プロパン・ブタンニュース

総合面

エネサンスHD、「ライフイノベーション」に挑戦 

新ビジョン具現化へ

岡田卓也社長

エネサンスホールディングス(本社・東京、岡田卓也社長)は、6月に公表した新ビジョン「新たな挑戦でライフイノベーションを起こす」の具現化に入った。ビジョンのロゴデザインも社内から100を超える案が寄せられている。少子・高齢化や脱炭素時代のただ中に立つだろう現在の若手を中心に方向性を検討した新ビジョンプロジェクト。岡田社長は「革新的な取り組みには時間が必要。今から準備し、われわれ現行役員が代替わりしても継続していけることを主眼とした」と語り、順調な滑り出しに手応えを感じている。

  • 松江市、都市ガス事業民営化へ委員会設置し検討
  • 岩谷産業、西豪州でCN創出事業開始へ 現地政府機関と植林を協業
  • オランダのディメタ社がrDMEの大規模製造計画に着手
  • 富士瓦斯、環境にもおいしさを FCNLPガス キッチンカーに供給

富士瓦斯のFCN―LPGを導入するなないろ食堂」

富士瓦斯(本社・東京、津田維一社長)は1日から、セブン&アイ・フードシステムズ(同、小松雅美社長)が運営するキッチンカー「なないろ食堂」に対し「フジガス・カーボンニュートラルLPガス( F C N ― L PG)」の供給を始めた。
店内調理に使用するLPガス全量をFCN―LPGに切り替え、燃焼時に排出するCOを山梨県の「やまなし県有林活用温暖化対策プロジェクト」で創出したクレジット(Jクレジット)で相殺。年間約1㌧の排出量を実質ゼロにする。
今回の取り組みは、セブン&アイが2021年5月に県と締結した「森林及び環境の保全等に関する連携協定書」を背景に実現した。富士瓦斯は、セブン&アイのレストラン「デニーズ」への供給も検討する。

首都圏版

  • エネサンス関東、上尾事業所に新社屋 研究棟も備え新たな中核拠点に
  • ENEOSと出光興産、サウジアラムコと合成燃料協業で覚書
  • 岩谷産業、東名足柄SAで9月15日に水素ステーション開業へ

NEXCO中日本(本社・名古屋市、小室俊二社長兼CEO)と中日本エクシス(本社・同、三宅広通社長)、岩谷産業(本社・大阪、東京、間島寬社長)は、E1東名高速道路足柄サービスエリア(下り)で整備を進めている水素ステーション=写真=を9月15日午後2時にオープンする。高速道路のSA・パーキングエリアでは全国初の開業となる。
足柄SA水素ステーションは、旧LPガススタンド跡地の敷地約1千平方㍍に建設を進めているもので、供給方式はオフサイト型液化水素貯蔵で、供給能力は毎時平均300立方㍍と大型トラックにも短時間で充填が可能な能力。充填圧力は82㍋パスカル、充填口数は2カ所。岩谷産業の運営で営業時間は午前8時から午後8時までの12時間営業。

  • 安全は準備と管理から 関東高保大会 24人と26者が栄誉

受賞を機に決意を新たにした

関東高圧ガス保安団体連合会(関高連、三木健会長)は7月28日、東京・文京区の東京ガーデンパレスで第38回関東高圧ガス保安大会(後援=関東東北産業保安監督部)を開いた。高圧ガスの保安や災害防止に顕著な功績を収めた14人と12事業者が監督部長表彰を、10人(感謝状4人含む)と14事業者が会長表彰の受賞の栄に浴した。
開会のあいさつに立った三木会長は受賞者を祝福したうえで「技術進展による保安向上も期待されるが、まず重大事故防止には日常点検や保安教育が必要だ。豪雨や地震など自然災害が各地で発生するなか、危害予防規程に即した準備と管理をお願いする」と要請。「連合会として会員相互の情報共有と知見収集を図り、存在意義が一層高まるよう努力を継続する」と意気込みを示した。

地方版

北海道=エネサンス北海道札幌支店、LPガスで暮らし快適

リンナイと連携し燃転講習会開く

エネサンス北海道札幌支店(齊藤譲支店長)はリンナイ北海道支店第1営業所(金子恵介所長)と連携し4日、札幌市のリンナイ同支店で燃転講習会を開いた。40人超の販売事業者が参加した。両社の若手社員が中心となって企画した講習会で、電気料金高騰を追い風にエコジョーズを軸に燃転する手法をプレゼンテーションした。

  • 北海道=<新道産子登場>空知ガス・樋口孝志社長、電化客に燃転提案
  • 東北=八戸液化ガス、ブルークレジット購入し八戸三社大祭の山車運行でCOオフセット

八戸三社大祭の山車

八戸液化ガス(本社・八戸市、平野薫社長)は海藻が吸収するCOを排出権にして岩手県洋野町が販売する「Jブルークレジット」を購入した。7月26日、町役場で購入証書の交付式が行われた。購入したクレジットは、4日まで行われた八戸三社大祭の山車運行で排出したCOのオフセットに使った。
洋野町は海岸の岩場に溝を掘ってコンブなどの海藻を増殖させる藻場を整備している。藻場ではウニを育てている。藻場の海藻が吸収するCO3106・5㌧が昨年11月に国土交通相の認可団体から「ブルーカーボン」と認証された。町はこれをブルークレジットとして販売、5月に八戸液化ガスと岩手県軽米町の建設会社が購入した。

  • 東北=EGE北日本支社、4年ぶりに「青森ねぶた」に参加 照明はLPガス発電機で灯す

LPガス発電機で配送車の前ねぶたを灯した

ENEOSグローブエナジー北日本支社(青森市、石丸勝浩常務執行役員支社長)が4年ぶりに青森ねぶた祭(2~7日)に参加した。配送車をかたどった前ねぶたとLPガス容器に扮した「バケト」が元気に走りまわり、地域の祭りを盛り上げた。
配送車をかたどった前ねぶたの照明は今回、初めてLPガス発電機で灯した。ドアに「LPガスで発電中」と記し、カーボンニュートラルLPガスを使用していることを付記した。
一般市民や地元企業などで運行する「私たちのねぶた」のグループに加わっての参加。祭りは昨年、規模を縮小して開催されたが同グループは参加せず、コロナ禍前と同規模に戻った今年から参加した。

  • 中部=サーラエナジー 浜松に系統用蓄電所 26年春に稼働 6000世帯1日分の容量 

藤田尚弘執行役員(右)浅井寛志マネージャー

サーラエナジー(本社・豊橋市、鈴木敬太郎社長)は7月28日、浜松市のサーラプラザ浜松で静岡県内初となる系統用蓄電池「サーラ浜松蓄電所」設立に関する説明会を開いた。容量は一般家庭約6千世帯分の1日の電力使用量に相当し、2026年春の運転開始を目指す。気象条件などにより大きく変動する発電量の調整力として活用し、市が掲げる「太陽光発電導入量日本一」を支える。
会見では、藤田尚弘発電部門執行役員が「地域課題の解決を重要視する」という同社の姿勢を明確化するとともに、カーボンニュートラル(CN)実現に向けた同社第5次中期経営計画の25年目標値として、21年比で自社事業活動から発生するCOを5千㌧削減、顧客先のCO削減貢献量を5万5千㌧を掲げ、低炭素化、脱炭素化に向けた取り組みを積極的に推進する方針を明らかにした。

  • 中部=サイサン中部支店、新社屋で営業開始 「2045年ビジョン」実現へ気持ち新たに
  • 近畿・四国=日本プロパンガス(丸亀市)、「きずな大抽選会」実施 全顧客に応募はがき
  • 近畿・四国=ツバメ瓦斯(綾部市)、リフォームフェアなどコロナ前の企画を再開
近畿・四国=大一ガス創業者 元愛媛県協会長 中田文一氏お別れの会

功績と人柄を偲ぶ

LPガス業界をはじめ政財界から多く参列した

大一ガス(本社・松山市、稲葉隆社長)の創業者で名誉会長、元愛媛県LPガス協会会長、元日本LPガス連合会副会長大一ガス創業者元愛媛県協会長 中田文一氏お別れの会功績と人柄を偲ぶの中田文一氏のお別れの会が2日、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で開かれた。
中田氏は5月21日、老衰のため死去。100歳だった。実行委員長は稲葉社長が務めた。中田氏は1922年、松山市で中田家4人兄弟の次男として誕生。日本国有鉄道ではSL機関車運転手などを務め、労働組合運動にも参加した。50年に大一商店を創業。木炭や練炭を販売し、県内でも早くからLPガスの販売を開始し業容を拡大した。「風流反骨の商道人」と評され、地域経済やLPガス業界の発展を牽引してきた一方、数寄屋造りの自宅で茶に親
しみ、和の文化を愛する風流人でもあった。

  • 中国=山陰酸素境港営業所、需要開拓へ相談会 66組来場し売上高668万円
  • 中国=広島ガスプロパングループ、8会場で保安講習会 安全文化の構築徹底
  • 九州=九州コラボ、CNへガス体エネ一丸 新会長に山下秋史氏(日本ガス協会九州部会長)
  • 九州=山代ガス、ヤマシロンが「まつり鳥栖」に出演 食の大切さ伝える

住設・新技術

  • リンナイ、壁掛け浴暖一新 ヒートショック対策強化 湯張り連動や自動換気も
  • ノーリツ、「オルシェ」新CMで料理サポート機能を訴求 初心者も安心 
  • 富士山の銘水、浄水型サーバーのアンバサダーに上野樹里さん

<環境特集>CNへソリューション

2050年にカーボンニュートラル(CN)社会実現を目指す動きがG7加盟国を中心に世界中で加速してきた。日本では経済産業省が経済成長と環境保護の両立を目指したグリーントランスフォーメーション(GX)起点の新産業として、多様なエネルギー源の研究開発、社会実装への支援を進めている。LPガス業界はカーボンリサイクルによる合成ガスの開発を急ぐ一方、市場の維持・拡大へ一層の省エネ化や再生可能エネルギーの併用など高度なソリューション提案が求められる。本特集はグリーンガス化の動向やCO2排出量可視化サービス、太陽光発電や蓄電池販売のモデル事例などを取り上げる。
・政府はGX経済移行を促進 省エネ徹底 再エネを主力電源に
・グリーンLPガス、業界挙げ開発普及 検討会、社会実装へ道筋示す
・推進協、来年度にカーボンリサイクルの実証スタート

  • 新エネ販売に挑戦
    住宅や建築物の省エネ基準が厳しくなるなか、業界各社は脱炭素を見据えてカーボンニュートラルLPガスや高効率ガス機器を販売するだけでなく、エネファームや太陽光発電、蓄電池などの新エネルギー機器も適切に提案して顧客満足度を高めていく必要がある。こうした新商材の販売に挑む率先派を取材した。
    ・常磐共同ガス(いわき市)=太陽光+蓄電池がじわり浸透 アピール戦略が奏功
    ・古川(小田原市)=太陽光設置600件突破 自社物件拡大へ営業強化
    ・マルエイ(岐阜市)=電力高で蓄電池に商機 卒FIT客も手厚く
    ・大和石油ガス(大阪市)=太陽光・蓄電池・エネファームで「自家発電」提案加速
  • 環境に貢献 4社の商材・サービス
    脱炭素社会に向けエネルギー業界の率先した対応が求められている。LPガス事業者は社業に伴うCO2排出量を可視化し削減することはもちろん、顧客が暮らしや経済活動の中で排出するCO2の削減に向けて多彩なソリューションを提案していく必要がある。そうした取り組みに寄与する4社の商材・サービスを紹介する。
    ・アークエルテクノロジーズ=ガス業界の課題解決 GHG排出量を算定・可視化
    ・ゼロボード=岩谷と提携、脱炭素へ包括支援 排出量・製品別算定も
    ・東西商事=可搬式蓄電池で容量2048ワット時 バッテリー単体の交換も可
    ・ブルーティパワー=可搬蓄電池、法人・自治体向け拡大
  • エネルギー白書、ウクライナ危機長期化 LNG高で電力押し上げ 政府、緩和策で対応
    政府は6月6日、「2023年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」を閣議決定した。ロシアによるウクライナ侵攻の影響で世界的にエネルギー需給の不確実性が増すなか、特にロシア産の代替が急務となったLNGに焦点を当ててエネルギーの供給動向を解説している。一方で脱炭素化への取り組みとして、2月に閣議決定した「GX基本方針」の内容にも言及。福島第一原子力発電所事故後の復興が進む福島県内での再生可能エネルギー関連事業の進捗状況などをまとめた。要点を紹介する。

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