プロパン・ブタンニュース

総合面

能登半島地震、復旧支援の輪広がる

被災地で活躍するLPガス

能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県内で、被災地復興への活動が広がりを見せている。LPガス業界内の支援や復旧活動の状況も、徐々に明らかになってきた。災害対応バルクの活用が見られる一方、冷媒配管損傷でGHPが稼働できない現場もあった。断水が続く地域には、熱源に加え簡易的な給水支援も受け入れられている。(2面に関連記事)

支援にかけつけた災害対応コンソのメンバーら。給水、給湯、暖房の設置工事を行った

家屋倒壊が相次いだ金沢市西部の内灘町では、避難所の厨房、給湯、空調熱源として1日以降、LPガスが継続的に使われて。同町と石川県が実施した応急危険度判定によると、21日までに調査を終えた1679戸のうち、危険(赤)、要注意(黄)と判定された建物は868戸と半数を超える。赤判定された建物は基本的に住むことができない。21日時点で赤、黄の判定票が貼られた建物からは、すべてLPガス容器が回収されていた。

  • 岩谷産業、水素混合LPガス導管供給の実証開始 南相馬市80戸で
  • ニチガス・柏谷社長、グループ再編の意義強調 時代に即した枠組みの必要性
  • <2024年本紙事業計画>
    ・独自性ある紙面づくり
    ・創立70周年記念パーティーの開催と創立70周年記念特集紙面の発行
    ・今期事業

<能登半島地震>復旧急ぐLPガス業界

能登半島地震の発災から1カ月近くが経過した。徐々に道路や電力インフラが復旧し、LPガスも大手卸事業者の支援などもあり、現地での確認作業やガス使用不可容器の回収などの作業が進むとともに、炊き出し用の容器供給など被災者支援の取り組みが続けられている。大規模な火災にも見舞われた輪島市では、地元販売店が自らも被災したにもかかわらず顧客の安否確認や安全確保に向けて休日を返上して作業に当たっている。

  • 輪島市地元販売店が奮闘 顧客の安否、安全確保に全力
  • 北日本物産金沢、七尾を拠点に顧客対応 情報収集し奔走
  • マルヰガス災害救援隊、25日までに第4陣派遣 救援物資も継続的に
  • ガスパル、金沢市内で運営のコインランドリーを避難者に無償提供

首都圏版

  • 日本コミュニティーガス協会、事故防止策を継続 有事見据え強靭化
  • 三愛オブリ、顧客接点を再構築 ライフパートナー目指す

地方版

北海道=LPガス利用者緊急支援事業第2弾の受け付け開始 

事業者は6万円に倍増

昨年7~9月に実施した北海道LPガス利用者緊急支援事業の第2弾が2月から始まる。事業者からの申請も26日から受け付けが開始されており早速、北海道LPガス協会が業務委託する北海道LPガス補助金センターに申し込みが寄せられる。今回も1契約につき2千円の補助が上限だが、事業者に対する支援額が倍増の6万円になるなど前回からの変更点もある。

東北=ツネマツガス(仙台市)、「即湯サービス」開始 

他熱源ユーザーの顧客化狙う

仮設給湯設備は5セット用意した

ツネマツガス(本社・仙台市、常松泰成社長)は、給湯トラブル時にLPガス給湯器で仮設給湯する「即湯サービス」の提供を12月末から開始した。すぐお湯を使える状態にできるLPガスの優位性を生かし、他熱源ユーザーとの接触機会を増やして顧客化につなげることが狙いだ。
即湯サービスは電気や石油、都市ガスなど他熱源の給湯設備を使う家庭や事業所を対象に、給湯設備の故障時にLPガスで仮設給湯を行い、お湯を使えない不便をスピーディーに解消するサービス。同サービスの商標権を持つ徳島県の鳴門ガス(本社・鳴門市、中岸雅夫社長)から商標使用権とノウハウを得て行う。

  • 中部=マルエイグループ、幸せ社会の創造に全力 澤田会長が合同賀詞交歓会で方針
中部=三谷産業グループ、能登半島地震の被災者支援に1億円 

緊急物資など提供

三谷産業(本社・金沢市、三谷忠照社長)グループは9日、能登半島地震で被災した人たちの支援のため、総額1億円を拠出し、寄付と支援物資の提供を決定した。
義援金の寄付、飲料水、食料、生活用水、灯油、ポリタンク、ガソリンと携行缶、カイロ、おむつ、生理用品、簡易トイレなどの緊急を要する
支援物資を提供するほか、食器や家具など中長期的な支援物資の提供を行う。

中部=上野ガス前社長 木津龍平氏葬儀

400人が別れ惜しむ

上野ガス(本社・伊賀市、中井茂平社長)と上野都市ガス(同)の前社長で、14日に死去した木津龍平氏(享年85歳)の葬儀が18日、伊賀市のベルウイング会館でしめやかに行われた=写真。約250人が参列した前日の通夜に続き、雨が降りしきるなかで約150人が参列。親族、上野ガス社員、取引先関係者など生前親交のあった人たちが別れを惜しんだ。
喪主で長男の潤平氏は故人の思い出や歩んできた足跡、功績を振り返るとともに「幸せな人生を送ることができたのは、ここにお集まりいただいた皆さまのおかげ」と感謝の念を伝えた。
木津龍平(きづ・りょうへい)氏 1963年3月東京大学工学部航空学科卒業。
95年6月上野ガス常務、上野都市ガス専務、97年6月上野ガス代表取締役専務、上野都市ガス社長、99年6月上野ガス社長、伊賀上野ケーブルテレビ社長など歴任。2004年~16年上野商工会議所会頭、16年旭日小綬章受章、17年伊賀市政功労賞受賞

近畿・四国=29年前の惨事忘れず 

兵庫県協、安全の日の集いでLPガスの災対力訴求

兵庫県LPガス協会(北嶋太郎会長)は17日、神戸市のHAT神戸なぎさ公園で開かれた「ひょうご安全の日のつどい」に出展した。6434人の命が奪われた阪神・淡路大震災から29年。元日発生した能登地震の被災者に寄り添う思いを込め、別会場で行われた式典では約4千本の灯籠を並べ「ともに」の文字を表した。

関西ラジオの番組に生出演する山﨑勝良神戸支部長(中央)

兵庫県協会は震災の経験と教訓を忘れず、復興に大きく寄与したLPガスのある安全で安心な社会づくり、国内外で発生する災害被害の軽減に貢献するため、毎年1月17日を「L P ガス減災の日」と定め、災害対策の重要性をPRしている。

  • 近畿・四国=ミライフ西日本、環境とエネルギーテーマに女子中学生向け出前授業開く
  • 中国=マルヰ会山陰、事業広げ未来を創造
  • 九州=岩谷産業九州、マルヰ会70周年へ飛躍の1年へ
九州=九州業界人賀詞交歓会、積年の課題解決誓う

一致団結し次代切り開く

坂元耕三・九州産業保安監督部長の乾杯発声で新年の幕が明けた

2024年新春九州LPガス業界人賀詞交歓会が10日、福岡市のホテル日航福岡で開かれ、九州・沖縄の関係者232人が一堂に会した。新型コロナの5類移行後初めての開催に当たり、主催者を代表してあいさつした石丸浩・日本コミュニティーガス協会九州支部長は「コロナ後は新しい日常が始まると言われていたが、業界は意外と以前の姿に戻った。お客さまとのつながりの強みが変わっていないということの証左だ」と指摘した。長年培った信頼関係と顧客接点がわれわれの最大の武器であることを再確認し、料金透明化と取引適正化に真摯に取り組み、選ばれるエネルギー、選ばれる事業者を目指そうと誓った。

住設・新技術

リンナイ、ウルトラファインバブル給湯器を拡充 

寒冷・狭小地や集合住宅向けも

リンナイ(本社・名古屋市、内藤弘康社長)はウルトラファインバブル給湯器のラインアップを拡充し①エコジョーズに発生装置を搭載したFF方式・屋内壁掛けタイプ②集合住宅取り替えタイプ③スリムタイプの給湯暖房用熱源機④据え置き
型の風呂給湯器―の4種を2月9日発売する。寒冷地や集合住宅、都市部の狭小地など従来は対応できなかった環境でも設置できるようになる。

左上から時計回りにFF方式・屋内壁掛け型、集合住宅取り替え
用エコジョーズ、スリムタイプ、据え置き型

ウルトラファインバブルは直径1㍃㍍未満の微細な泡で、細かなすき間に入り込み汚れを洗い流す効果がある。ウルトラファインバブル入りの湯を使うことで、水回りの汚れとして代表的な「ピ
ンク汚れ」の原因菌の減少や、肌のうるおいの持続が確認されている。
代表型式と税込み希望小売価格は次の通り。
▽FF方式・屋内壁掛けタイプ開放式24号「RUFH―UE2406AFF2―6」=69万9270円、同「RUFH―UE2406AFF2―1H」=69万4210円、同密閉式24号「RUFH―UEM2406AFF2―1」=69万470円▽集合住宅取り替えタイプ24号「RUFH―UTE2406AW2―6」=67万4410円、同「RUFH―UTE2405AW2―3」=60万4890円▽スリムタイプ24号「RUFH―USE2408AW2―3」=64万200円▽据え置き型24号「RUF―UE2405AG」=53万8890円、同20号「RUF―UE2008AG」=51万1500円

  • シナネンアクシア、人材育成へ総合技術センターを東京・日本橋に開設
  • エフ・ユー、LPガス業界を支援へ教育・コンサルや業務受託

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