プロパン・ブタンニュース

総合面

LPガス事故、23年は72件減の192件 死亡ゼロも負傷者9人増

CO中毒4件、無事故途切れる

経済産業省産業保安・安全グループガス安全室は8月20日、2023年のLPガス事故の発生状況と要因分析を公表した。事故件数は192件で22年の264件から72件減少し、18年から22年までの直近5年の平均219・4件を下回った。件数が減少した要因は、LPガス販売事業者や他工事業者が起因の事故、雪害などの自然災害の事故が減少したため。死亡事故は前年に続き0件。負傷者は36人と前年比9人増加した。CO中毒事故は4件発生し、19年以降続いた無事故が途切れた。

全国LPガス協会、「導入事例集」を刊行 

避難所提案へ メリット訴求

全国LPガス協会(山田耕司会長)は、「LPガス導入事例集」(A4判、16㌻)=写真=を刊行した。サブタイトルを「平時も非常時も安心‼ 災害時にも強いLPガスで防災・減災・BCP対応」とし、2020年作成の同事例集の内容を一新した。
国の自衛的燃料備蓄補助金(旧災害バルク補助金)を活用した災害対応バルクやGHP、非常用発電機などの導入事例を中心に収録し、公立小中学校体育館など避難所施設へのLPガス導入提案に利用できる。公立学校、公共施設、病院、福祉施設、店舗、道の駅、倉庫、金融機関、LPG車の用途別に13の設置先にインタビューし、導入経緯や採用のポイントなどをまとめた。災害時のLPガスの優位性や導入補助制度を紹介し、導入メリットを訴求する内容となっている。
同事例集は同協会ホームページでも閲覧できる。制作は石油化学新聞社が担当した。

サイサン、「ガスワンホールディングス」体制に 

地域販社新設 グループ経営強化

サイサン(本社・さいたま市、川本武彦社長)を基幹とするGas Oneグループは1日付で「株式会社ガスワンホールディングス」を持ち株会社としたホールディングス体制へと組織再編した。サイサンのLPガス事業を一部分割し、地域販売会社を新設して事業移管する。併せてガスワンHDにグループ全体を統括するグループ戦略本部とコンプライアンス本部を設置し、グループ経営とガバナンスの強化を図る。

首都圏版

全L協、需要開発セミナー開催 

高効率機器を拡販 燃転推進

全国LPガス協会(山田耕司会長)は8月29日までオンデマンド方式で2024年度需要開発セミナーを配信した。カーボンニュートラル(CN)に対応し高効率給湯器の普及を促進する。
需要開発委員会の齊藤敦久委員長があいさつし「LPガスのCN対応に向け、日本LPガス協会がロードマップを発表した。35年の国内需要を1250万㌧と予測し、うち16%の200万㌧を非化石仕様とする野心的な目標を掲げている。200万㌧のうち120万㌧がグリーンLPガス、20万㌧がカーボンクレジット、残り60万㌧は省エネ化、燃転の推進で達成する」と説明。「主に高効率給湯器の普及で達成しなければいけない。お客さま目線で言えば、CNは電化から始まる危惧もある。不本意な電化を防止するためにも、納得度が高い省エネ機器の拡販が重要だ。50年の全量グリーンLPガス化に向け省エネ、燃料転換の推進、高効率機器の拡販は最も重要なLPガス事業者の事業だ」と訴えた。

  • ガスパル那須販売所、住民交え炊き出しなど有事に備え訓練
山久プロパン(須坂市)、須坂市職場体験に協力

中学生を受け入れ

ねじ切り加工を体験する中学生

山久プロパン(本社・須坂市、宮川浩社長)は、このほど、須坂市内の中学校の職場体験学習に協力した。2日間にわたり中学生を受け入れ、山久プロパンの仕事を体感してもらった。生徒に有意義な時間を提供し、受け入れ側の職場も活気づいたという。

  • 【訃報】カグラベーパーテック会長・玉井健一氏
    国内外に気化器普及 業界発展に貢献
    玉井健一氏(たまい・けんいち=カグラベーパーテック代表取締役会長) 病気療養中のところ8月14日死去、66歳。告別式を近親者のみで行った。喪主は妻の直子(なおこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。 玉井氏は1958年2月25日、兵庫県芦屋市生まれ。東京大学法学部卒、三菱重工業入社。神戸造船所での営業に従事した。父、薫社長( 故人)の誘いを受けて1989年10月カグラインベスト(当時)に入社。東京営業所勤務、社長室長を経験し、1996年の管理部長就任後は就業規則の改定など社のバックボーンを再構築した。 玉井氏は会社の主軸をプラント事業からベーパーライザー事業にシフトチェンジ。97年の取締役副社長就任後、ベーパーライザーの市場占有率を高めるために開発・営業・製造部門の代表者が出席する「トップシェア会議」を設けた。会議からコンパクトベーパーライザー「ミニマム」など数多くのヒット商品を生み出し、ベーパーライザーの製造・販売に軸足を置いた供給機器事業を確立。99年社長に就任し、現在の業界シェア60%に至る同社の礎を築いた。 2003年には中国の現地法人、神楽燃気設備(上海)有限公司を設立。世界37カ国の海外ネットワークを確立した。08年の設立50周年を機に「名が体を表す名前にしたい」との思いから社名をカグラベーパーテックに変更。今年5月には田中恵里砂常務を新社長とし、自身は代表取締役会長に就いた。国内外を問わず可搬性に優れるクリーンエネルギー・LPガスで貢献。機器を通じて業界の発展に尽力した。

地方版

北海道=秋の展示会シーズン始まる 

ホクタンと空知ガス、「巣ごもり反動」巻き返し

北海道市場の展示会シーズンが始まった。8月24日には、ホクタン(本社・稚内市、中居利文社長)、空知ガス(同・深川市、樋口孝志社長)がそれぞれ展示会を開催し、多くの来場者を集めた。今シーズンは昨年まで続いた「巣ごもり需要」の反動をどう巻き返すかがキーワードとなっている。

多くの来場者でにぎわったホクタン秋のファミリー市

24~26日、稚内市の本社で盛大に開催した「ホクタン秋のファミリー市」には、続々と顧客が詰めかけ、3日間計3千世帯、売り上げ5千万円の目標をクリアした。同社営業一部の寺澤健一部長は、「初日の来場者が、昨年初日を上回る入り込みとなり、滑り出しは上々だった」と振り返るように連日、店内は活況となった。

真剣な表情で商品を吟味する空知ガスの顧客

24~25日に「来て・見て・ガス展2024」を本社ショールームLIPPL(リップル)で開いた空知ガス。動員、売上高とも目標をクリアした。リンナイ、パロマ、ノーリツの協賛を得て、こんろを特価で提供した。入れ替え目的の来場者が多く、メーカーの説明に真剣に耳を傾ける人が目立った。

東北=「残存簿価の買い取り供給は問題」 

日置純子室長が省令改正説明会で見解

270人の席が満席になった

日置純子氏

宮城県LPガス協会(渡邉政博会長)と東北液化石油ガス保安協議会(黒田隆一会長)は8月21日、仙台市の仙台サンプラザで、今年度2回目のLPガス法改正省令に関する説明会を行った。集合住宅の供給事業者が切り替わる際に、「新しい供給事業者がエアコンなどの設備の残存簿価を旧供給事業者から買い取って供給することなどは問題ある行為だ」と、経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部燃料流通政策室の日置純子室長が見解を示した。

中部=中部明友会トークコンテスト 7選手が営業スキル競う

最優秀賞は中岡氏(アポロ興産)

中部アストモス会(家喜正治会長)の推進組織、中部明友会(高野翔太世話人代表)は8月22日、名古屋市の名古屋国際センターで「2024年度セキュリティサービストークコンテスト」を開いた。昨年を上回る7選手が参加し、日ごろの営業活動の成果を披露。審査員と一般審査員の投票の結果、アポロ興産の中岡誉明氏が最優秀賞を獲得し、表彰状とトロフィーを授与された。

最優秀賞に輝いた中岡誉明氏の演技

  • 中部=三重県協、紀宝町・御浜町の2町と災害機器貸与で協定
  • 近畿・四国=滋賀県青年委員会、豊郷町にデリステ寄贈 野洲のおっさんも登場
近畿・四国=<新風見参2024>奈良県協青年部会長・松倉圭吾氏

「チーム奈良県」で勢い

松倉圭吾氏

6月28日、奈良県LPガス協会青年部会長に就任した。「『チーム奈良県』を合言葉に、部会を盛り上げていきたい。歴代の部会長にできるだけ早く追いつけるよう頑張るので、部会員には積極的に会に参加してほしい」と抱負を述べる。
2004年3月、同志社大学商学部を卒業し、同4月にエクソンモービルに就職。松倉商事に06年4月に入社し、青年部会には入社時から在籍している。部会の役割について「業界を盛り上げるために活動する若手の会。LPガス業界の継続性を担っている」と語る。

中国=山陰酸素、電話転送サービス導入 

業務効率化と保安高度化へ

保安センターに導入し、業務体制を改革した

働き方改革にも寄与
山陰酸素工業(本社・米子市、並河元社長)は、ワイドテック(同・東京、李光一郎社長)の電話転送サービス「転送録」を導入することで、集中監視センターや各支店の業務効率化と保安の高度化を実現した。
転送録は、固定電話の転送の自動化や、IP電話番号を駆使したさまざまな電話転送ができる。山陰酸素工業は転送録を採用することで、電話転送の開始と終了の切り替えを自動化した。鳥取と島根の両県で全10支店ある同社は、各支店の営業時間外は集中監視センターに電話を転送する。

九州=23年度のオール電化転換率微増 

機器故障を燃転好機に(福岡県協調査)

福岡県LPガス協会(手嶋健児会長)は毎年実施している「オール電化転換戸数実態調査」の2023年度の集計結果をまとめた。提出率低下で電化転換戸数は前年度より減少したが、転換率は微増傾向を示した。
県内LPガス顧客の電化転換戸数は2180戸(前年度比119戸減)で、転換率0・25%(同0・01%増)となった。報告数は665店(同47店減)、提出率91・7%(同6・5%減)。IHクッキングヒーターからSiセンサーコンロへの転換台数は29台(同32台減)、電気温水器からガス給湯器は356台(同119台減)、エコキュートからガス給湯器は105台(同58台増)、石油給湯器からガス給湯器は1208台(同556台減)となった。

住設・新技術

NBKマーケティング、防爆対応の「IoTカメラ」発売 

巡回や点検を容易に遠隔化へ

9月に販売を始める防爆対応の無線カメラ「LC―EX10」

NBKマーケティング(本社・東京、岡本英一郎社長)は9月から防爆エリアに対応したIoTカメラ「LC―EX10」の販売を始める。ガスと粉塵でそれぞれ「第二類危険箇所」(ゾーン2)に対応する。無線カメラと機械学習で、プラントなどの目視巡回点検を遠隔化するクラウドサービスLiLz Gauge(リルズゲージ)の新商品。電池で3年間駆動し、工事が不要。低コストで簡単に取り付けられる。

  • TOKAI、給水型浄水サーバー「Skitto」が子育て支援大賞に

<防災特集2024>

能登復興へ全力
・発災から8カ月 公費解体率1割
・奥・中能登、2充填所停止続くも仮設5000戸超立ち上げ
・ミライフ西日本珠洲、供給継続に使命感 基地、年内再開目指す
・川端商店(珠洲市)、顧客8割喪失も信頼バネに事業継続
・イワタニグループ、延べ205人現地入り 物資輸送や救援・炊き出し
・室金物店(輪島市)、ニーズに誠実対応 選ばれるエネへ雌伏
・石川県協会員の建物被害、半島全体で86% 奥能登、全壊9件
複合災害の爪痕深く 次代に教訓生かす
LPガス常設最前線ルポ
・イワタニセントラル福島=特養空調をGHP化 自立稼働3日に延長
・守谷市=体育館にGHP、4年計画で13校に フェーズフリーで児童生徒に好環境
・平山燃料=声掛けで地域住民と信頼醸成 容器のベルト二重掛け徹底
・ジャパンガスエナジー=企業版ふるさと納税で倉吉市にスタンド寄付 通学用LPGバスも
・国城寮(老人福祉施設)=移転機に燃料一本化 GHP388馬力や発電機
・八王子平和の家=バルクと非常用発電機で電源確保 利用者を一層安心に
・ガスパル近畿=防災イベント展開 有事貢献へアピール
・久留米エル・ピー・ガス=新社屋を働きやすく強靭に 多目的スペースの避難所開放も視野
・大和マルヰガス=事業継続へ余念なく 中撫川工場で水害訓練6年目
・エフ・ケイメカニック=冬平日に2週間給電 併燃車でV2H実証
BCP対策円滑に/メーカーイチ押し商品
・イワタニグループ=「カーセーブカバー」素早く包み浸水防止 配送・営業車・バルク車用も
・新コスモス電機=火災警報器「プラシオ」COに反応 煙を感知
・I・T・O=災害時対応ユニット 容器・バルクに後付け 移動式も
・桂精機製作所=高圧ホース・単段調整器「グラピタ」シリーズ 地震・風水害や雪害も
・矢崎エナジーシステム=LPガス低圧発電機 累計1万5000台を販売
・富士工器=災対バルクユニット ガス栓や低圧ホースを収納
2次災害防止へ供給設備万全に 高圧ホース放出防止型を標準設置

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