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(2005/4/4プロパン・ブタンニュース)

TOKAI 社長 
藤原 明 氏
本物志向、足で稼いだ1戸374キログラム

  藤原明TOKAI社長は昭和53年の就任以来在任27年。ガスと情報通信事業を両輪にした拡大路線でTOKAI独自のビジネスモデルを積極展開してきた。
 「18年度にガス需要家数は70万件(LPガス直売需要家65万件・都市ガス需要家5万件)、ADSL・CATVなど情報通信顧客数92万件の合わせてグループ顧客数162万件達成の中期計画を進めている。今年はホームセキュリティーの普及とCATV関連商品の拡販、ADSL顧客の増加などに重点を置く」と強調する。
大幅躍進の情報通信事業む
 経営路線の太い柱であるガス・情報通信事業ともにリテールユーザーを大きく獲得してきた。これはグループ社員の足で稼いだ努力の成果であり大切に守り育てるとともに、さらにより高い目標に向かってまい進する。いずれもイミテーションではなく、ヒト・モノ・資金を投じてインフラを整備拡充した「ほんまもの」で進めてきた。この本物志向は今後もいささかも変わらない。
 グループの東海ガスの家庭用1件当たり単位消費量(1万1,000`カロリーベース/年間)は408立方b(LPガス換算374`c)と全国トップの東京ガスと肩を並べる。給湯器普及率87%、暖房機普及率27%など、二十数年間にわたって積み上げてきた結果が単位消費量を押し上げたのである。
 CATVやADSLなどの普及・顧客獲得を含めた情報通信事業のインフラも平成12年から国土交通省の情報ボックスを利用した光ファイバー幹線を敷設する計画を進めてきた。この3月には名古屋−大阪間が完成し、運用開始の運びとなった。すでに運用開始の東京−名古屋間の幹線網を加えて総延長1,366`bの大規模光ファイバーネットの構築が完成した。引き続き関東圏の整備も進み、総距離は1,692`bに達する。ADSL開局も静岡・関東エリアともに大幅に増加している。この幹線網をバックボーンに本格的な通信事業者として、高度情報化社会の使命感達成に燃えている。携帯電話事業に参入する計画も進行中である。
 18年度にはグループ連結ベースの利益面で情報通信事業部門がガス事業部門を上回る計画で、ADSL・企業間通信・CATVの情報通信3事業の営業利益は54億円予定と大幅躍進し全体の収益向上を生み出す。
ホームセキュリティーはLPガス事業者に最適
 平成17年度の重点政策の柱には、グループがこれまで培ってきたガス、集中監視システム、ADSL、CATVなどの延長線上で捉えたホームセキュリティー事業の積極推進を掲げ、今後五年間で30万件普及を目指す。
 ホームセキュリティーは需要家・地域密着型の強みを発揮するLPガス販売事業の特性や幅を広げる恰好の事業で総合的な収益向上を生み出す。グループあげてガスと情報通信事業の一層のスケールアップで新たなLPガスビジネスモデルを加速する。
 TOKAIグループのホームセキュリティー事業は昭和59年にスタートし、ノウハウを積み上げ、現在約2万件余のユーザーを持つ。昨秋10月には、サービス内容一新のリニューアルで商品の幅を広げ、普及促進のネックともなっていた月額料金も引き下げて利用しやすい低価格普及型としたほか、今年1月には常時接続と通話料無料を生かしたIP回線タイプのサービスも開始するなどユーザー選択の自由度を一段と拡大したのが特色。
 04年度に集中監視システムの普及率が70%に達し、経済産業省の認定販売事業者に認定されている。
 この集中監視が設置済みの需要家は、セキュリティーサービスを簡単に受けることができる。グループ販売店の取り組み体制も拡充しつつある。
顧客基盤の鉱脈を積極活用
 販売事業者はLPガス法(ガス災害措置)で原則30分以内の出動規定がある。警備業法では防犯25分以内の緊急出動責務で、販売事業者は警備業法に近い任務を負うだけに、ホームセキュリティー事業展開の至近距離にあり、業界あげての対応を提言する。
 安心・安全へのニーズは一段と高まっている。ホームセキリュティーサービス普及のカギを握るのは利用しやすい低廉な料金設定と顧客との対面による提案営業力である。これを実現できるのは、LPガス事業者である。
 従来から推進している集中監視システム仕上げの一環サービスとして、顧客との至近距離感やパイプを持つ優位性、大きな顧客基盤の鉱脈を活用できるビジネスとなる。
 ガラストップこんろが今人気のマトだが、ガラストップ購入顧客層などは即セキリュティー普及の有望なユーザーとなる。つまり、顔が見えるユーザーを対象とする普及・獲得作戦だけに、強みを持つ。
 ホームセキュリティー事業の本格展開は昭和57年前後の給湯器普及開始時と相似している。業界も爛熟期にある。LPガス業界は自信と高い目標を掲げて、構造改善を含めていまこそホームセキュリティーの展開に力を入れて事業の幅や厚みを増し、新たなステップを踏み出すときにある。競合エネルギーに打ち勝つには、これからが本当の正念場だ。

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