プロパン・ブタンニュース

石油化学新聞社創立70周年記念号 第1部

    • 未来へ-日本に最適なエネルギーLPガス
      12日、うららかな春の日差しのなか、石油化学新聞社(本社・東京、成冨治社長)は東京・千代田区の帝国ホテル東京で創立70周年記念パーティーを開いた。LPガスと石油化学両業界から約700人に出席いただき、1954年4月の創立以来の支援・協力への感謝を伝えた。エネルギー産業を取り巻く環境は、自然災害の多発・激甚化傾向、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・ガザ紛争など緊迫化する世界情勢、脱炭素社会への移行加速など、問題は山積している。特に能登半島地震の被災地では、交通網の寸断、いまだ一部で続く断水、人手不足などが重なり、復旧の遅れが指摘されており、粘り強い復旧支援が必要だ。地震で能登半島がクローズアップされたが、それは少子高齢化が進み、山地の面積が国土の約4分の3を占める〝日本の縮図〟でもある。低炭素に貢献できる環境特性を持ち、地政学的リスクが小さく、全国各地で物流ネットワークが整備され、可搬性に優れた分散型のLPガスはそんな日本の最適なエネルギーと言える。2050年でも日本のエネルギー選択肢の一つして需要を確保し、インフラとしての重要性を行政や消費者に確実に認識されるよう、石油化学新聞社/プロパン・ブタンニュースはLPガス事業者、そして現場で働く人々の取り組みに光を当てていく。不透明な時代にあって、現場報道を第一に、エネルギーの動向を積極的に紙面に取り上げ、今後も変わることなくLPガス産業の道標になる。
  • 本紙の編集方針-現場報道重視は不変
  • 中央団体トップ座談会/ニーズ起点に次代へ
    出席者(順不同) 日本LPガス協会 江澤和彦会長、全国LPガス協会 山田耕司会長、日本液化石油ガス協議会 澤田栄一会長、日本コミュニティーガス協会 古野 晃会長(紙上参加) 司会 石油化学新聞社社長 成冨 治
  • 工業・業務用最前線ルポ-CNLPガス普及機運拡大

  • インタビュー/資源エネルギー庁・村瀬佳史長官に聞く
  • 転換期に立つLPガス業界への期待 最後の砦変わりなく
    カーボンニュートラルへの移行期に当たり、低炭素かつ分散型エネルギーの雄として世界的にも注目が集まるLPガスだが、今般のLPガス制度改正により、わが国のLPガス業界は長く続けられた無償貸与などの商慣行と決別し、大きなビジネスモデルの転換を迫られる。エネルギー価格高騰で光熱費に対する消費者意識が高まる今こそ、自由取引に委ねられたLPガス料金は事業者が不断の見直しを行い、適正化に努めなければならない。エネルギー需給構造が変化するなか、LPガスがエネルギー競争に勝ち残れるか否かの重大な岐路に立たされている。本紙の書面インタビューに応じた村瀬佳史・資源エネルギー庁長官はLPガスを「災害時に燃料供給が滞った場合でも迅速に供給が可能な災害にも強いエネルギー」と述べ、能登半島地震でLPガスが活躍した事例を評価。グリーンLPガスの実用化、取引適正化に向けた業界関係者の取り組みに期待を寄せた。

行政から見る経営と保安のポイント
保安投資には適正価格による利益の確保が重要であり、経営基盤の安定には保安高度化による信頼獲得が不可欠だ。「経営と保安は車の両輪」とは使い古された言葉だが、いずれかの車輪が先行していては両輪のバランスが崩れ、健全な業界発展は望むべくもない。DXの時代を迎え、経営と保安の距離がより接近しているいま、「液化石油ガスによる災害を防止し、取引を適正にすることにより、公共の福祉を増進する」というLPガス法の立法趣旨に立ち返る必要がある。行政上のポイントを、日置純子・資源エネルギー庁資源・燃料部燃料流通政策室長と山下宜範・経済産業省産業保安グループ保安課ガス安全室長に聞いた。
・資源エネルギー庁 資源・燃料部燃料流通政策室-日置純子室長
・経済産業省 産業保安グループ保安課ガス安全室-山下宜範室長

  • 有力企業トップの中長期展望/経営トップ戦略語る
  • つなぐ~LPガス技術継承~
    ・変化に対応しつなげる絆
    ・新時代の保安・物流・営業・製造技術
    ・難局乗り越え発展 LPガス産業の軌跡

石油化学新聞社創立70周年記念号 第2部

  • ひおき地域エネルギーコンパクトグリッド、先進例で注目集める環境配慮型の町づくり
    2019年2月、鹿児島県日置市でエネルギーの地産地消を実現するマイクログリッドが産声を上げた。ひおき地域エネルギー(本社・日置市、中尾雄社長)が運用する「ひおきコンパクトグリッド」だ。自治体と地域の
    企業が協働して電力供給を行う地域新電力の好事例として、エネルギーコストと環境負荷を同時に低減するとともに、地域に新たな雇用機会や経済循環をもたらす先駆的な試みに国内外から注目が集まっている。

    ・エネ地産地消を実現 再エネ利用 ネットワーク CO削減に貢献
    ・排熱活用し温泉加温 コージェネ LPガス仕様100㌔㍗
    ・脱炭素先行地域に選定 需要創出と地域活性化期待
  • 薩長土肥連座談会「地域密着と事業継続」
    2021年9月24日、鹿児島、山口、高知、佐賀の4県のLPガス販売事業者による「LPガス協会薩長土肥連合会」が発足した。幕末から明治という時代の転換期に中心的な役割を担った地域をバックボーンに持つメンバーが集い、マインドガス(高知市)の山田洋介社長が会長を務める。定例会ではメンバー同士が自社で展開するサービスにとどまらず、売上高や経常利益、人事考課に至るまで内情を語り合う。刺激を受けたメンバーが新たなサービスに取り組むなど相乗効果も生まれ、メンバーも4県に留まらず、福島、石川、兵庫、広島、鳥取、福岡、長崎の各県などに広がっている。本紙70周年記念号の発行に際して、1月26日に福岡市のリファレンス大博多ビルで座談会を開き、業界の現状と将来について議論してもらった。
  • ルポ/販売事業者が地域創生を牽引-LPガス事業者の取り組み
  • 都道府県協会に聞く「地域との共生」
  • 電力・都市ガス業界の地域課題解決
    新事業で地方創生進めるエネルギー企業/中部電力・東京ガス

高知県知事・濵田省司氏に聞く―自治体主導のグリーンLPガス開発
温暖化対策問題への議論が加熱するなか、高知県の濵田省司知事は、環境問済の活性化の両面から、LPガスのグリーン化に着目。全国で唯一の自治体主導による再生可能資源を活用したグリーンLPガス開発を先導する。その狙いを濵田知事に聞いた。
・「50年CN実現」を宣言
・アクションプラン 強み生かし3本柱で
・グリーンLPガス プロジェクトに期待
・地産地消 地域特性組み合わせ
・バイオ資源洗い出し
・高知発の新たな産業に

石油化学新聞社創立70周年記念号 第3部

LPガスの合成ガス化(グリーンLPガス、非化石化)に向けて六つの開発プロジェクトが進められているが、LPガスの代替品としての姿は明確になっていない。実用的なコストに近づけるため、混合可能なジメチルエーテル(DME)の活用も検討している。日本LPガス協会は、カーボンニュートラル(CN)に向けた最初のゴールを2035年とし、同年に想定される需要量1250万㌧(足元1400万㌧)のうち16%約200万㌧を、グリーン開発だけでなく、高いエネルギー効率などでCOを大幅に抑えたガス消費機器の普及拡大やカーボンクレジット(排出量取引)利用促進の同時進行で非化石化を実現する方向性を示している。

  • 若手経営者座談会/CN見据え1500万トン市場へ
  • LPガス業界の水素利活用考察/水素活用の現状と展望
  • 巻き返しへ新規需要獲得でGHP復権を
  • スタンド業界-ビジョン描き難局打開
  • 家庭用需要拡大に取り組む/全国ルポ
  • レジェンドからのメッセージ

昭和・平成のLPガス史を彩った2人のリーダーに、今に至る数々の貴重な経験を振り返ってもらった。話を伺ったのはニイミ産業(本社・春日井市)新美治男会長と、エコガス(同・海南市)の向山精二社長。それぞれ、地域事情や祖業も異なるが、若き日に出会ったLPガスという新たな商材に商機を見出し、課題に遭遇しながらも顧客や地域のニーズに対応しながら事業基盤を強固にしていった。時代背景が今と大きく異なり、2人が貫徹する強い意志を持ち合わせていたなど、同じことを今できるかと言われれば、難しいことのほうが多いだろう。ただ2人のレジェンドの言葉からは、今後業界を担う令和のリーダーにつないでいってほしいメッセージが数多く含まれていた。(年数は原則として元号表記としました)

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