石油化学新聞社は今年55周年
2009年4月20日(月曜)
第2824号(平成21年)
<石油化学新聞社創立55周年記念特集>
「今」を伝え「明日」を語る

LPガス会社年鑑
好評発売中
第1部
  • 座談会・元売編(社会貢献と近未来)
  • LPガス物語 / 青い炎の魅力
  • LPガス劇場・ヒューマンドキュメント
  • 飛躍を重ねて55年 LPガス業界の軌跡
第2部
  • 座談会 ・ 流通編 / 日本経済復活への役割
  • LPガス百景 / 地場産業に息づくLPガス
  • LPガス劇場 ・ ヒューマンドキュメント

LPガス資料年報
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第3部
  • サムライGHP / 低炭素社会の実現
  • トップメッセージ / わが社の経営
  • LPガス劇場 ・ ヒューマンドキュメント
 
住 設 供 給 機 器 / 新 技 術    
GHPとコ・ジェネ版 GHP出荷実績
H20年第四四半期
石油化学新聞社は今年55周年

第14回GHP販売事例論文コンテスト受賞者一覧はこちら
石油化学新聞社は今年55周年
先 週 の 日 刊 プ ロ パ ン ・ ブ タ ン 情 報>
以下の見出しは日刊プロパン・ブタン情報からのものです
日刊プロパン・ブタン情報についてはこちらから
  • 4月13日(月)
    * 4社に1社が原料費調整制度を採用(LPガス経営実態調査)
    * 日団協、高効率給湯器補助金の第1期受け付け23日開始
  • 4月14日(火)
    * 取り組みたい事業の第1位は住宅リフォーム(LPガス経営実態調査)
    * Jエナジーと出光、知多地区製油所間でブタン供給など連携
  • 4月15日(水)
    * コスモ石油ガスの特約店支援策にエネファーム研修を新設
    * 新日本ガス(岐阜市)、供給設備機器の美観化を推進
  • 4月16日(木)
    * 北海道ガス、「小型ガス会社」で地域総合チャンネルを整備
    * エネルギー経済研究所、日本は中期目標に非CO2や排出係数などの議論を
  • 4月17日(金)
    * 政府、2020年の温室効果ガス削減目標の概要公表 高効率機4400万台想定
    * GHPコンソ、第59回全米協会地区大会でGHPの技術を発表
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2009(H21)年
4月20日(月曜)
第2824号


PBN2009.04.20-01

今」を伝え「明日」を語る
転換期こそ新しい萌芽息づく


 桜前線が北上し、花の饗宴が全国をめぐるなか、石油化学新聞社(プロパン・ブタンニュース)は会社創立55周年を迎えた。花に嵐の例えではないが、今年の春はひときわ花を散らす風が吹き荒れている。その風は今、世界経済を覆うアゲンストの風となってLPガス業界にも暗雲をもたらしている。しかし、アゲンストは、また一方でフォローの風にも容易に転換しうる。本紙は創立55周年記念特集号を刊行できる慶びをこの転換期のなかで読者とともに分かち合いたい。なぜなら、この舞い散る花吹雪のなかにこそ、業界を活性化させる次代の新しい萌芽が息づいていると信じるからである。「今を伝え明日を語る」本紙の使命をそこに見るからである。


逆風をフォローの風に
本社創業55周年原点は「やはりガス」


 「プロパン・ブタンニュース」は昭和30年2月の創刊以来、国民生活に不可欠の炎としてLPガスが拡大していく様子をつぶさに伝えてきた。業務用、工業用、営農用などさまざまな分野のエネルギーとして発展の一途をたどった歴史を業界人とともに語ってきた。
 以来、本紙が送り出した週刊紙面は、1週たりとも休むことはなかった。このことは本紙の大きな誇りであると同時に、それを可能ならしめた業界各位の熱いご支援に、改めて感謝の意を表する次第である。本紙55年の歴史はLPガス販売業者、関連機器メーカー、各団体から愛され、育てられた55年でもあることに思いを馳せたい。
 今、世界を取り巻く経済環境は、昨年9月のリーマンショックに端を発する巨大なアゲンストの風にさらされている。その一方で、低炭素社会の実現という命題も達成していかなければならない。低炭素社会実現という世界の大潮流を背景に出現している太陽光発電やエネファーム(家庭用燃料電池)などの新エネルギー住宅機器の大合唱がそれだ。
 政府の全面後押しによる補助金攻勢が太陽光発電を拡大させている。新しい次世代機器であるエネファームは、間もなくLPガス元売事業者や大手都市ガスから順次市場投入される。
 IHヒーターやエコキュートなどのオール電化住宅攻勢は弱まるところを知らない。少子高齢化という慢性的なパイ消滅のボディーブローは、重く、したたかだ。
 「LPガスはどうなるのだろう……」
 正直、こんな思いに駆られる業界人も少なくないのではないか。
 「アゲンストの風はまた一方でフォローの風にも容易に転換しうる」と冒頭で書いたが、これは単なる気休めではない。寒さに凍える強い北風もいつかはやむ。もちろん、それは自然にはやまない。ただ、春を待っていればいいというわけにはいかない。
 大切なのは春を呼び寄せる戦略に果敢に挑戦することである。時代の風を鋭敏に読み取り、そのフォローの風に乗ることである。
 昭和30年代のはじめ、薪炭からプロパンガスに大きく家庭燃料が転換したエネルギー革命の時代を思い起こしていただきたい。そもそもこの業界の成立した源流は、その時代の風を読み取り、薪炭からLPガスへのフォローの風に乗ったことによるのだ。
 今から22年前、GHPが市場投入されたときの業界の熱気を思い出していただきたい。このガスエンジンヒートポンプが冬場のみならず夏場の空調需要も喚起した時代を想起していただきたい。あれから22年、業界はGHPから派生したマイクロ・コージェネ、加えてエネファーム、さらには太陽光発電まで取り込み、豊かな低炭素社会の構築を目指している。
 この分野にLPガス事業者は、活路を見い出し、フォローの風に乗ろうとしている。事実、発電と排熱利用、CO2削減を切り札にした提案手法も定着してきたし、エコジョーズなどの拡販も盛んだ。
 基本の基、基本の肝はまだある。最近、全国の都市ガスも兼ねた中堅ガス事業者の料理教室が盛況だ。
 「やっぱりガスだね」という標語のもと、IHヒーターを尻目にガスによる料理教室が多くのファンを集めている。いうまでもなく、人類と火の歴史の観点からも赤く青く燃える火が料理に必要でないはずがない。
 原点を忘れてはならない。人間関係の希薄さが当たり前の時代にあって、LPガス業界は唯一、気安く家庭に入り込める特権をもつ事業である。泥臭いからこそ得がたいこの「強い接点力」を生かし、そして「快適なライフプランのサポート」という熱い志を原点に重ね合わせれば、LPガス事業者は顧客に最適提案を行うというエネルギーソリューション会社として、主役の座を張り続けることができる。
 LPガスは、環境にやさしく災害にも強い分散型エネルギーである。これは他に比類のない貴重な特性だ。もっと自信を持って販売してもらいたい。
 元売や卸などの事業者や団体組織の統合や合併、ライバル同士の充填基地の共同利用といった業界再編の生みの苦しみが加速している。どう合理化するか、いかにコスト削減するかに業界は腐心している。こうした転換期にこそ、新しい風は眼前に迫っている。
 プロパン・ブタンニュースが、その新しい風となるこの55周年を機に改めてこのことを肝に銘じるものである。


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