総合面
ジャパンガスエナジー、燃転でCO2を1,013トン削減
成功のノウハウ共有 エコTENキャンペ
一般クラス1位を受賞した広島ガス住設の佐々木崇氏(手前右)
大浜健社長
ジャパンガスエナジー(本社・東京、大浜健社長)は13日、東京・港区のアジュール竹芝で燃転キャンペーン「エコTENキャンペーン~低炭素祭り2023~」の表彰式と事例発表会を行った。キャンペーン部門には全国の特約店80社から1619人がエントリー。合計3905件の燃転により年間約1013㌧(杉の木換算で7万2千本相当)のCO2削減を図り、LPガスの需要拡大と環境保全の両面から大きな成果を上げた。業務工業用やGHPなどの有力事例発表もあり、グループ全体で成功のノウハウを共有した。
- 保安機関通達で30分ルールの地域特例を追記へ 実情に応じ柔軟に
- 共済事業団、LPガス賠償責任保険の基本保障初改定 ガス切れやサイバー攻撃にも対応
日団協、LPガス読本を改訂
利便性向上 人材育成に活用を
日本LPガス団体協議会(江澤和彦会長)は、「LPガス読本」(A4判、88㌻)の改訂版を刊行した。同書は2009年に初版を発行して以来版を重ね、今回の改訂が7回目となる。
LPガス関連事業者の社員教育や人材育成などに用い、LPガスへの理解を深めるガイドブックとして役立つよう主要な項目をテーマ別に分かりやすく解説している。また、一部の項目には関連WebサイトとリンクしたQRコードを付し、より詳細な内容が分かるよう利便性を図った。
各章は「序章・LPガスとSDGs」「第1章・持続可能な社会の実現に向けての挑戦」「第2章・確かな安定供給力~LPガスの強靭性~」「第3章・LPガス有効活用の事例」「第4章・安全に使っていただくために」「第5章・LPガスの基礎知識」「資料編」で構成し、写真や図表、イラストを交えて読みやすさに配慮している。同書は日団協ホームページでも閲覧できる。
編集・制作は石油化学新聞社が担当した。
- ニチガス、土屋友紀専務執行役員が代表取締役に昇格
ニチガス( 本社・東京、柏谷邦彦社長)は14日の取締役会で、土屋友紀専務執行役員営業副本部長の代表取締役専務執行役員営業本部長昇格を決めた。6月25日開催予定の株主総会と取締役会を経て就任する。現任の渡辺大乗氏は同日付で退任する。
代表取締役は引き続き柏谷社長、吉田恵一専務執行役員との3人体制とする。
土屋友紀(つちや・とものり)氏 1993年3月同社入社。2008年営業本部西関東支店第1部長、10年執行役員営業本部東関東支店第1部長、14年取締役営業本部エネルギー営業部東関東支店長、15年常務執行役員営業本部エネルギー営業部東関東支店長、20年東彩ガス社長、23年ニチガス専務執行役員営業本部副本部長兼東彩ガス社長執行役員を経て24年1月から現職。1969年5月17日生まれ、54歳。
- 軽井沢ガス、新社長に清水薫氏が就任
軽井沢ガスは2月28日付で、清水薫常務が取締役社長に昇格した。佐藤敏明代表取締役社長は代表権のある会長に就き、清水将門常務は専務に昇格した。同月
27日の取締役会で選任した。
清水薫(しみず・かおる)氏 2015年軽井沢ガス取締役総務部長、19年常務工事部・総務部担当に就き、24年2月から現職。1971年5月20日生まれ、52歳。
首都圏版
ミライフ、カタログセールで2.2憶円突破
前年比15%増に
各地区のミライフ会会長らが集まり抽選を行った
ミライフ(本社・東京、塚越二喜男社長)は昨年10月から4カ月展開したカタログセール「HOTな贈り物キャンペーン2023」の結果をまとめた。203の参加店を通じカタログ19万9070部を配布した。ガス・住設機器を中心に前年比15%増の2億2400万円を売り上げ、1334件の応募があった。
- ニチガス、小売とプラットフォーム事業、新体制で市場へ
シナネンHD・三橋美和取締役CCO、人と企業の成長サイクル創出
個の能力 発揮後押し
シナネンホールディングス(本社・東京、山﨑正毅社長)は事業会社の成長へ人材育成や働き方の環境整備を推し進めている。人事やグループ改革などを担う三橋美和取締役CCOに、人と企業の成長について話を聞いた。
―今の役割について教えて下さい。
人事部、総務部、法務室、グループ改革推進室、IT戦略部を管掌している。エネルギー事業のLPガスや石油は安全・安心が大前提であり、保安の徹底や法改正への対応に向けた管理も行っている。シナネンHDはキャリア採用が多い。激動の情勢を生き抜くため、専門職が事業会社の成長を支える体制を目指している。HD化した意義を一層打ち出すべく、取り組みを加速させていきたい。
―現職までの経歴は。
エネルギー事業の一般職として入社した。当時の上司が総合職や一般職といった職種に関係なく取引先へ同行させてくれたことで、外から見るシナネン(当時)を知ることができた。上司の部下に対する思いやりから「一緒にやっていこう」と決意を固めた。
エネルギー部門に16年いる間に、子供を3人授かった。9~17時半の働き方が前提の当時の世の中で、時短勤務で評価などが下がることにつらさもあったが、財務経理などを経て経験を積み、人事部に異動してからは、それまでになかった選抜型の「人財」育成に仕組みづくりから取り組むことができた。
地方版
北海道=道協本部と石狩支部が「省令改正質問会」開く
消費者に整然と説明を
250人超が参加した
北海道LPガス協会(今泉光弘会長代行)と同協石狩支部(沼田常好支部長)共催の「LPガス商慣行是正に向けた省令改正質問会」が11日、札幌市の北海道自治労会館で開かれた。講師の目黒満雄・資源エネルギー庁燃料流通政策室室長補佐がすべての質問に回答しながら、「消費者に向け理路整然と請求書の内訳を説明できるようにする」のが省令を改正する大きな理由だと強調した。
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東北=根本石油、本社ショールームで感謝祭
縁日や遊戯企画で動員図る 毎週末 地域交流イベントも
ショールームのお披露目を兼ねて感謝祭を開いた
根本石油(本社・郡山市、根本一男社長)は9、10の両日、本社ショールームで感謝祭を開いた。1月にオープンしたばかりのショールームを知ってもらうことを目的に開いたもので、屋外には縁日コーナーやキッチンカーを用意するなど積極的に動員を図った。ショールームでは、地域の人が集まる場にしようと2月から毎週、料理教室やクラフト教室などのイベントを開催している。
中部=明石吉田屋、アサリ資源回収で協定
浜名湖漁協・飼育ベンチャー3者で課題解決へ
明石真社長、渥美敏組合長、松永茂CEO
明石吉田屋産業(本社・豊橋市、明石真社長)は、浜名漁業協同組合(渥美敏代表理事)、浜松ホトニクス社内ベンチャーの浜名湖飼料プランクトン(松永茂CEО)と浜名湖のアサリ資源回復に向けたパートナーシップ協定を締結した。三者は今後、新たな資源管理サイクルを用いて浜名湖アサリの資源回復を目指して相互に連携するとともに、安定的で持続的なアサリの流通実現することで、地域漁業が抱える社会的な課題解決とSDGsの推進を図る。
近畿・四国=三宅産業(観音寺市)、空き家活用事業を模索
既存周辺で市場・商品開発
三宅石炭株式会社から三宅産業株式会社に社名変更した1964年ごろ
に作成された帆前掛けと三宅慎二社長。当初から実践している斜行的多角化を事業内容で示している
三宅産業(本社・観音寺市、三宅慎二社長)は事業展開の方向性を「斜行的多角化」としている。既存市場・製品との関連がありながら、異なる商市場・商品を開発する考え方で多角化を実践してきた。三宅社長は「最近では宅地建物取引業として空き家利活用のビジネスを模索している」と話す。
同社の創業は1868年。石炭卸問屋を行う三宅石炭店から始め、1956年に三宅石炭株式会社として法人化。59年にはLPガス販売を開始した。64年に三宅産業に社名変更、斜行的多角化を志向し管工事、電気工事、水道設備工事、土木工事、建築工事、機械・器具設置工事、浄化槽工事、フロン回収破壊業としても活動してきた。
中国=山陰酸素、省エネで快適「さんその家」普及へ
初のSW工法採用の住宅建設
安来市に建設中のさんその家。同社では第1号となるSW工法採用住宅
ハイブリッド給湯器「エコワンX5」を導入した
山陰酸素工業(本社・米子市、並河元社長)のハウジング事業部は「さんその家」ブランドで省エネ住宅の普及を図っている。コンセプトは「ゆとりが織りなす理想のわが家」。藤原文章取締役執行役員事業部長は家づくりについて「住む人が何を好み何に幸せを感じるかを大切にし、どんな季節も楽しく暮らせる家を住む人に合わせてゼロからつくり上げている」と語る。
安来市の中心部に現在建設中の住宅は、事業部で第1号となるLIXILのSW(スーパーウォール)工法を採用。高性能SWパネルと高断熱サッシ・ドア、計画換気システム「けいざい君」による高気密、高断熱、高耐震構造で、外皮性能はHEAT20(住宅における断熱性能の基準の一つ)のG2をクリア。気密性能も基準値(C値1・0平方㌢㍍/平方㍍)をクリアし、太陽光発電システム、蓄電池、ハイブリッド給湯器などを採用したZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅だ。
九州=FHSと岩谷九州、熊本復興博でLPガスの災対力PR
温水床暖やバルク紹介
FHSはOAフロア対応の「ユカカラ暖房MUTE OA」を訴求した
リボンガスの内海久俊代表が主宰する温水床暖房普及組織、ユカカラ暖房FHS(本部・熊本市)と岩谷産業九州支社(平島正郎常務執行役員支社長)は2月28~29日、熊本県益城町のグランメッセ熊本で開かれた「くまもと産業復興エキスポ」に出展し、温水床暖房や災害バルク、非常用発電機、GHP、デリバリーステーションなど非常時にも価値を発揮するLPガスの優位性をアピールした。
岩谷産業はBCP対策をからめた提案に力を入れた
住設・新技術
- ガス機器出荷額、今期9.6%減の3139億円の見込み 流通在庫増響く
- 中国工業、外骨格型アシストスーツの販売開始 配送員の負担軽減へ
- 岩谷産業、機能性表示食品「じゃばら顆粒プラス」発売 鼻の不快感を軽減
GHPとコ・ジェネ版
グリーンLPガス官民検討会、CN対応へ高効率機器WG発足
GHPにも実行計画
グリーンLPガス推進官民検討会(座長=橘川武郎・国際大学学長)は、カーボンニュートラル(CN)対応の基盤整備を目的に、検討会の下部に「高効率機器等普及促進に向けたWG(座長=鶴崎敬大・住環境計画研究所所長)」を立ち上げた(一部既報)。高効率給湯器、エネファーム、燃料転換、GHPの4部門で、2035年に向けたCO2削減目標と実行プランを策定する。
ガスZEBポータル 普及を後押し
LPガス事例も収容
ガスZEBのメリットを紹介する情報サイト「ガスZEBポータル」が、LPガス設備を組み入れたZEB事例も加えて内容を拡充している。ガス体エネルギーとして電気システムのZEBでは得られない総合的な有用性を示すことで、仕組みの全国的な普及を後押しする。
「ガスZEBポータル」
GHPやガスコージェネを活用したZEB事例を「ガスZEB」と称し、普及モデルを紹介している。ZEBには省エネや省CO2などさまざまなメリットがあるが、ガスZEBの場合にはエネルギー源を多重化でき、レジリエンス性能を向上させられる利点がある。特に災害時に避難所となり、一定期間の事業継続を求められる公共施設には、停電対応型コージェネや停電対応型GHPといったガス設備の活用が有効となる。
- スマエネウィークでヤンマー×パナ「分散型ES」訴求
- GHPコンソーシアム、研修ゴルフ会で入間ガスの導入事例を視察
プロパン・ブタンニュース 春季特集
消費者の不利益払拭(エネ庁流通WG中間案)
・過大な営業行為禁止
・新制度の実効性確保設備コスト
・利益供与、業界挙げ行わず ガイドラインを整備
国内消費者の約4割が利用するLPガスは生活や産業に欠かせない基幹エネルギーの一つであり、災害時のレジリエンス性の高さも評価されている。しかし無償貸与や貸し付け配管といった商慣行を背景に一部のLPガス消費者が不利益を被っている側面があるといった消費者団体の指摘や一般報道があり、取引の適正化が図られるよう市場環境を整備することが喫緊の課題となっている。昨年3月に再始動した資源エネルギー庁のLPガス流通ワーキンググループ(座長=内山隆・青山学院大学教授)では商慣行見直しに向けた対応方針が5回にわたり議論され、その成果は今年2月に中間とりまとめ案と省令改正案というかたちでいったん結実した。エネ庁は過大な営業行為の禁止や三部料金制の導入に罰則規定を設けるなど、踏み込んだ姿勢を示した。業界サイドでは大手事業者と中小販売店、都市部と地方、都市ガス供給区域に近接しているか否かなどで受け止め方が異なるが、混乱が生じないよう対応が求められる。料金体系の再構築をはじめ、省令改正に対応するため中間とりまとめ案のポイントを整理した。
<インタビュー>業界のあるべき姿/橘川武郎・国際大学学長
取引 集合向け改善進展 情報開示も義務化へ 国交省・公取委の動向カギ
一般メディアでも取り沙汰された商慣習の問題は、省令改正で消費者からの信頼回復の方向性が固まった。カーボンニュートラル(CN)対応は2035年までのロードマップで未来への道筋を示した。経済産業省のLPガス流通ワーキンググループ(WG)オブザーバー、グリーンLPガス推進官民検討会座長としてLPガスの取引、CN対応の議論を牽引する橘川武郎・国際大学学長に業界のあるべき姿を聞いた。
・法改正を伴う取引適正化の議論について-情報開示も義務化へ
・グリーンLPガスについて-ダントツの高カロリー LPガス事業は不滅
・災害対応や地域振興への役割について-非常時も安全・安心供与 まちづくりの中核に
世界のエネルギー/現況と今後
<寄稿>日本エネルギー経済研究所・久谷一郎研究理事
・平穏な国際原油市場 対ロ制裁皮肉な効果
・注視すべき湾岸情勢 イスラエル-ハマス紛争、市況に影響小さく
・天然ガス、シーレーンリスク懸念
・LNG輸出許可、米政府が一時停止 大統領選、高い不確実性
トップが語る経営ビジョン
「あるべき姿」構想実現へ着々
コロナ禍は収束しつつあるが、記録的な猛暑、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル・ガザ紛争など緊迫化する世界情勢、脱炭素社会への移行加速、物流2024年問題などエネルギー産業を取り巻く問題は山積している。デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)など今まで経験のない取り組みも迫られている。こうした状況下で描く未来への経営ビジョンを有力事業者のトップに聞いた。
・ほくえい(岩見沢市)
・三光石油瓦斯(三沢市)
・あいずや(宇都宮市)
・須田商事(栃木市)
・日東エネルギー(東京)
・古川(小田原市)
・越後プロパン(新潟市)
・山久プロパン(須坂市)
・鈴一物産(瀬戸市)
・中村燃料商店(高岡市)
・中島商事(東近江市)
・大和協同ガス(奈良県広陵町)
・大和マルヰガス(岡山市)
・和泉プロパン(久留米市)
・小平(日置市)
・ほくえい(岩見沢市)
・三光石油瓦斯(三沢市)
・あいずや(宇都宮市)
・須田商事(栃木市)
・日東エネルギー(東京)
・古川(小田原市)
・越後プロパン(新潟市)
・山久プロパン(須坂市)
・鈴一物産(瀬戸市)
・中村燃料商店(高岡市)
・中島商事(東近江市)
・大和協同ガス(奈良県広陵町)
・大和マルヰガス(岡山市)
・和泉プロパン(久留米市)
・小平(日置市)
- 登録小売電気事業者一覧(販売実績)
- 登録ガス小売事業者一覧
- LPガス国際セミナー/エネ情勢の変化と低炭素への道筋
LPガス振興センター(田中惠次理事長)は5~6日に「LPガス国際セミナー2024」を開き、東京・大手町の日経ホールとウェブ配信で合わせて約1100人が参加した。「エネルギー情勢の変化と低炭素への道筋~LPガス市場の課題」をテーマに各国、各分野の最新情報を共有、聴講者を交えて議論を深めた。
- 流通再編/全国マップ、統合・提携事例
- LPガス業界ニュースワード」