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(2003/6/9 プロパン・ブタンニュース)

北日本物産社長
西村忠尚氏
LPガス50年を駆ける駆ける

 北日本物産は、昭和三十年にLPガスの販売を開始してから平成十七年には発売五十周年を迎える。そこで今年度からの三カ年の中期販売計画を建ててその必達を期している。この中期販売計画は本社が出先に対して一方的に発したものではない。出先に自分たちの三年後の姿を十分に検討した報告を求め、これをヒアリングして積み上げたものである。
 西村忠尚社長は平成七年、常務時代に中期計画を建てた。それによると五十周年を迎えるときには年間二十万dに到達することになっていた。それがためには今年から年々七・五%伸ばさねばならない。残念ながら後記のような実現可能な目標で取り組むことになった。だからこれは必ず達成しなければならない通過点だと言う。さらに西村社長は、平成六年から地域密着の直売会社リビックを発足させた意味を強調した。
 西村社長は昭和四十二年に入社した。入社して一年半は本社経理部にいたが、その後は地方回りが多かった。昭和四十九年相模原営業所の立ち上げに従事して六年間いた。転勤当初は市場調査の傍ら事務所の建設をした。赴任した時の相模原市の人口は十六万人、それが五十三年には六十万人になった。周辺の町田、座間、相模大野の膨張ぶりも凄まじかった。オープン時に五十`容器十本程度だったが、百d級の販売店が三、四軒と増えていった。五十五年には熊谷営業所の開設、敷地だけで土盛りの最中での転勤だった。ここには三年いた。小松営業所にも三年いたが、転勤したとき買収した店の従業員が辞めてしまったので自分は経理が本職だが、プロパンの配送から始めた。金沢支店、富山支店、福井支店も勤務した。こんな風だからいまだに社長であり営業本部長である。
 竹田肇会長が経営をしっかりと見ていて下さるので自分はまだまだ営業の第一線を歩き回るよと明るい。また、このほど全国LPガス卸売協会の常任理事で中部地方本部長に就任した。かねて昭和五十九年から六十三年にかけて金沢市を中心に全国規模の主だった卸会社が入り乱れて競争に陥ったときに調整役を果たした。卸協の中部地方本部長としても必ずやいい役割を演じるに違いない。
平成17年には15万d達成
 中期販売計画(平成十五年度〜十七年度)は、平成十七年度の目標を次のようにしている。ガス販売量十五万d、油外収益力(F指数)一一〇・六、売り上げ金額百六十億円、経常利益五億円、売上高経常利益率三%の達成である。派手さは無くても、ねばり強く、キタブツならではのカラーで、背伸びをせずにLPガスを主軸に展開せよ。それには地域に密着して末端ユーザーの増客に努め、パーメーター当たりの消費量のボリュームアップをはかるべしという。
 そのために@電化対策のPR強化AG(GHP)、G(ガスエンジンコージェネ)、B(バルクシステム)の推進  が肝要としている。
 つい先ごろ富山支店が同市の国際会議場に設計事務所、サブコン等を呼んでGHP、エンジンコージェネの講習会を行ったが、百余人の参加があって好評だった。昨年は富山支店で電気工事士の資格を七人が取得し、新入社員も工学系が多い。各出先でも同様な挑戦がなされている。ちなみにGHPの販売状況は、毎年二千馬力ほどで、累計二万五千馬力である。十五年度には三千馬力を販売したい。エンジンコージェネは、平湯温泉、氷川の民宿・青柳にヤンマーディーゼルのものを納めた。また、十四年度から始まった潜熱回収型高効率給湯器の導入補助金の利用数で日本一になった埼玉県岡部町の内田金吾商店も特筆してよいだろう。内田金吾商店は熊谷営業所の卸先である。
50周年には直売消費者5万軒
 リビックは平成六年に直売会社である北日本プロパンガス(株)を販売地域毎に七社に分社して商号を(株)リビック富山、(株)リビック金沢、(株)リビック能登、(株)リビック福井、(株)リビック長浜、(株)リビック新潟、(株)リビック相模原、(株)リビック関東とした。これによって地域密着の現地法人になったのである。リビックとはリビング・フォア・ベター・コミュニケーションの頭文字で現在、北陸と新潟で消費者二万軒、関東の一万五千軒と合わせて三万五千軒の顧客がある。これを中期計画最終年の平成十七年には五万軒、ガス販売量三万dにしようというのである。
 西村社長のお話を聞きながらキタブツがプロパンを発売した昭和三十年当時を思い出した。プロパン・ブタンニュースの創刊は昭和三十年二月だった。筆者は生まれたばかりの新聞を抱えて今日は東京、明日は大阪と駆け回ったものだ。そして富山では北日本物産の創業者社長の竹田良二さんがプロパンの講習会で自ら演壇に立ってプロパン、ブタンの物性を説明した。あれから五十年、昨日のことのように思い出される。対談している西村社長の後ろの壁には創業者社長の竹田良二さんの肖像がほほ笑んでいた。

 
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