石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日本酢ビ・ポバール・・・医薬用PVAで新設備

ブランド設定 生産能力4倍に

信越化学工業100%子会社、日本酢ビ・ポバールは、大阪府堺市にある本社・工場で医薬用ポリビニルアルコール(PVA)の新生産設備「新PGプラント」を完成させた。顧客の認定を受け次第、商業運転に移行する。錠剤のコーティング基材や造粒用結合剤向けのグローバルな需要増に対応する。数年後に現有設備を停止するが、生産能力を差し引きで約4倍に高める。新設備で生産する医薬用PVAは「POVASEAL(ポバシール)」のブランド名で販売する。

三井化学と業界の未来 橋本修社長インタビュー<上>

グリーン化 ファーストムーバーに

下流見定め 上流組み直し
瀬戸内連携も課題
三井化学の橋本修社長は石油化学新聞社のインタビューに応え、同社の現在と未来、そして化学業界の今後について語った。足元の石化不況を踏まえ「下流の誘導品にフォーカスし上流を組み直す。サステナブルな社会の実現に向けた石化のグリーン化ではファーストムーバーでありたい」と意欲を示した。また、成長3領域で注力する施策や、ロボットや光学材料など次世代事業創製に向けた取り組みなど、未来の三井化学のイメージにも思いを馳せた。

  • 東邦化学工業・・・樹脂エマルジョン、四日市増設し生産集約
  • 積水化学工業・・・高機能プラスチックスカンパニー、放熱材を収益の柱に
  • 東洋紡エムシー・・・岩国の重合設備更新 エンプラなど
  • 大阪ソーダ・・・アリルクロライド 水島が7割稼働に
  • レゾナック・ホールディングス・・・本社オフィス移転 汐留で業務開始

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  • 三井化学・・・R&D、三段構えで新価値創造 CN・エネ・食・新医療
  • ヘンケル・・・補修剤や耐摩耗剤など 新製品で日本市場拡大
  • 三菱ケミカルグループ・・・バイオPBS製紙コップ 沖縄市で堆肥化実証
  • 23年PE出荷・・・2.7%増223万㌧へ 個人消費やインバウンド コロナ反動で回復
  • バルカー・・・ガスケット締結 見える化システム開発
  • 旭化成ファーマ・・・スマートセルで体外診断用酵素
  • 住友化学と新居浜市・・・飛沫防止板回収し MMAモノマーに
  • SABIC・・・特殊樹脂の新サイト開設 比較選択を簡素化
  • 東レエンジニアリング・・・工学系大学院の研究支援制度創設

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  • ベンゼン アジア市場・・・低迷 誘導品需要不振 ACP800㌦割れ
  • 日本化学繊維協会・・・新会長に東レの大矢光雄社長を選出
  • エンジニアリング協会・・・日鉄エンジニアリングの石倭行人社長を選出
  • 日本ソーダ工業会・・・2023年5月カセイソーダ出荷内訳
  • 日本プラスチック板協会・・・5月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、5月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、5月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • カーボンブラック協会・・・5月のカーボンブラック実績
  • UBE・・・PCDとコンパウンド、タイで増産 DX安全向上で世界展開の橋頭堡

タイ東部ラヨーン県に立地するUBEの生産拠点は同社グループの海外事業拡大の橋頭堡だ。生産品目は大きく分けてカプロラクタム・ナイロンチェーン、ブタジエンゴム、ファインケミカルの三つ。いずれもアジア地域を中心にグローバルな展開を進めている。生産設備のさらなる拡充に加え、DXによる安全性や生産性の向上にも取り組む同拠点を訪ねた。写真=8月に第3系列を稼働させ生産能力を年1万2千㌧に引き上げるUFAのPCD生産設備。

  • IHIとタイ社・・・COと副生水素でオレフィン製造実証
  • 環境省・・・廃プラ処理量拡大 中国輸入禁止前水準に
  • INPEX・・・ISCCEU認証 バイオ燃料で取得
  • 化学製品値上げ
    ・ランクセス・・・イオン交換樹脂など
    ・三菱ケミカルグループ・・・フィルム21日から
    ・タキロンシーアイ・・・プレート8月から

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日本化薬・・・環境・エネ、事業創出に本腰

技術統括組織で加速

日本化薬は新事業創出を目指すターゲット4分野の一つである環境・エネルギーで、6月に設けた新組織「テクノロジー統括」を中心に事業化への取り組みを加速させる。レドックスフロー電池(RFB)用の有機電解液、グリーン水素製造装置用の水電解アニオン交換膜、次世代エネルギーデバイス用の触媒材料(AZUL触媒)などの開発を進め順次立ち上げる一方、新たなテーマを加え開発基盤も強化していく。

  • 第一工業製薬・・・CNF新シリーズ 濃度3倍 コスト減
  • 三菱ケミカルグループ・・・TPE、医療向け品種拡充 薬剤低吸着、ゴム代替
  • 三菱ガス化学・・・光学樹脂ポリマー、スマホレンズ向け拡販 カメラ高機能化追い風に
  • DIC・・・四日市市と包括協定 脱炭素社会実現へ

DICと三重県四日市市は、脱炭素社会の実現と継続的な産業振興の両立に向け包括連携協定を締結した。脱炭素社会の実現、資源循環、環境教育、産業振興、地域経済に関して相互に情報・意見交換し、共同での実施が有効な事項に連携して取り組む。ポリスチレン(PS)製食品容器のリサイクルに向け実証試験を行うほか、小学校などで環境教育などを行う。
写真=協定書を交わす森智広市長(左)と猪野薫社長執行役員

  • 子ども化学実験ショー
    「夢・化学―21」委員会は8月5日(土)~6日(日)の2日間、東京都千代田区の東京・科学技術館で小学生を対象とした化学実験体験イベント「夏休み子ども化学実験ショー2023」を開催する。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け20年以降開催を中止していたが、4年ぶりに再開する。化学企業や団体など
    が出展し、化学を楽しく学べる16のプログラムを実施する。ステージイベントは、両日とも2回ずつ「なぜナニ化学クイズショー」を行う。参加費は無料(常設展には入館料が必要)。インターネットの専用ページ(https://kagaku21.sakura.ne.jp/summershow/index .html)で事前登録が必要。締め切りは7月31日午後5時まで、または定員になり次第。
  • 日本ゼオン・・・次世代触媒技術 阪大と共同研究
  • 帝人・・・炭素繊維とPAN ISCC認証取得
  • 東レリサーチセンター・・・最先端の分析装置 顧客も利用可能に
  • 東レ・デュポン・・・社長に東レの端氏

東レ・デュポンの新社長に東レの端彰一郎氏が6月30日付で就任した。畑愼一郎社長は東レの上席執行役員品質保証本部長に就いた。
端彰一郎(はた・しょういちろう)氏
89年山口大学大学院機械工学専攻修士課程修了、東レ入社。17年東麗医療科技(青島)董事長兼総経理。山口県出身、59歳。

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