2007(H19)年10月29日(月曜)
   第2750号
総 合 面
首 都 圏 版
地 方 版
住 設 供 給 機 器 / 新 技 術
  • 高木産業、水宅配管理に対応で「アクアウィング」発売
  • 新エネ世界展に1万6000人来場 地球温暖化で高まる関心
GHPとコ・ジェネ版 GHP出荷実績
19年第一4半期
過去データー掲載中
第13回GHP販売事例論文コンテスト受賞者一覧はこちら
WHOの最新情報を受け改訂しました。
先 週 の 日 刊 プ ロ パ ン ・ ブ タ ン 情 報>
以下の見出しは日刊プロパン・ブタン情報からのものです
日刊プロパン・ブタン情報についてはこちらから
  • 10月22日(月)
    * 19年度LPガス消費者保安功績者、48者が受賞
    * 新光機器が電化対策パンフ作成、トータルコスト比較でLPガスの安さPR
  • 10月23日(火)
    * 神奈川三愛ガス会「電化を超えてお客様の心のアンテナを探す」
    * 家電業界が省エネ普及促進フォーラム設立
  • 10月24日(水)
    19年3月末現在、簡易ガス地点数トップは日本瓦斯の12万5,826
    9月LPガス需給実勢、気温が高くプロパン出荷振るわず
  • 10月25日(木)
    * ENEOSフロンティアがワシダ石油瓦斯に筆頭株主に
    * 環境対応で化石燃料系のLPガスにチャンスあり
  • 10月26日(金)
    * トーエル、アルピナ大町工場の増設工事完成、年300万本体制に
    * 9月LPガスCIF速報、円高加速もt70,166円
  ご希望の方に見本紙をお送り致します。
    プロパン・ブタンニュースは昭和29年の創刊以来LPG業界とともに歩んでまいりました。
    創刊より半世紀を経、創業時の基本理念に立ち戻るとともに新しい挑戦を続けて行きます。
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2007(H19)年
10月29日(月曜)
第2750号

PBN2007-10-29-01

電磁波WG
リスクコミュニケーション
電力以外の第三者軸に推進

 経済産業省は23日、電力設備から発生する電磁波の対策検討会を開き、電磁波の不安を取り除くため電力会社以外の第三者を軸としたコミュニケーション活動を推進することで意見が一致した。人体影響への原因解明に向け研究を推進することでも合意した。研究体制、テーマ選定などは今後の課題だが、世界保健機関(WHO)の見解公表後に本格化した電磁波対策議論は、電力設備主体の議論から、IHなど家電製品も巻き込んだ動きに発展しつつある。


PBN2007-10-29-02

LPガス上期出荷
前期比2.3%増に
プロパン、ブタン 明暗も

 日本LPガス協会は22日、平成19年度4〜9月(上期)のLPガス需給実勢(5日集計)をまとめた。それによると、合計出荷量は前月比2.3%増の865万7,000dとなり、石化原料を中心にブタン需要の好調が全体を押し上げた。ガス種別ではプロパンが気温上昇の影響と輸入価格高が影響して前月比3.9%減の550万6,000dと振るわなかった。ブタンは石化原料向けの旺盛な需要を維持して同15.2%増の315万1,000dで、明暗が分かれた。


PBN2007-10-29-03

IHなど家電規制も

 6月に議論を始めたWGは、消費者を交えた話し合いの促進や極低周波電磁波が人体へどのような影響を与えるかについて研究を進めることで意見がまとまった。今後は具体的な研究テーマ選定や体制整備が焦点となるが、「小児白血病の発症原因がわかっていない」(山口直人・東京女子医科大教授)など電磁波を低減すればことが解決するほど問題は単純ではないようだ。
 関係省庁横断での研究体制を求める意見もあったが、「できるところからやるべき」との見解で一致するなど当面は電力設備を管轄する原子力安全・保安院を中心した動きになりそうだ。
 ただ、保安院は「このワーキングは電力設備規制を検討するものだが、(電磁波に関する議論は)電力設備が先に始まっており、ここで決まったことは他で参考にされると思う」と述べ、家電製品規制などへの影響を示唆した。また、今回の意見募集では市民団体から「磁場の強いIHクッキングヒーターのCMを禁止すべき」「家電製品の磁界強度、注意事項を表示すべき」など家電分野への声も寄せられており、これらの扱いも注目される。
 WHOが6月に電磁波問題に対する見解を示したことは各メディアが取り上げるなど国内でも話題を集めた。だがそれは一過性のものではなく、これまで停滞していた電磁波議論を再燃させ、国内全体の新たな動きになりつつある。


PBN2007-10-29-04

ワシダ石油瓦斯の全株取得へ
新日石グループ LPG販売9社に

 新日本石油は23日、全額出資販売会社のENEOSフロンティア(本社・東京、向阪啓社長)がワシダ石油瓦斯(本社・北九州市、資本金2億円、安永賢三社長)の株式29万7,902株を取得して筆頭株主になることで合意したと発表した。新日石はすでに全株式の11.4%を保有しており、11月1日付でENEOSフロンティアが残りの88.6%を買収して、新日石グループがワシダ石油瓦斯の全株式を取得する。同社の社長にENEOSフロンティアの山内實常務が就任し、経営体質の強化を図る。ENEOSフロンティアの全国LPガス販社体制は、関東以西で9社となる。


PBN2007-10-29-05

「アルピナ」
大町工場を増強 年産300万本
トーエル 山梨には第3工場建設

 トーエル(本社・横浜市、平間茂社長)は24日、長野県大町市の「アルピナ生産工場(大町工場)」で進めていた増設拡張工事が完了したため現地で関係者による工場視察会を開くとともに、場所を大町市のクロヨンロイヤルホテルに移動して記念パーティーを行った。社員によるアルピナ命名碑除幕式もあった。増強工事は直売や代理店販売(卸)、さらにはOEM(相手先ブランド)などの増加による需要増に対応したもの。これによって年間300万本の生産が可能になり、日本最大級のボトルドウオーター工場が完成したことになる。パーティーであいさつした平間社長は「LPガスと水事業に自信を持って取り組んでいく」と述べ、一層の飛躍を誓った。


PBN2007-10-29-06

旧業者の設備代金受領
「消費者・新業者が立証を」
最高裁

 埼玉県のLPガス販売店が顧客の移動に伴い、設備貸与契約に基づく消費設備、給湯器の償却残存金額を、販売店を替えた消費者八人へ請求した裁判で、最高裁判所は19日、原告の主張を認めた東京高裁の判決を不服とした消費者側の上告を受理しない決定を下した。
 最高裁の決定は、切り替え後に作成される陳述書などよりも建物購入、LPガス供給開始当時の証拠で事実を判断するとの考えによる。
 最高裁はLPガス法所定の書面や設備貸与契約書が作成されていることを前提に、建物代金中に設備代金が含まれていることを主張する場合は消費者・新業者側がそれを立証し、なおかつ設備代金が元の業者に支払われたことも証明すべき、との見解を示した。


PBN2007-10-29-07

「地域経済活性化を」
小寺・エネクス社長が強調

 福島県LPガス協会郡山支部(櫛田忠夫支部長)は20、21の両日、郡山市のビッグパレットふくしまで恒例の合同展示会「ガスなび07」を開いた。「最新LPガス機器が一堂に!あんしんと信頼のガスライフをナビゲート」と銘打ち、古い機器から最新機器への買い替え促進を狙いに実施した。来場者数は昨年より減ったが、売上高は昨年より1,287万円増えて3,634万円となった。


PBN2007-10-29-08

第1回リアルテックマン選手権
グランプリに山本健太氏
ガステック 営業力底上げへ新企画

 ガステックサービス(本社・豊橋市、神野吾郎社長)は19日、豊橋市の豊橋グランドホテルで、営業力の底上げを狙い「第1回リアルテックマン選手権」を開いた。全国を6ブロックに分け、400人が予選に参加。予選を勝ち抜いた17人が、本選に当たる同選手権に臨んだ。熱戦を繰り広げた結果、三島営業所の山本健太氏がグランプリを獲得、全国テックマン初の頂点に輝いた。


PBN2007-10-29-09

ガス機器販売
第33回イタミジャンピングセール
目標を上回る51億3900万円
「ACU24」 9月末で累計66万戸に

 伊丹産業(本社・伊丹市、北嶋一郎社長)は21日、神戸市北区の有馬グランドホテルで「第33回イタミジャンピングセール記念式典と展示会」を開催、式典にはLPガスと米穀の取引先関係者など785人が出席した。冒頭あいさつに立った北嶋社長は「今年は当社60周年という大きな節目を迎え、33回を数えるジャンピングセールも皆さまの変らぬご支援、ご協力、お引き立てによって毎年順調に業績を上げてきた。心からお礼申し上げる」と感謝の言葉を述べた。今年2月から9月まで実施した液化石油ガス部門機器販売セールでは、49億円の目標を上回る51億3,900万円(対前年比104.8%)を売り上げた。


PBN2007-10-29-10

なにわ短信
未来の施主を大切に

 ▽…若き経営者が言った。「賃貸アパートに住むお客さまが自分の家を持つ時に、オール電化を選ぶケースが増えている。賃貸物件への対応を考え直すべきかもしれない」。
 LPガス業界の賃貸対策はすなわちオーナー対策だった。選択権がオーナーにあるため、事業者は配管や機器の無償提供も行った。この慣行が安物の機器と割高なガス料金を生んだが、業界はそんなものと思ってきた。
 だが賃貸顧客の中には、いずれ一戸建ての施主となる人が少なからず含まれている。オーナーに気を使った挙句、未来の施主に「一戸建てを買ったら絶対オール電化にしよう」と思われてはガス業界全体の損失になる。
 電化が猛威を振るう新築戸建て市場で巻き返すには、未来の施主にガスの素晴らしさを伝える必要がある。オーナー営業も価格訴求から価値訴求に切り替えたい。困難だが可能性はある。付加価値の高い物件は空き室を減らし、賃貸収入とガス使用量を引き上げる。オーナーと事業者は本質的に利益共同体なのだ。


PBN2007-10-29-11

簡ガスに「分け得プラン」
西部ガスエネルギー 給湯、暖房帯を割引
12月から適用

 西部ガスエネルギー(本社・福岡県粕屋町、遠藤恭介社長)は給湯・暖房需要を開拓して電化対策につなげようと、簡易ガス団地向けの新選択約款「分け得プラン」を打ち出した。東洋計器のマルチカウンタを活用した需要促進型の選択約款で、昨年、東京ガスエネルギーが全国に先駆けて導入したが、九州では初めて。簡易ガス団地2地点で、ガス給湯・暖房使用などの条件を満たした顧客に12月から適用を始める。


PBN2007-10-29-12

都城バルク協組
物流合理化先駆け10年
保安、雇用で新たな挑戦

 都城地区バルク供給協同組合(横山勉理事長)はこのほど創立10周年を迎え、9月28日に記念式典を開いた。同協組は新バルクを活用した販売店による物流合理化策の先駆け。電化攻勢やCP高騰などで事業環境が厳しくなる中、新バルク普及を地域ぐるみでリードする試みは全国から注目されている。


PBN2007-10-29-13

提案ノウハウ共有し電化に反撃
第13回GHP・マイクロコージェネ販売実例 論文コンテスト総評

炭酸ガス抑制効果発揮
揺るがぬランニング優位性
GHPコンソーシアム常任理事・技術顧問 山岸一夫氏

 今年の論文コンテストで最大の特徴は、炭酸ガス問題を扱ったものが大変多かったことである。30本の論文のうち、炭酸ガスを取り上げなかったのは8本に過ぎない。石川氏はもちろん、上位入賞者は例外なくGHPあるいはマイクロコージェネ(MC)による炭酸ガス削減量を適切に算定し、説得性ある表現で成約に結び付けている。石川氏は炭酸ガス削減量を、一般的に使われる杉の木の本数ではなく、病院に通う通勤車の数で表現したのが鮮烈な印象を与えた。
 家庭用の8件中、7件がエコウィル導入事例で、太陽光発電とのW発電の事例が3件あった。環境問題意識が強く、マイホーム発電に関心の強いお客さまへの導入である。村氏(日本瓦斯、金賞)はエコウィル、GHP、太陽光の3点セットである。
 産業用の外山氏(日本瓦斯、産業用部門賞)は、取引先からの強い要請で、炭酸ガス削減が中小企業の存続がかかった死活問題になっていた事例を紹介し、もっとも手っ取り早く、実効性のある解決策がEHPからGHPへの転換(リプレース)であることをアピールして成約している。GHPが中小企業の窮地を救った美談である。


PBN2007-10-29-14

リニューアル市場本格化
メンテ 継続商談の決め手に

 GHPも20年の歴史を重ね、リニューアル市場が本格化している。GHPは既設配管無洗浄機、自己洗浄機、フィルターキットなどリニューアル対応の機器、技術が向上し、イニシアルコストの低減、工期の短縮、産業廃棄物の削減に貢献している。この技術はGHP独特のもので、冷媒循環系中にモーターを裸でさらしているEHPには真似のできないところである。この利点を生かし、EHPからGHPへのリニューアルが増えている。既設配管の利用が決め手になった例(前出の伊藤氏、児島氏)もある。
 GHPからGHPへのリニューアルでは、日頃のメンテナンスを中心とする良好な人間関係が絶対の条件であることが、各論文で異口同音に語られている。
 早くからメンテナンスに取り組んでいる会社は少数で、メーカー任せのケースが多かったが、最近は積極的に取り組む企業も出てきた(根本石油の小針氏、銀賞)。メニューも多彩になり、フルメンテ契約、メーカーとガス会社のダブルメンテ、遠隔監視付きメンテが活用されている。かつてはお荷物だったメンテ問題が、逆に強みに転じている感すらある(東日本ガスの冨楽氏=佳作、カメイの伊藤氏=審査委員長特別賞)。
 遠隔監視付きメンテを提案してメンテのないEHPに勝った例(前出の児島氏)のように、遠隔監視がお客さまに与える安心感が決定的な要素になる場合がある。メンテで培われた良好な人間関係が、スムーズなリニューアル、アンコールにつながる。


PBN2007-10-29-15

顧客も会社も幸せに
民生支えるGHP分散設置

 今やGHPは、多彩なバリエーション、周辺機器技術が整備され、一連のソフト、ノウハウが確立しつつあり、GHPという商品体系が熟成されつつある感が強い。GHPは多彩な人間、人生模様を織り込んだ一つの文化である。そして、「お客様とガス会社を幸せにする」(前出の小針氏)。
 今度の論文を審査していて一番印象に残ったのは、杉本三浦ガスの木戸川裕幸氏の論文(業務用佳作)だ。30馬力のGHPを導入した幼稚園の園長さんが「柏崎原発の事故があったけど、うちは電気に頼らず、分散型エネルギーのLPガスにしてよかったよ」と語った場面である。まさに目から鱗、お客さまにGHPの本質を教えられた思いがした。
 GHPは20年の歴史の中で800万馬力の普及を果たし、電力のピークカット、負荷平準化に貢献してきた。これは全面停止した柏崎刈羽原発の全出力、700万`hに匹敵する。
 柏崎刈羽原発が全面停止している中、今夏の記録的な猛暑続きで、東京電力は危機的状況に追い込まれた。他社融通を受けるほか、一部需要家の供給制限を行い、自社の中小老朽石油火力発電所を総動員して、最悪の事態は何とか回避できた。しかし、価格が高騰している重原油の使用は発電コストを大幅に上昇させた。
 加えて、効率の低い石油火力の運転による炭酸ガス排出量の大幅な増大がある。中小老朽石油火力の炭酸ガス排出原単位は、世間で言われる火力平均値(0.69`c)よりかなり高く、石油による離島発電が多い沖縄電力の全電源係数の「一」程度であると考えられるからである。
 こうした中越沖地震の影響は、仮に柏崎刈羽原発が停止するのではなく、電源換算700万`hのGHPが止まった場合を想定すると、同様な影響が出ていただろうと想像するに難くない。