2005(H17)年12月5日(月曜)
   第2654号
総 合 面
首 都 圏 版
  • サンリン、分散型発電普及を視野に電設業界と技術交流
  • 横浜でガス爆発、一人死亡
  • <TX沿線ルポ>
    伊奈エルピージー企画=リフォーム、店舗改装急成長
プロパン・ブタンニュースがお届けする連載読み物 
<業界50年・再生>
地 方 版
住 設 供 給 機 器 / 新 技 術
  • 高木産業が大型中華料理店にガス式生ごみ処理機を納入
  • リンナイ、米・蘭2社と「スターリングエンジン・コージェネ」を共同開発へ
  • 松下電器、業界初のガラスタッチ式ビルトインこんろを来年2月に発売
G H P と コ ・ ジ ェ ネ 版 GHP出荷実績
17年第2四半期
第11回GHP販売事例論文コンテスト結果発表
先 週 の 日 刊 プ ロ パ ン ・ ブ タ ン 情 報>
以下の見出しは日刊プロパン・ブタン情報からのものです
日刊プロパン・ブタン情報についてはこちらから
  • 11月28日(月)
    * 東京都協会・三宅島災害調査<上>=供給設備は約8割が改善・更新が必要
    * 埼玉県協、初の「ガスで彩る料理コンテスト」開く
  • 11月29日(火)
    * 10月CIF速報、CP急騰・円安で56,066円 前月度比7,285円の大幅続騰
    * 東京都協会・三宅島災害調査<下>=LPGは災害に強い、正しい使い方周知へ
  • 11月30日(水)
    * 義務化進む台所や既設住宅での火災報知機設置
    * サウジアラムコ、原油高は経済成長削ぐ、増産と精製能力増強へ
  • 12月1日(木)
    * スタートした期待の「LPガスエコ住宅ローン」
    * 東邦アセチレン、需要拡大努力でLPガス販売額9.2%増
  • 12月2日(金)
    * 12月サウジCP、プロパン524ドル、ブタン544ドルと高値維持
    * 10月末価格動向、卸売価格s106.9円に値上がり
  ご希望の方に見本紙をお送り致します。
    プロパン・ブタンニュースは創業以来LPG業界とともに歩んでまいりました。
    2004年春に石油化学新聞社創業50周年を迎えました。
    創業時の基本理念に立ち戻るとともに新しい挑戦を続けて行きます。
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2005(H17)年
12月5日(月曜)
第2654号

PBN2005-12-05-01

大規模地震想定
災害対応マニュアル正式策定
日団協 強いLPガスへまた一歩

 被災しづらく復旧が早い、災害に強い分散型エネルギーLPガス。業界全体でこの特性をさらに強化しようという取り組みが、ここにきて相次ぎ具現化した。日本LPガス団体協議会は11月30日の理事会で、業界全体の災害対応マニュアルを了承、同マニュアルが正式に策定された。また日本LPガス協会は年内にも、1次基地や2次基地といった上流部門の災害対応力を強化するため、被災時における基地間の相互支援体制を整える。同マニュアルで日団協構成団体が持ち帰り細部を詰める点を残すものの、業界の災害対策がまた一歩前進した。


PBN2005-12-05-02

サウジアラムコ 対アジア・米国戦略を強化
経済成長削ぐ原油高増産・精製に力

 サウジアラビア国営石油会社・サウジアラムコは世界的な原油高と需要増大に対応するため、自国の原油増産と石油精製能力の増強に加え、石油精製能力の増強という形での対アジア・米国戦略を軸にした下流事業を一層強化する方針である。日本エネルギー経済研究所主催の「アジアエネルギー・フォーラム2005」で、サウジアラムコのアディル・A・アルトバイエブ合弁事業担当執行役員が約20分にわたり下流戦略に関する演説を行ったもの。
 アルトバイエブ氏は冒頭、世界的な原油高が「経済成長を削ぐことになる」と述べ、産消双方に悪影響を与える事態との立場を明確にした上で、逆に原油高がサウジアラムコとにとっては「下流事業拡大のチャンスでもある」とし、特にアジアと米国での石油精製能力の増強の必要性と、サウジによる対アジア、対米国向け投資を拡大する用意のあることを明らかにした。



PBN2005-12-05-03

横浜でガス爆発 1人死亡

 11月25日午後0時20分ごろ、横浜市金沢区柴町の木造2階建てアパートで爆発事故が発生、住民の男性(52)1人が全身火傷で死亡したほか、アパートが爆発により全壊、周辺住民2人が軽傷を負った。
 室内に鋭利な刃物で切断されたと見られる高圧ガスホースが附属した容器が置かれていたことなど不審な点があることから、地元警察などが、事件、事故両面から調査を進めている。
 事故発生当時、地元消防が駆けつけたところ、室内にガス漏洩したと思われる容器が置かれていた。気化潜熱により周辺は霜が降りている状態だったという。アパートへのガス供給は、20kg容器2本で行われていた。現場検証した際、2本のうち1本が、高圧ガスホースから切断されていることが確認された。



PBN2005-12-05-04

防災情報チラシを毎月配布
荘内日石 綴じればマニュアルに

 荘内日石(本社・酒田市、酒井素行社長)は独自に作成した防災に関する情報チラシを毎月、全消費者に配布している。
 4月から個人情報を保護するため、ガス使用量の請求書をはがきから封筒に切り替えたが、封筒にはチラシなどを同封できるため、これを生かして情報発信することにした。消費者が関心を持つ情報は何かと考え、防災に関する情報を提供している。
 地震、台風、火災などを題材に独自に取材するなどしてチラシを作成している。5月から配布を開始した。
 全消費先にはあらかじめ「自主防災マニュアル」と名前を入れたチラシを綴じるバインダーを配布している。
 チラシは2年間、配布する計画で、すべてのチラシをこのバインダーで綴じれば1冊の「自主防災マニュアル」になるという趣向だ。


PBN2005-12-05-05

ガスファンヒーター 灯油高で売れ行き好調
東海地区各社「戦略商品」に

 灯油高の中で東海地区のLPガス事業者がガスファンヒーター(FH)を戦略商品に据え、暖房機器需要を開拓している。主に、石油FH、石油ストーブからの燃転に成果を収めている形だ。こうした流れについて、リンナイの北川智彦執行役員は「一部の商品に品切れが出ている。商談は冬前に商談を済ませているが、今は追加注文をこなすのに、生産現場では3交代制のフル生産状態が続いている」という。

PBN2005-12-05-06

あきんどネット 一番に電話もらえる店に
大東燃料店(大津市、服部昌隆店主)

 瀬田川の峡谷沿いに開けた大津市大石東の集落に大東燃料店(服部昌隆店主)はある。創業は昭和34年、衣料店からスタートし、後にLPガスを扱うようになった。LPガス顧客は市内を中心に150件。衣料品や食品、雑貨を扱う店舗を持ち、呉服用の金糸や銀糸の撚糸工場も営んでいる。売り上げはガス、物販、撚糸が3分の1ずつといったところだ。
 2代目店主の服部氏は卒業後、大手コンピューター会社でシステムエンジニアとして7年間働いた。クライアントの都合に合わせ、夜中まで働くのが当たり前という大変な仕事だった。10年前、創業者の父を継ぐため店に戻った。従来から年末に配送の手伝いをしてきたので、仕事に違和感はなかったという。今も配送は自分で行っている。
 しかし、当時はまさかここまでオール電化の攻勢が強まるとは思っていなかった。同店でも4、5件の顧客が電化された。「機器リースで初期費用ゼロ」という電力会社のプランが脅威になっている。
 だが、一方でオール電化にしたものの、IHだけでは物足らずガスこんろを併用する事例もある。ある顧客は都市ガスからオール電化に変わったが、同店から質量販売でLPガスを購入し2口こんろを使っている。夏場に底が丸い大型のやかんで大量の茶を沸かしたかったためである。機械が人に合わせるのではなく、人が機械に合わせねばならないオール電化の短所がよく表れた事例である。
 「父の時代は本当に前近代的でした」という服部氏。得意のコンピューターの知識を生かして、顧客管理プログラムを作り合理化を図った。20kgから50kgへ、容器の大型化も進めて配送を効率化した。料金を透明化して顧客に分かりやすくするために、3年前から原料費調整も行っている。
 目標は「お客さんから一番に電話してもらえる店になること。そのためにはお客さんに信頼されんといかん」。同店は前記の物販のほか、リフォームやエアコンの取り付け、家電販売も行う。その延長で「お客さんのすべてを扱えるようになれれば」と考えている。そのためにも個々の顧客をもっとフォローアップしなければいけない。
 「これからは高齢者が進む一方で、若い人は量販店で物を買うようになる。インターネットを使えば全国の店舗から一番安い店を探して買うこともできる。その中で自分の店の便利さや存在価値をどうやって出していくかが大事になる」。今後はポイント制の導入など、さまざまな形で店の付加価値を高める考えである。



PBN2005-12-05-07

なにわ短信 クレームは宝の山

 ▽…福井商工会議所がクレームや苦情をお金に変える仕組みを作ったそうだ。消費者の苦情の中に新商品や新サービスのアイデアがあると考える企業が支えている。建設的な苦情を集めるため、苦情を閲覧した人が共感できるものに投票、多くの票を得た人は報酬を受け取る。一方、企業は消費者ニーズを探る対価として、有料で情報を閲覧する。こうした取り組みの中から水をはじく雨傘などのヒット商品が生まれたという。
 当初、金を出して苦情を知る行為に地元中小企業は慎重だった。そのため東京や大阪の大企業が先に閲覧し、おいしいところを持っていってしまったそうだ。
 LPガスはどうだろう。わが業界には幸い消費者(お客様)相談所という機能がある。集まった苦情はうっとうしい雑音ではなく、商売の種が潜んだ宝の山だ。LPガス顧客の苦情を他業界に利用される前に、自分たちの業界の発展に生かしたい。



PBN2005-12-05-08

今週のことば 3Sを実践する

 日ノ丸産業 藤縄匡伸社長
 社長に就任してほぼ2カ月。「全社員一丸となって3S(スピード、スマイル、サービス)運動を実践すること」とハッパをかけている。同社は石油、LPガスの総合燃料商社で山陰地区の“雄”だが、電力、都市ガスのエネルギー産業の自由化から「今後、行き着くとこまでの時間をどう過ごすかにかかっている」と気を引き締めている。
 「客は利便性、安全性、価格をエネルギーの大きな選択肢としており、このことからすればLPガスはどれをとっても優位にたてる。消費者は電気が安全でLPガスは危険という認識があるが、今はLPガスは危険なものではない。安全装置もつき安全機器である。要は電力会社と違ってLPガス業界はPR不足である。これは業界全体の問題としてとらえねばならない。価格面でもカロリー計算をすればLPガスは安い」と良さを強調するとともに、業界全体の問題としてPR不足を指摘している。
 藤縄社長は旧三菱石油、日石三菱取締役東京支店長などを経て、同社の顧問、常務から今年9月、社長に就任した。「LPガスは素人」というが「CS(顧客満足)にはサービスが根底にある。LPガスはこれプラス保安点検だ」とリテールの経験(販社社長)もあるだけに流通業の壷は心得ている。「当社は機構改革をしてベースはできた。今後は3S運動をいかに加速して行くかだ」と締めくくった。