石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

トクヤマ・・・水素製造装置の早期事業化

アルカリ水電解 アニオン交換膜

AWE型海外市場開拓を開始
AEM型高性能膜の開発再開
トクヤマは水電解による水素製造装置の早期事業化に本腰を入れる。アルカリ水電解(AWE)型では海外向けの市場開拓に乗り出し、一時休止していたアニオン交換膜(AEM)型ではより高性能な膜の開発を再開。マーケティングとR&Dの両面で取り組みを加速し、先行的に市場を確保する構えだ。

新社長インタビュー ダイセルミライズ 山門征司氏

「あって良かった」企業に
ROS 10%以上の安定確保を
「当社は八つの部門( レジン、コーティング、WSP、ケミカル、産業資材、ハウスホールド、ファーム、DLAMP・接着)からなり、幅広い領域に固有の製品や技術を展開している。扱う製品は異なるが求められる機能などで相互につながる部分は少なくないはず。間口の広さを背景とし、保有する素材や技術などを幅広く提案して顧客のメリットとなるような価値を提供し、多くの顧客から『あって良かった』と評価されるような企業を目指したい」
同社は樹脂関連事業のダイセルグループ企業3社(ダイセルポリマー、ダイセルバリューコーティング、ダイセルファインケム)の販売、開発部門を統合し20年7月に発足した。4月に就任した山門社長はダイセルポリマーに01年の設立から18年まで在籍していた。ダイセルは変化へ迅速に対応するため、市場・顧客に主眼を置くマーケットイン型営業への変革を進めており、その先兵として素材だけでなく末端市場のニーズを捉えたソリューション提供に取り組んでいる。

  • 日本ポリエチレン・・・メタロセンプラストマー、水島の専用設備増強 25年度メドに数千㌧
  • ポリプラスチックス・・・COC、耐熱性と銊性を向上 透明FCCL用へ
  • 日本ポリプロ・・・繊維強化PP、再生炭素繊維を原料に 自動車部品向け提案
  • 三洋化成工業・・・サステナビリティ新基本方針を策定 6経営重要課題も

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丸善石油化学・・・EUVレジスト樹脂、千葉の新設備が竣工

旧世代材料も増産検討

丸善石油化学が千葉工場で建設進めていた最先端半導体材料であるEUVレジスト用ベースポリマーの新プラントが竣工した。現在、試運転を行っており、品質確認後、本格量産に移行する。最新鋭の生産体制を確立したことを機に、同社ではフォトレジスト用樹脂の開発から品質管理に至る総合体制を一段と強化し、好調が続く半導体材料の最前線を疾走する。

  • リケンテクノス・・・光学フィルム、24年度に売上高倍増へ 車ガラス向けなど拡販
  • DIC・・・ SAPと連携し資源循環 廃プラ、流通履歴追跡実証へ
  • ポリプラスチックス・・・PPS、レーザー溶着用開発 車載電装部品向け
  • ユニチカ・・・環境配慮型樹脂 3つに分類し拡販 特徴をアピール
  • 東レ・・・女性の健康課題解決へ フェムテック実証開始
  • 深圳東洋油墨・・・東洋インキ子会社 中国に技術センター デジタル領域拡大
  • ヘンケル・・・自動車用ねじ緩み防止接着剤、水性タイプを追加
  • AGCエスアイテック・・・シリカ製品の統合ブランド立ち上げ
  • 帝人・・・EVレース参戦のERT支援を更新

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ダイセル・・・耐熱レンズ製品増設

車載用も 拡大 播磨2期設備に投資

ダイセルは、独自開発のUV硬化・熱硬化樹脂と精密成型技術でつくる耐熱レンズ製品を増産する。スマートフォン向けをはじめとした民生用途に加え、車載用にも需要が広がってきたことから、播磨工場(兵庫県たつの市)でレンズ成形の量産第Ⅱ期設備に投資する。既に投資は社内承認されており、早急に実施し需要増を取り込んでいく考え。

  • DICと東大・・・CO振動エネ準位 量子計算機で算出 応用を期待
  • エア・ウォーターなど・・・CO分離技術開発 NEDO事業に採択
  • 帝人と富士通・・・リサイクル素材を環境価値化 プラットフォーム実装へ
  • 5月日銀物価指数・・・石化系基礎製品前月比0.2㌽上昇
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の用途別出荷推移
  • カーボンブラック協会・・・5月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・積水化学工業・・・粘着テープ類
    ・旭化成・・・HDIを10%。硝酸を7円以上
    ・カネカ・・・XPSを20%
    ・東レ・・・合繊と不織布
    ・クレハ・・・液体カセイ30円以上
    ・東ソー・・・MDI類50円以上
    ・トーヨーカラー・・・有機顔料を15%

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クラレ・・・活性炭事業を拡大

カルゴン買収シナジー発現

高井信彦取締役常務執行役員

ソリューション提供型に変革
クラレが活性炭事業の拡大に拍車を掛けている。18年3月に活性炭世界最大手カルゴンカーボンを約1400億円で買収、21年1月にカルゴンの事業部を統合し環境ソリューション事業部として一元運営する体制に移行した。今後は統合シナジーを一層発現しながら、グローバルに拡大する需要を取り込む構えだ。同事業部が属する機能材料カンパニー長を務める高井信彦取締役常務執行役員に成長戦略を聞いた。

  • クラレ・・・FCCLを本格量産 5G照準 LCPフィルム増産 CMPパッド本格事業化へ
  • 三洋化成工業・・・永久帯電防止剤、タイ工場稼働 2拠点4700㌧体制
  • 三洋化成工業・・・コンデンサー向け電解液の生産増強
  • UBE・・・放射冷却材料、次期中計メド事業化 輻射式、温度を低減
  • 三菱ケミカルグループ・・・汎用エポキシの一部24年3月に生産停止
  • アキレス・・・ウレタンフォーム環境配慮の新製品
  • 東レ・・・環境とモビリティ一元的に技術開発 新組織発足

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