2007(H19)年1月1日(月曜)
   第2708号
総 合 面
新 年 特 集 号
<社説>LPG大賞の創設を
 LPガス業界は明るい未来を創るため、需要開発とCO2削減の両立に力を結集する2007年としなければならない。業界では、昨年までに元売業界で不要不急の資産を処分する大胆な改革、いわゆる「平成の大再編」が実行された。幾つかの段階を経なければ、それが完了したと判断できないが、大きな山は越したようだ。
 昨年の業界はコンプライアンス(法令順守)、湯沸器緊急総点検、オール電化攻勢、サウジCPの異常高に翻弄された。日団協、コラボが高効率機器の2010年度普及目標を決め、普及運動元年であったが、その過程で起こった諸問題への対応が、結果として高効率機器普及運動に傾斜しようとした業界の力を削いだことは否めない。
 ただ、緊急総点検によって湯沸器の確認作業が年末までにほぼ100%終了し、コンプライアンスの重要性も浸透した。仕上げは日連が主導している保安高度化運動の成果にかかっている。一方、価格は中国等の旺盛な需要が続き、原油・天然ガス開発投資が続くために高値誘導の要因は消えないものの、不測の事態がない限り異常高を考えにくい。また、UAEやカタールの増産によっても先行き低廉化が期待されている。
 こうした諸情勢から、LPガス業界の2007年は高効率機器の普及を中心とした需要開発に力を振り向けるのに十分な条件が揃う年と考える。日団協「“人と地球にスマイルを”プロジェクト」には都道府県別普及率、コラボではLPガス、都市ガスの普及率対抗戦も始まった。特にガラストップ、エコジョーズ、エコウィル、LPG車を掲げた日団協プロジェクトは京都議定書に基づくCO2削減目標の達成に即効性の高い貢献策であることを言うまでもない。
 高効率機器普及運動の本番は2007年。本紙はそう考えて、GHPやマイクロコージェネを加えた需要開発運動とするよう、昨年と同様、業界に提唱するものだ。
 また、これが業界関係者の励みとなり、成果が広く国民にも理解されるよう「make it possible with GAS−ストップ!温暖化!」を合言葉に、CO2削減貢献事業者を顕彰するLPG大賞(LPG・オブ・ザ・イヤー)の創設を業界に訴える。
 本紙は過去3年にわたる「業界50年」キャンペーン報道を通じて、LPガス2,000万d市場の実現を提唱してきた。2005年3月、総合資源エネルギー調査会需給部会は「2030年のエネルギー需給展望」報告書で、それが実現可能性のある数値であることを公式に示した。本紙はこれに意を強くしているが、確実な達成に向けては業界の強い結束が必要だ。
 政府のエネルギー基本計画の初の改定作業は大詰めを迎え、2月中に閣議決定の運びである。改定案では分散型エネルギーの特徴を有するLPガスに、災害対応エネルギーとしての位置付けを一段と高める記述があり、業界が地道に取り組んできた公共施設等へLPガス設備設置運動を後押しするものだ。
 本紙は今年、「オール電化対抗」を前面に掲げ、CO2削減と両立する高効率機器の普及促進、災害対応に貢献するLPガス業界報道に全力をあげる。
第一部 進化するLPガス
第二部 闘うLPガス
第三部 環境とGHP
首 都 圏 版
プロパン・ブタンニュースがお届けする連載読み物 
<業界50年・光輝編>
地 方 版
住 設 供 給 機 器 / 新 技 術
GHPとコ・ジェネ版 GHP出荷実績
18年第2四半期
第12回GHP販売事例論文コンテスト結果発表
先 週 の 日 刊 プ ロ パ ン ・ ブ タ ン 情 報>
以下の見出しは日刊プロパン・ブタン情報からのものです
日刊プロパン・ブタン情報についてはこちらから
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2007(H19)年
1月1日(月曜)
第2708号

PBN2007-01-01-01

社説
LPG大賞の創設を

 LPガス業界は明るい未来を創るため、需要開発とCO2削減の両立に力を結集する2007年としなければならない。業界では、昨年までに元売業界で不要不急の資産を処分する大胆な改革、いわゆる「平成の大再編」が実行された。幾つかの段階を経なければ、それが完了したと判断できないが、大きな山は越したようだ。
 昨年の業界はコンプライアンス(法令順守)、湯沸器緊急総点検、オール電化攻勢、サウジCPの異常高に翻弄された。日団協、コラボが高効率機器の2010年度普及目標を決め、普及運動元年であったが、その過程で起こった諸問題への対応が、結果として高効率機器普及運動に傾斜しようとした業界の力を削いだことは否めない。
 ただ、緊急総点検によって湯沸器の確認作業が年末までにほぼ100%終了し、コンプライアンスの重要性も浸透した。仕上げは日連が主導している保安高度化運動の成果にかかっている。一方、価格は中国等の旺盛な需要が続き、原油・天然ガス開発投資が続くために高値誘導の要因は消えないものの、不測の事態がない限り異常高を考えにくい。また、UAEやカタールの増産によっても先行き低廉化が期待されている。
 こうした諸情勢から、LPガス業界の2007年は高効率機器の普及を中心とした需要開発に力を振り向けるのに十分な条件が揃う年と考える。日団協「“人と地球にスマイルを”プロジェクト」には都道府県別普及率、コラボではLPガス、都市ガスの普及率対抗戦も始まった。特にガラストップ、エコジョーズ、エコウィル、LPG車を掲げた日団協プロジェクトは京都議定書に基づくCO2削減目標の達成に即効性の高い貢献策であることを言うまでもない。
 高効率機器普及運動の本番は2007年。本紙はそう考えて、GHPやマイクロコージェネを加えた需要開発運動とするよう、昨年と同様、業界に提唱するものだ。
 また、これが業界関係者の励みとなり、成果が広く国民にも理解されるよう「make it possible with GAS−ストップ!温暖化!」を合言葉に、CO2削減貢献事業者を顕彰するLPG大賞(LPG・オブ・ザ・イヤー)の創設を業界に訴える。
 本紙は過去3年にわたる「業界50年」キャンペーン報道を通じて、LPガス2,000万d市場の実現を提唱してきた。2005年3月、総合資源エネルギー調査会需給部会は「2030年のエネルギー需給展望」報告書で、それが実現可能性のある数値であることを公式に示した。本紙はこれに意を強くしているが、確実な達成に向けては業界の強い結束が必要だ。
 政府のエネルギー基本計画の初の改定作業は大詰めを迎え、2月中に閣議決定の運びである。改定案では分散型エネルギーの特徴を有するLPガスに、災害対応エネルギーとしての位置付けを一段と高める記述があり、業界が地道に取り組んできた公共施設等へLPガス設備設置運動を後押しするものだ。
 本紙は今年、「オール電化対抗」を前面に掲げ、CO2削減と両立する高効率機器の普及促進、災害対応に貢献するLPガス業界報道に全力をあげる。



PBN2006-01-01-02

2007年業界天気図 本紙予報

 幕開けした2007年、ガス体エネルギーは、環境対応やエネルギー資源問題、需要家サイドに立った利便性拡大などの観点から大きな変革が求められ、新たなビジネス・シーンを描く時に来ている。こうした時代は従来の概念を捨てて新たなステージづくりに挑戦する時ともいえる。競合エネルギーに勝るとも劣らないLPガスも、これまで以上に接点力を強化し、顧客維持・創出に取り組み、誰からも信頼され、愛されるエネルギーに成長することが大事である。昭和27年の炭労ストをきっかけに脚光を浴びたLPガスは、草創期・発展期・飛躍期を経て、今では2,700万世帯の生活を支えるまでに伸長した。この青い炎をさらに発展させるのが全業界人の使命。ブランドエネルギー、LPガスに誇りと自信を持って前進したい。


PBN2006-01-01-03

トップランナーに学ぶ経営戦略
攻めの経営

 サウジCPの高騰、電力を中心とする競合エネルギー攻勢、同業者間の競争などLPガス業界を取り巻く環境は内外ともに非常に厳しい時代が続いている。こうした激変の時代に、各企業は顧客満足の徹底や接点力の強化で、どう攻めの経営を押し進めるのか。長期戦略、CI、顧客満足、アライアンス、NGP、流通合理化、IT、バルクなどの分野でトップを走る企業から、明日を切り拓く攻めの経営を学ぶ。


PBN2006-01-01-04

“青い炎の魅力”LPガス拡大戦線を追う

 自由化の進展に伴いエネルギー間競争が厳しさを増している。LPガス、簡易ガス、都市ガスのガス体エネルギー業界は、17年10月に日本ガス体エネルギー普及促進協議会(コラボ)をスタートさせたほか、日本LPガス団体協議会(日団協)は“人と地球にスマイルを”プロジェクトを始動させた。コラボは18年11月30日にエネ庁研究会策定の2010年度普及目標を再確認し、エコジョーズ350万台、エコウィル23万5,000台に向けた、攻めの政策を打ち出した。炎の魅力を前面に押しながら各地(協会単位)で進むLPガス拡大戦線を追う。


PBN2006-01-01-05

地域業界・系列グループで競エネ対策を強化
ブロック市場の課題と展望

 LPガス業界は法令順守の徹底と製品安全基準の強化への対応に加え、CP高止まりの状況下で、どう競合エネルギー対策に取り組むかというテーマに立ち向かわなければならない。全国業界を見渡すと、市場環境の変化を受けて再編が進む一方、次代を見据えた新たな戦略、アクションが起き始めている。各地方の動向を総括し、今年の市場を展望する。


PBN2006-01-01-06

2007年のLPガス需給・価格予測
余剰観強く需給緩和へ

 2007年のLPガス情勢は極めて不透明だが、国際需給は中東産LPガスを中心に余剰観の強い1年となり、これによりサウジCPを頂点とする国際価格も異常高騰の原因も見当たらないため、1トン当たり500ドルを挟んで高位ながらも、なだらかな下降カーブ局面が見え始める1年になるものと予想される。世界の需要も経済成長にともない堅調さが続き、国内需要では今冬の寒波の期間がどうなるかで上下動があるものの、堅調な家庭業務用、景気回復にともなう工業用、自動車用、化学原料用の復活によって、全体として増加に転じるものと予想される。


PBN2006-01-01-07

LPガスの素晴らしさを世界に伝播 2007元売戦略

 2007年のLPガス情勢は価格面で高位安定、需要面で底堅い1年になるだろう。元売業界は昨年までに「平成の大再編」と呼ばれる改革の山を越えた。今年は新しい家に新しい棚ができ、棚には一つひとつ新しい器を整える1年ということになるだろう。特に経営上負担の大きい約400万dの容量がある輸入基地、タンカー等のリフレッシュ投資が避けられず、下流の充填所・配送センターの最適配置にどう効果的に関与するのかは今年以降の課題と言える。元売業界が大掃除中の過去数年の間、不況とエネルギー市場自由化の嵐によってLPガス市場が荒れた事も事実だ。気が付けば、オール電化住宅が列島を侵食し、都市ガス原料のLNG化と導管延長が進んだ。LPガス業界がこれほど危機に瀕する時代はあるまい。元売業界よ、さあ、LPガスの素晴らしさを今一度、業界人に、国民にそして世界に知らしめるラッパや太鼓を打ち鳴らそう。主要各社トップに2007年のLPガス情勢とグループ戦略を聞いた。インタビュー項目は次の2問。
     ◇     ◇
 @2007年の内外LPガス情勢(主に需給、価格、為替)
 A2007年のグループ戦略の具体策
  (主に電化対抗策、保安高度化策、コンプライアンス対応策)



PBN2006-01-01-08

GHP座談会 高付加価値提案で巻き返しへ
リニューアルと複合提案を
環境特性と高機能武器に

 石油化学新聞社は2006年12月1日、東京・茅場町の鉄鋼会館で座談会を開き、出荷台数の低迷を打開し、いかに需要を拡大していくか議論した。出席者はガス会社5社7人、GHPメーカー、販売会社から6社9人。LPガス輸入価格の高騰を反映し、GHPの出荷台数が伸び悩む中、高効率GHPや発電機能付きGHPなど付加価値のある商品と環境性能の高さを武器に、2007年は巻き返しの1年とするための道筋を示す座談会となった。


PBN2006-01-01-09

ガス展・リース・提案活動で販路開拓
炎の達人 ガス化推進モデル ルポ

 エコジョーズやエコウィルを軸にした給湯暖房システム、メーカー各社の意匠性を前面に出した高効率ガラストップこんろなど、ユーザーの感覚と環境・省エネ時代にマッチしたエコ・ガス機器のバリエーションは、充実の一途をたどっている。こうした強力なアイテムを実売に結び付けるためには、どうしたらいいのか。独自のアイディアと実行力で販売実績を上げる率先派8社をルポした。


PBN2006-01-01-10

製品進化で巻き返し
GHP各社2007年の戦略

 2006年はGHPの発売開始から20年という節目の年となった。高性能商品の開発や新規メーカーの参入など明るいニュースがある一方、LPガス輸入価格の高騰、販売事業者の保安やコンプライアンス業務への傾注により出荷台数が低迷するなど厳しさも増した1年となった。GHPメーカー各社は巻き返しを図るべく独自商品の開発などで進化したGHPを提供する動きにある。各社に2007年の市場展望、主力商品などを聞いた。(ダイキン工業は17面、アイシン精機は29面参照)