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(2003/9/29プロパン・ブタンニュース)

しなねん商事社長、エル・ピー産業社長
小山秀昭氏
今は稔りのとき 明日に備えよ

  しなねん商事社長の小山秀昭さんは、高圧ガス容器再検査やLPG貯槽解放検査工場のエル・ピー産業の社長もしている。そして全国高圧ガス容器検査所連合会会長でもある。これだけでも忙しいだろうが、この他に多くの顔を持っている。北海道LPガス協会石狩支部副支部長、北海道体育指導委員連絡協議会副会長、札幌市体育指導委員会会長、NPO法人の札幌パークゴルフ協会会長、保護司、手稲ロータリークラブ会員、自民党札幌市西区連合支部幹事長、発寒南小学校PTA会長、発寒三条町内会副会長と多い。インタビューを申し込んだら、朝八時に来いと言う。約束の時刻に発寒の本社ビルを訪ねると本社社屋と地続きの社長宅から出勤して来るのに出会った。
 しなねん商事は、年間LPG約七百dを消費者三千軒に販売している。灯油の販売も合わせると得意先は六千軒ほどである。一〇〇%家庭用である。業務用はわずかに団子屋と寿司屋が一軒ずつ、工場は一つ、ここにはサンヨーのGHPを五十馬力設置した。業務用、工業用のリスクは問屋さんのケンカに任せたらよい。電気に取られるから値を下げよと言うが、業務用の赤字はどこで補填しているか。家庭用を下げられないのが実情である。それなのに逆のことを言っている。今は一番みのりが多いときである。今こそ蓄えて次の来るべき時に備えるべきである。
シナネンとの出会い
 なんぼ努力しても業界に恵まれない人もいる。その点、自分はこの業界に身をおいて多くの方々から厚遇を得たことをありがたいことだと思っている。昭和四十七年、丸善石油(現コスモ石油)がLPGで北海道に進出した。そのとき丸善石油の特約店・品川燃料(現シナネン(株))の工場を任された。品川燃料の社員になれとも言われたが、品川燃料サービスという会社を作ってその任に当たった。これがそもそもの始まりである。昭和四十九年、しなねん商事に社名を変更した。しなねん商事は現在、資本金千五百万円、年商三億円である。
 小山さんが品川燃料の工場を任されるまでには、この道の修行時代があった。昭和三十七〜四十年に第一熱源札幌支店に勤めてストーブやプロパン、石炭の営業に携った。そして四十〜四十七年には、ほくさん(株)(現エア・ウォーター(株))に勤めた。そして四十五年には静内の営業所長、当時二十八歳でほくさんで最年少の営業所長だった。筆者と同行した札幌支局長の川村信も同じほくさん出身であるが、ほくさんOBには何人かLPG販売の経営者がいるが、小山さんは一番の成功者だろうと言う。
全国容検連会長として
 昭和五十年、エル・ピー産業を始めた。高圧ガス容器再検査工場である。発足時は発寒で間借り工場だったが、平成三年には石狩新港に三億円を投じて工場を新設した。そして小は二`c容器から大はトレーラー式ローリー十二dまで解放検査をしている。
 小山さんは容器再検査を健康診断にたとえて健康な人でもこれを受けているから安心していられるのであって高圧容器が再検査のお陰で不安がなくなったからといって検査期間のさらなる延長を言うのは暴論である。ガス業界が最大の信頼をかち得ている基本の基本を忘れてはなるまい。小山さんはここで全国高圧ガス容器検査所連合会会長の顔になった。容器再検査はプロである専業者に任すべきである。専業者は心構えも技術も設備も違う。全国高圧ガス容器検査所連合会は関連する容器工業会やバルブ工業会とも相はかり技術委員会を立ち上げたところだ。
札幌パークゴルフ協会長
 NPOの札幌パークゴルフ協会長であるのでパークゴルフについて聞いてみた。筆者はパークゴルフについて何もしらなかったが、直径二十二aのカップに使用クラブは一本で十八ホールをプレーする競技で、エチケット、ルールはゴルフとほぼ同じ。バンカーの砂にソウルしてもよいのだそうだ。ロングホールでも百b以内である。小山さんはクラブとボールを持ち出して社長室で実演してみせてくれた。
 この競技はゲートボールと違って仲間に迷惑をかけないのがいい。幕別町が発祥の地であること、札幌市に二十万人の愛好者がいること、昨日の秋分の日には札幌の中小企業共済センター主催の競技会が行われたこと、その会の剰余金が三十万円でたが、これは大学選手権と講習会に使うと言う。
 パークゴルフの話をする小山さんの風貌は少しも気負ったところがなく悠々と構えている。そして、何も会社をやるために生まれてきたのではない。世の中の役に立ちたい。地元の商人だから地元の役に立ちたいと結んだ。


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