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(2005/2/7プロパン・ブタンニュース)

ガスター社長
西脇英夫氏
ガスター上昇気流に乗る

 ガスターは今年1月19日、東京ガスのリビング商品品質会議で最優秀議長賞に輝いた。リビング商品の品質向上のために平成7年から始まったこの賞は、@温水部門(BF風呂釜、小型湯沸器、全自動給湯器等)ATES熱源機部門B厨房部門(レンジ、炊飯器、食洗機等)C暖冷房乾燥部門(乾燥機、ファンヒター、FFエアコン等)の4部門がある。部門ごとに修理率の達成目標値が示され、目標に対してメーカーごとに達成状況で競われる。品質会議議長は、東京ガス常務ホームサービス本部長の国富隆さんである。部門別に1番のメーカーに部門別議長賞がおくられ、4部門を通じて最高の達成率をあげたメーカー1社に贈られるのが「リビング商品品質会議・最優秀議長賞」である。
 TES熱源機部門の目標修理率は、0・77、これに対してガスターの実績は0・57と4部門を通じて最優秀の成績だった。これによって品質向上への取り組みが顕著なメーカーとして最優秀議長賞が授与されたのである。この賞でお客さまにガスター商品の優秀性を知らせることができた。また、内には社員がメーカーの大命題である高品質、コストダウン、低価格に明るく、楽しく、元気よく取り組む意欲が高まったと西脇英夫社長は誇らかに話す。
「エコ」と「ミスト」
 西脇社長は年頭の辞で、今日の時代の、そしてガスターのキーワードは「エコ」と「ミスト」だと述べた。「エコ」は「環境」である。クリーン、省エネのエコジョーズ機器は、行政の政策推進、消費者の意識高揚で普及が格段に進むことは間違いない。
 また、「ミスト」は、健康・快適で、高齢化・余暇時代にぴったりだ。ガスターは、今年も給湯・風呂給湯・TESのエコジョーズシリーズの徹底販売、ミスト商品の早期立ち上げを他に先駆けてやらねばならない。性能がよく安い「エコ」と「ミスト」の開発、製作そして販売が喫緊の急務だと強調した。
「ジェネキュー」で他を一頭地抜く
 平成15年5月、ガスターは東京ガスと共同開発でマイクロコージェネ(MC)用給湯システム「ジェネキュー」を発売した。このシステムは、コージェネの運転開始から3分後に熱交換が始まり、標準的な運転条件なら10分後にはタンク上部に60度Cの温水が50〜80g貯まって給湯が可能になる。従来型システムは、利用温度に達するまでに1時間ほどかかった。平成15年発売時は、5`hと6`hのコージェネ用だったが、現在は8`h、9・9`h用も発売されている。また、東京ガスがモニター販売を始めた燃料電池用の給湯システムにも対応している。
 ガスターにこのようなことを可能にさせたのは、GHPに深くかかわったお陰だと西脇社長は言う。
 GHPには排熱回収などその延長線上に将来の給湯の新しい分野、貯湯技術が内包されていたのである。貯湯用連結タンクの増設も可能でホテル、スーパー銭湯など大容量のユーザーに用途を拡大できる。
GHPは関東圏に集中、リニューアル市場を狙う
 ガスターGHPは、北海道、東北、静岡、四国、九州等広域拠点を撤退して関東圏に集中してエリア効率を高めるという空調部門再構築の方針を昨年4月から実施した。「選択と集中」の実行例である。空調市場の厳しさに対してより効率的な販売・メンテ体制を強く求めたものである。ガスターにはTGメンテ要員(ガスター社員)が100人もいる。いずれは、これらの人々が千葉、神奈川、埼玉など関東エリアと連携してGHPのメンテ、リニューアルに対応する。
 東京ガスではガスターをこれまで関連会社として統括したが、さらに政策連動を高めるため東京ガスのエネルギー本部やホームサービス本部の一員として位置付け、これを戦略ビジネス・ユニット(S・B・U・)と呼んで積極的展開を始めている。GHPのリニューアルに当たってS・B・U・は空調機本体価額の倍もコストがかかる冷媒管など既設配管が利用できるGHPならではの特徴をフルに生かしてリニューアル市場を席巻するように努めねばなるまい。こんな芸当はEHPには到底できないことである。
西脇英夫社長のキャリア
 西脇社長は平成14年6月ガスター社長に就任した。経歴を紹介しておこう。昭和40年3月一橋大学経済学部卒業、同年4月東京ガス入社。平成6年6月人事部長、10年6月取締役営業総括部長、12年6月常務、13年1月同営業総括部長、13年6月同広域圏営業本部長、そして14年ガスターに。東京都出身の63歳の紳士である。

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