プロパン・ブタンニュース

総合面

設備定検でドローンやAI活用へ デジタル庁が実証

ガス可視化 カメラも活用

デジタル庁は、LPガスや都市ガスの保安分野でデジタル原則への適合を進めるため、設備の定期自主検査でドローンやAIを活用する実証を行い、報告書を公表した。ドローンに搭載した高解像度カメラやプロパン・ブタン可視化カメラの利用、AIデータ処理などで、人手による目視検査を一部代替できると結論づけた。一方、コスト面での課題も指摘した。

ドローンで貯槽を点検(出典=実証報告書)

高圧ガス保安法やガス事業法では、定期自主検査や施設などの点検について、目視など人手による作業を求めている。デジタル庁はこうしたアナログ規制を見直し、保安レベルを低下させないことを前提にデジタル化することで、検査の撤廃や周期延長が可能か検討を進めてきた。

アストモスリテイリング、新キャンペーンキックオフ 

成長性・増客競う

アストモスリテイリング(本社・東京、南部泰司社長)は5月30日、東京都中央区のコートヤード・マリオット銀座東武ホテルで「2024年度One―Retailingキャンペーン」キックオフと「23年度A―1キャンペーン」表彰式を開いた。経営統合により新生アストモスリテイリングが1月1日にスタートしたことを機に、アストモスグループ各社が参加でき、かつ企業成長性と増客を競い、好事例を学び合うOne―Retailingキャンペーンに一新した。

  • LPガス振興センター、配送合理化・設備整備の補助金公募受付 6月19日まで
  • 全L協、取引適正化・料金透明化で特設サイト開設
  • 三愛オブリ、伊万里ガスを連結子会社化
  • 6月CP、プロパン横ばいの580ドル ブタンは余剰感で20ドル安の565ドル

首都圏版

エネサンスHD、社内アイデア最終選考 保安技術を卸に生かす 

シェアカフェで地域活性等

エネサンスホールディングス(本社・東京、岡田卓也社長)は業務上の成果やグループビジョン具現化のアイデアの社内最終選考会と表彰式を5月27日、東京・中央区の住友商事グローバル人材開発センターで開いた。グループ社員1750人の活性化が目的。保安スキルを卸営業に役立てているエネサンス(ES)北海道札幌支店の保安プロモーター事例が最優秀賞に、建築ノウハウを軸にしたシェアカフェの建設で地域活性化を図るES関東群馬事業所の計画がビジョン具現化策で最高評価を得た。ほかにも里山をコンセプトとした住宅分譲や、トライ&エラーで自分を磨き実績を倍増させた小売事例など多彩な報告があった。

  • スピカコンサルティング、M&A後の従業員の満足度診断サービス開始
  • ガスパル所属の武藤裕亮さんがカヌー日本代表に

ガスパル(本社・東京、橋本俊昭社長)に所属する武藤裕亮さん=写真=が2024年度カヌースラローム競技の日本ナショナルチームとU23日本代表に選出された。 武藤さんは4月に開かれたカヌースラローム・カヤッククロス日本代表選手選考大会で一次選考会3位、最終選考会で2位を獲得。6月のW杯と7月のU23世界選手権大会への出場を決めた。武藤さんは国内の競技大会で優勝するなどトップ選手の一人。海外大会でも入賞し、将来が期待される。ガスパルには4月、初のアスリート社員として入社した。

地方面

  • 北海道=東日本ミライフ会、消費者との絆信じよう 脱炭素化など4重点を推進
東北=東北5県協会が総会、各県とも保安・災対など推進 

省令改正対応や情報周知も

青森、秋田、宮城、山形、福島の各県協会が5月下旬一斉に総会を行った。各県協会とも、保安と災害対策の推進、需要拡大の支援のほか、省令改正に適合した営業のあり方や料金設定の情報を会員に周知することを事業計画に盛り込んだ。計画内容や決議事項は次の通り。
・青森県LPガス協会 公共施設設置に力
・秋田県LPガス協会 安心サポート強化
・宮城県LPガス協会 率先し商慣行是正
・山形県LPガス協会 福祉業界へ広報
・福島県LPガス協会 需要拡大へキャンペ

中部=愛知県協総会、選ばれるエネルギーへ4本柱推進

料金透明化にも力

愛知県LPガス協会(後藤庄樹会長)は5月27日、名古屋市の熱田神宮文化殿で第62回通常総会を開いた。2年に1度の改選期で後藤会長と5人の副会長を再任。今年度は、昨年度に続き協会事業の4本柱として①LPガス事故撲滅の推進②防災体制構築の推進③販売事業者の経営基盤強化の推進④協会運営改革の継続―を決めた。予算は12億4790万1千円、会員数は725。

  • 中部=橋本産業、黒部市の「道の駅KOKOくろべ」でPR 最新機器や災対力を紹介
近畿・四国=タナベエナジー(東近江市)、70周年感謝祭開く 

創業祝い地域に還元 70周年感謝祭に436組

野菜詰め放題は長蛇の列ができた

タナベエナジー(本社・東近江市、田邉善司社長)は5月25~26日、本社隣接のショールーム「LIXILリフォームショップ タナベ東近江店」で創業70周年大感謝祭を開いた。イベントや特別価格の機器販売を打ち出し436組が来場した。同ショップ彦根、野洲、草津店でも同一チラシで販促を行った。田邉社長は「お客さまにどのようなかたちで感謝を伝えるかを考えるなかで、感謝祭による地域への還元を選択した。ショールームも改装し展示品やレイアウトを見直している。来場者に楽しんでもらうと同時に、宅配水や接骨院などエネルギー以外の事業も知っていただきたい」と述べた。

  • 近畿・四国=薩長土肥連合会が「藍炎会」に改称 有志企業が4県以外にも広がる
中国=島根県協松江、展示会、新企画

介護リフォーム挑戦

島根県LPガス協会松江支部は5月21日、松江市の松江ニューアーバンホテルで通常総会を開いた。役員改選で曽田悟支部長と桑原剛、田中亨、原信一郎の3副支部長を再任。理事に武志誠也(武志商店)、太田明夫(松江ガス供給)の両氏を新任した。曽田支部長は12月まで紙上展示会に取り組む一方、今期は高齢者介護福祉向けリフォーム展示会も行う計画を明らかにした。

  • 九州=ENEOSグローブがE&Eキャンぺ-ん九州地区表彰 取引先支援さらに強化
九州=〝消費者被害〟防ごう エネ庁・日置室長が大分で取引適正化講演会 

取引適正化講演に300人

経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部燃料流通政策室の日置純子室長が5月24日、大分県LPガス協会が大分市のトキハ会館で開いた取引適正化講演会で講演した。会場200人、オンライン100人の計300人が聴講した。 「LPガスの取引適正化に向けた制度改正の内容について」と題した講演の概要は次の通り。 「消費者被害」という言葉を聞いて大変驚いた。消費者問題はしばしば議論されるが「被害」とは一体どういうことなのか。消費者被害という強い言葉が使われるのは主に詐欺などのケース。深刻に受け止めなくてはいけない。

住設・新技術

FHS、床暖付きテント開発 

災害弱者の安心空間に

5月16日に熊本市西部交流センターで行った設営実証。行政の防災担当者などが視察に訪れた

リボンガス(本社・熊本市)の内海久俊代表が主宰する温水床暖房普及促進組織FHSが、災害時の避難所として使用される体育館の劣悪な環境を改善する「YDテント(避難所内ユカカラ暖房付きテント)」を開発した。学校や公民館などに常備されている屋外用テントを体育館内に設置して温水床暖房を敷設、応急の保育・介護室としての活用をアピールする。

温水は屋外の仮設給湯から地窓を通して供給。停電時は可搬式発電機を使用する

能登半島地震の被災地に足を運び、熊本地震も経験した内海代表が、避難者が体育館で雑魚寝を強いられる過酷な状況を改善すべく考案した。大きな空間の一部を囲ってエネルギーを効率よく利用し、災害弱者と呼ばれる妊産婦や乳幼児、高齢者、障害者の安全を守ることを第一に、プライバシーにも配慮した安心空間を創造する。

  • 三ツ輪HDグループ、不動産管理効率化サービスの対象が120万戸に拡大
カニエJAPAN、SMSで企業価値向上図る

業務効率アップ 保安や災対力も 社員の成長機会創出

黒川誠也専務

カニエJAPAN(本社・愛知県蟹江町、黒川博勝社長)はショートメッセージサービス(SMS)の活用を通じ企業価値の向上を図っている。業務効率化の先に社員の自発的な成長機会を生み出し、保安や災害対応力の向上、若手人材の採用につなげていく。
ガス料金の通知や払込票などの郵送や他のポスティング作業をSMSで代用し、郵送コストと業務時間を削減している。ガス料金支払いの口座振替やクレジットカード登録もSMSで完結する。SMSは郵送の代替手段として他のツールより重要感があり、開封率が高いことを評価した。

特集記事 <中国地区需要開発特集> 省エネ・防災追い風に

日本LPガス協会がまとめた2023年度の中国地区販売量は前年比14・8%増の87万3888㌧となった。都市ガス向けが45・4%増加したが、自動車用の24・4%増、家庭業務用の18・3%増も貢献した。一方で国の給湯省エネ事業の予算が前年の300億円から今年は580億円へ大幅に増額し、高効率機器の普及を促している。今後はCO対策の推進と需要開拓の両輪が一層重要になる。全国各地で自然災害が激甚・頻発化し、避難所や医療・福祉施設などの自衛的備蓄の推進やBCP対策が求められ、災害対応力の面からもLPガスを軸とした提案が急がれる。物流24年問題や取引適正化に向けた省令改正など業界は厳しい局面を迎えているが、中国業界各社は次代に向けてどう動いているのか。意欲的な需要開拓や事業領域の拡大に努める先進事例を取り上げる。

  •  広島ガス中央=初夏の感謝祭を2支店軸に展開 見て触れて納得購入
  •  広島ガスエナジー=産業・業務用燃転に力 グループ一体で新規開拓も
  •  浅野産業=チーム対抗6カ月販促でエコワン102台・マイクロバブルバス130台販売
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  •  髙山産業=老舗菓子店にボイラー 蒸気圧と環境対応をLPガスで両立
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