2006(H18)年4月24日(月曜)
   第2673号
総 合 面
首 都 圏 版
プロパン・ブタンニュースがお届けする連載読み物 
<業界50年・出発>新バルク時代幕開け

*改正法施行で販売競争が激化
*イメージダウンに危機感
*1トン未満、地下にも埋設できる新バルク供給
*安全確保のための重い鎧
*通産省モデル事業6社と主要グループが普及開始
地 方 版
住 設 供 給 機 器 / 新 技 術
G H P と コ ・ ジ ェ ネ 版 GHP出荷実績
17年第4四半期
第11回GHP販売事例論文コンテスト結果発表
先 週 の 日 刊 プ ロ パ ン ・ ブ タ ン 情 報>
以下の見出しは日刊プロパン・ブタン情報からのものです
日刊プロパン・ブタン情報についてはこちらから
  • 4月17日(月)
    * アストモス、部長・支店長会議で前月CP卸価格体系一本化と採算販売徹底を指示
    * エネ庁長官の私的研究会が危機管理で分散型エネの必要性を指摘
  • 4月18日(火)
    * コスモ石油ガス2006販売戦略、基本は顧客創造など「3つの創造と6つの実践」
    * 三井液化ガス、自社基地周辺の販売強化など「集中戦略」を展開
  • 4月19日(水)
    * 先進型LPG車システムが普及、前期440台に
    * 新環境基本計画が閣議決定、経済と環境の両立めざす
  • 4月20日(木)
    * 総合資源エネ調石油政策小委、LPG安定供給議題に
    * 10年間の電気供給、年平均伸び率1.2%
  • 4月21日(金)
    * 17年度需給実勢、1,800万トン台回復のプラス成長 Pは3.5%増、Bは1.5%減
    * カナジュウ、「不動産管理・運営サポート業」開始
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2006(H18)年
4月24日(月曜)
第2673号

PBN2006-04-24-01

LPガス政策
「集約化と規模拡大」に主眼
経済省 エネ調小委で見解

 経済産業省は18日、総合資源エネルギー調査会石油政策小委員会(橘川武郎委員長=東京大学社会科学研究所教授)の第5回会合を開催、LPガス安定供給の課題と対応策を議題にのせた。経済省は提出した資料の中で「日本への(LPガス)供給量は中期的に安定」するとし、輸入調達レベルでのセキュリティー不安は少ないとの見解を示した。このため、LPガス版のエネルギーセキュリティー強化は「事業主体の体質強化」であるとし、従来どおり、国内において集約化と規模の拡大を主眼とする業界の構造改善を求めている。


PBN2006-04-24-02

CO2削減に高い即効性
「改造LPG車認めて」
岡山・三井液化ガス社長 小委で発言

 運輸部門のCO2削減は即効性のあるLPG車で――。18日に開催された総合資源エネルギー調査会石油政策小委員会の第5回会合で、委員の岡山進・三井液化ガス社長が、ディーゼル代替LPG車普及の必要性を訴えた。
 03年の日本のCO2排出量は12億5,900万d。このうち運輸部門は18%、2億2,700万dを排出している。
 経済省は同会合に提出した資料で「(ガソリンの品質を表す)オクタン価が高ければ燃費が改善する(CO2排出量が減る)可能性がある」とし、ガソリン燃料の改善がCO2削減に好影響を及ぼすことを示唆した。
 岡山委員の発言は、資料説明直後のもの。オクタン価向上といった費用対効果がはっきりしないものの検討よりは、現実的な低公害車といわれるLPG車普及に力を入れた方がCO2削減効果があると明確に反論した。
 岡山委員は「ディーゼル代替LPG車を低公害車と認定してほしい」と具体的に要求した。ディーゼル代替LPG車は排出ガスのクリーン性や省エネ性から、国が普及促進のために補助金を交付している。しかし改造車ということがネックになり、税金などで優遇措置が受けられる低公害車には認定されていない。
 岡山発言は、改造車でもその性能を認め、天然ガス車と同様に低公害車とすべきとの意見。岡山委員は「オートガススタンドは全国に整備されており、即座に対応可能だ」とも語った。



PBN2006-04-24-03

サウジアラビアの風A
砂漠に沈む夕日に礼拝
車とサッカー 熱狂する若者

 休日になるとサウジアラビア人は家族や職場の仲間と砂漠に1泊で出掛けることが多い。砂漠というと灼熱のイメージがあるが、夜になれば気温も下がり過ごしやすくなる。家族連れは砂漠でキャンプをし、若者たちは4輪駆動車で砂漠を駆け回る。
 日本でいえば避暑地や海水浴に出掛けるのと同じ感覚なのだろう。道中、キャンプ用品や食料品を取り扱う店が並び、そこでわれわれも飲料水を購入して砂漠に向かった。また、家族連れが多く訪れるからだろうか、遊園地や宿泊できるテントの群れもあった。
 砂漠に到着すると、4輪バギーのレンタル屋がわれわれに声をかけてきた。見渡すと4輪バギーで疾走する若者が多い。そこでわれわれもバギーを借り、砂漠のツーリングを楽しんだ。ツーリングといっても時間にして10分程度、距離にして数`を走っただけだが、障害物が何もないところで砂煙をあげて走るのは爽快である。
 その後、同行したサウジ人の「砂丘に登ろう」との呼びかけで、なだらかな勾配の砂丘を頂上まで歩いた。なだらかとはいえ、足場の悪い砂地を登るのはかなり体力がいる。頂上についたのはちょうど夕暮れ時、砂漠の彼方に沈んでいく太陽は幻想的だ。ちょうど日没の礼拝の時間と重なり、同行したサウジ人2人は夕日に向かって礼拝を行った。「砂漠で丘の上からお祈りをするといいことがあるんだ」と彼らは話した。
 幻想的な雰囲気とは正反対に、若者たちは4輪駆動車で砂漠を我が物顔で走り回っている。トヨタのランドクルーザーや三菱のパジェロなど、日本でも馴染みの高級車ばかりだ。彼らはわれわれに接近して、驚く様子を楽しんでいるようだ。車からは大音量の音楽が流れ、タイヤの空気は抜いて走っている。こうしないとタイヤが砂にはまってしまうからだ。そして砂丘の下から一気に頂上まで駆け上がり、運転のテクニックを競い合っている。
 サウジで最も盛んなスポーツといえばサッカー。この日はサウジ国内リーグの「アル・ヒラル対アル・イッテハード」の一戦がリヤドのキング・ファハド国際スタジアムで行われた。ともに熱狂的なファンを持つ人気チームで、最も盛り上がる対戦カードだという。この試合を来賓席から観戦することができた。
 選手が入場してくるゲートから競技場に入り、トラックを半周して反対側のスタンドにある来賓席に移動したが、満員のメーンスタンドからはめったに見ない日本人が珍しいのか、われわれが入場するとほぼ満席のメーンスタンドは大歓声に包まれた。
 試合は伝統の一戦らしく白熱し、一進一退の攻防で中東特有の身体能力を生かしたパワーとスピードあふれる展開となった。
 隣で観戦したサウジ人はアル・ヒラルの大フアン。試合展開に一喜一憂しながら「相手のチームはアフリカからの補強選手ばかりだが、わがチームは数人のブラジル人選手を除いて全員サウジ人だ」と自慢げに話した。自国の選手を軸に国内リーグのトップでしのぎを削るチームを誇りに感じているらしい。
 豊富なオイルマネーを背景に海外の有力な選手を獲得する手法は、国の政策とも似ている部分があり、スポーツの分野でもサウダイゼーション(サウジ人化政策)がいずれ訪れる予感がした。(博)



PBN2006-04-24-04

カナジュウ
不動産“よろず相談”開始
企業ブランド向上接点力強化へ

 カナジュウ・コーポレーション(本社・横浜市、牧野修三社長)は“不動産管理・運営サポート業”ともいえる「プロパティー・マネジメントサービス」を開始した。カナジュウがこれまで培ってきたノウハウや人的資産(専門家ネットワーク)を活用しながら、不動産オーナーの様々な悩み・相談・問題を解決していこうというもの。狙いはカナジュウというブランド価値の向上。“よろず相談”を通して、競合他社を引き離す圧倒的な顧客密着につなげていく。すでに2月1日に「ソリューション事業部」を立ち上げ、第三の消費者であるオーナーとの接点強化につなげている。


PBN2006-04-24-05

1000万円の不明朗会計
栃木県協、調査委を設置

 栃木県LPガス協会の会長が交代した背景には、1,000万円の不明朗な会計処理がある。第2回理事会で、17年度決算報告の際、監事から「一部確認できない点がある」との報告があり、13日の第1回理事会で報告されていた1,000万円の不明朗な会計処理が改めて問題となった。
 不明朗な会計処理は、理事会での提起・承認を経ず、17年5月31日に栃木県協会本部口座から松島前会長が支部長を務める足利支部の口座に1,000万円が振り込まれた。その後、18年4月11日に栃木県協会本部口座に1,035万円が返却されたことは確認されている。13日の第1回理事会で、松島前会長は「県協会の資金を適切に運用した」と述べたが、最終的には松島前会長は「健康上の理由」と説明し自ら会長職を辞任した。
 19日の第2回理事会に出席した副会長や理事数人からは「会員に説明できるのか。きちんとすべきことはすべき」「返却すればいいものではない。委員会をつくって確認が必要だ」「正しくやる必要がある。調査すればいい」などの声が上がり、この日、会計調査を目的とした特別委員会を設置した。同委員会はブロック代表6人と監事3人で構成する。類似のケースも報告されており、通帳や帳簿などを5年程度さかのぼって調査し会計内容を確認する。
 問題となった1,000万円は運用した名義や運用実態など不明な点が多く、どのように認識するかは特別委員会の調査報告を受け、28日に開かれる理事会で方針を定める。通常総会は5月23日に開催する予定。



PBN2006-04-24-06

「果樹園型経営」の勧め
リフォーム事業経営 吉川氏が講演

 ハウレッシュのキックオフイベントで四日市市のリフォーム事業者、アソシエード第一の吉川秋芳社長が講演を行った。吉川氏はリフォーム事業成功のカギとなる「果樹園型経営」の考え方を披露した。講演の要旨は次の通り。
苗木の手入れを
 経営には狩猟型と農耕型と果樹園型がある。
 狩猟型は、市場や時代の動向の変化に着目した商売の仕方で、狙い打ちの商売。当たると大きいが不安定でもある。こういう経営は今なら中国やインドのようなところで成り立つだろう。
 農耕型は、種まきと手入れで豊かな実りを得ようとするもので、ただし毎年種まきが必要な経営だ。
 果樹園型は、苗木を丹念に手入れすれば毎年継続して果実の実りが得られるような経営。手入れの仕方で実りには大きな差が出る。1顧客との付き合いが長くなればなるほど成果はより大きくなり、結果としてコストが下がる。だから、顧客が一生のなかで、自社の商品やサービスをどれだけ購入してくれるかという視点で考えれば、少額の取引のお客さまもおろそかにできなくなる。



PBN2006-04-24-07

延滞金
CVSで回収率アップ
共栄液化瓦斯 担当者の負担も軽減

 共栄液化瓦斯(本社・中津川市、小栗丈夫社長)は、昨年11月からコンビニエンスストア(CVS)での料金決済を導入して以来、残高不足などにより発生していた延滞金の回収に成果を収めている。延滞者に対し、月平均約30件にCVSによる決済用紙を発送、そのうち約半分の回収を実現できているという。
 発送先は主に銀行や郵便局での料金自動引き落としの契約者が対象。引き落とし者のうち、残高不足が発生した場合、自動的にCVS引き落とし用紙を郵送し、顧客のタイミングに合わせて支払ってもらえるようにシステム化した。
 小栗仁志常務は「顧客によってはたまたま金融機関への入金が遅れたり、共稼ぎで昼の時間は自由がきかなかったりしている。そんな顧客には、24時間営業しているCVSでの支払いが重宝がられている」と語る。
 社内でも「集金作業などでこれまで料金回収に費やしていた担当者の負担が軽減されているので助かっている」と、成果を語る。



PBN2006-04-24-08

「ガスは良い」―実演で分かりやすく紹介

 パロマ関西支社は11日に、リンナイ関西支社は14、15の2日間、大阪市中央区の「マイドームおおさか」でそれぞれ展示会を開催し、今年発売予定の新製品や快適なガスライフを提案する最新の機器を一堂に展示紹介した。パロマはガスの良さを伝える新製品を紹介するだけではなく、具体的な販売方法の提案や全国の成功例を実演・講習を交えて紹介した。リンナイは給湯システム、厨房システムなどの最新機器の機能を実演を交えて分かりやすく楽しく紹介した。


PBN2006-04-24-09

電化攻勢
都市部より地方で激しさ
広島県協全域調査 工務店対策とPR強化

 「広島県下での電化攻勢はIHヒーターを切り口に都市部より地方部の方が激しい」。こんな結果が広島県LPガス協会(米田正幸会長)が実施した「オール電化住宅など電化にかかわるアンケート調査」で明らかになった。同協会がほぼ一年がかりで27支部会員559事業所(回答数408事業所=回答率73%)を対象に行ったガス機器からIHヒーターなど電気器具への転換実態調査で判明したもの。同協会ではこの調査をもとに「今後、工務店などサブユーザー対策と一般顧客に対してのガス機器の情報提供、PR活動をさらに強化したい」としている。


PBN2006-04-24-10

17年度補助金
LPG車転換実績931台に
前期比198台増も業界内微減

 日本LPガス協会がまとめた平成17年度のLPG車転換補助金交付実績は、前期比198台増の931台だった。16年度末から交付対象に加えられた教習車が365台と急伸して全体の4割を占める一方、本家本元のLPガス事業者が217台で前期比12台減、運輸業者が130台で同111台減などと前期実績を下回った。18年度のLPG車転換補助金交付事業は前期並みの総枠2億5,000万円の予算で、5月8日から申請の受け付けを開始する。LPガス業界内と運輸業、自治体などへ需要を増大させ、全方位でLPG車転換を進めたい。


PBN2006-04-24-11

VPI車、じわり普及
教習車 パワーと低燃費評価

 ガソリン車と比較しても遜色ないパワーと燃費性能を持つと言われる、気体噴射システム(VPI)搭載の先進型LPG車が徐々に普及してきた。昨年度のVPI販売実績は533台分で、その大半を教習車が占めている。LPガス業界では先進型LPG車の率先導入が叫ばれているが、業界内より業界外での普及ピッチが速い。
 VPIは、日産系大手部品メーカー、ニッキの子会社のニッキソルテックが製造し、同じくニッキ子会社の日気サービスが全国の改造事業者やディーラーに販売している。これ以外に、マツダ「アクセラ」教習車用に、ニッキソルテックがマツダ系事業者に直接納品する販路がある。