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(2002/08/05 プロパン・ブタンニュース)


西部ガスエネルギー社長
石橋良英氏
エネシスグループ自己改革のとき

 7月25日、福岡県粕屋町の西部ガスエネルギー本社ビルに石橋良英社長をお訪ねした。
 石橋社長は、今日の低成長時代にわれわれは電気や都市ガス、石油等の競合エネルギーと闘わねばならない。更にLPGの同業他社との闘いもある。このような過酷な状況の下に新規の客を開拓して行くのは並み大抵なことではない。それには営業体制の再構築が必要ある。これまでの高収益体制から低収益体制へ体質を変えねばならない。これは意識変革に他ならない。また、エネルギー間競争の激化はLPGの料金も確実に下がることになる。これに対応するためには会社のローコスト対策が大切だと強調した。
 6月27日まで社長であり、営業本部長であった石橋さんは大声を張り上げて号令を下すといった感じではなく、これらのことを理路整然と諄々と話してくれた。
 現役の働き盛りの社員を現場に投入
 これまでの簡易ガスの営業はお客さんのところに直接足を運んで話を聞くことはなく、それらは業務委託店等に任していた。営業の主な仕事は、販売店に対する卸営業、新築獲得のためのハウスメーカー、ゼネコン、設計事務所まわりで、ガスをご使用のお客さんに密着した営業ではなかった。かつて住宅着工件数が多く新規顧客が順調に増えた時期には一戸当たりのガス消費量が伸びなくても総販売量をおし上げてきた。今は違う。低成長時代である。しかもわが国の人口は、2030年には今より1千万人減り、65歳以上が1300万人増えるという。このような老齢化社会の新築着工件数は当然減少する。老齢化と核家族化が進み、一戸当たりのガス消費は減少する。わが社の簡ガス団地の一戸当たり平均消費量を時系列で見ると、平成3年に12.4六立方mだったものが平成13年には11.43立方mと1立方m減っている。しかもオール電化などエネルギー間の競争は厳しい。さればこそお客に密着した営業に切り替えて行かねばならないのである。その意味で今、現役の働き盛りの社員十数人を簡易ガス団地のサービス・ステーションおよび直営店にはりつけることにした。販売店と同じ土壌で営業活動をすることによって彼らはお客さんの顔が見える、またこちらの顔も覚えてもらえる営業ができる。かくて営業のノウハウをつかみ、販売店に対しこれまで以上に営業活動をデベロップできると期待している。
 G・アコード、ただ今8万6千件が登録
 「G・アコード」は、保安7業務をはじめ系列販売店の仕事を代行して質の高い保安・サービスを提供するこによって販売店が余裕をもってお客との接点に集中できるようにする販売店との業務連携システムである。「G・アコード」には今、8万6千軒の消費者が登録されている。これらの加入者は「エネシスお客さまセンター」のCTI(コンピューター電話統合システム)にお客さまデータとして事前登録をすることによって瞬時に情報を検索し対応できるようにしてある。だから九州各地のお客さんの連絡をお客さまセンターで一括して受け付け、出動指令で円滑に対応できる。そして現在「G・アコード」ステーションが8個所あって50人が投入されている。「G・アコード」の採算点はさし当り10万軒登録においている。それにむけて精力的な活動が続いている。
 会社をスリムで強靭な肉体に
 営業体制の再構築を強調したが、それと同様に、それ以上に力も知恵もださねばならないのが会社の財務体質の改善である。これまでより少ない利潤でも成り立つスリムな経営体質にもっていかなければならない。原価をいかに下げるかの努力である。抽象的な言い方だが、量の拡大より質の追求ということである。ここ1、2年はスリムで強靭な肉体を会社に取り戻すように努めねばならない。これが販売店の皆さんに対する私の使命だと考えている。
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 ■エネシスグループ 西部ガスエネルギーは直営店と系列販売店で合計24万戸にLPGを供給している。これを総じてエネシスグループと呼ぶ。うち11万戸と業務用700件が直営である。直営11万戸の区分は、簡易ガス団地6万6千戸、小規模導管供給(バルク)6千戸、直営店によるシリンダー供給3万7500戸、計11万戸である。

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