総合面
元売国内販売量、10~12月期は5.6%減の350万4629㌧
工業用除く各用途で減少
日本LPガス協会(江澤和彦会長)によると、2023年10~12月の元売による国内販売量は350万4629㌧で前年同期比5・6%減となった。横ばいとなった工業用を除き各用途で下回り、全体の53%を占める家庭用は4・2%の減少となった。
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首都圏版
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創業4年目のやまとEGS・武井雅士社長、質量販売で需要開拓
器具レンタルで裾野拡大
武井雅士社長
武井雅士氏が社長を務めるやまとEGSは2020年3月に創業した。質量販売に特化した事業を展開している。武井社長に業況と今後の展望を聞いた。
―設立までの経緯は。
前職で質量販売の責任者だった。退職後も質量販売の仕事を神奈川県でできないかと考え、19年に市場調査をした。イベント需要もありニーズをとらえられると判断し、前勤務先や前職で取引のあった元売事業者などの協力も得て起業した。社名の「EGS」は「EVENT GAS SERVICE」の略。質量販売だけでは利益を見込むのが困難だったので、「ガスを販売できるガス器具レンタルショップ」をコンセプトに据えた。質量販売は多様な状況に対応する必要がある。大小さまざまなイベントがあるが、お客さまに安全に提供する段取りを、やりとりを経て考えるのが面白い。
―コロナ下で起業しました。
軽井沢のキャンプ場にCNLPガス 軽井沢ガスが供給
アウトドア楽しみながら防災・環境学習
7.5㌔㌘FRP容器を各棟に2本設置したサルベージロッジ(計5棟)
キャンプ場のライジングフィールド軽井沢(本部・長野県軽井沢町、森和成社長)は6日、場内に5棟ある移動式ロッジの熱源に軽井沢ガス(本社・同、佐藤敏明社長)が供給するカーボンニュートラル(CN)LPガスの活用を始めた。併せて中国工業のFRP容器(各棟2本)を導入した。アウトドアを楽しみながら、防災・環境学習を切り口に利用拡大を図る方針。CNLPガスや質量販売の新たな需要開発が見込めるモデルとして期待される。
ロッジは災害支援施設・避難棟として被災地に移動できる完全独立型ユニット「サルベージロッジ」。空気中から水を生成し最低限のシャワー、トイレが利用でき、床暖房も備える。屋根に太陽光発電パネルを設け、今回のCNLPガスの導入でカーボンマイナスを実現できる見込み。脱炭素と災害対応の基準をクリアすることで環境省から支援を受けて導入した。
地方面
北海道=ミライフ北海道、不動産・リノベ・ハウスケアなど新事業が好調に展開
リフォーム力を発揮 住まい生涯サポート
販売中の札幌市内のマンション。モデルは大塚哲也社長自ら務めた
ミライフ北海道(本社・札幌市、大塚哲也社長)の不動産売買・リノベーション、戸建てに特化したハウスケアといった新事業が好実績を積み上げ始めている。両事業とも取り組みを開始してから間もないが、確実に実績を上げるとともに同社の認知度を飛躍的に高めている。
不動産・リノベーション事業を展開するため社内にハウスケアチームを立ち上げたのは2021年。17年からリフォームを手掛けていたが、下請けの位置づけで行っていた。ゼネコン勤務経験を持ち2年前に建物取引主任者の資格を取得した野崎祐也氏が3年前に入社したことで中古マンションを仕入れ、リノベーションし販売する事業の推進に拍車が掛かった。
東北=八戸液化ガス、災対力強化と生産性向上
CNLPガス普及も目指す
はちえきグループ友の会が開いた新春の集い。八戸液化ガスの事業方針を踏まえ活動を展開する
平野薫社長
八戸液化ガス(本社・八戸市、平野薫社長)の取引事業者でつくるはちえきグループ友の会(壬生八十博会長)は9日、八戸市の八戸プラザホテルで新春の集いを開いた。平野社長はあいさつの中で今後の方針に触れ、災害対応力強化と人手不足に備え生産性の向上に取り組むと表明。低炭素社会に対応しカーボンオフセットを活用していくことを強調した。
平野社長は能登半島地震に触れ「災害への備えは被害を最小限に抑えるだけでなく、復旧をスムーズに進めるために重要」と指摘し、BCPや防災訓練の内容を見直す方針を示した。また、人手不足問題に対しては「従業員のレベルアップと情報技術の活用による生産性向上」で備えるとした。
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中部=関西プロパン瓦斯、ガスに加え電化機器も
リフォーム利益率改善もテーマに
リフォーム協力会社約20社が参加するかんプロ会
関西プロパン瓦斯(本社・津市、石井智之社長)は今期(2025年1月期)も主力のガス部門で機器販売を強化し、補助金を有効活用してエコキュートの拡販も進める。リフォーム部門は収益体質の改善をテーマとし、「かんプロ会」を通じ協力事業者との連携を深めていく。介護部門はM&Aも視野に入れ事業運営していく方針だ。
ガス部門は引き続き燃転や新規顧客の獲得と併せてガス機器の営業活動に取り組む。政府が展開する住宅省エネ2024キャンペーンの「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」を有効活用する。中でも補助金額が最も高いエコキュートの販売に注力。
中部=<新社長登場>カニエJAPAN・黒川博勝氏
人材育み成長機会を創造
黒川博勝氏
昨年10月1日付でカニエJAPANの新社長に就任した黒川博勝氏。5カ月近くが経過したが、今でも新任あいさつをはじめ慌ただしい日々が続いているという。 「実るほど頭( こうべ)を垂れる稲穂かな」を座右の銘とし、絶えず謙虚な姿勢を忘れない。黒川社長は人を育てることに重きを置いている。「今はインターネットで何でも買える時代となり、人を介することが以前より減ってきたが、それでも最終的には人。会社も個人も信用されるようにならなくてはいけない」と語る。
黒川博勝(くろかわ・ひろかつ)氏 三重中京大学(旧松阪大学)政治経済学部政治経済学科卒、カニエJAPAN入社。2010年4月取締役、12年4月津島瓦斯専務、14年4月同社長、23年10月から現職を兼務。1970年4月23日生まれ。愛知県蟹江町出身、53歳。
近畿・四国=徳島県、学校体育館GHP導入へ来期は12高校へ着手
都市ガス 供給域外 LPガスを想定
徳島県(後藤田正純知事)は8日、2024年度当初予算を発表した。「『こどもまんなか』を目指した県立学校施設機能強化事業」に14億3810万円の予算を組み、学校体育館への空調整備に8億9800万円、トイレの環境改善のための洋式化に5億3987万円を充当。24年度は県立高等学校12校への実施設計委託と工事契約を締結するとしている。
- 近畿・四国=藤井合金、ミュージアム好評 ガス栓の歴史、実物展示で明快に
展示品を説明する仁科雅雄常務
藤井合金製作所(本社・京都市、藤井康孝社長)の「ガス栓ミュージアム」が開設から2年経過し、多くの来場者を迎えている。ガス関連企業や業界団体の研修旅行に組み込まれるケースも多く、「もっと時間をかけてじっくり見たかった」という声が上がるほどだ。
ミュージアムは2022年2月14日、創業100周年を記念して本社に作られた。大正時代から現代に至るガス栓を一堂に集めている。鋳物製からガスコンセントまで、ガス栓の歴史を実物でたどれる貴重な場所だ。
監修に携わった仁科雅雄常務は「メーカーにとって一番大事なのは技術の伝承。文章や写真で技術を伝えるのは不可能であり、実物を見て、触れ学ぶしかない」と実物展示の意義を語る。商品の変遷は技術の進化の足跡である。昔の商品にどんな課題があり、どのように改善して新商品が生まれたか。先人のアイデアの積み重ねを追うことができる。
- 近畿・四国=門田ガス(愛媛県砥部町)、ウルトラファインバブル給湯器納入先に特製POP
- 近畿・四国=本社建て替え気持ち新た 大和協同ガス
ブラックとホワイトのツートンカラーが特徴の新本社事務所(16日撮影)
大和協同ガス(阪本正人社長)は事務所とLPガス充填所を構える奈良県広陵町大野85―1で本社の新築工事を行った。建築面積107・12平方㍍、鉄骨2階建ての新事務所は昨年11月末に着工、きょう26日に竣工した。阪本社長は「使い勝手や新規採用面を考慮し本社を建て替えることにした」と語る。
外壁をホワイトとブラックのツートンカラーに仕上げ、旧事務所よりも天井を高くした。1階入り口を二重扉に変更、カウンターを新設し事務所横に倉庫を備える。2階にはシャワールーム付き宿直室、社長室、林成晃会長の会長室、会議室を構える。社長室と会長室からは充填所を見渡せるよう大窓を設置した。別に1室設け、リハビリ型デイサービス事業所「リハプライド広陵」のケアマネージャールームとしての活用も想定する。
中国=ヤマサン会、機器更新・燃転・新築獲得を販促目標
CO2を200㌧削減目指す
山陰酸素工業(本社・米子市、並河元社長)の販売店組織ヤマサン会(吉村博美代表理事)は1月26日、米子市のANAクラウンプラザホテル米子で臨時総会を開いた。来期も環境負荷低減に配慮した営業活動を継続、給湯燃転や機器更新によるグレードアップ提案、新築住宅へのLPガス機器導入を推進し顧客のCO2排出量削減に寄与するため販促企画「山陰ガスらぶフェア
24」を展開する。
九州=小平(鹿児島県日置市)、父祖の地日置市に本社移転 地域のハブに
「HARBOR(港)」
鹿児島県産木材をふんだんに使用した環境配慮型の新社屋
テープカットする小平勘太社長(右)と永山由・日置市長
小平(本社・日置市、小平勘太社長)は13日、鹿児島市にあった本社を日置市に竣工した新社屋に移した。新社屋は環境に配慮した設計で、リモートワーク時代のリアルなコミュニケーション創出を目的に、さまざまな人と人とのつながりを生む場として広く活用していく方針だ。
「HARBOR(港)」と名付けた新社屋は延べ床面積1 4 3・24平方㍍、鹿児島県産のヒノキを構造材に利用した木造建築で昨年6月に起工、今年1月に竣工した。県下で2例目の特殊工法(SE工法)を採用し鉄筋コンクリート並みの強度を持ち、心身のストレスを軽減し冷暖房エネルギーも削減する環境配慮型建築で、耐震・断熱性能に優れ、曲線型の屋根と放射線状の床が特徴的なホールには最大20人を収容。常駐社員やリモートワーク社員、地域住民などさまざまな人が交わるハブとしての「港」となることを目指す。
同社は創業110年を迎えた22年から3年間を第4創業期と位置付け、新たにミッション、ビジョン、バリューを制定。
住設・新技術
- サイバーテロ超え信頼へ パーパスAZ共奏会が24年度第1回ウェビナー開催
HarezaTowerから発信した24年度第1回パーパスAZ共奏会
パーパス(本社・富士市、木裕三社長)のITソリューションシステムユーザーで構成するパーパスAZ共奏会の2024年度第1回会合が15日、同社の東京拠点であるHarezaTowerオフィスからウェビナー形式で行われた。昨年6月のサイバーテロ攻撃を経て活動を停止していたが、システムのセキュリティー対策、今後の対応策が固まったことを受け再開したもので、今年度は11月の第10回まで開催する。
24年度の活動テーマ(予定)は、①セキュリティー対策=ガイドライン説明会、セキュリティーサービスの案内、外部講師によるセキュリティー基本説明会②BCP対策=BCPポータルサイトの案内、不測の事態・緊急時対応③エンゲージメント戦略=顧客側でのコミュニケーション変革、従業員側での営業生産性を高める働き方改革、配送新スマホアプリ紹介による物流2024年問題対応④環境~エコエンゲージメント~=GXとDXの紐付け(ペーパーレス、キャッシュレスなど)⑤AI技術革新=AI最新事情のピックアップ⑥エネルギー業界の規制・法改正=取引適正化の制度改革での集合設備の無償貸与禁止と設備投資の管理方法、ゴールド認定販売事業者を目指すための運営管理―などで、会員のリスキリングとエンゲージメント推進をテーマに進める。
- 能登半島地震で東洋計器のIoT—Rが威力発揮 センターに遮断506件
- LIXIL、取り換え窓「リプラス」シリーズに最高級の断熱性能タイプを追加発売
GHPとコ・ジェネ
HVAC&R2024、最先端の空調機器一堂に
6年ぶりに制限なし開催
㊧創業100周年を旗印に、省エネソリューションなどを展示したダイキン工業ブース ㊨レジリエンスをテーマに電源自立型GHPなどをPRしたパナソニックブース
冷凍空調業界の総合展示会「HVAC&R JAPAN(ヒーバックアンドアールジャパン)2024 第43回冷凍・空調・暖房展」が1月30~2月2日にかけて、東京・江東区の東京ビッグサイトで開かれた。新型コロナの影響で、制限なしの開催は2018年以来6年ぶりとなった。会場では「HVAC&Rには未来の答えがある」をメーンテーマに、国内外の149者が最先端の空調冷熱製品やサービス、ビジネスモデルを一堂に展示した。隔年開催のHVAC&Rは、新型コロナの感染拡大に揺れた20年の開催を断念。22年も一部リモート参加とするなど、感染防止ガイドラインに沿った事実上の縮小開催となっていた。今回の展示会は新型コロナの5類感染症移行後ということもあり、海外メーカーの出展も目立つなどイベントの規模を拡大。特に最終日の2日は、ブース外の通路にも来場者が滞留するところが目立つなど盛況だった。
- <能登半島地震とGHP>避難所への提案強化を 自立型導入で快適空間の例も
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- パナソニック産機システムズが空調セミナー開催 新たな価値打ち出す
特集記事 <中国地区流通マップ>
- 中国地方LPガス充填所、オートスタンド、容器再検査所、生産輸入基地分布図