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(2004/3/29プロパン・ブタンニュース)

日本LPガス連合会青年委員会委員長
松井光規氏
攻めの提案こそ青年の特権

  日連青年委員会の三代目の委員長・松井光規さんは、広島市安芸区のグリーンガス株式会社の社長である。同社のLPガス事業は、お父さんの伸夫さんが昭和四十年に始めた。光規さんは昭和五十一年に十八歳で家業に就いて今年で二十六年目である。
 お父さんが早く亡くなられたので昭和三十五年生まれの四十四歳にしては、世の辛酸を若くしてなめたようである。ご自分でも「親父が存命だったら、のほほんと生きていただろう」と言う。
広島市安芸区のグリーンガス
 そんな松井光規さんにご自分の会社・グリーンガスの経営と日連青年委員長としての抱負を聞いた。この二つのテーマは、光規社長が話すときLPガス業界の現状認識が渾然と一体となり、分かり易く、説得力があった。
 グリーンガスは、年商二億円、LPガスと灯油販売の二本柱である。ガスの仕入れはエクソンモービルが主力、一部に岩谷産業である。LPガスの需要家八百軒で年間七百d=売上高一億円、器具販売=二千万円。灯油の需要家四千軒で売上高八千万円である。LPガス需要家への電話回線は八〇%に普及、GHPは食品加工、飲食店など業務用が多く、平均八馬力、累積八百馬力を設置、バルクは五百`縦型が主である。五十`容器四本分のスペースで五百`が置ける。料金体系は基本料金千九百八十円で三十立方bまでとそれを超える分の三部制で比較的に高い。
 最近の電化攻勢には最新の器具を取り付けるに如くはない。熱源機付端末を付ければよい。ガスで三万も四万も払える客はそれほど多くはない。その場合は灯油で太刀打ちすればよいと明快に割り切る。灯油は二千gのタンクローリー四台で宅配している。これには投資につぐ投資で苦しかったと言う。これらの仕事をこなす従業員は、男五人、女三人である。
補助金利用で日本一
 コンデンシング(潜熱回収型)給湯器を売ってもこの機器はガス消費が少ないのでつまらぬ。あんなものは売らないと言う声を聞く。全く寂しい話であり、腹立たしい限りである。そこには省エネの考えはいささかもない。コンデンシング給湯器には国の補助金がついているが、LPガス事業者の利用は少ない。
 しかし、グリーンガスはこの補助金を使って既に三十台ほど設置した。恐らくLPガス事業者の補助金利用では日本一ではなかろうか。ガス屋として補助金をもらわぬ手はない。昨年度は補助金制度の申請期間が半年しかなかったが、今年はまる一年あるから積極的に活用したらよい。
お客さま感謝デー
 グリーンガスの機器の仕入れ先に日の丸産業がある。日の丸産業を中心に器具の取引をしている九社が集って二年ほど前から「お客さま感謝デー」を始めた。お客さまを招待して吉本の漫才を一時間ほど見せて弁当を振る舞うのである。客とのつながりが強固になり、商売がし易くなった。商売は値段だけではない。
 お客との付き合い方にしても汚れた服装で汚い車のガス屋でよいわけがない。それからこの業界に欠けているものに仕事のスピードがある。お客への対応が遅い。新しいものを一気に立ち上げる鈍さ。修理を翌日に延ばすなどは言語道断である。
青年委員会は何をなすべきか
 青年委員会は今、何をなすべきか。広島では自立と資質の向上を掲げた。自立とは自分の足で立つことある。資質の向上は先進技術を見たり聞いたりして県協会に問題提起ができるような青年部になることである。そもそもマイコンメーターの普及時にこれを推進するために青年部は作られた。安全機器が普及した今日、青年部は何のために集るのか。そして何をするかが問われるが、それは各県協の青年部が決めることだ。人に言われてすることではない。自分の商売なのだから現状に甘んじているのではなく時代に合ったものを提案して消費を増やしていかなければならない。
 松井光規委員長は、それをやり遂げるのは青年の特権だとして自社の給湯器販売の実情を話した。わが社では十六号、二十号の時代は過ぎて二十四号の二台目の買い替えキャンペーンを実施中だと言う。そして攻めの商売は強い。守っては駄目だと強調する。
 松井さんが語るグリーンガスの実際活動は取りも直さず日連青年委員長の抱負でもある。各県の青年部は、県協に問題提起をする中核的存在でなければならないと結んだ。


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