石油化学工業年鑑2003年版
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2003年11月発行
B5判 500ページ
定価 16,800円(消費税込み・送料別)
石油化学業界は、欧米の大型企業との競争の激化、中国市場における内外企業間の競合も激しさを増しており、一方国内においては、過剰設備の縮小と適正生産体制への是正、そのためのアライアンスが進展、業界再編が進んでいる。その象徴として01年10月の合併準備への合意とそのビッグ・エンタープライズの誕生と注目されていたのが、三井化学と住友化学工業のエチレン企業の統合である。しかし、収益見通しと統合比率に見解が一致せず、03年3月末を期限に合併を見送った。先に統合した両社のポリオレフィン部門も白紙撤回しており、同業種の基幹企業同士による全面統合の難しさを露呈したといえる。
石化製品の02年の暦年ベースで生産量は主要17品目中、エチレン、プロピレンをはじめ、LDPE、HDPE、PPの3大汎用樹脂など7品目が前年実績を下回った。石化産業も前半は中国・アジア経済の活況と原油・ナフサなどの原料高を反映して国際市況が上昇したものの、後半は日本国内の景気回復の足取りは重く各社とも自主減産を余儀なくされるなど数量面では伸び悩んだ。半面、石化企業の業績は一部価格の引き上げが浸透、収益面ではやや改善される結果となった。
引き続き終息段階に入ったとされるSARS問題やイラク戦争後の復興問題、対イラン・北朝鮮問題、さらに石化業界にとっては中国の化学品貿易に対するアンチダンピング攻勢など世界経済の足を引きかねない懸念材料も少なくない。04年は関税の段階的引き下げが実施され国内需給への影響も拡大される。依然、予断を許さない情勢が続いているといえる。
そうした観点から石化業界としては業界再編の課題を残しつつ、国際経済を持続的に発展させる基礎材料として位置付けられる石化製品の果たす役割が今後とも大きいことを確信しつつ各種の課題に取り組むことが重要といえる。
03年版の石油化学工業年鑑もこうした世界の動向を見極めつつ発刊するに至りました。引き続きご活用の程をお願いする次第です。
●2003年版の主な内容●
1.概観
2.日本の経済運営の方向
3.経済産業省の主要施策
4.石油化学工業の動向
5.わが国の産業技術開発の方向
6.平成15年度化学工業設備投資調査
7.原料問題
8.プラスチック廃棄物と資源化対策
9.海外の石油化学投資動向
10.生産と流通
11.関連産業の動向
12.現勢コンビナート図鑑
13.重要日誌
◆関係資料
【企業紹介】
石油化学工業会社を中心に関連企業約300社網羅、創立年月日、資本金、所在地、役員名、事業内容、損益決算、生産品目、設備能力等の最新情報を掲載、会社名鑑としても各方面で活用できるよう編集。
【年間回顧・重要日誌】
化学業界及び関連業界の動きを中心に、平成14年10月〜平成15年9月の主なニュースを重要日誌として掲載。