総合面
岩谷産業・間島社長、能登半島地震救援に全力
首都圏 拠点完成で物流最適化
間島寬社長
間島寬・岩谷産業社長は15日、関東圏の取引先との賀詞交歓会で登壇し、能登半島地震発災直後に本社に災害対策本部を立ち上げ、情報収集と災害支援物資の輸送手配など、被災地支援に乗り出したことを明らかにした。「現地で活動を開始したマルヰガス災害救援隊への支援に向け、設備や会員の安否確認に取り組んでいるが、インフラ被害が予想以上に大きく、輸送した物資が各市町村に行き渡ったかを確認するのも困難な状況。輪島LPGセンターが被災し、運用を停止しているが、経済産業省と連携し、富士の湧水やカセットこんろ、ボンベに加え、岩谷マテリアルのポリタンクやアイラップも被災地に送った」とし、引き続きグループを挙げて支援していくことを強調した。
- ミライフ会、会員のBCPを支援 災害に備え対策や訓練
- エネファームの累計販売が50万台突破 災対や省エネで役割高まる
共栄液化ガス・小栗仁志社長が中津川市長に初当選
任期満了に伴う中津川 市長選挙
任期満了に伴う中津川市長選挙が14日に行われ、即日開票された結果、無所属新人で共栄液化ガス社長の小栗仁志氏が現職の青山節児氏に9918票の差をつけて初当選を果たした。
小栗氏は本紙の取材に対し「令和6年能登半島地震を見ても分かるように、エネルギーインフラの重要性を実感している。LPガスを含めた対策をしっかりと行っていきたい」と話した。
小栗仁志(おぐり・ひとし)氏 東京国際大学教養学部国際学科卒、1997年11月共栄液化ガス入社、2009年9月代表取締役社長就任。元岐阜県LPガス協会理事兼恵那支部長、元中部アストモス会会長、元中津川青年会議所理事長、元中津川市教育委員長、元中津川商工会議所常議員。1968年6月1日生まれ、55歳。
首都圏版
- TOKAIホールディングス、人材・組織力を最大化 収益力高め持続的な成長に注力
- 河原実業、都市ガス.電力も拡大 総合エネ商社へ飛躍する年に
サンワ(前橋市)、CNLPガス・FC・太陽光・蓄電池採用の賃貸住宅16戸が完成
CO2排出量200%削減
竣工したエコンフォート前橋駒形
遠藤宗司社長
サンワ( 本社・前橋市、遠藤宗司社長)と大和ハウスグループが手掛けるネットカーボンマイナス賃貸住宅「エコンフォート前橋駒形」(2棟・16戸)が竣工し12日、事業主のサンワが披露した。カーボンニュートラル(CN)LPガスと「全天候型3電池連携システム」を採用しCO2排出量を実質マイナスにする全国初の賃貸住宅で、設備のエネルギー供給状況や稼働率、余剰電力のデータを集積し分析・評価する実証実験を2025年12月26日まで行う。
全戸ZEH仕様、住棟単位でZEH―M(ネットゼロエネルギーハウスマンション)の基準を満たし、一般的な集合住宅と比べCO2排出量を200%削減する。エネファーム、太陽光発電システム(1戸当たり約4㌔㍗)、家庭用リチウムイオン電池(同5・4㌔㍗時、エリーパワー製)の3電池を搭載し雨天時でも約10日間の停電に対応できる。全戸に高性能断熱材の窓やLED居室照明を採用し、寒暖差の少ない快適で健康的な住環境と省エネを実現。建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」の第三者認証を取得している。
遠藤社長は「創業100周年に向け『サンワGXビジョン2046』を掲げ自社の脱炭素化を進めており、顧客向けに取り組むLPガスの新たなチャレンジとなる。独立した発電設備を各戸に備え環境、防災に優れる。CNLPガスを浸透させ地域の一翼を担う事業者として一層環境に貢献していく」とあいさつした。
地方面
北海道=岩谷北海道、炭素低減へ広角提案
グループ挙げ燃転に邁進
岩谷産業北海道支社(山元士郎支社長)とマルヰ会北海道地区会(石上嘉孝会長)は12日、札幌市の札幌グランドホテルで賀詞交歓会を開き、新年の門出を祝った。山元支社長は今年も引き続き「低炭素社会の実現に向けLPガスへの燃転に邁進していく」と宣言した。
東北=東北業界人賀詞交歓会に150人
本気度問われる年、信頼向上へ意欲新た
東北業界の年頭行事「東北LPガス業界人賀詞交歓会」(石油化学新聞社主催、東北LPガス業界8団体協賛)がコロナ禍を経て4年ぶりに9日、仙台市のホテルメトロポリタン仙台で行われた。行政や団体をはじめ販売事業者や元売、機器、システム、プラント、検査会社、保安機関などの150人が一堂に会し、災害時の役割発揮や取引適正化、保安課題などについて意見交換した。
中部=能登半島地震から3週間、業界挙げ点検・復旧
支援物資も届き始める
輪島市に支援物資を届ける岩谷産業の社員(4日)
液状化現象に襲われ地中に埋没した容器(珠洲市)
能登半島地震は1日の発災から3週間が経過し、被災地では余震が続くなか行方不明者の捜索や復旧に向け懸命な作業が進められている。
携帯電話の電波事情の改善、土砂崩れやひび割れなどで寸断されていた道路の通行再開など通信・移動手段が回復に向かい、人々の安否や家屋、街並みの被災状況が明らかになりつつある。LPガス業界関係者は設備の点検、復旧に休日を返上して全力で取り組み、大手事業者などからの支援物資も届き始めている。
- 近畿・四国=藤本産業、「ふじもとマルシェ」復活し賑わう 野菜市で地域の縁つなぐ
近畿・四国=<なにわ短信>妻の避難所体験
体育館には暖房無し
▽…1日16時過ぎ、テレビで「富山に津波警報3㍍」のテロップを見た瞬間、もう駄目かもしれないと思った。正月に1人で帰省した妻の実家は富山県西部の海沿い、漁港の岸壁から1軒目だ。堤防はあるが3㍍の津波を防げるはずもない。
数分後に妻とスマホがつながり、母や妹と一緒に実家の2階にいると知った。「近所にここより高い場所がない」という。津波が来れば木造家屋は流される。徒歩10分の中学校なら安全だろうが、この瞬間に来るかもしれない津波を思うと安易に避難を勧められない。電池を無駄にせぬよう短時間で電話を切り、これが最後の会話でないことを祈った。
中国=島根地域防災協議会、緊急援助隊用ベスト25着
県の消防長会に寄贈
前列左から地防協の河原正俊副会長、消防長会の田村達朗会長、地防協の小谷康洋会長、蔵本章雅副会長、後列左から消防長会の平野和重事務局長、県協会の石橋明専務理事、消防長会の中島渡参与
寄贈した緊急消防援助隊用ベスト
島根県高圧ガス地域防災協議会(小谷康洋会長)は創立50周年事業として、防災力の向上と県民の安全・安心に寄与することを目的に、島根県消防長会(田村達朗会長)に緊急消防援助隊用ベスト25着を寄贈した。12月22日、松江市消防本部消防長室で寄贈式が行われた。
- 九州=九州業界賀詞交歓会に232人が参集 一致団結し課題解決を
九州=子供たちに喜びを エネサンス九州
8施設に絵本150冊贈呈
エネサンスグループのキャラクター「エネさん」も登場し、子供たちを喜ばせた
エネサンス九州(本社・福岡市、小松勝秋社長)は昨年11月~12月にかけて幼稚園や保育園に絵本の贈呈式を行った。省エネ機器普及キャンペーンの収益の一部を地域の子供たちに還元するもので、販売店と協力して福岡、佐賀、長崎県内の計8施設に合計で150冊を贈呈した。
エネサンスグループが展開する「みらいづくりプロジェクト」の一環で、2011年から毎年実施している。同プロジェクトは、ガス業者として環境にやさしい省エネ商品の普及に取り組み、未来の子供たちが安心して暮らせる環境を作ることを目的としており、その成果を絵本に変えて地域の子供たちに還元する。エネサンス九州が昨年5月から7月にかけて実施した省エネ商品普及キャンペーン「eeセール2023」での収益の一部で絵本を購入した。
住設・新技術
カグラベーパーテック、蒸発器内蔵バルク「BAⅰO」が3000基達成
補助金絡め災対支援
千葉県にある老人健康施設。福祉空間整備事業補助金を活用しBAiOと非常用発電機を導入した
老健施設に導入した「BAⅰO3000-100W」。2.9㌧横型バルク貯槽のプロテクター内に、温水式で毎時100㌔㌘のガス発生能力のベーパーライザーを備える
カグラベーパーテック(本社・尼崎市、玉井健一社長)は12月、消費型蒸発器内蔵バルク「BAⅰO(バイオ)」シリーズの累計販売3千基を突破した。「究極の省スペース」をコンセプトとして2004年に発売を開始したBAⅰOは、高い省エネ性能を併せ持ち、工場、老人健康施設、ホテル・旅館、学校、病院、マンション、銭湯・スパなど、多様な現場で導入実績がある。採用事例は12月末時点で3014台となった。ベーパーライザーのトップメーカーとしてLPガスの安定・安全供給を今後もバックアップ。各種補助金を絡めた導入サポートも行い、LPガス事業者とともに災害対応力を訴求していく。
リンナイ、シニア向け新製品を2月1日発売へ
安心してガス火調理
認知症当事者や介護者の声を取り入れた
「セイフルプラス」
リンナイ(本社・名古屋市、内藤弘康社長)は誰でも安心して使えるガスこんろ「SAFULL(セイフル)」のラインアップを追加し、「SAFULL+(セイフルプラス)」を2月1日に発売する。IHに切り替えることで使い勝手が変わり、調理をあきらめる高齢者がいることから、認知症当事者や介護者・介助者の声を取り入れて製品化した。
特徴は①間違い防止のカラーリング②安心して鍋が置ける大型ごとく③聞き取りやすい音声案内―の3点。
機器メーカー今年の戦略
- ノーリツ・腹巻知社長
新中計と変革を推進
- パロマ・小林弘明会長兼社長
役立てるメーカーに
- パーパス・髙木裕三社長
環境対応商品など強化
- 新コスモス電機・髙橋良典社長
世界中のガス事故なくす
- NTTテレコン・深澤充社長
グループの総力結集