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(2003/6/2 プロパン・ブタンニュース)

千葉県LPガス協会 協会長 楠原燃料社長
野城友三氏
バランス感覚抜群の協会長

 楠原燃料の野城友三社長は平成七年以来千葉県LPガス協会長である。同協会の前身である千葉県プロパンガス協議会が設立された昭和二十九年から数えて今年で五十年を経過した。また、昭和四十四年に社団法人になってから三十五年である。この節目の年を記念してさる五月二十日に五十周年記念式典とお祝いのパーティーがあった。この大きなイベントを滞りなくすましたところだったので野城さんのインタビューは自ずと協会運営論となった。
 その前提として県下のLPガス使用状況から始めた。販売所数=千二百六十六、LPガス消費世帯数・家庭業務用=九十四万九百四十五戸、簡易ガス=四万三千七百三十八戸、計=九十八万四千六百八十三戸、販売数量・家庭業務用=三十二万三千三十一d/年、簡易ガス=一万六千九百九十七d/年、計=三十四万二十八d/年、工業用=三万九千五百八十八d/年、一販売店年平均・消費者数=七百四十三軒、販売数量=二百五十五d/年、一消費者月平均消費量二十八・六一`c。県下の全世帯数二百四十万世帯、その四六%の九十五万世帯がLPガス世帯である。これらの数字を十六支部にブレークスルーして掌を指すがごとくに説明してくれた。
会長就任時の三つの約束
 平成七年に協会長になったとき三つの約束をした。@防災体制の確立A後継者育成事業として青年委員会の発足B会員とコミュニケーションを密接にするために、また協会職員とも話し合う機会を多く持つために特別の用事がない限り毎日午後一時から三時まで協会事務所にいて話を聞く。これは自分の会社が協会事務所のガス・石油会館にほど近いために比較的容易に実行できたと言う。
 防災体制では協会が千葉県と締結した「災害時における協定書」に基づいて協会各支部は関係市町村との間で応急生活物資等の供給協定を締結して災害時の県民生活の燃料確保に万全を期した。青年委員会は平成七年に会長の諮問機関として発足した。阪神・淡路大震災に際しては平成九年三月に青年委員会が「地震災害対策支部規定に関する答申書」を作成、協会はこれを参考に「防災対策要綱」と「同支部災害対策要綱」を作成した。また、青年委員会は平成十二年度からは「廃棄LPガスメーター回収運動」を始めた。昨年、交通遺児育成資金に寄付をして社会貢献した。青年委は「設備工事請負契約について」の講習会や「電化対策研修会」を開催して志のある挑戦を続けている。後継者育成のために発足した青年委員会は着々とその成果を上げている。
消費者萬相談所
 萬よろず相談所事業は国庫受託事業として木藤將すすむ会長時代からやっている事業で、相談員は協会の藤森和弘総務部長と島田彰夫業務部長が担当している。平成十四年の相談件数は二百十一件あった。相談内容を分類すると、@LPガス価格についての相談=二十七件A販売店の移動に関する相談=八十六件B設備の所有関係=五十四件C保安について=十四件Dその他=三十件だった。この相談内容の分類統計にも販売店の切り替え問題が色濃く反映している。
 これに対して野城さんは、これまでLPガスの供給については消費者との間に何の疑問もなかったが、新しい営業が来たことによって疑問が生じている。この場合、まず販売店に、あるいは協会の支部か萬相談に質問して疑問点を解消する過程で問題解決したらいい。最後に残るのは千二百の販売店だ。協会五十周年に千葉新聞の広告に県下十六支部の所在地と電話番号を掲げたのはその意味である。
組織運営のベテラン
 千葉県協会は野城会長のもとに副会長が五人いる。副会長の構成は十六支部を銚子を中心の東、松戸を中心の西、千葉市を中心の中央の三ブロックに分かち各ブロックから一人、卸協議会からチバネン、さらに会長推薦として京葉ミツウロコからとで五人である。そして五十人の理事で運営している。副会長五人の選び方をみてもバランス感覚がよい。少数意見にもいいものがあるものだ。これに耳をかたむけることにしていると言う。若いころ千葉青年会議所に入り、後に副理事長になり、成田、習志野、八千代の青年会議所設立に従事した。また、千葉南ロータリークラブ会長や国際ロータリー第二七九〇地区幹事長等を歴任した。
 これらの閲歴を見て、なるほど組織運営のベテランだと納得した。
 インタビューを終え、千葉みなと駅から東京に戻る京葉線快速に揺られながら、万葉集卷十四東歌あづまうた三三四九番の短歌「葛飾の真間の浦まを漕ぐ船の船人ふなびと集さ動わぐ浪立つらしも」を口ずさんだ。そしてこの歌に触発されて現代の俳句、篠原梵の「葉桜の中の無数の空さわぐ」を思い出した。

 
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