにCN支援

有事に備え~8県協会の重点方針
エネ供給「最後の砦」盤石に
毎年繰り返される自然災害。特に九州・沖縄エリアは大型台風や線状降水帯による水害が激甚化している。喫緊の課題はフットワークの軽い組織づくり、有事に即応できる連絡網の整備などだ。容器流出防止策が法制化され、熊本地震や熊本豪雨で効力を発揮したガス放出防止型高圧ホースの標準化など設備の強化も求められる。災害時にLPガスは文字通り「最後の砦」となる。熊本県協会の「チームLPG」にならった緊急支援組織の広がりも肝要だ。

データ/九州・沖縄業界の現勢


LPガスGHP―特別支援学校体育館に
福岡県、設置事業スタート 安全な学習環境を整備
毎年のように各地で夏の最高気温が更新され、熱中症による救急搬送が頻発している。スポーツ施設や学校の体育館にLPガス空調を常設しようと九州・沖縄業界を挙げた導入提案活動が活発化するなか、福岡県で県立特別支援学校体育館の冷房化が動き出した。文部科学省の方針に準じ、県内全20校のうち3校で4月28日に体育館のLPガス空調工事が竣工した。県立特支体育館へのGHP設置は初めてで、続く6校も年度内に引き渡す予定だ。LPガス業界一丸となって他校への広がりにつなげていきたい。

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