ウェーブ・風 話題と肖像画 ナリケンが行く
(2002/10/14 プロパン・ブタンニュース)
島根県LPガス協会副会長 瀧川産業副社長 | |
瀧川 修氏 | |
評判がいい茶髪のお兄ちゃん |
「瀧川産業がプロパンを取り扱い始めたのは、昭和33年7月15日からである。開業前6カ月間にわたり市場調査を行った結果、家庭の主婦が一番買いやすい金額は、2千円以下と判明した。この発売に当たってLPG10kg1500円売りを断行して、容器代、充填代、車両代、工場設備等をすべて1億5千万円投資して全設備を行い、「容器と調整器」は貸与とした。8月、9月の2カ月間この無料貸付制を実施するのに従業員120人で戸別訪問を行った。この販売方法を出雲市と益田市で行い、戸別訪問、1500円販売という2つのスローガンによって、山陰という最も普及の難しい土地でこれを乗り越えることができたと思う」。
これは「LPガス業界十年史」(昭和38年、石油化学新聞社刊)に先代社長瀧川弘信氏が「わが社の歩みと山陰における今後の問題点」と題して寄せられた文章の一節である。随分と古い文書を引き合いに出したものと言うなかれ。現社長の信男氏は弘信社長の弟(四男)で、今回のインタビューの副社長・滝川修氏(六男)は、瀧川産業の独自的かつ伝統的社風を守り、LPG事業の今をここから説きおこした。
一軒当たり平均30立方bに挑戦
わが社の発展段階を3つに画することができる。その第一期は、容器、調整器の貸し付けの1500円販売で特徴付けられる。第二期はメーター制販売だった。そして現在の第三期はLPG消費量1軒当たり30立方mを実現する段階だと言う。それには先ず全需要家の半分に給湯器を設置する。これによって1軒当たり平均消費量を30立方mにする。これを実現するためにガス価額の透明化を図らねばならない。そこで月に30立方m以上59立方mまでの客は1万3千円、月に60立方mを超す客は1万5千円、30立方mに満たない客は基本料金2千円という分かり易い料金体系を提示した。この料金の提示でお客は安心してガスを使うことができる。お客に安心してガスを使ってもらわねば、20キロ容器を50キロにおきかえるなど次の段階の設備投資もできない。このようにガス料金の透明化が進めば客は昨日お風呂をたてたから今日はシャワーだけにしようなどと言わずに安心して風呂を沸かすだろう。
給湯器、風呂、床暖、浴乾を売れ
いくら魅力的な料金表があってもそれだけでは消費は拡大しない。ガス消費拡大の決め手はガス器具の販売にかぎる。いま売らねばならぬガス器具は給湯器、風呂、床暖、浴室乾燥機等である。これらのガス器具をわれわれの客が量販店から買ってくるのはまことに嘆かわしい。LPG販売業者がガス器具を売るということは、お得意の家庭に入りこむことができる特権があるからだ。
都市ガス事業や電力事業は明らかに供給業者だが、われわれは販売業者である。販売業者がお客さまをほったらかしてどうするのだ。保安にしてもわが社は機械任せではなく、人が中心である。配送、検針も人間中心だ。わが社のカラーであるピンクに塗装した配送車からピンクのユニホームを着た配送員が立ち働く姿を見て、瀧川産業のお兄ちゃんは茶髪だけどよくあいさつするし、こんろの掃除も丁寧にしてくれるし、好感が持てると評判がよい。だからわが社の客で電力会社のオール電化攻勢にもっていかれたものは2万1千軒のお客のうち、1軒だけである。
島根県協は合展花ざかり
瀧川修さんは島根県LPガス協会の会長である。県協会の最重点施策は競合エネルギー対策、とくに電化住宅対策だとして昨年は松江地区で合同の展示会を開いたり、本格的なオールガス化展示場をデビューさせた。今年はその流れを加速させて浜田・江津支部合同研修会、出雲支部のオールガス化展示・体験コーナーのオープンと地域ぐるみの合展が花ざかりである。10月には益田支部の合展、また松江地区ではオールガス化住宅の展示会が決まっている。
修会長は瀧川産業がLPG販売事業に参入したころにこの事業に携ったが、それ以後は他の部門を見ていたので浦島太郎だと謙遜されるが、この方のお話をうかがっていて決して浦島太郎どころか、どれもこれもがつぼにはまっている。
ゴルフの腕前はハンデが1
ゴルフの腕前はハンディキャップ1だったが、今は歳をとって3でやっていると言う。お歳はと聞いたら66歳だそうだ。ゴルフを始めて1年でシングルになったそうだ。この欄に登場した山口県協会長だった故中津井精一さんともゴルフでしばしばお付き合いをしたと言う。
お見受けしたところ特に大きな体格ではないが、素晴らしいバランス感覚と力を秘めているに違いない。ワールド・カップではアイルランドのサッカーチームのキャンプ地を出雲市に誘致してお世話をした。
LPガス協会のカジ取りでも非凡なるものを期待したい。
プロパン・ブタンニュース2002/10/14 ナリケンがゆく ウェーブ・風 話題と肖像画