総合面
中野洋昌衆議院議員(公明党)がLPガス料金支援を要望
都市ガスとの不公平感払拭を
中野洋昌衆議院議員
公明党の中野洋昌経済産業部会長は8日、経済産業省の吉田宣弘政務官にLPガス料金支援策を含む予算要望を行った。中野氏は本紙に「酷暑乗り切り緊急支援で対象外となっているLPガスや特別高圧の電気への対応を要請した。都市ガス利用者は一定の補助が受けられる。LPガス利用者の不公平感を払拭できれば」と話した。支援の仕組みは、前回と同様の地方交付金を活用したものになるとの見通しを示した。
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- 能登半島地震での被災充填所に復旧補助 流通合理化補助金で
<トップインタビュー>エネアーク・内田良樹社長
販売力強化 業務効率化 社員一丸の体制に
改正省令対応 3販社の課題共有
4月1日付で内田良樹氏がエネアーク社長に就任した。エネアークは大阪ガスと伊藤忠エネクスの折半出資による新会社として2017年10月に発足。18年4月にはエリアごとのLPガス販社を統合し、子会社としてエネアーク関東、エネアーク中部、エネアーク関西の3社が誕生した。取引適正化や人手不足への対応が経営課題となるなか、どのような成長戦略を描くのか。内田良樹社長に抱負や経営方針、今後の展望を聞いた。
◇ ◇ ―社長就任の抱負と併せて、LPガス業界の現状に対する課題認識をおたずねします。
エネアークグループの社員が社員たることに誇りを持ち、元気で生き生きと長く働き続けられるような会社にしたい。LPガスや電気などエネルギーの供給を通じてお客さまに一番身近で価値ある存在と認められるとともに、就活生や求職者にとっても魅力的な会社づくりを追求する。
首都圏版
コバプロ(横浜市)、販売量の9割をカーボンオフに
DXに続きGX挑戦
小林健一社長
コバプロ(本社・横浜市、小林健一社長)は9月から、LPガス販売量の約90%に相当する量のカーボンオフセットLPガスを調達し供給していく。5月から同LPガスの供給を始め、販売量の約50%に相当する量を調達していたが、環境への取り組みを強化し取り扱い量を増やす。調達コストはDXで捻出した合理化分を充てる。
LPガスに興味津々! 「経経済産業省こどもデー」
全L協と新コスモス電機が出展
全L協ブースで職員と展示をたどりクイズに答える来場者
夏休みに経済産業省の施策や企業・団体の仕事、技術を学ぶ小中学生向けのイベント「経済産業省こどもデー」が7~8日に東京・霞が関の同省で開かれ、業界から全国LPガス協会と新コスモス電機が出展した。
全L協はSDGsや防災をテーマに企画や動線を工夫。職員と一緒にLPガス仕様非常用発電機やガスメーター復帰操作、LPガスにおい体験などの展示をたどり、五つの質問に答えた人に「こどもLPガス検定」の認定証を手渡した。来場者は高知県LPガス協会のキャラクター「LPマン」の被り物や、1998年の長野五輪の聖火トーチとともに記念撮影した。リンナイがガスこんろやガス衣類乾燥機、エコジョーズなどの実機、ヤンマーがGHP学校空調のパネル展示に協力した。
新コスモス電機は恒例の「ガスポンダーツ」で楽しませた
新コスモス電機は恒例の「ガスポンダーツ」で子供たちを楽しませた。点火棒の先端に付けたフィルムケースにブタンガスを詰めて爆発させ、ふたを飛ばして的に当てるもので、繰り返し挑戦する子も現れるなど人気だった。ガスの重さを比較するコーナーではヘリウム入りとエアゾール入りの風船を手から落とし、ヘリウムの方が遅く落下するのを見てガスの重さに違いがあることを確認した。アニメ上映や塗り絵、CO検知機能を搭載した火災警報器「PLUSCO」の実機とパネル展示で、CO中毒事故防止を啓発した。 両日ともゲーム・プログラミングや輪島塗り、エステ、臨床工学技士などさまざまな職業を体験する親子連れで賑わった。
- 東北エネクル、仙台市に営業所開設 3拠点目に
- 日本LPガス協会専務理事に就任の縄田俊之氏、力合わせLPガス普及
縄田俊之氏
トラック隊列走行システムや燃料電池の搭載車両、インフラ、定置式や、洋上風力発電などの開発、普及プロジェクトに経済産業省職員として携わってきた。多様な行政現場を渡り歩いたが、振り返れば、温暖化対策や人手不足の解消にかかる事業の黎明期に多く関与してきた。7月1日付で日本LPガス協会の専務理事に着任。グリーンLPガスの社会実装に向けた本格始動という大事な局面に気負いはない。「3月に公開したロードマップをどう具体策に落とし込むかが今年度のテーマ」と目標は明確だ。
LPガス行政には2回携わった。1988年の入省後、90年代に配属された旧立地公害局LPガス保安対策室と2012年の原子力安全・保安院LPガス保安対策課である。 保安院への異動直前、11年3月の東日本大震災時には資源エネルギー庁の燃料電池推進室で、燃料電池や再生可能エネルギーといった新技術普及のただ中にいた。
官職生活のなかで「最も大きな出来事」だったと位置付ける同震災は原子力への被害もあり、エネルギーの多様化の必要性を再認識することになった。同時に、過去にLPガスを担当した経験から「その災害対応力を強く実感した」という。
地方面
東北=秋田県協、7月豪雨で流出した容器捜索
36人で発見できず 由利本荘市販売店の 50 ㌔2本
秋田県協有志の捜索作業。伊東国広・由利プロパン販売所代表は7月末に対岸側で3本回収している
秋田県LPガス協会(高橋弘隆会長)は7月末の記録的な大雨で由利本荘市の販売店の容器置き場から容器が流出したことから、地元の販売事業者に協力を呼びかけ7日、まだ見つかっていない50㌔容器2本の捜索を石沢川流域で行った。延べ36人で12㌔㍍下流までを捜索したが発見には至らなかった。
- 東北=宮城県協、仙台市の高等技術専門校で学生向けに「職業講話」行う
中部=知多髙圧ガス、水素充填・供給を開始
事業を本格化
毎時200立方㍍能力を持つ水素充填設備
知多髙圧ガス(本社・知多市、花井康弘社長)は水素充填・供給事業を開始した。愛知県が総括する「愛知県知多市における低炭素水素モデルタウンの事業可能性調査」に共同実施者(水素配送ビジネス)として参画する同社は、今後も水素利用を推進しながら地域の環境施策に貢献していく。
カードルに充填した水素を搬出する
本社敷地内に設置した水素充填設備は最大で毎時200立方㍍の充填能力を有する。ここに、市内にある東邦ガス知多緑浜工場の水素プラントで製造された水素を大陽日酸(同・東京、永田研二社長)がローダーで納入。知多髙圧ガスがシリンダーへのパレット充填とカードルへの充填を行い搬出・配送する。
- 近畿・四国=大阪府協、合同保安講習会で充填所の月例点検学ぶ 写真交え詳細に
近畿・四国=三保産業、新旗艦拠点「四国工場」が完成
自社最大級の容器検査所に
大野木正徳社長
三保産業(本社・京都市、大野木正徳社長)は、新居浜市の四国工場を同市内の多喜浜2―15―62に移転新築、1日に竣工式を行った。同社のLPガス・一般高圧ガス容器再検査所12工場の中でも最大級の設備と能力を持つ旗艦工場として、培った知見やノウハウをつぎ込んだ。設備も増強し、一般高圧ガス用の耐圧検査機を増設、月間能力はLPガスを含め約10万本になる。シームレス容器やFRP容器、ローリーなど高圧ガス関連のあらゆる検査ニーズにワンストップで対応する。
非水槽式耐圧検査機4台のうち2台がLPガス用
中国=イワタニ5社が保安点検コンテスト
最優秀賞に岡崎航大氏と中澤有夏氏
保安点検コンテスト中国・四国・近畿ブロック決勝大会
イワタニ山陽(本社・広島市、今中泰雅社長)、イワタニ山陰(同・松江市、桑原剛社長)、イワタニ島根(同・大田市、大和徳也社長)、イワタニ四国(同・高松市、市田功司社長)、イワタニ近畿(同・大阪市、根本有二郎社長)の5社は7月19日、イワタニ山陽本社会議室で2024年度保安点検コンテスト中国・四国・近畿ブロック決勝大会を開いた。5社選抜の5人が競技し最優秀賞にイワタニ山陽福山支店の岡崎航大氏とイワタニ山陰松江支店営業課の中澤有夏氏が輝いた。
九州=大分液化ガス共同備蓄、荷主交えBCP訓練
停電下での出荷再開を想定
大分事業所からウェブ会議ツールで東京本社と荷主に復旧計画を報告
大分液化ガス共同備蓄(本社・東京、安藤徹社長)は7月25日、大分市の大分事業所で全停電対応BCP(事業継続計画)訓練を実施した。不測の事態で大分事業所の全電源が停電し事業所の維持と入出荷に影響した想定で、東京本社(対策本部)、大分事業所(現地対策本部)、荷主(ジクシス、岩谷産業)をウェブ会議ツールで結び、復旧計画を共有しながら非常時に取るべき対応を訓練した。
<北海道特集>
道の駅「南ふらの」を強靭化 南富良野町活性化に一役
・複合商業施設に災対バルク・非常用発電機・自立型GHP
・災害時には最低72時間は稼働 台風・地震停電の教訓反映
・LPガス常設のモデルケース 人口流入 需要増へ
北海道LPガス事業者大相撲番付-2024年札幌場所-
有力事業者の戦略
・北海道エナジティック・尾関豪社長=信頼されるエネ・企業に
・エネサンス北海道・今泉光弘社長=顧客の期待以上目指す
・伊藤忠エネクスホームライフ北海道・高津一彦社長=時代の変化に積極対応
・岩谷産業北海道支社・久保彰支社長=店会挙げ燃転・低炭素化
・ガスジェネックス・梅村卓司社長=CN見据え省エネ推進
・NX商事札幌支店・山崎健太郎執行役員支店長=ブランド力を一層向上
北海道LPガス充填所マップ
住設・新技術
- 中国工業、17キログラムFRP容器発売 鋼製20キロと同サイズ
中国工業(本社・呉市、野村實也社長)は8月からFRP製LPガス容器「プラコンポ」の17㌔㌘をラインアップに加え、注文受け付けを始めた。出荷は9月以降。従来の20㌔㌘FRP容器の設置、配送の課題に対応したサイズで配送員の負担を軽減する。続く鋼材価格の高騰を踏まえ、今後のLPガス配送へ選択肢の拡大も図る。
FRP容器の重量は鋼製の約60%で軽さが魅力だが、販売中の20㌔㌘FRP容器は鋼製20㌔㌘容器と比べ高さがあり、設置時にメーターに接触したり高圧ホースを下り勾配に付けられなかったりする課題があった。新発売の17㌔㌘は、容量は減るが、バルブ充填口までの高さが764×外径320㍉㍍と鋼製20㌔㌘と同じで、現行設備のまま設置できる。風袋重量は9・4㌔㌘
【写真】新発売の17㌔㌘FRP容器(左)は20㌔㌘容器(右)より高さが低く、鋼製20㌔㌘の設置環境に適合
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