2007(H19)年1月29日(月曜)
   第2712号
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  • ノーリツ2007年方針、市場価格の適正化急ぐ
  • 長野協組、Hyc−5活用し120世帯の床暖房獲得 
GHPとコ・ジェネ版
GHP出荷実績
18年第2四半期
第12回GHP販売事例論文コンテスト結果発表
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  • 1月22日(月)
    * 三愛石油、"知る・動く・徹する“基本に「心に届くサービス」提唱
    * 「エコア」4月誕生でLPガス販売量32万トン
  • 1月23日(火)
    * 北見市で都市ガス漏洩事故発生、3人死亡 北海道ガスは170人体制で漏洩調査
    * 北見市幸町・常盤台でもガス漏れ発生 春光町への避難勧告を継続
  • 1月24日(水)
    * 北海道ガス、北見地区のねずみ鋳鉄管14km
    * 北海道ガス、札幌市で2件の埋設管漏洩
  • 1月25日(木)
    * 新日石、韓国石油最大手と業務・資本提携
    * 北海道ガス、北見地区でのガス漏れ警報器普及率63.6%
  • 1月26日(金)
    * 簡易ガス協会、経年埋設管の独自調査開始
    * 青森ガスの都市ガス中毒事故、腐食個所から漏洩と判明
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2007(H19)年
1月29日(月曜)
第2712号

PBN2007-01-29-01

信頼回復へ全力 簡ガス協
経年埋設管調査を開始

 日本簡易ガス協会(石橋幸弘会長)は24日、北海道北見市で発生した都市ガス中毒事故を重視し、業界あげて独自に経年埋設管の調査を行うことを明らかにした。簡易ガス協会では「昨年のパロマ事故に引き続き、今回の都市ガス中毒事故で、業界全体は大変なイメージダウンを招いている。簡易ガス業界の今年の重点課題は事故の撲滅。ガス業界全体の信頼回復のためにも調査に協力してほしい」としている。


PBN2007-01-29-02

北見市で都市ガス事故発生
40年前の埋設管が完全破断
3人死亡、11人重軽症

 3人が死亡、11人が重軽症を負う都市ガス漏洩・中毒事故が北見市で発生した。
 北見地区では北海道ガスが一酸化炭素(CO)を含む都市ガス(4B)を供給しており、3人が死亡した事故現場(北見市春光町5五丁目4)付近に埋設した主管の「ねずみ鋳鉄管」(直径150_b、1967年埋設)が上下に10_bずれて完全に破断していたことが判明した。
 事故が明らかになった19日夕方に札幌市の北ガス本社で開いた記者会見で、前泉洋三社長は「関係者の皆様には多大な迷惑をおかけし、心よりお詫びします」と謝罪した。
 ねずみ鋳鉄管は衝撃に弱く、国が取り換え対象に指定しており、北ガスも2015年までにPE管などに交換する計画だった。事故現場付近の主管を最後に点検したのは04年11月で、その時は異常が確認されなかった。
 他にも死亡した後藤京子さん(47)の自宅への引き込み管(直径25mm、白ガス管)と同一敷地内の別建物への供用管(直径32mm、白ガス管)から都市ガス漏れを検知し、保安確保のために切断した。
 20日に行われた北見警察署の現場検証では、死亡した後藤京子さん宅の台所下収納庫の地中30cmから致死量に相当するCO濃度3,000PPMを確認。同じく死亡した落井清治さん(64)宅玄関前の地中約80abで同1万3,000PPMを確認、さらに碓井広樹さん(44)宅の敷地土中40abの地点で同約4,000PPM、トイレ床下約30cmの地点で同約6,000PPMを確認した。
 北見事故対策本部長の大槻博副社長は北見市春光町地区周辺のガス漏れ通報のうちマンホールでのガス漏れ確認であったことを説明し、「下水管もしくは土中を通じて周囲にガスが広がった可能性もある」と推測した。
 大槻副社長はまた、ガスのイメージダウンについて「お詫び申し上げたい。経年管を取り替え、自助努力でやってきた。消費機器の安全性も高まってきており、今回の件は痛恨の極みである。時間をかけて、いい方向に向かうように努めたい」と話した。



PBN2007-01-29-03

オール電化は省エネを減退
大阪のNPO法人 中間報告を発表

 NPO(特定非営利活動)法人地球環境と大気汚染を考える全国市民会議「CASA」と全大阪消費者団体連絡会は20日、大阪市の大阪産業創造館地域コミュニティープラザで、第43回気候変動問題研究会「オール電化を考える」を開いた。
 ひのでやエコライフ研究所の鈴木靖文社長がCASAと全大阪消費者団体連絡会が作成した「環境面からみたオール電化問題に関する提言」の中間報告を発表した。
 鈴木社長は「オール電化住宅の環境負荷は全電源平均CO2排出係数換算か火力平均CO2排出係数換算があるが、発電電力の調整に火力発電が用いられることを考えれば、需要端で省エネ効果を判定するには火力平均を用いるのが実情に近い。われわれの試算によると、都市ガスとオール電化住宅で同量のエネルギーを使用した場合、電気の環境負荷は都市ガスの2倍以上になる。数値は換算手法によって異なるが、全電源平均で2.05倍、一次エネルギー換算で2.73倍、火力平均で3.74倍となる。内炎式ガスこんろとIHクッキングヒーターでの沸騰時間を比較してもIHクッキングヒーターの環境負荷が大きい。オール電化住宅は省エネ行動を減退させ、エネルギー供給に生活や社会が規定されてしまう。自然エネルギーとの不整合性や原子力発電所の問題もある」と述べた。



PBN2007-01-29-04

住民「見えないから怖い」
北見事故 信頼回復が課題

 「見えないからガスが一番怖い」―19日に都市ガス漏洩・中毒事故が明らかになり、普段は閑静な住宅街である北見市春光町は警察車両や工事車両、殺到する取材陣によって騒然となった。旧国道とオホーツク海に流れ込む常呂川に挟まれた春光町は、市内でも約45年と一番歴史がある公営団地で、戸建て住宅や集合住宅の建て替えも進んでいた。北見市は人口13万人と網走支庁管内でも最大の核都市で、面積も香川県の77%にあたり北海道で一番の広さだ。


PBN2007-01-29-05

視点
試練再び、何か忘れていないか

 パロマ問題に続く北見事故。ガス業界全体にまた試練が訪れた。北見事故は約40年前に埋設したねずみ鋳鉄管の破断によって、一酸化炭素(CO)を含む都市ガスが地中を伝って民家まで流れたことが原因と見られ、生ガスが3人の尊い命を奪い、11人の重軽症者を出した。ねずみ鋳鉄管の破断は氷点下の世界に起こる凍上現象、公道を毎日往来する車両の振動などが原因として浮かぶが、真相は警察の詳しい捜査結果を待つ外ない。
 ガス業界が取り得る手段は厳冬の地で暮らす北見の人たちに1日も早い安寧な暮らしを提供するための安全確認作業である。また、簡易ガス業界や北海道のLPガス業界では経年管、供給設備の調査や緊急点検を始めた。同じガス体エネルギーとして、事故の教訓を共有し、信頼回復に向けた素早い行動は当然とはいえ、評価したい。
 死因と見られるCOは都市ガス製造過程で発生するものだ。経済産業省によると、原料のLPガスは省令でCOを含まないよう定められており、一気に大量に吸い込むと酸欠状態になる危険はあるが、LPガスそのものはは無害としている。日本ガス協会が発行する『ガス事業便覧』などによると、都市ガスは原料分類で天然ガス、改質ガス、プロパンエアー13Aなどに別けられる。天然ガスやプロパンガスを希釈したプロパンエアーには、COは含まれない。
 北見市の都市ガスは改質ガスと呼ばれる製造ガスだが、これは石炭や揮発油、LPガスなどを原料に天然ガスと性状がほぼ等しくなるよう化学分解して造る。都市ガス製造技術に詳しい業界関係者によると、原料に水蒸気、酸素(空気)、水素などのガス化剤を加え、触媒を通して水素や天然ガスの主成分のメタン、また二酸化炭素、COなどの混合ガスを製造するという。石炭は平成10年度以降使われていない。16年度時点で揮発油は約3万`g、LPガスは約145万dが改質ガスの原料となっている。改質ガスは比較的高カロリーの13A都市ガスに比べ低カロリーで、ガスグループでは4B、4Cなどと表現される。ガス協会によると、様々な改質ガス製造方法があり、4BすべてにCOが含まれるわけではない。COを発生する製造方法を採用する事業者の中には、供給前にCOを除去しているケースもあるという。
 一方、北見事故は都市ガス事業が競争入札を経て、昨年4月、北見市から北海道ガスへの移管直後に起こった。15年前に始まった都市ガス自由化政策だが、この間にガス事業における大都市と地方の格差問題も浮かび上がっている。自由化によって大都市圏では群雄割拠の顧客争奪戦が繰り広げられているが、人口減に悩み基盤産業なき地方はどうか。結果として、経営者が合理化と料金値下げ株主対応に注目する余り、人々が見ることの出来ない地下埋設管の安全・安心投資を強制による力でしかできないなら、ガス事業の経営責任者は一体誰だのかである。



PBN2007-01-29-06

宮城県協
点字版周知文書を作成
会員の要望受けて実現

 宮城県LPガス協会(北福男会長)は目の不自由な人向けに点字版の販売通知書と周知文書を作成し会員にあっせんを始めた。会員から「点字版はないか」と問い合わせがあったのがきっかけ。「多くの要望のあるものではないが、目の不自由な人にも安心して販売店と付き合ってもらう助けになれば」として制作した。


PBN2007-01-29-07

接点強化へ
“知る・動く・徹する”
三愛石油07年度方針 地域密着を徹底

 三愛石油(本社・東京、和田武彦社長)は07年度、「大切なひとだから、心に届くサービスを」をスローガンに“知る・動く・徹する”の3つの営業施策を軸に消費者との接点活動を強化した支援策を展開、グループあげて「エネルギーサービスbP企業」の実現を目指す。18日、東京・品川のホテルラフォーレ東京であった「07年特約店会議・賀詞交歓会」で明らかにした。村田正博・取締役ガス事業部長は「お客さまに選ばれる事業者を目指し、一丸となって前進する」と述べ、地域密着路線を強調した。


PBN2007-01-29-08

東海道線でLPガスPR
静岡県協がトレインジャック
対電化キャンペの一環

 静岡県LPガス協会(藤原明会長)は、電化対策の「気になるね!LPガスキャンペーン」の一環で、列車中吊り広告を占有するテーマトレインの運行を15日から開始した。
 路線は東海道線の熱海〜浜松間を運行する211系電車(3両編成、5両編成)で、掲載車両は3両分(中吊り72枚、額面広告2種類80枚)。広告掲載車両の運行ダイヤは最小3便〜最大14便と日によって異なるが、2月11日まで合計240便。
 同協会では「掲載料は60万円(広告制作費除く)と意外に安いが、それだけに人気があり順番待ちの状態。今後機会があれば、若年層利用が多い、私鉄での実施も検討したい」(同協会・佐野牧夫顧問)としている。



PBN2007-01-29-09

売上高
目標超える3億1200万円
徳島県協四国ガス 機器販促キャンペで成果

 徳島県LPガス協会(宮ア武会長)と四国ガス徳島支店(矢野秀俊支店長)は22日、徳島市のホテルグランドパレス徳島で、ガス機器販売促進事業「当たる!ガスだ炎だハッピーキャンペーン」の景品当選者を決める抽選会を行った。目標売り上げ3億円に対して、3億1,200万円(定価ベース、推定値)を売り上げた。


PBN2007-01-29-10

LPガスにチャンス
LPガス研で本部審議官 CO2削減で優位

 【本部審議官の講演要旨は次の通り】
 アジア圏でエネルギーの需要が急激に伸びている。特に中国の伸びが爆発的で、今後はさらに中東への依存度が高くなるだろう。石油の需給は、しばらく安定するだろうが、天然ガスは世界レベルで需要が伸びている。石炭の世界シェアは減少傾向にあるが、中国を中心に利用は増える。原子力は世界的には、伸びていないが1発電所当たりの発電量は伸びている。
 各国でエネルギー政策の見直しが始まっている。そうしたことを背景に、93年の京都議定書によるCO2削減が緊急の課題になっている。欧米、アジア各国の実情を踏まえた上で、日本がこれから取り組むべき課題としては、運輸と家庭用でのCO2削減が必要。地球環境に優しいLPガスにチャンスがある。


PBN2007-01-29-11

中国路
☆ガス主体の経営から脱皮
 電化攻勢によるLPガス顧客の減少、将来的なガス収益の低下予測などを踏まえ、新事業の立ち上げを将来に向けたリスク・マネジメント(危機管理)と位置付けて、ガス収益主体の経営から脱皮を図る販売業者もいる。
 「LPガスだけにしがみついていたのではとても持たないと思う。現状、ガス収益単体で7〜8割を占めているような小売業者は、将来は厳しいのではないか」と広島市内の販売業者は話す。同社も、10年前までは利益構成でガスが全体の70%近くを占めていたが、現在はガス40%、灯油40%、その他20%。灯油はミニローリーによる配達だが、供給エリアを拡大し新たな灯油客を開拓する一方、ミネラルウォーターの販売などガス外収益の拡大にも力を入れている。
 別の販売業者は「顧客が減少したのでは事業も存続しない」として、電化阻止に向けた対抗策を打ち出し、都市ガスからの切り替え攻勢に対する顧客確保に懸命だが、新規事業の立ち上げも「将来に向けたリスク・マネジメント」と位置付ける。「どんな状況に置かれても体重移動できる事業を立ち上げ、売り上げや規模の拡大を図っていかなければ永続する企業にはなれない」としている。