石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

DIC・・・生分解性SAP量産へ

モノマー含め4年後に上市

DICは、東京大学発バイオベンチャーのGEI(グリーンアースインスティテュート)と共同開発した天然由来のアスパラギン酸と、これをベースとした生分解性の高吸水性樹脂(SAP)について、吸水性なども含めて顧客から好評を得たことから、スケールアップの検討を開始する。モノマー(アスパラギン酸)、ポリマーともに量産化の検討を進め、早ければ3年内には一部量産を開始し、4年後には本格上市したい考えだ。

  • ポリプラスチックス・・・エンプラ微粉末、3D印刷や添加剤向け 新市場開拓に期待
  • スチレンモノマー・・・中国の新増設に遅れ 今年稼働は3基のみか
  • 旭化成・・・再利用促進システム 産業系廃プラも対象に
  • 三菱ケミカルグループ・・・英でEVOH増設 食品包材向け需要好調

課題解決型への変革急ぐ三井化学 橋本修社長に聞く ①

ベーシック 安定利益創出に自信
ICT 着実に事業拡大策推進
社会課題の視点に立ち、素材提供にとどまらないソリューション提供型ビジネスモデルへの変革を急ぐ三井化学。資源価格高騰や新型コロナの感染再拡大により、世界規模でスタグフレーションの懸念が強まるなかで、9年弱にわたり好況を謳歌してきた国内石化事業にも環境の厳しさは増している。しかし、橋本修社長はこうした環境を十分に認識しつつ、適切なキャッシュフロー戦略とポートフォリオ変革を通じて長期経営計画「ビジョン30」の達成に揺るぎない自信を示す。橋本社長に足元の経営環境と、各ソリューションビジネスの今後の展望を聞いた。連載で紹介する。

多様化するニーズに応える高機能ポリオレフィン 〈上〉

メーカー各社の展望と戦略

概況
世界的な原油高騰や長引く自動車生産の制限に加え、新型コロナ第7波の感染急拡大でマクロ経済の停滞が懸念されるなか、ナフサクラッカーの稼働低下に象徴されるように日本の石油化学産業も厳しい局面を迎えつつある。ただ、主力誘導品であるポリオレフィンは、一部に稼働調整はあるがキャッシュフロー重視の観点から在庫適正化が図られており、需要は極端に落ち込んでいない。特に高機能・高付加価値領域を主戦場としてきた国内ポリオレフィン各社の戦略に揺るぎはなく、引き続き多様化するニーズにきめ細かく応えていく構えだ。

ENEOS NUC

  • 24年 新絶縁材料設備が稼働
  • 超高圧・高圧電線材料 持続可能社会支える

東ソー

  • カスタマーグレード 400品種超で勝ち残り
  • 新規改質剤 多層フィルム再生へ

日本ポリエチレン

  • メタロセンプラストマー 25年までに増強計画
  • L-LDPE 長鎖分岐型上市へ

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  • クラレ・・・材料開発用途開拓 新組織でグローバルに 今中計で成果目指す
  • 三洋化成工業・・・放熱ギャップフィラー ウレタン系素材で参入
  • 東ソー・・・バイオマス発電所26年春稼働へ着工 400億円投入
  • 三菱ケミカルグループ・・・5G通信機器米新興に出資
  • クラレ・・・研究所新設を検討 R&Dインフラ強化
  • 出光興産・・・つばめBHBに出資 アンモニア合成支援
  • 廃プラ再生拡大へJaIME研修会 アジア8ヵ国から36人

セミナー参加者と関係者

海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)は、アジア諸国のプラスチック廃棄物管理向上に向けた人材育成プロジェクト「第2回アジア働きかけ研修セミナー(プラスチック廃棄物管理向上コース)」を東京都足立区のAOTS東京研修センターで開講した。セミナーは2日までで、日本のプラ廃棄物について生産から廃棄、リサイクルを説明するマテリアルフロー図を共有し自国のプラ廃棄物管理に役立ててもらう。

  • 財務省貿易統計・・・2022年6月石化品輸出実績 2022年6月石化品輸入実績
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・6月のOPP・CPP出荷実績
  • 日本化学繊維協会・・・6月の合成繊維生産・在庫量
  • CPL中国メーカー減産 需要低迷、採算悪化で
  • 国産ナフサ4~6月 33%高の8万6110円
  • 化学製品値上げ
    ・三井化学・・・HQとMPCR
    ・タキロンシーアイ・・・EVA製遮水シート
    ・DIC・・・エポキシ系可塑剤
    ・東ソー・・・ペースト塩ビ
    ・東亞合成・・・次亜ソーとカセイ、硫酸を4円以上
    ・デンカ・・・CRを65円以上
    ・ユニチカ・・・SB不織布10%以上、衣料用繊維10~20%
    ・東レ・・・家庭用浄水器を10%

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テクノUMG・・・良触感ABSを開発

建材やOA 外装部品に

車向け新グレードも
テクノUMGはABS樹脂の良触感タイプを開発した。ABS樹脂本来の良好な成形性を維持したまま、滑らかで柔らかい触感を付与したもので、人の手が触れる建材やOA機器の外装部品向けなどに提案する。自動車の内装部品向けなどに展開する軋(きし)み音低減材料「ハッシュロイ」では打音低減、制振性といった新機能を付与したグレードを開発した。こうした他社と差別化した高付加価値品の拡販を進め、持続的な成長を図る。

  • 日本化薬・・・RFB電解液 有機系でV代替 セル開発も推進
  • トクヤマ・・・ライフサイエンス好調 電子材料、新増設遂行
  • ダウ・・・欧米にCR施設建設 30年メド60万㌧体制
  • DICプラスチック・・・PPフィルム再生 バージン材並みに

包装用フィルムのリサイクル製品(右)とバージン材を使用した製品

年内にも上市
DICプラスチックは包装用ポリプロピレン(PP)フィルムをマテリアルリサイクルして成形した工事用仮設資材を早ければ年内にも上市する。DICグループの脱墨技術を生かし、環境負荷軽減に貢献する資源循環型製品として展開する。ベースのフィルムは使われずに廃棄される端材などをブランドオーナーから提供してもらう。

  • ADEKA・・・DRAM誘電材料 生産能力2倍超に 韓国で
  • 日本ゼオン・・・水島 リーフアルコール年産能力1600㌧に
  • トクヤマ・・・アルカリ水電解装置製作開発拠点を設置
  • 三洋化成工業・・・機能性タンパク質 半月板修復基盤に 広島大学病院と治験開始
  • 帝人フロンティア・・・衣類用RFIDタグ 高耐久と柔軟性兼備
  • 三菱ケミカルグループ・・・EVOH多層包装材 リサイクル認証取得

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