総合面
LPガス国際セミナー、供給とCN焦点に討議
来場・ウェブ合わせ1200人参加
2019年以来の会場開催となった
野倉史章理事長
LPガス振興センター(野倉史章理事長)は7〜8日、「LPガス国際セミナー2023」を開いた。メーンテーマを「エネルギー危機と低炭素社会に向かうLPガスの選択と挑戦」とした今年は、2019年以来の実開催とウェブ配信の併用で開き、25の国から約1200人が参加した。
会場の東京・大手町の日経ホールで登壇した野倉史章・振興センター理事長は、産消対話、安定供給、最新動向共有、メッセージ発信というセミナーの目的を改めて強調した。国を代表して定光裕樹・資源エネルギー庁資源・燃料部長が諸外国を歓迎、永井岳彦・同部石油流通課長が国内LPガス産業を紹介した。
- パナマ通峡ルールでLNGとの不公平解消 料金値上げなど課題も
- アストモス、LPガス船のバイオ燃料試験航行終える 供給チェーン確立へ
ENEOSグローブ、産業用燃転が進展
25年度は成約件数1.5倍へ
分野ごとに気付きを促している
ENEOSグローブ(本社・東京、江澤和彦社長)が特約店と取り組む産業用燃転は2022年度、成約数が前年度比1・3倍、数量にして3千㌧の新規需要を獲得する見込みだ。島村剛史・リテール企画部副部長によると、コロナ影響が払拭し切れた状態ではないが、低・脱炭素やBCPに向けた対応に需要家の関心が急速に高まっており、工場、福祉施設、ゴルフ場、宿泊施設など幅広い分野から引き合いがきている。新規案件も1・5倍に増えており、提案対象のストックは1千件に上る。25年度は、現行比1・5倍の成約件数を目指す方針だ。
- LPガス法改正案、販売事業者証の標識を店頭の他HPへの掲載義務化
- ENEOSグローブエナジー、新社長に尾畑正治氏が就任へ
ENEOSグローブエナジーは3日、4日1日付で新社長にENEOSグローブ執行役員九州支店長の尾畑正治氏が就任すると発表した。八子敦夫社長は退任する。尾畑正治(おばた・まさはる)氏 1984年4月日本石油ガス入社。2015年ENEOSグローブ東北支店副支店長、18年関西支店長、21年4月から現職。1966年1月28日生まれ、57歳。
- エネアークのKOEキャンペーン、高効率機器拡販でCO2削減でも成果
首都圏版
岡谷酸素、「まるごとフェア」フェア売り上げ 目標比1.5倍超の3憶3千万達成
リフォーム3分の1
昨年9~12月に展開した
岡谷酸素(本社・岡谷市、野口博一社長)は昨年9~12月に展開した秋の「まるごとフェア」の結果を明らかにした。ガス機器を中心に拡販に取り組み、売り上げ目標2億1千万円に対し1・5倍以上の約3億3千万円を達成した。こんろ120台、ファンヒーター100台、衣類乾燥機40台などを販売。大型案件を軸としたリフォームも売り上げに貢献し、1億1千万円を売り上げた。
- リフォーム相談気軽に! シャイニングサービスが商業施設でフェア開催
TOKAI、静岡駅前に冷凍食品やスイーツの自販機店舗をオープン
átes cótés(アテコテ)葵タワー店
TOKAI(本社・静岡市、小栗勝男社長)は冷凍ラーメンや地元企業の冷凍食品グルメ、スイーツなどを販売する自動販売機店舗「
átes cótés(アテコテ)葵タワー店」を2月24日にオープンした。
グループ挙げたSDGsの取り組みの一環で目標12「つくる責任
つかう責任」に該当する食品ロスの削減につながる冷凍食品に着目、昨今の多様な生活スタイルに対応し自動販売機による商品販売を開始する。取り扱い商品は人気ユーチューバーSUSURUさんがった」と話す。セレクトした冷凍ラーメン=写真=や地元企業発の冷凍食品厳選グルメ、スイーツなど。
店舗名はフランス語で「あなたのそばに」の意。利用者に「良いもの」「楽しいもの」「美味しいもの」がそばにある、商品を提供してもらう店舗には自慢の商品を届ける機会がそばにある、そんな場所を目指すTOKAIグループの地域に根ざした事業を展開する。
地方版
北海道=登別ガス協組、エコジョーズ団地完成 2例目
建て替え機に68戸に設置
全68戸にエコジョーズを設置した市営千代の台団地。今月
下旬から入居が始まる平屋建て住居は1棟に4戸が入る
全68戸にエコジョーズを設置した市営千代の台団地。今月
下旬から入居が始まる平屋建て住居は1棟に4戸が入る
登別ガス協同組合(稲原篤仁理事長)がLPガスを供給する登別市営千代の台団地の全工期が2月末までに終了した。老朽化に伴う建て替えで2018年度の着工から3期に分け計69戸(うち1戸は集会所)を整備、うち68戸にエコジョーズを設置した。登別協組にとって2例目の「エコジョーズ団地」だ。
建て替える前の千代の台団地は全82戸のコミュニティーガス団地だったが、今回の整備でLPガス供給となった。18年度からの第1工期は、まずRC造4階建て32戸を整備。並行して2・9㌧災害対応型バルク貯槽を敷地内に設置し、完成と同時にLPガス供給を開始した。第2工期は翌19年度に始まりRC造4階建て24戸を着工、20年度に完成した。
北海道=エネコープ、配送員育成へ一石
「準中型」取得費用を負担
エネルギー販売業界が抱える慢性的な配送員不足と物流2024年問題の解決に向け、エネコープ(本社・札幌市、小松均社長)が一石を投じた。昨年4月から若手社員を主な対象に、4㌔㍑ローリーの運転が可能になる準中型免許の取得費用を負担し、灯油の定期配送ドライバーの確保と育成につなげている。LPガス業界にとっても同社の手法は学ぶところが大きい。
エネコープが将来、ドライバー不足に陥る可能性があると分析し導入したのが、親会社コープさっぽろ(札幌市)が宅配システム「トドック」の一環で運用する人材育成の手法。普通免許しか持っていない若手や中堅職員を対象に、準中型免許の取得にかかる費用の全額負担を始めた。
東北=大震災から12年、双葉町で伊達屋が唯一再開
創生めざし地盤固め
本社を駅前からSSに移した。LPガス販売所にもなっている
吉田知成社長
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から12年が経った。福島県双葉町では昨年8月まで全町避難が続き、震災前に4店あった販売店は3店が廃業、現在は伊達屋(吉田知成社長)だけになった。同社は帰還困難区域にありながら2017年6月からSS営業、19年8月からLPガス販売を再開し、地域の復興を支え続けている。事業再開時のこと、町や事業の現状について吉田社長に聞いた。
中部=中電テレメ、顧客10万件達成
25年度は5倍の50万件に 価値向上へ全力
中電テレメータリング合同会社(本社・名古屋市、野田英智社長)は、中部電力が始めた電力スマートメーター通信網を活用したサービス事業を継承しスピード感を上げて取り組む。末端顧客は15社を上回るLPガス販売事業者をメーンに10万件に達しているが、2025年度末までに50万件の獲得を目指す。
近畿・四国=イーエルジー(東大阪市)、質量販売の裾野拡大
緊急時対応講習2回目
米島周作社長(右)から講習修了証を受け取る金田直人・ナポリタンポーポーグロッソ代表。今回は計10人が受講し30分ルール適用外資格を得た
イーエルジー(本社・東大阪市、米島周作社長)は2月28日、東大阪市のクリエイターズプラザで2回目の質量販売緊急時対応講習を開いた。全国で講習実施者1号の同社が実施した講習に、地元・大阪だけでなく石川や広島、山口を含む広域からキッチンカーやキャンピングカーユーザーなど10人が受講。受講者は講習後、緊急時の対処を自ら行えると認められ修了証を受け取った。修了証の有効期間は5年で、2028年2月27日まで緊急時対応「30分ルール」の適用外となる。
近畿・四国=京都・亀岡バルーンフェスティバル
CNLPガスで16機の熱気球が舞う
来客は体験搭乗を楽しんだ
桂川孝裕市長 バスケットに積んだ20㌔㌘サイフォン容器
京都・亀岡バルーンフェスティバルが2月25~26日、亀岡市の保津川水辺公園で開かれた。京都府内初のイベントに熱気球16機が集まった。風が強く競技は中止されたが、多くの来場者が体験搭乗などを楽しんだ。燃料のLPガスはカーボンニュートラル(CN)LPガスを使用、丸亀瓦斯(本社・亀岡市、川勝啓史社長)が供給した。
亀岡市は盆地のため気流などの条件が適しており、数年前から熱気球の愛好家に注目されている。開会式で桂川孝裕市長は「京都府初の大会を亀岡で開きたいと声をかけていただき、ぜひ空のスポーツ大会を開催しようと誘致した。子供たちに夢を与え、平和で安全な京都、亀岡をアピールしたい」と述べ、継続的な開催に意欲を見せた。奥村昌信実行委員長(亀岡市観光協会会長)は「多くの来客に感動している。みんなをわくわくさせる大会は亀岡の誇り」と話した。
中国=ヤマサン会、環境配慮の営業展開
23年度 燃転や高効率機器提案
優秀販売店を表彰した
吉村博美代表理事 並河元社長
山陰酸素工業(本社・米子市、並河元社長)の販売店会、ヤマサン会(吉村博美代表理事)は2月3日、米子市のANAクラウンプラザホテル米子で臨時総会を開いた。来期は環境負荷低減に配慮した営業活動を推進する方針だ。燃転や機器のグレードアップ提案による消費者当たりのCO2排出量削減を図るため、販促企画「山陰ガスらぶフェア23」を展開する。
九州=九州ブロック青年部会、各県代表者会議開く
他県の活動取り込むなど情報共有し新風吹かす
九州ブロックLPガス協議会青年部会(園木大輔部会長)は2月17日、福岡市のLPガス会館で2022年度九州ブロック各県青年部会代表者会議を開いた。九州・沖縄8県協会の青年部会長や青年部に該当する委員会の代表者が参加し、情報共有と意見交換を行った。
住設・新技術
愛知時計電機、アイネットとの協業開始
データ配信×販売管理 第1弾は遠隔予約閉開栓
「アイチクラウド」と「プロパネット」をAPIで連携し遠隔予約閉開栓などのサービスを展開する
愛知時計電機(本社・名古屋市、國島賢治社長)はアイネット(同・横浜市、坂井満社長)と協業を開始した。愛知時計電機が提供するデータ配信サービス「アイチクラウド」とアイネットが提供するLPガス販売・顧客管理システム「プロパネット」をAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で連携。LPガス事業者のLPWA端末の利便性向上によりデータ配信サービスの普及拡大を図り、両社の技術やノウハウ、顧客基盤を生かして相互連携しながら事業者の事業発展をサポートする。
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