プロパン・ブタンニュース

総合面

災対コンソ、首都地震想定し合同演習 

BCP対応を模擬体験

LPガス災害対応コンソーシアム(理事長=田島裕之・田島社長)は8月25日と29日、オンラインで首都直下地震を想定したBCP合同演習を行った。初動対応をシナリオ非提示型でシミュレーションし、BCPの手続きに従って経営資源や業務フローの管理を模擬的に体験。LPガスの「最後の砦」具現化へ粘り強く取り組んだ。

生活設備の貸与、事業者の59%が実施

無償配管は87%に(エネ庁調査)

資源エネルギー庁は、LPガス振興センター(田中惠次理事長)に委託した「2022年度石油ガス流通・販売業経営実態調査」の報告書を公開した。経営規模、事業基盤などを踏まえた一定の範囲から事業者100者程度を選出。無償配管の実績があると答えたのは全体の87・2%、生活設備の無償貸与は58・5%だった。無償配管よりも生活設備は比率が低いものの、聞き取りで問題の複雑さを確認し、特に集合住宅については「業界として改善すべき問題といえる」と指摘した。

  • 経産省、「24年問題」対策推進へ 持続可能な物流検討会最終取りまとめを発表
  • サイサン、エリア拡大へ新拠点 花巻と松山に営業所

首都圏版

  • JGEトークコンテスト関東大会、サイサン・志田氏、エネアーク関東・辻田氏が全国大会に
GHPフォーラム東京会場開催 電力高騰に積極対応

関東甲信越地域を中 心に 80 人が参加

GHPコンソーシアム(清水尚之理事長)は8日、東京・港区の東京都立産業貿易センター浜松町館でGHPフォーラム東京会場=写真=を開いた。関東甲信越地域を中心に80人が参加し、BCPや電力需給ひっ迫への対応策として、また環境とレジリエンスの両面で注目されるZEB領域でのGHPやマイクロコージェネの活用法について理解を深めた。

&LPGカンファレンス・尾日向竹信実行委員長に聞く 未来創造へ魅力発信

&LPGカンファレンス 10月10日にEXPO開催 防災・GX・DX テーマに考察

&LPGカンファレンス(議長=橘川武郎・国際大学学長)は10月10日、都内の東京国際フォーラムで「&LPG EXPO2023」を開く。団体発足後初のEXPOで、セミナーと展示に加え、学生によるビジネスコンテストなども行う重厚なイベントだ。実行委員長を務める三ッ輪産業の尾日向竹信社長にEXPOの趣旨やカンファレンスの魅力を聞いた。
―EXPOのコンセプトやテーマをお聞かせください。
まず&LPGカンファレンス自体がLPガスの未来を自分ら自身の手で切り開くため、業界の人たちが集まって考えることがベースにある。LPガスの社会的価値の向上を図り魅力を分析し、目指す姿を考え発信する。今回のEXPOは講師も出展者も異業種から多数招く。業界外からの視点や知見のインプットを受けたわれわれが、LPガスの魅力を自ら創り出し発信していく糧とする。これが大きな構想で、今回のEXPOのコンセプトにも据えている。
EXPOでは「防災」「GX」「DX」をテーマに掲げ、それぞれとLPガスを組み合わせて考える。LPガス事業者は地域ごとに特性や状況、市況感、やるべきことの優先順位などが異なり、中長期的な課題に取り組める会社もあれば、リソースが割けない会社もある。どの会社もEXPOに来場いただくことで、把握すべき課題や準備すべき打ち手について気づきを得られる場にすることを目指している。

地方版

北海道=道協北見分会、災害時の連携強化

釧路支部と初の情報交換会

北海道LPガス協会網走支部北見分会(清水敬司分会長)は6日、釧路市の工業技術センターで、同協釧路支部(平山晴章支部長)と、災害発生時に円滑な支部間の連携を図るための一歩目として情報交換会を開いた。災害時の相互扶助体制の構築を目的にした会合を設けるのは道協内でも今回が初めて。

  • 北海道=道協釧路支部、親子料理教室で楽しさ伝える
東北=東邦アセチレン、物流強化へスタートアップ企業に出資

自動運転技術活用へ

東邦アセチレン(本社・多賀城市、池田悦哉社長)は1日、自動運転技術を活用した物流インフラ構築を目指すスタートアップ企業「株式会社T2」に出資したと発表した。同社が実施した第三者割当増資5億円を引き受けた。事業の生命線ともいえる物流分野の強化と位置付けている。

中部=上野ガスと上野都市ガス、総合防災訓練実施 南海トラフ地震

発生翌日の対応確認

テントの設営や非常食の準備は女性社員中心で行った

中井茂平社長

上野ガス(本社・伊賀市、中井茂平社長)と上野都市ガス(同)は関東大震災発生から100年が経った1日、本社で2023年度第2回総合防災訓練を行った。上野ガス亀山支店、名張営業所でも同時に訓練を実施した。訓練は8月31日8時30分に南海トラフ地震が発生し、伊賀市で震度6強の揺れが観測されたなか、発生から24時間後、初動から復旧体制に移行した直後を想定して実施。ガス設備の安全確認と供給、災害発生情報を集約し、的確な判断と迅速な対応で事故を防ぐことを目指した

  • 中部=北日本物産富山、「ふれあいフェスタ」4年ぶり開催 多彩な企画でもてなす
近畿・四国=有事への対策万全に 

防災の日に各地で災対力訴求

1日の「防災の日」をはさみ、近畿・四国の各地で自治体主催の総合防災訓練が行われ、府県LPガス協会や支部が参加した。倒壊家屋からの容器撤去や仮設風呂設置などの訓練、ブースでのGHPの模型や可搬式発電機、炊き出しセットの展示など多彩な内容だった。8月には台風7号が近畿を縦断、京都府を中心に土砂崩れや浸水被害が多発したばかり。訓練はLPガスの防災性を訴求する格好の機会となった。
・愛媛県協 県総合訓練に参加 倒壊家屋の容器回収
・徳島県協 県総合訓練でGHPを紹介 後藤田知事が高い関心
・京都府協 府訓練で処置実演 迅速・安全に容器撤去
・滋賀県協 八日市 日野町訓練でPRも 避難所に仮設風呂設置

近畿・四国=<あきんどネット>丸八石油(兵庫県太子町)

人口減社会に適合を

事務所2階は夢未来高等学院姫路校の教室になっている

西田照明社長

丸八石油(本社・兵庫県太子町)の西田照明社長は「LPガスはまだ恵まれているが、SSは電気自動車(EV)の普及で先行きが不透明だ。一家に複数の自動車がある場合、2台目はEVを選ぶケースが今後数年間で増えるのではないか」と懸念を示す。脱炭素の流れが加速するなかで、化石燃料だけに頼らない経営を模索している。
西田社長の父、福太郎氏は地元の燃料店に勤務、1953年に独立して薪炭店を創業した。時代の変化に合わせ68年にLPガス販売を開始、翌69年にSSを開設した。
跡を継いだ西田社長は82年に店を法人化し社長に就いた。それ以来、ガスとSSを両輪に管工事や住設機器販売、リフォームなど関連事業を広げてきた。ガスについてはできる限り自社で業務を行うのが基本。法定点検を自社で行い、配送も7~8割は自社で賄っている。

九州=天草エネルギー、充填設備一新 

補助金活用 デジタルで効率化図る

電子式LPガス自動充填装置2基を導入した

新田雅之社長

天草エネルギー(本社・天草市、新田雅之社長)は7月、天草市の自社充填所「LPGステーション」の充填設備をリニューアルした。固定式充填機2基を導入し充填・配送作業の効率化を図った。
新たに導入したのはキヨエイの電子式LPガス固定自動充填装置2基。併せてバーコードリーダー、通信コントローラー、LPガス充填管理システムなども設置した。塗装は自社の制服と同系の青色を採用。従来の手書き管理を電子・デジタル化し充填・配送作業の効率化を図り、コスト削減効果を小売価格の低減につなげる方針だ。

  • 九州=蒸気船作りに挑戦! 佐賀青年部が児童や生徒に火育

住設・新技術

関東高圧のファミリーデー

生産現場を楽しく探索

従業員家族がオリジナルデザインのLPガス容器と記念撮影を行った

関東高圧容器製作所(本社・前橋市、矢端俊行社長)は9日、職場の雰囲気づくりやワークライフバランス向上へ従業員家族向けの工場見学イベント、ファミリーデーを本社で開いた。本社工場と相模原工場、関東片倉製作所(同)の従業員と家族の約70人が参加し、親子や夫婦で体験型企画を楽しみながら容器製造の過程を学んだ。

矢端俊行社長

矢端社長は「残業や休日出勤には家族の皆さまの理解が重要。どんなものを作っているのかを知ってもらい、家族同士の交流を深めてほしい」とあいさつした。

  • LPガスで発電・空調! ヤンマーエネルギーシステムが大阪市民に訴求
  • パロマ、ガス機器のある暮らし拡大へ 年末まで2企画展開

<容器検査特集>

技術と工夫で安定操業
新型コロナの5類移行を受けて社会全体が少しずつ活気を取り戻すなか、生活に密着したエネルギーとしてLPガスの需要も回復しつつある。その流通と安全を支えるのは、容器検査所各社の正確できめ細かな検査だ。一方で今年は検査対象の容器が減少し、容検業界は忍耐強く乗り越えるべき時を迎えている。技術伝承や働き方改革などの課題も迫り、足元では幅広く柔軟な対応が求められている。環境の変化を好機とし、高い技術力と創意工夫で安定操業を続ける全国各地の容器検査所の取り組みに焦点を当てた。
・群馬県高圧容器整備協同組合=働きやすい環境整備 設備更新 床面を平坦化
・大城エネルギー=計画投資で作業効率化 本数増へ取引先開拓
・JAエナジーこうち=GHPで現場涼しく 事務スペースも快適に

有力事業者わが社の方針
・菊地鉱業(山形市)=廃棄処理受け入れ拡大
・サイサンホールディングス(さいたま市)=動線工夫 作業を効率化
・堀川産業(草加市)=他社容器取り込み促進
・トーエル(横浜市)=バルクくず化一元対応
・大静高圧(静岡県長泉町))=需要見合の稼働体制に
・両元産業(常滑市)=人材確保と教育に注力
・笠原商事(岐阜市)=CO2排出削減へ全力
・三保産業(京都市)=資格者増員 技術に磨き
・九州エルピー(佐賀県みやき町)=製品安全へ業務円滑化
・九州高圧(南九州市)「CN再検査」スタート

白砂清一会長

全国高圧ガス容器検査協会・白砂清一会長、安定経営へ多角化・協業
コロナ禍や働き方改革に加え、長期化する原料やエネルギーの価格高騰が容器検査事業に影響を及ぼしている。23年は検査対象本数が落ち込むなか、バルクくず化処理が24年にピークを迎えるとみられ、足元で対応に迫られている。白砂清一・全国高圧ガス容器検査協会会長に業界の現況と展望を聞いた。
全検協の会長就任から10年目になるが、この間、無事故で安定操業を続けてくれた会員各社に感謝する。LPガス法をしっかりと守り、やるべきことを適切にこなしてくれたお陰だ。 今年の検査対象容器本数は、前年から約4・8%減となる450万本と予想される。一般的に週3日程度の出勤で対応できる量だ。苦しい状況だと思うが、冬には少しずつ件数が増え、いずれペースは回復する。一方で、バルクのくず化処理数は24年がピークとみられ、対応が急がれる。空き時間に設備改善などに取り組み、業務体制の強化に励んでほしい。
とりわけ自動制御マーキングシステムの導入をお勧めする。従業員の負担軽減や人手不足の解消に大いに役立つ商品だ。導入費は高価でも、人的コストと比べれば償却も早い。記名がきれいな容器は充填担当者の手に取られやすくなり、回転が速くなることもある。シンナーなどの揮発性有機化合物による従業員の健康リスクを低減できる自動粉体塗装機も勧めたい。
長引く原料やエネルギー価格高騰の影響を受け、その価格転嫁に悩む企業も多い。値上げを受け入れてもらうには、上げ幅の理由をしっかりと自社で精査し、値上げ直前の公表は避けて半年ほど前には公開することが有効だ。同業他社の方が上げ幅が低いとしても、それはその企業の努力の結果ととらえ、自社のコスト低減に努めてほしい。

 

<中国地区需要開発特集> 

低炭素エネ普及 災対力で信頼厚く
新型コロナウイルスの感染法上の扱いが緩和され4カ月が経過した。感染リスクは依然解消されないが、人々の往来や経済活動が活発になってきた。この秋はリアルガス展の開催を計画する販売事業者が多く、顧客との対面を通じた機器販売に活路を見いだしたいところだ。紙上・ウェブ展示会などコロナ下で築いた新たな販促手法にも期待がかかる。世界的に脱炭素潮流が進むなかで低炭素エネルギー・LPガスへのニーズが高まり、業界はエネファームやハイブリッド給湯器、エコジョーズ、GHPなど環境配慮型機器の普及を積極化させている。国の補助金で抑えられている電気料金は先行き不透明で、LPガスの有用性を訴求し顧客を開拓する絶好機でもある。豪雨や地震などの自然災害が相次ぐなか、レジリエントな特性も切り口に需要開拓を進め、地域に不可欠なインフラの一つとして存在感を高めていきたい。業態の強みである顧客接点、地域密着を生かし、暮らしの向上、環境貢献、災害対応力などLPガスの利点をしっかりとPRし、機器の拡販や燃転を着実に進めることが肝要だ。本特集では需要開発や顧客開拓に努める事業者の事例を紹介する。

  • 東伯ガス産業(鳥取琴浦町)=LPガスで光熱費削減 給湯ハイブリッド化・衣類乾燥機拡販
  • 山陰酸素工業(米子市)=「くらしにゆとり」提案 2年後新築ZEH75%超に
  • 大和マルヰガス(岡山市)=マイクロバブル提案 入浴の楽しみ促進
  • 荒木燃料(松江市)=業務用暖房をガス化 ファンヒーター無料レンタル奏功
  • 広島ガス北部販売(広島市)=春秋にリフォーム展 目標毎回クリア
  • 広島ガスエナジー(安来市)=エネファームに本腰 防災・環境・特性PR
  • 山口県LPガス協会=エネ・住まいの町医者に 地域密着の経営事例学ぶ
  • コーアガス島根(松江市)=電化ユーザー揺り戻し ポイント準会員に照準

最近の記事一覧プロパン・ブタンニュース一覧